- 英
- phosphorous acid、phosphorous
WordNet
- containing or characteristic of phosphorus; "phosphoric acid" (同)phosphoric
PrepTutorEJDIC
- リンの,(特に)3価のリンを含む
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/11/16 17:48:54」(JST)
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亜リン酸(あリンさん、Phosphorous acid)は、化学式がH3PO3の無機化合物である。リンのオキソ酸の一つで、他にはリン酸と次亜リン酸がある。還元されたリン化合物のみ語尾が"ous"となっている。酸無水物の加水分解によって合成される。
- P4O6 + 6 H2O → 4 HP(O)(OH)2
これはリン酸と五酸化二リンとの関係に似ている。
互変異性[編集]
H3PO3は、HP(O)(OH)2側に互変異性化する。この化学種の平衡はP(OH)3側が劣勢である。トリヒドロキシ型は亜リン酸、ジヒドロキシ型はホスホン酸と呼ばれる。リン酸のいくつかはOとPとの間でのHの移動により複雑に互変異性化する。固体状態のとき、HP(O)(OH)2はP=O間が148 pm、P-O(H)間が154 pmの四面体構造をとる。
性質[編集]
水溶液中においてもHP(O)(OH)2の化学種が圧倒的に優勢であり2価の酸として作用する。
- H2PHO3 H+ + HPHO3− , pKa1 = 1.5
- HPHO3− H+ + PHO32− , pKa2 = 6.79
比較的強い還元剤としても働き、硝酸銀、塩化金(III)、および硫酸銅水溶液からそれぞれ金属を遊離し、酸性水溶液中の標準酸化還元電位は以下の通りである。
- H3PO4 + 2 H+ + 2 e− = H2PHO3 + H2O , E°= −0.276 V
亜リン酸塩はアルカリ金属およびアンモニウム塩は水に可溶で還元作用が強いが、アルカリ土類金属その他の塩は水に難溶性のものが多い。
合成[編集]
工業的には、三塩化リンを水または水蒸気で加水分解して合成される。
- PCl3 + 3 H2O → HP(O)(OH)2 + 3 HCl
亜リン酸カリウムは亜リン酸の前駆体である。
- K2HPO3 + 2 HCl → 2 KCl + H3PO3
慣例的に、亜リン酸カリウム水溶液は過剰な塩酸と一緒に処理される。アルコールによる濃縮と沈殿によって純粋な酸を分離することができる。
関連項目[編集]
- リン酸
- ホスホン酸
- 次亜リン酸
- ポリリン酸
- ホスフィン酸
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- 16. グリーンレポートNo.504(2011年6月号). 近年、各地で亜リン酸肥料の施用効果が 報告されてい. る。亜リン酸には、通常のリン酸肥料とは異なる効果が. あることが知られ ている。ただし、使用にあたっては注. 意すべき点があるため、その特性をよく理解する ...
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[★]
- 英
- oxo acid、oxoacid
。]]
オキソ酸(オキソさん、Oxoacid)とは、ある原子にヒドロキシル基 (-OH) とオキソ基 (=O) が結合しており、且つそのヒドロキシル基が酸性プロトンを与える化合物のことを指す<ref>IUPAC Gold Book - oxoacids</ref>。ただし、無機化学命名法IUPAC1990年勧告のオキソ酸の定義では、先述した化合物の他にアクア酸(aqua acid)<ref>中心金属イオンに配位した水分子に酸性プロトンが存在する酸。例:ヘキサアクア鉄(III)イオン</ref>、ヒドロキソ酸(hydroxoacid)<ref>隣接するオキソ基が存在しないヒドロキシル基に酸性プロトンが存在する酸。例:オルトケイ酸 (H4SiO4)</ref>もオキソ酸に含まれることになる。無機化合物のオキソ酸の例としては硫酸や硝酸、リン酸などが挙げられる。有機化合物で最も重要なオキソ酸はカルボン酸である。酸性の強弱は化合物の種類によりさまざまなものがある。一般に、オキソ酸は多原子イオンと水素イオンを与える。
オキソ酸が脱水縮合することで、ポリオキソ酸が生成する。例えば、リン酸では二リン酸、三リン酸である。酸無水物も同様に、オキソ酸の脱水縮合生成物にあたる。遷移金属元素のオキソ酸は金属オキソ酸(ポリ酸)と呼ぶ。
ポーリングの規則
単核オキソ酸の酸性度の強さを推定する2つの経験則としてポーリングの規則(Pauling's rules)が知られている。
- 1, 中心元素 E のオキソ酸の化学式が EOm(OH)n で表されるときに、酸解離定数 Ka は次の関係式で表される。
- <math>\mbox{p}K_a = -\log K_a \approx 8 - 5m </math>
- 2, n>1の酸の逐次酸解離のpKa値はプロトン解離が1回起こる毎に5ずつ増加する。
ただし、この規則に従わないオキソ酸も存在する。例えば炭酸の推定値は3であるが実測値は6.4である。これは水溶液中に溶けている二酸化炭素が僅かしか炭酸にならないためである。このことを考慮に入れるとpKa値は規則通り約3.6となる。また、亜硫酸も規則に従わない。これは溶液中に亜硫酸分子は検出されず、さらにSO2が複雑な平衡を持っているからである。
- <math>\rm CO_2 + H_2O \ \overrightarrow\longleftarrow \ H_2CO_3</math>
- <math>\rm SO_2 + H_2O \ \overrightarrow\longleftarrow \ H^+ + HSO_3^-</math>
オキソ酸の一覧
脚注
テンプレート:脚注ヘルプ
<references/>
関連項目
[★]
亜リン酸
- 関
- phosphorous acid
[★]
- 関
- phosphorous
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義
[★]
- 英
- phosphoric acid
- 関
- PO4
- pKa1=2.12
- pKa2=7.21
- pKa3=12.67