- 英
- greater splanchnic nerve (KH,B)
- ラ
- nervus splanchnicus major
- 関
- 小内臓神経、最小内臓神経
- 図:B.97(大まか),N.189(横隔膜の貫通)
- 中位の胸神経節(第5~9)から起こり、横隔膜を貫いて腹腔神経叢(および上腸間膜動脈神経叢)にはいる。
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/02/08 16:38:43」(JST)
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向かって右側の黄色の索状物が交感神経幹でそれに沿って左側あるのが大内臓神経である
大内臓神経(だいないぞうしんけい、英:greater splanchnic nerve)は主として胸髄のT6~T9(またはT5~T10)からおこる自律神経(交感神経)の節前繊維である。すなわち、脊髄から出て交感神経幹を通るがそこではニューロンを乗り換えず、そのまま腹腔に達しているものである。なお、大内臓神経・小内臓神経・最小内臓神経などを合わせて胸内臓神経(thoracic splanchnic nerves)ということがある。
目次
- 1 走行
- 2 機能
- 3 個体差
- 4 画像
- 5 参考文献
- 6 関連項目
走行[編集]
大内臓神経は第6~第9胸神経節から出て、交感神経幹を素通りし交感神経幹の内側を脊柱に沿って下降し横隔膜を貫いて腹腔に達する。このうち一部は腹腔神経叢に一部は腎神経叢に入りここにある椎前神経節でニューロンを乗り換え、腹部の臓器に分布する。なお第10~11胸神経節から出るものは小内臓神経と呼ばれる。これらは、腹腔神経叢において椎体前面・横隔膜脚・大動脈によって囲まれる空間に分布している。
機能[編集]
大内臓神経に含まれるのは交感神経繊維であり、これらは小内臓神経とともに腹腔神経節から腹部の血管や小腸などの内臓に分布し消化の抑制などに働いている。これと拮抗するのは迷走神経である。また大・小内臓神経には求心性の繊維も含まれており、これにより内臓痛が伝えられている。したがって、腹部悪性腫瘍などによる難治性の疼痛に対してこれらをブロックすることにより、痛みをやわらげることがある。
個体差[編集]
小内臓神経や最小内臓神経は存在しないことがあるが、大内臓神経は必ずあるとされる。しかし、どの位置の交感神経幹から分かれるかは人によって異なることが知られている。その中で最も多いとされるのは、T6~T9のレベルで分かれるというものである。少数だがT4~T11のような広いから分岐する場合やT5~T7の狭い範囲からしか分岐しない場合もある[1]。
画像[編集]
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自律神経の概念図。赤いのが交感神経で青いのが副交感神経
参考文献[編集]
- 伊藤隆(著); 高野廣子(改訂) (2001), 解剖学講義 (改訂2版/高野廣子改訂 ed.), 南山堂, ISBN 9784525100520, http://ci.nii.ac.jp/ncid/BA51357104
- 高田俊和 (2007), “経椎間板的内臓神経ブロック” (pdf), 新潟がんセンター病院誌 46 (2): 66-73, http://www.niigata-cc.jp/contents/facilities/ishi/Ishi46_2/Ishi46_2_01.pdf
出典[編集]
- ^ N. Naidoo et al: Thoracic splanchnic nerves. J. Anat. (2001) 199, 585-590
関連項目[編集]
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Japanese Journal
- 進行性消化器癌の癌性疼痛に対する大内臓神経切離術 (特集 知っておきたい癌緩和ケアの進歩) -- (癌性疼痛に対する緩和ケア)
- PPB-2-027 消化器癌の癌性疼痛に対する両側裂孔部大内臓神経切離術の緩和医療としての有用性(緩和医療2)
Related Links
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- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 - 内臓神経の用語解説 - 交感神経系に属し,腹部内臓を支配する神経。大内臓神経と小内臓神経がある。両神経は腸血管の収縮,消化管の運動と分泌抑制,内臓の感覚,特に痛覚などを司る。
- 【ベストアンサー】大内臓神経は交感神経系です(小内臓神経も)。さらに言うなら交感神経の節前線維の束です。腹腔神経節で節後線維に乗り換えて腹腔の内臓・器官に分布していきます ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- diaphragm (Z,K)
- ラ
- diaphragma
起始
神経
機能
横隔膜を貫く器官 (N.189)
- 高さ:T12
- 高さ:T8
- 高さ:T10
筋束を直接貫いているもの
裏側を通っている
体表解剖
- 第5肋骨と右鎖骨中線との交点、及び第6軟骨と左鎖骨中線との交点について、これら2交点を結ぶ線
発生
- 胸腔と腹腔は心腹膜管をとおして体の後壁に沿って連続している。
- 発生第5週のはじめに背外側?から胸腹膜ヒダが現れてのびだし、横中隔および食道間膜と癒合する。
- 発生第7週に胸腔と腹腔が分離する。
画像検査
胸部単純X線写真
- 正常者の横隔膜の位置は後方第10肋間 (wikipedia ja)
臨床関連
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 英
- celiac plexus (B)
- 同
- 太陽神経叢
- 関
- 腹腔神経節
概念
臨床関連
[★]
- 英
- adrenal medulla (Z)
- 関
- 副腎、副腎皮質
- クロム親和性細胞がカテコールアミンを合成
- クロム親和性細胞の顆粒中にはAD:NA=4:1で貯蔵されている(SPC.140)
- 交感神経節が内分泌器官に分化した組織 (SP.899)
- 胸髄(T5-T9)から出る交感神経節前ニューロン(大内臓神経の線維)の支配を受ける (SP.899)
- 英
- adrenal medulla
[★]
- 英
- lesser splanchnic nerve (B)
- ラ
- nervus splanchnicus minor
- 関
- 大内臓神経、最小内臓神経
- 図:B.97(大まか),N.189(横隔膜の貫通)
- 下位の胸神経節(第10~12)から起こり、腹腔神経叢と上腸間膜神経叢に入る(B.97)
[★]
- 英
- nerve
- ラ
- nervus
- 関
- ニューロン
解剖で分類
- 中枢神経 central nervous systen CNS
- 末梢神経 peripheral nervous system PNS
情報で分類
- 感覚神経 sensory nerve = 求心性線維 afferent nerve
- 運動神経 motor nerve = 遠心性線維 efferent nerve
機能で分類
- 体性神経 somatic nervous system SNS
- 自律神経 autonomic nervous system ANS
[★]
- 英
- splanchnic nerves
- ラ
- nervi splanchnici
[★]
- 英
- internal organ
- ラ
- viscus、viscera
- 関
- 臓側