- 英
- uveitis
- 同
- ブドウ膜炎
- 関
- ぶどう膜 uvea
病型
病因
- SOP.48
WordNet
- the part of the eye that contains the iris and ciliary body and choroid
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/03/25 07:51:54」(JST)
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ぶどう膜炎(ぶどうまくえん、英: Uveitis)は、ぶどう膜(虹彩、毛様体、脈絡膜)に炎症を起こす疾患である。
目次
- 1 概要
- 2 自覚症状
- 3 他覚所見
- 4 分類
- 4.1 炎症の様式による分類
- 4.1.1 肉芽腫性ぶどう膜炎
- 4.1.2 非肉芽腫性ぶどう膜炎
- 4.2 炎症の部位による分類
- 4.2.1 前部ぶどう膜炎
- 4.2.2 中間部ぶどう膜炎
- 4.2.3 後部ぶどう膜炎
- 4.2.4 びまん性ぶどう膜炎
- 5 治療
- 6 関連項目
|
概要
ぶどう膜(虹彩、毛様体、脈絡膜)に炎症を起こす疾患である。ぶどう膜炎自体は一つの疾患概念ではなく、様々な疾患の一つの表現形である。
充血、眼痛、比較的急激に視力障害をきたす。
またその原因は、全身疾患によっておこることが非常に多く、全身精査が必要なこともある。
自覚症状
三叉神経刺激による充血、羞明、疼痛、流涙、視力低下、飛蚊症、調節障害
他覚所見
毛様充血、前房の炎症、前房蓄膿、縮瞳、硝子体混濁、乳頭浮腫、白内障、眼圧上昇、緑内障
分類
炎症の様式による分類
ぶどう膜炎は、炎症の様式により下記の二つに大別される。おのおのに分類される疾患を列挙する。
肉芽腫性ぶどう膜炎
サルコイドーシス、原田病、交感性眼炎、結核、梅毒、ヘルペスウイルス感染症、トキソプラズマ症、レプトスピラ
非肉芽腫性ぶどう膜炎
ベーチェット病、強直性脊椎炎、関節リウマチ、Reiter症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病、糖尿病
炎症の部位による分類
前部ぶどう膜炎
主に虹彩に起きるものを
などと呼ぶこともある。
中間部ぶどう膜炎
後部ぶどう膜炎
びまん性ぶどう膜炎
治療
原病の治療を行うのと同時に、眼局所の治療も行う。 ぶどう膜炎は眼の局所の炎症が起こっているため、ステロイドの点眼、内服、点滴や非ステロイド性抗炎症薬の点眼を行う。抗生剤や抗ウィルス薬を使用することもある。
炎症が高度な場合、眼圧上昇を見たり、虹彩の水晶体への癒着することがある。そのため前者の場合抗緑内障薬、後者には予防や治療のために散瞳剤を使用することもある。
関連項目
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 小林 崇俊,高井 七重,多田 玲,竹田 清子,勝村 ちひろ,丸山 耕一,池田 恒彦
- あたらしい眼科 = Journal of the eye 28(5), 706-710, 2011-05-30
- NAID 10028248514
- Behcet 病ぶどう膜炎に対するインフリキシマブ療法の中期成績とその安全性の検討
- 岡村 知世子,大友 孝昭,布施 昇男,阿部 俊明
- あたらしい眼科 = Journal of the eye 28(5), 696-701, 2011-05-30
- NAID 10028248489
- 飯島 敬,市邉 義章,清水 公也
- あたらしい眼科 = Journal of the eye 28(5), 693-695, 2011-05-30
- NAID 10028248477
Related Links
- ぶどう膜とは、脈絡膜〈みゃくらくまく〉と毛様体〈もうようたい〉、虹彩〈こうさい〉の三つを まとめて呼ぶ総称です。これらは眼球全体を包み込むよう広がっています。なにかしら の原因でこれらの組織に炎症が起こることを「ぶどう膜炎」といいます。まずは、ぶどう膜 と ...
- 移動: 案内、 検索. ぶどう膜炎(ぶどうまくえん、英: Uveitis)は、ぶどう膜(虹彩、毛様体 、脈絡膜)に炎症を起こす疾患である。 目次. 1 概要; 2 自覚症状; 3 他覚所見; 4 分類. 4.1 炎症の様式による分類. 4.1.1 肉芽腫性ぶどう膜炎; 4.1.2 非肉芽腫性ぶどう膜炎 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 40歳の女性。皮疹と全身倦怠感とを主訴に来院した。3か月前から顔面、両肘および両手に皮疹が出現した。2週前から四肢の脱力、筋肉痛および全身倦怠感を認めた。意識は清明。身長158cm、体重52kg。体温37.2℃。脈拍72/分、整。血圧120/84mmHg。呼吸数28/分。赤沈38mm/1時間。血液所見:赤血球420万、Hb 11.5g/dl、Ht 40%、白血球4,700、血小板28万。血液生化学所見:CK1,404IU/l(基準30~140)。免疫学所見:CRP 0.4mg/dl、抗核抗体80倍(基準20以下)。顔面と手の写真(別冊No.24A、B)を別に示す。
- この疾患で注意すべき合併症はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107I070]←[国試_107]→[107I072]
[★]
- 56歳の男性。昨日から右眼の視野異常を生じ来院した。1週前から右眼の飛蚊症と光視症とを自覚している。視力は右0.9(矯正不能)、左1.2(矯正不能)。眼圧は右6mmHg、左15mmHg。右眼の眼底写真を以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [095D008]←[国試_095]→[095D010]
[★]
- 53歳の女性。人間ドックの眼底検査で異常を指摘され来院した。視力は右1.0(矯正不能)、左1.0(矯正不能)。左眼底写真と視野図とを以下に示す。右眼底も同様の所見である。考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097D008]←[国試_097]→[097D010]
[★]
- 大腸疾患と合併症の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [101F030]←[国試_101]→[101F032]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [110I037]←[国試_110]→[110I039]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100B070]←[国試_100]→[100B072]
[★]
- 英
- Crohn disease, Crohn's disease
- 同
- Crohn病
- 限局性回腸炎 regional ileitis、回腸末端炎、終末回腸炎 terminal ileitis
- 関
- 潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患 inflammatory bowel disease
- first aid step1 2006 p.113,140,276,280,283,326,427
- see also 消化器系チュートリアルの材料.xls
まとめ
- 特定疾患治療研究事業に含まれる疾患である(特定疾患)。消化管のあらゆる部位に非連続性に起こる原因不明・全層性の慢性肉芽腫性炎症疾患である。10歳後半から20歳代の若年者に多く、また男性に多い(男女比2:1)。病因は不明であるが、炎症反応の亢進であるかもしれない。病理学的にはリンパ球、形質細胞浸潤を伴う全層性炎症像がみられる。また、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が特徴的である。症状は腹痛、下痢、発熱、体重減少などあり、肛門病変(痔瘻や裂肛)が初発することがある。血液検査では炎症所見(WBC,CRP上昇、赤沈亢進)が見られ、貧血、低栄養の所見、またα1アンチトリプシン試験で異常となる。画像検査では、非連続性の病変が認められ、またアフタ状潰瘍、腸間膜付着側の縦列潰瘍、敷石像、瘻孔形成、肛門病変が認められる。治療は内科的治療が中心である。絶食、栄養療法(成分栄養剤による経腸栄養療法、経静脈栄養。小腸ok)、薬物療法(サラゾスルファピリジン(大腸only)、メサラジン(小腸・大腸ok)。ステロイド(栄養療法・5-アミノサリチル酸不応例)、インフリキシマブ、免疫抑制薬、顆粒球吸着療法(GCAP)が行われる。外科療法は狭窄、膿瘍、肛門病変に対して行われる。(SSUR.535 YN A-62)
比較
Table 15-10. Distinctive Features of Crohn Disease and Ulcerative Colitis*
|
Feature
|
Crohn Disease (Small intestine)
|
Crohn Disease (Colon)
|
Ulcerative Colitis
|
Macroscopic
|
Bowel region
|
Ileum ± colon†
|
Colon ± ileum
|
Colon only
|
Distribution
|
Skip lesions
|
Skip lesions
|
Diffuse
|
Stricture
|
Early
|
Variable
|
Late/rare
|
Wall appearance
|
Thickened
|
Variable
|
Thin
|
Dilation
|
No
|
Yes
|
Yes
|
Microscopic
|
Pseudopolyps
|
None to slight
|
Marked
|
Marked
|
Ulcers
|
Deep, linear
|
Deep, linear
|
Superficial
|
Lymphoid reaction
|
Marked
|
Marked
|
Mild
|
Fibrosis
|
Marked
|
Moderate
|
Mild
|
Serositis
|
Marked
|
Variable
|
Mild to none
|
Granulomas
|
Yes (40% to 60%)
|
Yes (40% to 60%)
|
No
|
Fistulas/sinuses
|
Yes
|
Yes
|
No
|
Clinical
|
Fat/vitamin malabsorption
|
Yes
|
Yes, if ileum
|
No
|
Malignant potential
|
Yes
|
Yes
|
Yes
|
Response to surgery‡
|
Poor
|
Fair
|
Good
|
概念
- 原因不明の炎症性疾患
- 腸壁全層に肉芽腫形成が見られる
- 小腸や大腸に縦走潰瘍、敷石像、アフタの形成
病型
- 病変の存在部位により分類(小腸型、小腸大腸型、大腸型、特殊型など)
- 頻度:小腸大腸型>小腸型>>大腸型
病理
病因
- 遺伝的因子 + 環境因子(食餌抗原や細菌、ウイルス感染など) → 免疫異常 → 腸管に慢性炎症性変化
症状
- 主要症状:腹痛、下痢、発熱、体重減少 ← 水様性下痢が一般的で血便が見られることは少ない(QB.A-142)
- 腹痛(臍周囲部および回盲部痛)、間欠性発熱、下痢、嘔吐、肛門部病変。体重減少、貧血
合併症
- 1. 消化管合併症:狭窄、瘻孔、痔瘻、肛門周囲膿瘍
- 2. 消化管外合併症
続発症
検査
- 腹部単純X線写真:イレウスを疑う症例ではニボーの確認のために重要。クローン病の確定診断にはやくにたたない。
- 上部消化管内視鏡
- 下部消化管内視鏡
- 小腸造影:小腸病変の評価。特に回腸末端の病変、程度、潰瘍、狭窄、瘻孔
- 腹部造影CT:TNFα阻害薬やステロイドを用いる際には、腹部から触知下腫瘤が腸管の癒着か、膿瘍の合併によるものかを評価する必要がある(QB.A-144)
- 注腸造影:大腸病変の描出
[show details]
[show details]
- 左:縦走潰瘍。右:cobble stone appearance
診断
[show details]
- (1)
臨床所見
消化管病変
- (a)縦走潰瘍(注1)
- (b)敷石像(注2)
- (c)腸管の狭小,狭窄
- (d)非連続性又は区域性病変(いわゆるskip lesion)
- (e)内瘻(腸-腸瘻,腸-膀胱瘻,直腸-腟瘻など)
- (f)外瘻(腸-皮膚瘻)
- (g)不整形潰瘍
- (h)多発アフタ(注3)
- (a)難治性痔瘍
- (b)肛門周囲膿瘍
- (c)裂肛
- (d)潰瘍
- (e)肛門皮垂(skip tag)など
- (a)多発アフタ
- (b)潰瘍
- (c)狭窄など
- (d)敷石像など
消化管外病変
- 血液:貧血,低蛋白血症
- 関節:腸性関節炎,強直性脊椎炎
- 皮膚:口内アフタ,結節性紅斑,壊死性膿皮症,多形滲出性紅斑など
- 眼:虹彩炎,ぶどう膜炎など
- 栄養代謝: 成長障害,微量元素欠乏,ビタミン欠乏(ビタミンB12,葉酸など),アミロイ ドーシスなど
- 悪性腫瘍:腸癌など
- その他:原発性硬化性胆管炎
病理学的所見
切除標本肉眼所見
- 縦走潰瘍(注1)
- 敷石像(注2)
切除標本組織所見
- 非乾酪性類上皮細胞肉芽腫(局所リンパ節にもみられることがある)(注4)
- 全層性炎症(注5)
- 裂溝
- 潰瘍
生検組織所見
- 非乾酪性類上皮細胞肉芽腫(注4)
- --------------------------------------------------------------------------------
- (注1)腸管の腸軸方向に4~5cm以上の長さを有する潰瘍で活動期潰瘍では,近傍に炎症性ポリープや敷石像を伴うことが多い。虚血性大腸炎で縦走潰瘍を認めることがあるが,炎症性ポリポーシスや敷石像を伴うことは稀である。潰瘍性大腸炎で縦走潰瘍を認めることがあるが,その周辺粘膜は潰瘍性大腸炎に特徴的な所見を呈する。
- (注2)縦走潰瘍とその周辺小潰瘍間の大小不同の密集した粘膜隆起であり,密在した炎症性ポリポーシスもこれに含める。虚血性大腸炎の場合,肉眼標本上で浮腫や残存粘膜等が敷石 像類似の所見を呈することがあるが,その高さは低く,発赤調が強い。
- (注3)クローン病では縦列することがある。
- (注4)非乾酪性類上皮細胞肉芽腫は腸結核でも認められることがある。
- (注5)主にリンパ球からなる集簇巣が消化管壁全層にみられるもの。
- --------------------------------------------------------------------------------
診断の基準
(1)主要所見
- A. 縦走潰瘍
- B. 敷石像
- C. 非乾酪性類上皮細胞肉芽腫
(2)副所見
- a. 縦列する不整形潰瘍又はアフタ
- b. 上部消化管と下部消化管の両者に認められる不整形潰瘍又はアフタ
-
- 確診例 1 主要所見のA又はBを有するもの(注6,7)。
- 2 主要所見のCと副所見のいずれか1つを有するもの。
-
- 疑診例 1 副所見のいずれかを有するもの(注8)。
- 2 主要所見のCのみを有するもの(注9)。
- 3 主要所見のA又はBを有するが虚血性大腸炎,潰瘍性大腸炎と鑑別ができないもの。
- --------------------------------------------------------------------------------
- (注6)縦走潰瘍のみの場合,虚血性大腸炎や潰瘍性大腸炎を除外することが必要である。
- (注7)敷石像のみの場合,虚血性大腸炎を除外することが必要である。
- (注8)副所見bのみで疑診とした場合は同所見が3カ月恒存することが必要である。
- (注9)腸結核などの肉芽腫などを有する炎症性疾患を除外することが必要である。
- --------------------------------------------------------------------------------
鑑別診断
- IMD
治療
YN.A-66
外科療法
- 狭窄、瘻孔形成、痔瘻の場合に適応となる。
- 腸切除の後遺症:吸収障害(脂肪>蛋白>糖)、[回盲部切除]胆汁酸・ビタミンB12の吸収不良、小腸内細菌異常増殖(結腸からの侵入?)
USMLE
参考
- http://jsp.umin.ac.jp/corepictures2007/09/c01/index.html
- http://www.jimro.co.jp/ibd/index_ibd.htm
- http://mimibukuro.org/cd/medical-guideline08/2/
- アフタ病変
- http://www.ajronline.org/content/179/4/1029/F14.expansion
- 縦走潰瘍
- http://www.ajronline.org/content/179/4/1029/F12.expansion
- 偽ポリープ
- http://rfs.acr.org/gamuts/data/images/ID1143.htm
国試
[★]
- 英
- sarcoidosis
- 同
- サルコイド症、ベック病 Boeck disease、ベック類肉腫 Boeck sarcoid Boeck's sarcoid、ベニエー・ベック・シャウマン病 morbus Besnier-Boeck-Schaumann、血管類狼瘡 angio-lupoide
- 関
- 難病
概念
- 特定疾患治療研究事業の対象となっている難病である。
- 原因不明の全身性疾患
病因
- P. acnes?が抗原としてTh細胞に提示されるため?
- HLA-DRB1*1101 are assosiated with an increased risk for developing sarcoidosis (HIM.2136)
疫学
- 若年と中年に好発。
- 北に多く南に少ない。黒人に多い。HLAやサイトカイン遺伝子が関与か?
病型
病理
- 真皮および皮下組織に、結合組織に被包された類上皮細胞の特徴的な島嶼状結節性の肉芽腫がある。
- 皮膚では複数の類上皮細胞肉芽腫が主に真皮の上中層に生じる。ときに真皮深層、皮下組織、筋層に生じうる。
症候
- 無症状での検診発見例が大多数。微熱などの症状を出して来院することはまれ。
- 肺病変 :両側肺門リンパ節腫脹(bilateral hilar lymphadenopathy, BHL):胸部X線所見の割には無症状。
- 眼病変 :両眼性霧視(ぶどう膜炎、硝子体炎)
- 心病変 :心サルコイドーシス。心ブロック、不整脈、Adams-Stokes症候群
- 皮膚病変:2型ある。結節型、びまん浸潤型が多く、古い瘢痕(肘、膝)にサルコイド肉芽腫ができることがある。この肉芽腫を病理診断に使うと浸襲が少ない。
- 内分泌異常:高ACE活性、高カルシウム血症
- その他・・無痛性表在リンパ節腫大や心病変(まれだが本症の急死の原因)脳神経(致死的)
病変部位の頻度
- 肺(縦隔・肺門リンパ節,肺)95%以上
- 眼(ぶどう膜,網膜,硝子体)30-40%
- 皮膚5-10%
- 表在リンパ節腫脹のみられることがあり,時に心臓病変がみられる。
- YN I-112
- 初発症状:眼(眼前霧視)50%、呼吸器症状15%、皮膚症状5-10%、両側耳下腺腫脹、リンパ節腫脹
検査
- 生検:病理的に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を証明する。経気管支的肺生検や前斜角筋生検が行われる。
- 画像検査
- 胸部単純X線写真:両側肺門部リンパ節腫脹(BHL)、びまん性陰影、結節影、空洞病変、網状影、浸潤影、小粒状影
- 分類(I~III型):(I型)BHL、(II型)BHL+肺野病変、(III型)肺野病変。I型が最多。
- 胸部CT:縦隔リンパ腺腫脹、血管・気管支周囲の肥厚・不整像、胸膜不整像
- ガリウムシンチグラム(67Ga):病変部に集積。
- テクネシウムシンチグラム(99mTc):病変部に欠損像
- タリウムシンチグラム(201Tl):灌流欠損像
- PET:高集積
- 気管支鏡検査:気管分岐部周囲や両主気管支に毛細血管の増生・拡張や腫大したリンパ節による圧排像を認めうる。気管支内にサルコイド結節(肉芽腫)を認めうる。
- 気管支肺胞洗浄
- 細胞数増加
- リンパ球増加
- CD4/CD8比:高値 (喫煙者でも上昇しうる) → 液性免疫優位。血清γグロブリン上昇はこのためか?
- 皮膚生検、皮下結節生検、表在リンパ節生検、前斜角筋リンパ節生検、肝生検、縦隔・肺門部リンパ節生検:非乾酪性類上皮細胞肉芽腫の証明
診断
診断基準
- 参考1
- 組織診断群(確実) :1-(2)のいずれかの臨床・検査所見があり,1-(3)が陽性。
- 臨床診断群(ほぼ確実):1-(2)①,②のいずれかの臨床所見があり,1-(2)③の(a)(ツベリクリン反応)又は(c)(血清ACE)を含む3 項目以上陽性。
- (1) 臨床症状:呼吸器症状(咳・息切れ),眼症状(霧視),皮膚症状(丘疹)など。
- (2) 臨床所見・検査所見
-
- (a) 胸部X 線・CT 所見(両側肺門リンパ節腫脹,びまん性陰影,血管・胸膜の変化など)
- (b) 肺機能所見(%VC・DLco・PaO2 の低下)
- (c) 気管支鏡所見(粘膜下血管のnetwork formation,結節など)
- (d) 気管支肺胞洗浄液所見※1(総細胞数・リンパ球の増加,CD4/8 上昇)
- (e) 胸腔鏡所見(結節,肥厚,胸水など)
- (a) 眼病変(前部ぶどう膜炎,隅角結節,網膜血管周囲炎など) → 眼サルコイドーシス
- (b) 皮膚病変(結節,局面,びまん性浸潤,皮下結節,瘢痕浸潤)
- (c) 表在リンパ節病変(無痛性腫脹)
- (d) 心病変(伝導障害,期外収縮,心筋障害など) → 心サルコイドーシス
- (e) 唾液腺病変(耳下腺腫脹,角結膜乾燥,涙腺病変など)
- (f) 神経系病変(脳神経,中枢神経障害など)
- (g) 肝病変(黄疸,肝機能上昇,結節など)
- (h) 骨病変(手足短骨の骨梁脱落など)
- (i) 脾病変(腫脹など)
- (j) 筋病変(腫瘤,筋力低下,萎縮など)
- (k) 腎病変(持続性蛋白尿,高カルシウム血症,結石など)
- (l) 胃病変(胃壁肥厚,ポリープなど)
- (a) ツベルクリン反応陰性
- (b) γグロブリン上昇
- (c) 血清ACE 上昇
- (d) 血清リゾチーム上昇
- (e) 67Ga 集積像陽性(リンパ節,肺など)
- (f) 気管支肺胞洗浄液の総細胞数・リンパ球増加,CD4/8 上昇
- 類上皮細胞からなる乾酪性壊死を伴わない肉芽腫病変生検部位(リンパ節,経気管支肺生検,気管支壁,皮膚,肝,筋肉,心筋,結膜など)。クベイム反応も参考になる
治療
- stage0やⅠ(BHL)では経過観察
- stageⅡ(BHL+肺陰影)、Ⅲ(肺陰影のみ)、Ⅳ(肺繊維化)では
- 1ステロイド(8割) 2免疫抑制剤メソトレキセート・アザチオプリン(難治性2割に)
予後
- 70%は2年以内に自然寛解。5-10%は難治性に進行。
- 死因の60%は心サルコイドーシスであり、心病変(刺激伝導障害)をきたす。
参考
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/266
- http://www.nanbyou.or.jp/upload_files/043_s.pdf
- http://www.jssog.com/www/top/shindan/shindankijyun.html
[★]
- 英
- Vogt-Koyanagi-Harada disease
- 同
- フォークト-小柳-原田症候群 Vogt-Koyanagi-Harada syndrome、Vogt-Koyanagi-Harada病、ぶどう膜髄膜脳炎症候群 ぶどう膜・髄膜・脳炎症候群 uveo-meningo-encephalitis syndrome、特発性ぶどう膜炎 idiopathic uveitis、原田病 Harada disease、小柳病 Koyanagi disease
- 関
- 交感性眼炎、ぶどう膜炎
[show details]
概念
- 全身のメラノサイトを標的とする原因不明の自己免疫疾患。
疫学
- 有病率:人口100万人対15.5人(SOP.57)
- 罹患率:人口100万人対6.3人(SOP.57)
遺伝
- 日本人を中心としたアジア人に多発
- HLA-B54(35%)、HLA-DR4(95%)、HLA-DR53(100%)、HLA-DQ4(90%) (SOP.57) ← 患者におけるHLAのタイピング?
病態と症候
- 症状は全て色素細胞(髄膜、ぶどう膜、内耳、毛髪)を中心とした炎症の結果生じる
- 全身:漿液性髄膜炎、内耳症状(難聴、耳鳴り、めまい)、皮膚症状(皮膚白斑)、毛髪症状(白髪、脱毛)
症状
- 視力低下(網膜下の漿液が吸収され玲玲場視力は回復する)
合併症
検査
- 髄液検査:小リンパ球主体の増加
- 細隙灯顕微鏡
- 蛍光眼底検査:(炎症の活動期(眼病気))脈絡膜からの多発性点状蛍光漏出
[show details]
診断
- 急性両眼整備慢性ぶどう膜炎、蛍光眼底検査による限局性網膜剥離、漿液性髄膜炎
治療
- ステロイドパルス療法、あるいはステロイド大量療法が行われる。ステロイド減量時に炎症が再発しうるので、徐々に減少するようにする。
- ステロイドの減量がうまくいかない場合、免疫抑制剤の投与が考慮される。
予後
- ステロイドによる治療で予後良好であるが、治療が適切でない場合再発を繰り返す遷延型に移行
参考
- http://www.fujitaec.or.jp/budoumakuen/budoumakuen_003.html
- 2. 写真 - sunset glow fundus
- http://www.ojhas.org/issue38/2011-2-24.htm
- http://www.ojhas.org/issue38/2011-2-24-4.gif
- http://www.ojhas.org/issue38/2011-2-24-4.gif
国試
[★]
- 英
- vitreous hemorrhage
- ラ
- haemorrhagia corporis vitrei
- 関
- 眼底出血、網膜前出血
原因
- 出典不明
[★]
- 英
- flying flies, myodesopsia, floater before the eye
- ラ
- muscae volitantes
概念
- 生理的には、加齢により硝子体の液状変性がすすみ、変性凝縮した硝子体線維による影により飛蚊症が自覚される。(SOP.15,107)
飛蚊症を呈する疾患・病態
[★]
- 英
- acute anterior uveitis, AAU
- 関
- 前部ぶどう膜炎
[★]
- 英
- posterior uveitis
- ラ
- uveitis posterior
- 同
- 後部ブドウ膜炎
- 関
- ぶどう膜炎
[★]
- 英
- hypopyon uveitis
- 関
- 前房蓄膿
[★]
- 関
- 炎光、炎症