出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/08/15 17:25:18」(JST)
未熟児網膜症(みじゅくじもうまくしょう、英: Retinopathy of prematurity, ROP)は、眼の網膜血管の未熟性に関連し、病態の悪化に伴い増殖性変化をきたし、重症例では網膜剥離を併発し失明にいたる疾患。
網膜血管の未熟性に関連し、網膜血管の進展不足により、網膜周辺部の無血管野が生じる。その境界部より新生血管・線維性増殖を生じ、網膜剥離に進展する。 出生体重1800g以下、在胎週数34週以下の未熟児に対しては定期的な観察が必要である。初回検査時期は生後3週目又は修正在胎週数29週を目処にする。
新生児医療の進歩により未熟児生存率が上昇した時代、未熟児医療施設に未熟児網膜症に対するリスク管理の知識が行き渡らず、1950年前後のアメリカでは小児失明原因のトップとなり、日本でも1970年前後には多発した。現在は経皮的酸素分圧モニターで未熟児の動脈酸素管理を行う。[1] 高濃度酸素投与以外にも、極低出生体重(1500g未満)[2]で在胎期間が短い場合の未熟性、呼吸窮迫症候群、脳室内出血、輸血・敗血症などが発症に複雑にからむと考えられている[3]。
活動期の分類には厚生省分類と国際分類がある。厚生省分類では発展段階を主に、比較的ゆるやかな経過のI型と、段階的な進行を経ず比較的早く進行して網膜剥離に至るII型に分類し、国際分類にはない瘢痕期分類が存在する。国際分類は病期(Stage ステージ)と病変位置・範囲(Zone ゾーン)の2つに分けた上でそれぞれを分類している。[4]
段階的に比較的ゆっくり進行するI型2期(厚生省分類)までは自然治癒することが多いので経過観察となる。次の段階に進行すれば治療的介入が検討される。[5]
無血管野領域に対し、網膜光凝固術や網膜冷凍凝固術を行うことがある。 また硝子体手術を行うこともある。
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[★] 未熟児網膜症 retinopathy of prematurity
構造 | 層 | 細胞体 | ||
脈絡膜 | ||||
網膜 | ||||
1 | 色素上皮層 | 色素上皮細胞 | pigment epithelium cell | |
2 | 杆体錐体層 | rod and cone layer | ||
3 | 外境界膜 | |||
4 | 外顆粒層 | outer nuclear layer | 視細胞 | photoreceptor |
5 | 外網状層 | outer plexiform layer | ||
6 | 内顆粒層 | inner nuclear layer | 双極細胞 | bipolar cell |
水平細胞 | horizontal cell | |||
アマクリン細胞 | amacrine cell | |||
7 | 内網状層 | inner plexiform layer | ||
8 | 神経節細胞層 | ganglion cell layer | 神経節細胞 | ganglion cell |
9 | 神経線維層 | optic nerve fiber layer | ||
10 | 内境界膜 |
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