メトクロプラミド
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/08/09 23:13:10」(JST)
[Wiki ja表示]
消化管機能改善薬(しょうかかんきのうかいぜんやく)とは胃内容の排出異常を改善する薬である。胃炎や機能性上部消化管症候群の自覚症状を改善する薬である。器質的疾患の改善に本質的な効果はないと考えられている。
機能性上部消化管症候群[編集]
胸やけ、げっぷ、悪心、胃もたれ感、上腹部の痛みといった上部消化管の自覚症状があるにもかかわらず内視鏡にて器質的な異常がない場合を機能性上部消化管症候群という。
胃腸機能改善薬の分類[編集]
- 副交感神経刺激薬(アセチルコリン作動薬)
- S・M
- ドパミン受容体拮抗薬(抗ドパミン薬)
- ドパミンD2受容体は消化管にもCTZにも存在するため、消化器症状による悪心がある場合は特に重宝する。
- メトクロプラミド(プリンペラン®)、ドンペリドン(ナウゼリン®)など
- オピアト作動薬
- 消化管に存在するオピオイド受容体に作用する。
- マレイン酸トリメブチン(セレキノン®)
- 選択的セロトニン5-HT4作動薬
- クエン酸モサプリド (ガスモチン®)
- 消化酵素薬
- 消化酵素配合薬
- エクセラーゼ
- 漢方薬
- 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)、安中散(あんちゅうさん) 、六君子湯(りっくんしとう) などを用いる。
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- メトクロプラミド(プリンペラン)の過量投与により全身性けいれんに至った1乳児例 (主題 けいれん性疾患)
- PAC療法における消化器症状に対するmetoclopramide, dexamethasone, antihistamine 3剤併用の効果
- 小林 浩
- 日本産科婦人科學會雜誌 40(2), 153-159, 1988-02-01
- … 外来維持強化化学療法としてのPAC療法に伴う消化器症状を抑制するために, プリンペラン, オルガドロン, クロルトリメトンの3剤併用を試み, その制吐効果をrandomized parallel studyにより検討した. … 今回使用した制吐剤は, 化学療法当日がプリンペラン(1mg/kg, 2.5時間毎, 4回), オルガドロン(5mg, 2.5時間毎, 4回), クロルトリメトン(10mg, 5時間毎, 2回)であり, 5日間で漸減した. …
- NAID 110002112882
Related Links
- プリンペランとは?メトクロプラミドの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。 すべての副作用を掲載しているわけではありません。
- アステラス製薬株式会社のプリンペラン錠5(消化器官用薬)、一般名メトクロプラミド(Metoclopramide) の効果と副作用、写真、保管方法等を掲載。 ... 以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。副腎の ...
- プリンペラン(消化管のはたらきをよくする薬 )について主な作用 副作用 用い方と注意点を説明します ... 主な作用 弱っている消化管(胃・腸・胆のう)の運動を調節する作用があり、また吐き気を抑える作用もあります。
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
プリンペラン注射液10mg
組成
有効成分(1管2mL中)
- 塩酸メトクロプラミド10mg
(メトクロプラミドとして7.67mg)
添加物(1管2mL中)
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 褐色細胞腫の疑いのある患者[急激な昇圧発作を起こすおそれがある。]
- 消化管に出血、穿孔又は器質的閉塞のある患者[本剤には消化管運動の亢進作用があるため、症状を悪化させるおそれがある。]
効能または効果
- 次の場合における消化器機能異常(悪心・嘔吐・食欲不振・腹部膨満感)
- 胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胆嚢・胆道疾患、腎炎、尿毒症、乳幼児嘔吐、薬剤(制癌剤・抗生物質・抗結核剤・麻酔剤)投与時、胃内・気管内挿管時、放射線照射時、開腹術後
- X線検査時のバリウムの通過促進
- メトクロプラミドとして、通常成人1回7.67mg(塩酸メトクロプラミドとして10mg、注射液1管)を1日1?2回筋肉内又は静脈内に注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 小児(「小児等への投与」の項参照)
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 腎障害のある患者[高い血中濃度が持続するおそれがある。]
- 脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者[悪性症候群(Syndrome malin)が起こりやすい。]
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状
- ショック、アナフィラキシー様症状(呼吸困難、喉頭浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
悪性症候群(Syndrome malin)
- 悪性症候群があらわれることがあるので、無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎不全へと移行し、死亡した例が報告されている。
意識障害
- 意識障害があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
痙攣
- 痙攣があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
遅発性ジスキネジア
- 長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれ、投与中止後も持続することがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
薬効薬理
消化管の運動調整作用
胃運動に及ぼす影響
- イヌを用いたバルーン法による実験で、メトクロプラミドは胃運動を亢進させることが確かめられている4)5)。
ヒトにおけるレントゲン映画法による検討においても、本剤が胃運動の低下した状態に対して優れた効果を示し、その運動性と通過性を高めることが明らかにされている6)。
幽門部・十二指腸の運動に及ぼす影響
- イヌを用いた実験で、メトクロプラミドは十二指腸の運動を亢進する4)。ヒトにおいて、本剤の投与により、幽門の機能的狭窄(痙攣)を除き、その通過性を促す。さらに、十二指腸球部及びそれに続く十二指腸各部を拡張せしめ、その運動を亢進することが確かめられている7)8)。
回腸・大腸の運動に及ぼす影響
- イヌを用いた実験で、メトクロプラミドは回腸運動に対して明らかな作用は示さず、大腸では全く作用が認められていない9)。
制吐作用5)10)?14)
- メトクロプラミドは中枢性嘔吐、末梢性嘔吐のいずれに対しても制吐作用を示す。イヌを用いた実験で、アポモルヒネ又はヒデルギンの投与、あるいはchemoreceptor trigger zoneを直接電気刺激して起こした嘔吐に対しても、また、硫酸銅の経口投与による嘔吐に対しても、メトクロプラミドは明らかな抑制作用を示す。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- 塩酸メトクロプラミド
(Metoclopramide Hydrochloride)
化学名
- 4-Amino-5-chloro-N-(2-diethylaminoethyl)-2-methoxybenzamide dihydrochloride monohydrate
分子式
分子量
性状
- 塩酸メトクロプラミドは白色?淡黄白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかにアミン臭があり、味は極めて苦い。水、メタノール又はエタノール(95)に溶けやすく、アセトンに溶けにくく、クロロホルムに極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。水溶液(1→10)のpHは約1である。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- serotonin syndrome
- 関
- セロトニン、セロトニン受容体
概念
- 抗うつ薬(特に SSRI と呼ばれる選択的セロトニン再取り込み阻害薬。≒セロトニン受容体作動薬)などのセロトニン系の薬物を服用中に出現する副作用
- 精神症状(不安、混乱する、いらいらする、興奮する、動き回るなど)
- 錐体外路症状(手足が勝手に動く、震える、体が固くなるなど)
- 自律神経症状(汗をかく、発熱、下痢、脈が速くなるなど)
- 服薬開始数時間以内に症状が表れることが多い
- 服薬を中止すれば24時間以内に症状は消失
- 「不安」、「混乱する」、「いらいらする」に加えて以下の症状がみられる場合に医療機関受診を推奨している(参考1)
- 「興奮する」、「動き回る」、「手足が勝手に動く」、「眼が勝手に動く」、「震える」、「体が固くなる」、「汗をかく」、「発熱」、「下痢」、「脈が速くなる」
原因となりうる薬剤
トリプトファン、アンフェタミン、コカイン、MDMA、LSD、レボドパ、カルビドパ、トラマドール、ペンタゾシン、メペリジン、SSRI、SNRI、TCA、MAO阻害薬、リネゾリド、5-HT3阻害薬(オンダンセトロン、グラニセトロン)、メトクロプラミド(プリンペラン)、バルプロ酸、カルバマゼピン、シブトラミン(やせ薬)、シクロベンザプリン(中枢性筋弛緩)デキストロメルファン、(メジコン)、ブスピロン(5-HT1A阻害薬、抗不安薬)、トリプタン製剤、エルゴタミン、フェンタニル、リチウム
診断基準
- QJM. 2003 Sep;96(9):635-42
Hunter criteria
感度84%, 特異度97%
参考
- http://www.pmda.go.jp/files/000144659.pdf
[★]
商品
[★]
- 英
- metoclopramide
- 関
- ベンズアミド
- 商
- Reglan、プリンペラン、エリーテン、テルペラン、プロメチン、アノレキシノン、ネオプラミール、フォリクロン、プラミール、ペラプリン、プリンパール
特徴
構造
薬理作用
- 消化器機能をつかさどる脳幹部に作用し、食道から近位小腸までの平滑筋の運動を増強し、胃内容物の排出、腸管内での移動を促進する
- 中枢性のみならず末梢性の嘔吐を抑制する。
適応
- プリンペラン錠
- 次の場合における消化器機能異常(悪心・嘔吐・食欲不振・腹部膨満感)
- 胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胆嚢・胆道疾患、腎炎、尿毒症、乳幼児嘔吐、薬剤(制癌剤・抗生物質・抗結核剤・麻酔剤)投与時、胃内・気管内挿管時、放射線照射時、開腹術後
禁忌
- プリンペラン錠
- 1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2. 褐色細胞腫の疑いのある患者[急激な昇圧発作を起こすおそれがある。]
- 3. 消化管に出血、穿孔又は器質的閉塞のある患者[本剤には消化管運動の亢進作用があるため、症状を悪化させるおそれがある。]
副作用
- 長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれ、投与中止後も持続することがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。(プリンペラン錠)
添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2399004F1200_1_02/
[★]
急性期治療
トリプタン系薬
エルゴタミン系薬
アセトアミノフェン
NSAIDs
鎮吐薬
予防薬
カルシウム拮抗薬
三環系抗うつ薬
β遮断薬
抗てんかん薬
[★]
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- purine
- 同
- [[7H-イミダゾ[4,5-d]ピリミジン]] [[7H-imidazo[4,5-d]pyrimidine]],プリン塩基 purine base
- 関
- ピリミジン、アデニン、グアニン
- ピリミジン環とイミダゾール環との縮合環からなる複素環式化合物
- プリン核を持つ塩基性化合物がプリン塩基