ゾルミトリプタン
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ゾーミッグ錠2.5mg
組成
成分・含量(1錠中)
添加物
- 無水乳糖、セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール400、マクロゴール6000、酸化チタン、三二酸化鉄
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 心筋梗塞の既往歴のある患者、虚血性心疾患又はその症状・兆候のある患者、異型狭心症(冠動脈攣縮)のある患者[不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状があらわれることがある。]
- 脳血管障害や一過性脳虚血性発作の既往のある患者[脳血管障害や一過性脳虚血性発作があらわれることがある。]
- 末梢血管障害を有する患者[症状を悪化させる可能性が考えられる。]
- コントロールされていない高血圧症の患者[一過性の血圧上昇を引きおこすことがある。]
- エルゴタミン、エルゴタミン誘導体含有製剤、あるいは他の5-HT1B/1D受容体作動薬を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
- モノアミン酸化酵素阻害剤(MAO阻害剤)を投与中、あるいは投与中止2週間以内の患者(「相互作用」の項参照)
効能または効果
片頭痛
- 本剤は、国際頭痛学会による片頭痛診断基準(「参考」の項参照)により、「前兆のない片頭痛」あるいは「前兆のある片頭痛」と診断が確定された場合にのみ使用すること。特に次のような患者は、クモ膜下出血等の脳血管障害や他の原因による頭痛の可能性があるので、本剤投与前に問診、診察、検査を十分に行い、頭痛の原因を確認してから投与すること。
- 今までに片頭痛と診断が確定したことのない患者
- 片頭痛と診断されたことはあるが、片頭痛に通常みられる症状や経過とは異なった頭痛及び随伴症状のある患者
- 家族性片麻痺性片頭痛、孤発性片麻痺性片頭痛、脳底型片頭痛あるいは眼筋麻痺性片頭痛の患者には投与しないこと。
- 通常、成人にはゾルミトリプタンとして1回2.5mgを片頭痛の頭痛発現時に経口投与する。なお、効果が不十分な場合には、追加投与をすることができるが、前回の投与から2時間以上あけること。また、2.5mgの経口投与で効果が不十分であった場合には、次回片頭痛発現時から5mgを経口投与することができる。ただし、1日の総投与量を10mg以内とすること。
- 本剤は片頭痛の頭痛発現時に限り使用し、予防的に使用しないこと。
- 本剤投与により全く効果が認められない場合は、その発作に対して追加投与をしないこと。このような場合は、再検査の上、頭痛の原因を確認すること。
慎重投与
- 虚血性心疾患の可能性のある患者(例えば、虚血性心疾患を疑わせる重篤な不整脈のある患者、閉経後の女性、40歳以上の男性、冠動脈疾患の危険因子を有する患者)[不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状があらわれるおそれがある。]
- ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群(WPW症候群)又は他の心臓副伝導路と関連した不整脈のある患者(「副作用」の項参照)
- 中等度又は重度肝機能障害患者[血中濃度が上昇するおそれがある。特に重度肝機能障害患者では、1日の総投与量を5mg以内とするなど慎重に投与すること。](「薬物動態」の項参照)
- 脳血管障害の可能性のある患者[脳血管障害があらわれるおそれがある。]
- てんかんあるいは痙攣を起こしやすい器質的脳疾患のある患者[類薬(スマトリプタン)でてんかん様発作が発現したとの報告がある。]
- コントロールされている高血圧症患者[類薬(スマトリプタン)で一過性の血圧上昇や末梢血管抵抗の上昇が少数の患者でみられたとの報告がある。]
重大な副作用
アナフィラキシーショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明注1))
- アナフィラキシーショック、アナフィラキシー様症状がまれにあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
不整脈、狭心症あるいは心筋梗塞を含む虚血性心疾患様症状(頻度不明注1))
- 不整脈、狭心症あるいは心筋梗塞を含む虚血性心疾患様症状をおこすことがまれにあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
頻脈(WPW症候群における)(頻度不明注1))
- WPW症候群の典型的症状である重篤な発作性頻脈が、本剤を投与したWPW症候群の既往のある患者1例で認められている。
てんかん様発作(頻度不明注2))
- 類薬(スマトリプタン)でてんかん様発作をおこすことがまれにあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
薬効薬理
5-HT1B/1D受容体に対する親和性
- ゾルミトリプタンは、ヒト5-HT1B及び5-HT1D受容体に対して高い親和性を示す19)。N-脱メチル体は、ゾルミトリプタンの2〜7.9倍の5-HT1B/1D受容体親和性を示す20)。本剤をヒトに単回経口投与したとき、N-脱メチル体の血漿中濃度は未変化体の約半分であり、N-脱メチル体も片頭痛改善効果に寄与していると思われる。
作用機序
頭蓋内血管(主に動静脈吻合)の収縮作用21)
- 麻酔下ネコの頭蓋内動静脈吻合の血管コンダクタンスを選択的かつ用量依存的に低下させた(ゾルミトリプタン用量10〜1000μg/kg, ivでおよそ60〜92%の低下)。
血管作動性神経ペプチド遊離抑制、血漿蛋白漏出抑制
- 麻酔下ネコにおいて三叉神経電気刺激により誘発された血管作動性神経ペプチド(カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、血管作動性小腸ペプチド(VIP))遊離促進を有意に抑制した22)。また、麻酔下モルモットにおいて、三叉神経節への電気刺激により誘発された血漿蛋白漏出に対して、ゾルミトリプタン10μg/kg, iv以上の用量で有意な抑制作用を示した23)。
中枢神経活動の抑制
- ネコの中枢神経に特異的結合部位を有し、静脈内投与によって当該部位に到達することができる(in vitro、ex vivo)24)。また、麻酔下ネコへの静脈内投与(30, 100μg/kg)によって、上矢状静脈洞の電気刺激による第二頚髄の電位変化を有意に抑制した25)。
有効成分に関する理化学的知見
- 一般名 :ゾルミトリプタン (Zolmitriptan) (JAN)
- 化学名 :(S)-4-({3-[2-(Dimethylamino)ethyl]-1H-indol-5-yl}methyl)-2-oxazolidinone
- 構造式 :
- 分子式 :C16H21N3O2
- 分子量 :287.36
- 融点 :136〜140℃
- 分配係数:0.07(1-オクタノール/pH7緩衝液)
- 性状 :本品は白色の粉末である。メタノールに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすく、アセトニトリルに溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
★リンクテーブル★
[★]
急性期治療
トリプタン系薬
エルゴタミン系薬
アセトアミノフェン
NSAIDs
鎮吐薬
予防薬
カルシウム拮抗薬
三環系抗うつ薬
β遮断薬
抗てんかん薬
[★]
- 英
- vasoconstrictor
- 関
- 血管収縮薬
商品
[★]
- 英
- zolmitriptan
- 商
- ゾーミッグ Zomig
- 関
- 血管収縮剤