- 英
- pulmonary infarction PI
- 同
- 肺出血性梗塞 pulmonary hemorrhagic infarction
- 関
原因
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静脈血栓塞栓症のデータ |
ICD-10 |
I26.9 |
統計 |
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世界の患者数 |
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日本の年間症例数 |
約4,000例
(2000年) |
学会 |
日本 |
日本宇宙航空環境医学会
肺塞栓症研究会
日本血栓止血学会 |
世界 |
|
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静脈血栓塞栓症(じょうみゃくけっせんそくせんしょう)とは、肺血栓塞栓症(Pulmonary embolism:PE)と深部静脈血栓症(Deep vein thrombosis:DVT)を併せた疾患概念である。
飛行機内などで、長時間同じ姿勢を取り続けて発症することがよく知られており、エコノミークラス症候群あるいはロングフライト血栓症と呼ばれることもある。
目次
- 1 概要
- 2 分類
- 3 原因
- 4 統計
- 5 疫学
- 6 症状
- 7 検査
- 8 診断
- 9 治療
- 9.1 抗凝固療法
- 9.2 血栓溶解療法
- 9.3 血管内治療法(IVR)
- 9.4 手術療法
- 10 予後
- 11 参考文献
- 12 注釈
- 13 関連項目
- 14 外部リンク
概要
下肢や上腕その他の静脈(大腿静脈など)に血栓(血のかたまり)が生ずる疾患。原因としては脱水、感染、旅行・長期臥床・手術などによる血流鬱滞、抗リン脂質抗体症候群などがある。この血栓が血流に乗って肺へ流れ肺動脈が詰まると、肺塞栓症となる。肺動脈が詰まるとその先の肺胞には血液が流れず、ガス交換ができなくなる。その結果、換気血流不均衡が生じ動脈血中の酸素分圧が急激に低下、呼吸困難をきたす。また肺の血管抵抗が上昇して全身の血液循環に支障をきたす。軽度であれば胸やけや発熱程度で治まるが、最悪の場合は死亡する。
分類
- 肺血栓塞栓症(はいけっせんそくせんしょう)
- 上記のように、死亡の危険性が高い疾患である。塞栓をきたす血栓が大きい場合は即死をきたすことがあり、原因も不明な場合が多い。欧米では循環器疾患による死亡原因として3番目に多い。肺組織が壊死に陥ること(肺梗塞。Pulmonary Infarction:PI)が10-15%に認められる。肺梗塞は比較的末梢の肺動脈閉塞や、ベースに心疾患や呼吸器疾患を有している場合に生じやすい。
- 深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)
- 深部静脈(大腿静脈・膝窩静脈など、体の深部にある静脈)に血栓が出来る病気。肺血栓塞栓症の主な原因である。肝静脈に血栓が出来るとバッド・キアリ症候群を起こす。
原因
静脈血の鬱帯(うったい)や血液凝固の亢進が原因となる。血流鬱滞(血液の流れが滞ること)の原因としては長時間同じ姿勢で居続けることや鬱血(うっけつ)性心不全、下肢静脈瘤の存在が挙げられる。血液凝固の亢進(血が固まりやすくなること)は様々な病態において生じるが例えば脱水、がん、手術、エストロゲン製剤の使用などが挙げられる。また疾患としては抗リン脂質抗体症候群、プロテインC欠損症、プロテインS欠損症、アンチトロンビンIII欠損症などの血栓性素因、ベーチェット病などを含む血管炎症候群などが原因となる。[1]
特に湿度が20%以下になって乾燥している飛行機、とりわけ座席の狭いエコノミークラス席で発病する確率が高いと思われているためにエコノミークラス症候群と呼ばれるがファーストクラスやビジネスクラス、さらに列車やバスなどでも発生の可能性はある。タクシー運転手や長距離トラック運転手の発症も報告されている。長時間同じ体勢でいることが問題といわれる。
2002年に日本人サッカー選手の高原直泰が旅客機での移動に際してエコノミークラスより格段に広いビジネスクラスを利用して発病したこともあり、エコノミークラス以外なら安全ということではない。このため旅行者血栓症とも言われるが、日本旅行医学会はバスなどでの発生はまれだとしてロングフライト血栓症に改称することを提唱している。
なお高原選手の2006年のワールドカップドイツ大会の代表選出に関連して、ドイツへの移動に際しては高原選手のみは日本サッカー協会からファーストクラスがあてがわれた(ジーコ監督以下他のスタッフはビジネスクラスを利用)。
2004年の新潟県中越地震では、自動車の中で避難生活を送る人たちの中にエコノミークラス症候群の疑いで死亡するケースが相次いだ。
なお日本国外では、犠牲者の遺族が航空会社を提訴するなど社会問題にもなっている国もある。
統計
日本での年間症例数は約4,000例(2000年)と推計され、増加傾向である。
疫学
欧米に多く、日本では少ない。人種別では黒人に多く、黄色人種に少ない。高齢者に発症しやすい。
予防
静脈血栓塞栓症は突然死をきたす重篤な疾患である。そのため発症する前に予防することが非常に重要である。一般的に推奨されている予防法を示す。
- 長時間にわたって同じ姿勢を取らない。時々下肢を動かす。飛行機内では、着席中に足を少しでも動かしたりすることなどが推奨されている(乱気流により負傷する事故もあることから、飛行中にむやみに席を立って歩いたりすることは行わないほうが良い。航空会社によっては、座席でできる簡便な下肢の運動法を記したパンフレットが各座席に備え付けられている場合もある)。
- 麻痺や療養のため長期臥床を余儀なくされる場合、長時間の手術を行う場合は弾性ストッキングや空気式圧迫装置を用いて血液のうっ滞を防ぐ必要がある。特に弾性ストッキングはリスクのある例全てに行なわれるべきである[2]。長期臥床への利用は、外科手術後は抑制・予防効果が認められるが、脳卒中後の深部静脈血栓症には効果がないと報告されている[3][4]。
- 脱水を起こさないよう、適量の水分を取る。飛行機内では客室乗務員を呼び出して、適宜水を持ってきてもらう[5]。ビールなどのアルコール飲料や緑茶・紅茶・コーヒーなどカフェインを含む飲み物は利尿作用があり、かえって脱水を引き起こす恐れがあるので水分補給目的としては避けたほうが良い。
- 血栓症のリスクが高い場合は、予防的に抗凝固療法を行う。
- 下肢静脈に血栓が存在する場合には、肺に血栓が飛ぶのを防ぐために下大静脈フィルターの留置が検討される。
- 災害時の避難所に於いては、畳かマットを敷いた雑魚寝よりも簡易ベッドを用いると、深部静脈血栓陽性率の低下が可能である[6]。
日本では2004年に肺血栓塞栓予防管理料(保険点数305)が保険収載された。日本では初めての「予防」の保険適応である。
症状
- 深部に血栓ができた場合は痺れや皮膚色の変色、血栓より遠位の浮腫などといった症状がでるが無症状のこともある。特に下肢静脈血栓は左に起きやすい。これは左の総腸骨静脈と右の総腸骨動脈が交差しているため、後者によって前者が圧迫されやすいためである[7]。
- 体の深部静脈に血栓ができた場合はその静脈と周囲の皮膚に炎症を起こし、血栓性静脈炎を引き起こすことがある。
- 血栓が飛んで肺塞栓を引き起こすと、呼吸困難と胸痛などの症状が出る。そのほか動悸、冷汗、チアノーゼ、静脈怒脹、血圧低下、意識消失なども生じる。急激かつ広範囲に肺塞栓を生じた場合は心肺停止となり、突然死する。
検査
- 肺血流シンチグラム:ラジオアイソトープを用いて肺血流の分布を調べる検査。肺塞栓症の診断に最も適しているとされていたが、近年は造影CTにその座を譲りつつある。
- 肺動脈造影:血管内に造影剤を注入して肺動脈を描出する検査。高い診断能を持つが、技術と経験が必要である。
- 造影CT:静脈内に造影剤を急速注入し、肺動脈に到達するタイミングに合わせてCTを撮る検査。比較的簡便で診断能も高い。
- 動脈血液ガス分析:動脈から血液を採取し、酸素や二酸化炭素の量を調べる検査。呼吸機能を評価する検査としてスクリーニングに用いられる。
- 線溶系:血液を採取しD-ダイマー、TAT、FDPなどを測定する検査。D-ダイマー(D-dimer)とは血栓が溶解する過程で生じる分解産物であり、血栓症の二次線溶において上昇する。
- 心電図:肺塞栓症では肺血管抵抗の上昇により右心負荷がかかるため、心電図異常を呈する。
- 経食道エコー、心エコー:超音波で血栓の存在や右心負荷の程度を確認する。経食道エコーは食道内から超音波を当てる検査(見た目は胃カメラに似ている)で心臓や肺血管の観察により適している。
- 凝固因子:日本人ではFactor V Leiden(ライデンで見つかったためこのように呼ばれる異常第5因子)はみられないため(現時点では未報告)、V因子活性は測定する意義は薄い。むしろ日本人ではプロテインC/プロテインSについて活性異常を念頭に置かなけらばならない。コーカソイドのみに第V因子活性異常は報告されており、日本在留のコーカソイドの発症の際には留意が必要と考えられる。
鑑別疾患
- 胸痛:心筋梗塞、大動脈解離、気胸、肋骨骨折
- 呼吸困難:喘息、うっ血性心不全、肺炎、胸膜炎
- 頸静脈怒張や血圧低下:心タンポナーデ、肺高血圧症、縦隔内占拠性病変(悪性腫瘍など)
診断
まず臨床症状から本症を疑うことが重要である。同様の症状では虚血性心疾患を疑うのが通常であるが、常に本症を念頭に置く必要がある。
確定診断には画像検査が用いられる。画像検査で肺血流の不自然な欠損や血栓の存在が証明できれば診断は確定する。従来は肺血流シンチグラムがgold standardとされてきたが1990年代の後半に造影CTの優位性を証明した論文が発表され、流れが変わった。2003年に発表されたBritish Thoracic Societyのガイドラインでは診断にD-ダイマー測定と造影CTを用いることが推奨されている。
急性肺血栓塞栓症では一刻も早い治療が必要であり、速やかに診断をつけなければならない。日本では欧米に比べCTの普及率が高いため、造影CTによる診断は現実的で有用であると思われる。しかしながら2005年現在でも実地医療における診断法は未だ確立されているとは言い難い。一方、欧米では深部静脈血栓症/肺血栓塞栓症の除外診断法がガイドライン化されておりD-ダイマー測定によるスクリーニングが簡便性、コスト、患者負担という側面で普及している(その後確定診断としてCTなどの画像診断が用いられる)。
治療
血栓の除去と循環動態の改善を目的とした治療が行われる。
抗凝固療法
薬物を用いて血液を固まりにくくする治療法。ヘパリン(注射)、ワルファリン(内服)などの抗凝固薬が用いられる。血栓の増大や再発を防ぎ、生命予後を改善する。禁忌例(出血が命に関わる場合)を除きほぼ全例に行われる。ヘパリンは可能であれば低分子量ヘパリンを用いるべきである。低分子量ヘパリンは長期投与に堪え、腫瘍患者にも投与が可能である[2]。
副作用として出血、血小板減少症(ヘパリン)などがある。血栓を急速に溶かす効果はないため、重篤な肺血栓塞栓症には他の治療法が併用される。
血栓溶解療法
薬物を用いて血栓を溶かす治療法。ウロキナーゼ、組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)などの血栓溶解剤が用いられる。血栓を早期に溶解させ、循環動態を改善させる。速やかな改善効果が得られる反面、重篤な出血を引き起こす危険性もあるため投与は重症例に限られるのが一般的である。特に妊婦には慎重な投与が求められる[2]。
なお、モンテプラーゼ(遺伝子組換えt-PA)について2005年7月25日より不安定な血行動態を伴う急性肺塞栓症に限り健康保険適用が認可された。
血管内治療法(IVR)
血管内治療法とは、血管内カテーテルを用いて薬剤を注入したり血栓を除去する治療法。血栓溶解療法が不可能な場合(命に関わる出血が予想される場合)や、大量の血栓を早急に除去する必要がある場合に行われる。高度な技術を必要とするため、実施可能施設が限られる。以下のような治療が行われている。
- カテーテルから塞栓部に直接血栓溶解剤を注入し、血栓を溶かす。
- カテーテルやワイヤーで血栓を細かく粉砕する。
- カテーテルで血栓を吸引し除去する。
手術療法
手術で血栓を除去する方法。急激かつ広範囲の肺塞栓により生命の危機に瀕している場合は、救命のため一刻の予断なく緊急手術となる。また薬物療法が効かず病状が悪化する場合も手術が検討される。
予後
死亡率は10~30%と報告されている。死亡例の多くが発症直後の突然死である。治療が奏効すれば生命予後は良好であるが症状消失後も再発のおそれがあり、抗凝固療法を続ける必要がある(特に抗リン脂質抗体症候群では終生に及ぶ)。再発した場合はさらに死亡率が高く寝たきり、入院、高齢、閉塞性肺疾患、悪性疾患等がその危険因子となる[8]。
参考文献
- 小山田吉孝・佐藤徹・石坂彰敏 「急性肺塞栓症の診断と治療」『呼吸と循環』53巻、医学書院、2005年、pp.177-185。
- 肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓塞栓症)予防ガイドライン作成委員会 『肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓塞栓症)予防ガイドライン』 メディカル フロント インターナショナル リミテッド、2004年。
- 第28回日本血栓止血学会 教育講演「日本人における血栓症の遺伝的背景:欧米人との違い」
- British Thoracic Society Standards of Care Committee Pulmonary Embolism Guideline Development Group, "British Thoracic Society guidelines for the management of suspected acute pulmonary embolism", Thorax, Thoracic Society, Vol.58, London: British Medical Association, 2003, pp.470-484.
- M Nakamura, H Fujioka, N Yamada, et al, "Clinical characteristics of acute pulmonary thromboembolism in Japan : result of a multicenter registry in the Japanese Society of Pulmonary Embolism Research", Clinical cardiology, Vol.24, New York: Foundation For Advances In Medicine And Science Inc., 2001, pp.132-138.
- M Sakuma, T Takahashi, "Incidence and characteristics of pulmonary thromboembolism in Japan", Circulation journal, Vol.66, Kyoto: Japanese Circulation Society, 2002, p.729.
注釈
- ^ 岡田定 編, 「最速!聖路加診断術」, pp.15-22.
- ^ a b c Snow V, the Joint American College of Physicians/American Academy of Family Physicians Panel on Deep Venous Thrombosis/Pulmonary Embolism Management of Venous Thromboembolism: A Clinical Practice Guideline from the American College of Physicians and the American Academy of Family Physicians. Ann Intern Med. 2007;146:204-210.
- ^ 弾性ストッキングに脳卒中後のDVT予防効果なし日経メディカル オンライン 閲覧:2009.6.16
- ^ Effectiveness of thigh-length graduated compression stockings to reduce the risk of deep vein thrombosis after stroke (CLOTS trial 1): a multicentre, randomised controlled trial 「弾性ストッキングに脳卒中後のDVT予防効果なし」の原論文(英文)
- ^ 以前はペットボトル入り飲料水を機内に持ち込んで水分を補給することができたが、法規の改定で2007年から国際線の機内へペットボトルを含む100ml以上のプラスチック製容器に入った飲料や化粧品などの液体の類が持ち込めなくなり、この手段は使えなくなった。遠慮なく客室乗務員を呼び出して、水を頼んで構わない。なお、日本に就航している国際線格安航空会社では、オーストラリアのジェットスター航空が搭乗時に飲料水入りボトルを配布し、飛行中は機内の冷水機でセルフサービスで水を汲む方式を採っている。
- ^ 今回の震災から生まれつつある新しい流れ 植田信策(石巻赤十字病院呼吸器外科)日経メディカル オンライン 記事:2011年8月1日 閲覧:2011年9月22日
- ^ Fazel R, Froehlich JB, Williams DM, Saint S, Nallamothu BK. "Clinical problem-solving. A sinister development--a 35-year-old woman presented to the emergency department with a 2-day history of progressive swelling and pain in her left leg, without antecedent trauma." NEJM. 2007 Jul 5;357(1):53-9. PMID 17611208
- ^ Mathilde Nijkeuter, et al. "The Natural Course of Hemodynamically Stable Pulmonary Embolism. Clinical Outcome and Risk Factors in a Large Prospective Cohort Study."Chest. 2007; 131:517-523
関連項目
- 血栓
- 血栓性静脈炎
- 循環器学
- 高原直泰
- 抗血小板剤
- 抗凝固薬
- 昭和大学
外部リンク
- 日本宇宙航空環境医学会・エコノミークラス症候群に関する提言(2002年2月15日時点のアーカイブ)
呼吸器疾患(ICD-10 J00〜99) |
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疾患 |
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閉塞性肺疾患
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慢性閉塞性肺疾患
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気管支喘息 | 慢性気管支炎 | 肺気腫 | びまん性汎細気管支炎
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拘束性肺疾患
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特発性
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IPF | NSIP | COP | AIP | DIP | RB-ILD | LIP
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続発性
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塵肺 | 放射線肺炎 | 薬剤性肺炎
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無気肺 | 気胸 | 血胸
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形態異常
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気管支拡張症 | 肺分画症 | 肺嚢胞症
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所見・検査 |
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聴診 | 胸部X線写真 | 胸部X線CT | 気管支鏡 | 胸腔鏡 | 血液検査
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呼吸器系の正常構造・生理 |
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解剖学的構造
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顕微解剖学
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I型肺胞上皮細胞 | II型肺胞上皮細胞 | 杯細胞 | クララ細胞 | 気管軟骨輪
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生理学・生化学
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生理学
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肺気量 | 肺活量 | %肺活量 | 残気量 | 死腔 | 1回換気量 | 1秒率 | 肺サーファクタント | SP-A
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生化学
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PaCO2 | PaO2 | AaDO2 | FiO2 | SpO2 | 呼吸係数および酸素化係数
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血管系 |
肺循環系
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(右心室 -) 肺動脈 - 毛細血管 - 肺静脈 (- 左心房)
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(胸部大動脈 -) 気管支動脈 - 毛細血管 - 気管支静脈 (- 奇静脈/副反奇静脈)
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運動器系 |
骨格
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肋骨 | 胸骨
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呼吸筋
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横隔膜 | 内肋間筋 | 外肋間筋 | 胸鎖乳突筋 | 前斜角筋 | 中斜角筋 | 後斜角筋 | 腹直筋 | 内腹斜筋 | 外腹斜筋 | 腹横筋
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神経系 |
中枢神経系
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呼吸中枢 | 呼吸調節中枢 | 前頭葉
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末梢神経系
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横隔神経 | 肋間神経
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心血管疾患 |
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疾患 |
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心疾患
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不整脈
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徐脈性
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洞不全症候群 | 房室ブロック | 脚ブロック(右脚ブロック · 完全右脚ブロック · 左脚ブロック)
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上室性
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心室性
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心室細動 | 心室頻拍
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弁膜症
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心膜疾患
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心膜炎(急性心膜炎(en) · 慢性収縮性心膜炎) | 心タンポナーデ
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心筋症(虚血性心筋症・拡張型心筋症(en) · 肥大型心筋症(en) · 拘束型心筋症(en) · 特発性心筋症) | 心筋炎
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心臓腫瘍(en) | 心臓性喘息 | 肺性心
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血管疾患
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大血管
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大動脈瘤(胸部・腹部(en)・胸腹部) | 大動脈解離 | 大動脈炎症候群
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動脈
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静脈
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静脈瘤 | 血栓性静脈炎 | 静脈血栓塞栓症 | 脂肪塞栓症
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病態・症候 |
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心不全
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左心不全 | 右心不全 | 両心不全(en)
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血圧異常
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高血圧
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本態性高血圧症(en) | 二次性高血圧(en) | 高血圧性緊急症(en)
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低血圧
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心臓発作 | 心臓肥大 | 心停止 | 心肺停止
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所見・検査 |
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治療 |
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外科的治療
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冠動脈バイパス術(CABG)
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CABG | off-pump CAB(OPCAB) | MIDCAB(en) | TECAB(en)
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弁膜症手術
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弁置換術(en) | 弁形成術(en) | 弁輪形成術 | 交連切開術(en)
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小児心臓外科
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動脈管結紮術 | BTシャント | 肺動脈絞扼術(en) | ノーウッド手術 | グレン手術 | フォンタン手術 | ジャテン手術 | ラステリ手術 | ロス手術
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心不全外科
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心移植術 | 補助人工心臓装着術 | 左室形成術(Dor・SAVE・Overlapping)
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不整脈外科
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メイズ手術(en) | 心臓ペースメーカー | 植え込み型除細動器
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大動脈手術
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大動脈人工血管置換術 | 大動脈基部置換術 (Bentall, David) | ステントグラフト内挿術(en)
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末梢血管手術
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末梢動脈血行再建術 | 末梢静脈血行再建術 | 静脈抜去術(en) | 静脈血栓摘除術(en) | 内シャント作成術 | 肢切断
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内科的治療
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循環作動薬
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抗不整脈薬
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Ia群: プロカインアミド, キニジン
Ib群: リドカイン, フェニトイン
Ic群: フレカイニド(en), プロパフェノン(en)
II群: 交感神経β受容体遮断薬(プロプラノロールなど)
III群: アミオダロン, ソタロール(en)
IV群: カルシウム拮抗剤(ベラパミル, ジルチアゼムなど)
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心不全治療薬(en)
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利尿薬 | 血管拡張薬 | 強心配糖体 | 強心剤 | PDEⅢ阻害薬
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狭心症治療薬
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交感神経β受容体遮断薬 | 硝酸薬
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高血圧治療薬
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利尿薬 | 交感神経β受容体遮断薬 | レニン-アンジオテンシン系 (ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬(en)) | カルシウム拮抗剤 | アドレナリン作動薬 | 脂質降下薬
|
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血管内治療
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経皮的冠動脈形成術
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循環器系の正常構造・生理 |
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UpToDate Contents
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- 1. 急性肺塞栓症の概要 overview of acute pulmonary embolism
- 2. 大量喀血:原因 massive hemoptysis causes
- 3. 急性肺塞栓症の診断 diagnosis of acute pulmonary embolism
- 4. 肺動静脈奇形:治療 pulmonary arteriovenous malformations treatment
- 5. コカイン乱用の肺合併症 pulmonary complications of cocaine abuse
Japanese Journal
- 片岡 和彦,藤原 俊哉,松浦 求樹
- 気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 33(5), 337-341, 2011-09-25
- … 近年,肺梗塞の症例が増加している.症例. …
- NAID 110008750376
- 急速な転帰を辿った胃癌による肺癌性リンパ管症及び多発性肺梗塞の1剖検症例
- 狛 泰子,松岡 弘典,領家 永遠,小山 美鳥,福光 研介,笠井 由隆,桝屋 大輝,吉松 昭和,北澤 荘平,鈴木 雄二郎
- 日本呼吸器学会雑誌 = The journal of the Japanese Respiratory Society 49(8), 577-582, 2011-08-10
- NAID 10029537918
- PS-073-4 深部静脈血栓症および肺梗塞症例に対する術前下大静脈フィルター留置の有用性の検討(PS-073 ポスターセッション(73)手術-2,第111回日本外科学会定期学術集会)
- 小久保 健太郎,片桐 義文,飯田 豊,栃井 航也,藤田 修平,川村 紘三
- 日本外科学会雑誌 112(臨時増刊号_1・2), 631, 2011-05-25
- NAID 110008684817
- 胸部大動脈瘤, 総頸動脈瘤, 肺梗塞を合併した高安病患者の口腔外科手術に対する全身麻酔経験
Related Links
- 原因はトップへ 深部静脈血栓症 下肢の静脈で表面でなく深部にある静脈が血栓で詰まり足が全体に赤く痛く腫れることをいいます。これが原因となり足の血栓が肺動脈に飛んで詰まり肺梗塞になる危険性があります。もっとも深部 ...
- 肺血栓塞栓症、肺梗塞症。肺血栓塞栓症、肺梗塞症とはどんな病気か 心臓から肺へ血液を運ぶ血管である肺動脈に、塞栓子(そくせんし)(血液の塊(かたまり)、脂肪の塊、空気、腫瘍細胞など)が詰まり、肺動脈の流れが悪くなったり ...
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[★]
- 次の文を読み、43、44の問いに答えよ。
- 57歳の男性。発熱と咳とを主訴に来院した。
- 現病歴 : 最近、仕事が忙しくて十分睡眠がとれない状況が続いていた。6日前から咳嗽と喀痰とが出現し徐々に増悪してきた。喀痰は黄色で膿性。3日前からは39℃台の発熱も加わり、全身倦怠感も出現してきた。胸痛と呼吸困難とはなかった。
- 既往歴 : 40歳時、健康診断で尿糖陽性を指摘されたが放置していた。
- 現症 : 意識は清明。身長163cm、体重62kg。体温39.2℃。呼吸数24/分。脈拍104/分、整。血圧146/84mmHg。胸部聴診で右下肺野にcoarse cracklesを聴取する。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖1+。血液所見:赤血球440万、Hb14.2g/dl、Ht44%、白血球14,500(後骨髄球2%、桿状核好中球20%、分葉核好中球45%、好酸球3%、単球5%、リンパ球25%)。
- 血清生化学所見:血糖124mg/dl、総蛋白6.6g/dl、尿素窒素18mg/dl、クレアチニン1.2mg/dl、総ビリルビン0.8 mg/dl、AST40単位、ALT35単位、LDH350 単位(基準176~353)。CRP15.6mg/dl。胸部エックス線写真を以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [099C043]←[国試_099]→[099C045]
[★]
- 62歳の男性。健康診断を受け、胸部エックス線写真で異常陰影を指摘されて来院した。自覚症状はなく、元気に日常活動を行っている。3年前に狭心症のため冠動脈バイパス術を受けた。喫煙は20歳から手術を受けるまで1日30本を続けていた。身体所見に異常は認めない。血液所見:赤沈15mm/1時間、赤血球480万、白血球7,300。胸部エックス線写真と喀痰細胞診Papanicolaou染色標本とを以下に示す。この患者で最もきたしやすい合併症はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097D014]←[国試_097]→[097D016]
[★]
- 突然の激しい胸背部痛を訴えて入院してきた成人女性の胸部造影CTを以下に示す。最も考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095B027]←[国試_095]→[095B029]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099B019]←[国試_099]→[099B021]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098G106]←[国試_098]→[098G108]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103F006]←[国試_103]→[103F008]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100E038]←[国試_100]→[100E040]
[★]
- 英
- nephrotic syndrome, NS
- 同
- ネフロージス nephrosis
- 関
- 腎 ネフローゼ症候群、小児ネフローゼ症候群
- 蛋白分画
概念
- 高度の蛋白尿とそれに起因する低蛋白血症、浮腫および高脂血症を呈した臨床病態
- 臨床的な概念であり、尿中に多量の血清タンパク成分を喪失するときにみられる共通の病態
病型
- 原発性糸球体腎炎
- 続発性ネフローゼ症候群:先行する疾患(膠原病、糖尿病など)に続発する
疫学
成人(IMD)
ネフローゼ症候群の原因
- 微小変化群:大人,約20-30%. 子供,70-80%
- 膜性腎症:大人,約30%. 子供,5%
- 膜増殖性糸球体腎炎:大人,5-7%
病理
- 広範囲にわたる著明な糸球体臓側上皮細胞の障害が認められ、足突起が単純化(simplification; 足突起の突起が減少すること?))および消失している。(PRE.224)
ネフローゼ症候群に関わる3つの基本的な病型
- PRE.224
- 1. 糸球体上皮細胞の障害:微小鹸化群、原発性巣状硬化症 ← 単球から放出されたサイトカインが上皮細胞の障害に関わっている
- 2. 上皮下における免疫複合体の形成と補体の活性化により、沈着した免疫複合体の周りに基底膜マトリックスが沈着し、基底膜が肥厚する膜型病変を呈する
- 3. 糸球体壁に影響を及ぼす蓄積病変は、ALアミロイドーシスや軽鎖蓄積病、あるいは糖尿病性腎症がある。
検査
- IMD
血液検査
凝固系検査
- フィブリノゲン、第I因子、第VIII因子、第X因子など → 肝臓で産生される。肝臓機能の亢進を示唆
血液生化学検査
- アルブミン:低値
- γ-グロブリン:低値 → IgGが低値となる。これが易感染性と関連している。なぜこうなるかは分かっていない。 → 易感染性につながる
- α2-グロブリン高値
- β-グロブリン:高値
- コレステロール:高値
- 中性脂肪:増加(特にLDL、VLDL)
- 低カルシウム血症 ← アルブミン低値による(アルブミン1.0 g/dlの低下により血清カルシウム0.8mg/dlの低下)。
- フィブリノゲン:高値 → 肝機能の亢進による
α2グロブリンが高値になるメカニズム
ネフローゼの場合血中のタンパクはどんどん尿に漏出していく。そのためアルブミン、γグロブリンは割合が低下している。α2分画にはα2マクログロブリンが存在する。これは分子量が77万から82万という大きな分子であるので、ネフローゼで糸球体のサイズバリアが崩壊しているとしても尿中に排出されず残るため、相対的にα2分画が高くなる。
赤沈が亢進するメカニズム
赤沈は第1相で赤血球同士が連銭形成し、第2相で沈んでいき、第3相では沈んできた赤血球の密度が上昇して沈降速度が鈍ってくる。赤沈が亢進するには、凝集が促進されるか、沈降の抵抗が少ないかである。赤血球の膜は負に帯電しており、正に帯電しているフィブリノゲン、γグロブリンが増加すると負の電荷同士で集まり合い凝集が促進される。逆に負に帯電しているアルブミンの量が減少すると、負同士の反発が軽減し凝集が容易になる。また貧血であると第3相で密度が低くなり沈降が早くなる。以上より、ネフローゼの場合アルブミンが尿中に排泄され血清アルブミンの濃度が低下、また、β分画のフィブリノゲンが上昇しているため赤沈は亢進する。
尿検査
- 蛋白尿
- 顕微鏡的血尿
- 顆粒円柱、脂肪球、卵円脂肪体
診断基準(厚生省特定疾患 ネフローゼ症候群 調査研究班)
- 1.と2.が 成人ネフローゼ症候群の必須条件。
- また尿沈渣中多数の卵円形脂肪体、重屈折脂肪体は参考所見となる
- 高脂血症と浮腫は必須条件ではない。
合併症
- IMD
- 1.乏尿、急性腎不全(循環血液量の減少)
- 2.低栄養(アルブミンの低下)、感染症(リンパ球サブセット・サイトカインの変化、血漿γグロブリン減少)
- 3.胸水、腹水(アルブミンの低下、体液量の増加)
- 4.起立性低血圧(循環血液量の減少)
- 5.凝固能亢進・血栓症(凝固因子増加、線溶活性低下、循環血液量減少、血液濃縮、脂質代謝異常):静脈血栓症、腎静脈血栓症、肺梗塞(アンチトロンビンIII低下例に多い)
- 6.治療薬(糖質コルチコイド、シクロスポリン?)の副作用:易感染性、消化性潰瘍、精神症状、高血圧、白内障、多毛、肥満、免疫性低下、白血球減少、出血性膀胱炎
- 2+3. 特発性細菌性腹膜炎
予後
- 糸球体選択指数 selection index S.I.によって治療の予後が予測できるらしい。
- SI(selectivity index)=(尿中IgG/血清IgG)/(尿中Tf/血清Tf)。
- SIが小さいほどサイズバリアーが機能しているということ。
- 0.2以下:high selective :プレドニゾロンに反応しやすい
- 0.2以上:low selective :プレドニゾロンに反応しにくい
[★]
- 英
- pulmonary thromboembolism, PTE
- 同
- エコノミークラス症候群
- 関
- 肺塞栓症、肺動脈血栓症
概念
- 肺動脈内腔に1次性に形成された血栓により閉塞された病態を肺血栓症、静脈系から肺動脈へ流入した物質により肺動脈が閉塞された病態を肺塞栓症という。
- 両者をまとめて肺血栓塞栓症と呼ぶが、臨床的には肺塞栓症が大半である。
- 塞栓物質として静脈系血栓、腫瘍、脂肪、羊水、空気、造影剤などが挙げられるが、頻度として下肢および骨盤の深部静脈血栓が80%と圧倒的に多い(深部静脈血栓症 DVT)。
- 肺動脈の閉塞により末梢肺組織が出血性壊死に陥ったものを特に肺梗塞と呼ぶ。
疫学
- 発症率は人口 10万人に対して 2.8人(1996年統計)。
- 男女比は1:1.3。あらゆる年齢層に発症するが、60-70歳代がピーク。
- 死亡率は14%。心原性ショックを呈した症例では30%(うち血栓溶解療法を施行された症例では20%、施行されなかった症例では50%)、心原性ショックを呈さなかった症例では6%である。
産婦人科
産科
- 産褥期、特に帝王切開術を経た患者に多い。(G10M.318)
症状
急性肺血栓塞栓症
- 参考1
症状
|
長谷川ら (n=224)
|
肺塞栓症研究会 (n=579)
|
呼吸困難
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171(76%)
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399/551(72%)
|
胸痛
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107(48%)
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233/536(43%)
|
発熱
|
50(22%)
|
55/531(10%)
|
失神
|
43(19%)
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120/538(22%)
|
咳嗽
|
35(16%)
|
59/529(11%)
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喘鳴
|
32(14%)
|
記載なし
|
冷汗
|
19(8%)
|
130/527(25%)
|
血痰
|
記載なし
|
30/529(6%)
|
動悸
|
記載なし
|
113/525(22%)
|
症状と病態との関係
- 1. 頻度の高い症状:急に発症する呼吸困難(約70-80%)、胸痛(約40-50%)。
- 2. 広範な塞栓の場合にみられる症状:不整脈(約30%)、狭心症様の胸部重苦感(約10%)、失神(約10%)、右心不全によるショック(10%以下)。
- 3. 肺梗塞・肺水腫を伴う場合に多い症状:胸膜炎様胸痛(約30%)、咳嗽(約10-40%)、発熱(約10-50%)、血痰(約5-10%)。
- 4. 特徴的発症状況:安静解除直後の最初の歩行時、排便・排尿時、体位変換時。
検査
- 参考1
-
- 胸部単純X線写真
- 心電図(右側胸部誘導の陰性T波、洞性頻脈、SⅠQⅢTⅢ、右脚ブロック、ST低下、肺性P、時計方向回転)
- SⅠQⅢTⅢ:Iでs waveがあり、IIIでQ waveがあり、なおかつT waveが陰転
- 肺動脈造影
- 肺シンチグラフィ(換気, 血流)
- CT
- MRA
- 経食道心エコー
診断
- 頻呼吸、頻脈、低酸素血症、胸痛など肺血栓塞栓症が疑われる症状があれば、酸素投与、ルート確保、血液検査(動脈血液ガス検査)、胸部XP、胸部CT、12誘導心電図を速やかに施行する。
- 可能であれば、ベットサイドエコーで右心不全徴候、特に右室が左室を圧排していないかどうか確認する。
- Dダイマーが高値であれば、PTEの尤度を上げることができる。
- 下肢のcompression testが陽性であれば、有無を言わさず胸部造影CTをやるしかない。
- 速やかに検査が可能であり、確定診断が可能なのは胸部造影CTである。
鑑別診断
- 胸痛や呼吸困難を来す疾患が鑑別となる。
合併症
治療
- 方針:呼吸管理(酸素投与)、循環管理(昇圧薬(ドパミン、ドブタミン、ノルエピネフリン))
- 抗凝固療法:ヘパリンから始め、ワルファリンの内服を開始。
- 抗血栓溶解療法:右心不全例(抗凝固療法に加えてウロキナーゼやtPA(モンテプラーゼ)を投与)
- (急性循環不全)カテーテルインターベンション、外科的血栓摘除術
- 経皮的心肺補助装置:循環が保てなくなった場合
ガイドライン
参考
- 1. 肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2009年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_andoh_h.pdf
- 2. 学際領域の診療 Interdisciplinary Practice 肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症 - 日産婦誌
- http://www.jsog.or.jp/PDF/56/5610-382.pdf
- 3. E.婦人科疾患の診断・治療・管理 10.10)深部静脈血栓症・肺塞栓症 - 日産婦誌61巻11号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/61/6111-591.pdf
- 4. LITFL ≫ ECG Library ≫ ECG Basics ≫ T wave
- http://lifeinthefastlane.com/ecg-library/basics/t-wave/
国試
[★]
- 英
- chest pain, thoracodynia, pectoralgia
- 同
- 胸部痛
- 関
- 胸壁痛。胸部圧迫感
鑑別疾患
- 診断エッセンシャルズ新訂版
救急疾患
その他
鑑別診断
- DIF.84
胸痛の質
- 圧迫されるような痛み:狭心症、心筋梗塞
- 刺すような痛み:心膜炎、胸膜炎、肋間神経痛
胸痛と呼吸困難
- 参考1
- 気胸、肺炎、胸膜炎、慢性閉塞性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患の悪化、肺癌などの肺疾患、心不全
診察
【現病歴】
誘因、発生様式(突発、緩徐)、経時的変化(一定、動揺、増悪/寛解傾向)、部位(一番痛い部位、放散する部位)、軽快因子、増悪因子、(反復するエピソードあれば)前回との比較、随伴症状
【既往歴】基礎疾患(DM, HT, DL)
【嗜好】smoking, alcohl
【服用薬】
【職業】
【身体所見】
Appearance: Face anguish, Diaphoresis, Cyanosis
Vital:
Consciousness:
BT , BP / , HR (L Arm/R Arm, Lower Extrimity), RR , SpO2
Lymphnode: swollen/no swollen, breath sound →/↑/↓
Chest
Heart:Is →/↑/↓, IIs →/↑/↓, IIIs(±)/IVs(±), murmur, friction rub ±
Lung: crackle/rale
Abdomen: soft/hard, tenderness
Extremity: cold/pulse/edema
Skin: dry/wet/hot/cold
【検査】
ECG: ST segment change
Blood test:
biochemistry: CK-MB, Troponine T, AST, LDH, H-FABP
Blood count: WBC
Arterial blood gas: PaO2 torr
A-aDO2 = 150 - PaCO2/ 0.8 (torr) - PaO2 (normal below 20 Torr)
Chest XP:
Heart echography:
参考
- 1. 肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2009年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_andoh_h.pdf
[★]
- 英
- pulmonary embolism PE
- 同
- 肺梗塞, 肺動脈塞栓症
- 静脈系を経由して血栓、脂肪、腫瘍、空気、異物が肺動脈を閉塞したもの。総称
症状
身体所見 SPU.380
- 多呼吸、頻脈
- ときに、発熱、チアノーゼ
- 胸部聴診:約半数に湿性ラ音・乾性ラ音
- 肺高血圧が著明な場合IIp音の増強
検査
血算
血液生化学
- LDH、総ビリルビンは半分の症例で上昇。心筋梗塞ではASTが上昇する。
凝固線溶系検査
- FDP、D-ダイマー、TAT:(血栓塞栓症の急性期)上昇
動脈血ガス
血清学検査
- IgE:上昇(250 U/ml以上)(50%の症例)
心電図 HIM.1653
- 洞性頻脈
- SI,QIII,TIII:I誘導でS波、III誘導でQ波が見られる。III誘導で陰性T波 ← 特性は高いが、感度は低い
- 前胸部誘導(V1~V4)で陰性T波がよく見られる。
- 右軸偏位 ← 右室負荷のため
- 一過性の右脚ブロック、心房細動
心エコー
- The specific appearance of the right ventricle on echocardiography is referred to as the McConnell's sign. This is the finding of akinesia of the mid-free wall but normal motion of the apex. This phenomenon has a 77% sensitivity and a 94% specificity for the diagnosis of acute pulmonary embolism.(wikipedia enより)
参考
[★]
- 英
- leukocytosis
- 同
- 白血球増加症、(国試)白血球増多
- 関
- 白血球
[show details]
DIF.294
国試
[★]
- 英
- infarct, infarction
- ラ
- infarctus
- 同
- 虚血性壊死
- 関
- 心筋梗塞 myocardial infarction