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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』「2013/11/19 09:10:56」(JST)

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腺リンパ腫 (adenolymphoma) とは、唾液腺腫瘍の2-15%を占める、比較的稀な良性上皮性腫瘍の組織型である（紛らわしい名称であるが、リンパ球は反応性に集簇しているだけであって新生物ではない）。最近は誤解を避けるために、この疾患の発表者Aldred S. Warthinの名を採ってWarthin腫、ワルチン腫瘍 （Warthin's tumor) と呼ぶことが多い（但しWarthinの原語発音は「ウォーシン」に近い）。しかし、WHO分類での名称は依然として"adenolymphoma"である。

大唾液腺、特に耳下腺（下顎角に近い尾部）に好発し、50歳以上の男性に多い。多発例あるいは悪化した報告はあるが、再発は少ない。また、発育も遅い。無痛性の境界明瞭な腫瘤としてみられ、周囲組織との癒着はない。一般に菲薄な線維性被膜を有するが、被膜を欠くことがある。

組織学的には、腺腔形成を示す好酸性顆粒状細胞質の目立つ上皮細胞とリンパ組織からなる。上皮細胞は2層配列で、内腔側に偏在する濃縮核が目立つ内層の高円柱細胞と、立方形あるいは多角形の外側の細胞からなる。リンパ組織は散在性に胚中心を伴い異型のないリンパ球の密な増生からなる。その他壊死した細胞もよく見られる。

Warthin腫瘍

UpToDate Contents

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1. 唾液腺腫瘍：疫学、診断、評価、および病期分類 salivary gland tumors epidemiology diagnosis evaluation and staging
2. 頭頸部腫瘍の病理 pathology of head and neck neoplasms
3. 唾液腺腫瘍：限局性疾患の治療 salivary gland tumors treatment of locoregional disease
4. 頚部腫瘤の鑑別診断 differential diagnosis of a neck mass

Japanese Journal

耳下腺 Warthin 腫瘍20例の臨床病理学的検討

石井純一,木下恵泉,望月美江,天笠光雄,岡田憲彦
口腔病学会雑誌 78(1), 28-34, 2011-03-31
NAID 10028159226

Warthin 腫瘍に扁平上皮癌が合併した耳下腺腫瘍の1例 (第103回成医会第三支部例会ポスター発表)

東京慈恵会医科大学雑誌 123(6), 382-383, 2008-11-15
NAID 120002443723

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60歳の男性。右耳下部腫瘤を主訴に来院した。1か月前、洗顔時に気付いたが痛みはなくそのままにしていたという。右耳下腺後下部に軟らかい腫瘤を触れる。穿刺吸引細胞診で嚢胞性背景に胞体が好酸性の上皮細胞集塊を認める。頸部MRI(別冊No. 27)を別に示す。99mTcO4-唾液腺シンチグラフィで病変部に集積を認める。
診断はどれか。