抗リン脂質抗体症候群
WordNet
- not in favor of (an action or proposal etc.)
- a person who is opposed (to an action or policy or practice etc.); "the antis smelled victory after a long battle"
- a pattern of symptoms indicative of some disease
- a complex of concurrent things; "every word has a syndrome of meanings"
- social insect living in organized colonies; characteristically the males and fertile queen have wings during breeding season; wingless sterile females are the workers (同)emmet, pismire
- any of a large variety of proteins normally present in the body or produced in response to an antigen which it neutralizes, thus producing an immune response
PrepTutorEJDIC
- 《話》(特定の慣習・政策・行動などに)反対する人
- (疾患の徴候となる一群の)症徴候,症候群 / (事件・社会的状態などのパターンを示す)徴候形態
- 『アリ』
- =ain't
- 抗体,免疫体,抗毒素
- (次にくる語の発音が母音で始まるときに用いる) / (子音[h]で始まり第1音節に強勢のない語の場合はanを用いることがある.ただし,この場合は[h]を発音しない)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/13 11:45:38」(JST)
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抗リン脂質抗体症候群 |
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
D68.8 (ILDS D68.810) |
ICD-9 |
ICD9 289.81 |
OMIM |
107320 |
DiseasesDB |
775 |
eMedicine |
med/2923 |
Patient UK |
抗リン脂質抗体症候群 |
MeSH |
D016736 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
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抗リン脂質抗体症候群(こうりんししつこうたいしょうこうぐん、Anti-phospholipid antibody syndrome; APS)は自己免疫疾患のひとつ。自己抗体ができることによって、全身の血液が固まりやすくなり、動脈塞栓・静脈塞栓を繰り返す疾患である。特に習慣性流産や若年者に発症する脳梗塞の原因として重要である。特定疾患のひとつであるが、これだけでは公費対象ではない。
目次
- 1 歴史
- 2 症状、徴候
- 3 検査所見
- 4 診断基準
- 5 治療
- 6 予後
- 7 参考文献
- 8 外部リンク
歴史
抗リン脂質抗体症候群は、1983年、Harrisらによって報告された比較的新しい疾患概念である。当初は全身性エリテマトーデス(SLE)に合併する疾患として報告されており、ループスアンチコアグラントや抗リン脂質抗体が陽性となって血栓イベントや習慣流産の原因となるものと定義された。その後、抗リン脂質抗体症候群はSLEがなくても発症することがわかり、これを原発性抗リン脂質抗体症候群と称し、SLEなどの膠原病に合併するものは二次性抗リン脂質抗体症候群と呼ばれることとなった。
症状、徴候
血栓症
血栓症は、動脈、静脈のいずれにも生じ、また全身のどこにでも生じうる。生じる部位には個人差があると言われているが、そのメカニズムはわかっていない。
- 動脈血栓
- 脳梗塞、心筋梗塞、副腎梗塞、胃十二指腸動脈梗塞、腸間膜動脈塞栓症を指すが、皮膚潰瘍、四肢壊疽を呈することもある。
- 静脈血栓
- 深部静脈血栓症、脳静脈洞血栓症、肺塞栓症、下大静脈血栓、バッド・キアリ症候群など
- 一度に複数の部位に同時に多発性の血栓症を起こし、生命の危険のある病型を劇症型抗リン脂質抗体症候群と称する。
流産
抗リン脂質抗体症候群は習慣流産の原因の一つである。胎盤の血管に生じた血栓が引き起こす胎盤梗塞により、胎児に血液が供給されなくなるのが原因と考えられている。
その他
網様皮斑、リーブマン・サックス心内膜炎、自己免疫性溶血性貧血などを合併することがある。
検査所見
- 凝固系
- 活性化部分トロンボプラスチン時間が延長する。
- 自己抗体
- ループスアンチコアグラント、抗カルジオリピンIgGまたはIgM抗体、抗カルジオリピンβ2GPI抗体が陽性となる。
- 血算
- 中等度の血小板減少症を伴うことが多い。
- その他
- 梅毒検査(Serological Test for Syphilis; STS)が陽性となる(生物学的偽陽性、Biological False Positive; BFP)。より梅毒に特異的なTPHA(Treponema pallidum hemagglutination)やFTA-ABS(Fluorescent Treponemal Antibody-ABSorption)が陰性であることが生物学的偽陽性と判断する鍵であるが、梅毒感染初期には同様の検査所見を呈することがあり注意を要する。
診断基準
国際的な診断基準が、北海道大学教授の小池隆夫らにより1999年に提唱され、札幌基準(クライテリア)と呼ばれている。これは本症を特徴的臨床所見(血栓塞栓症状または習慣流産)のうちひとつと、特徴的検査所見(自己抗体)のうちひとつを6週間以上の間隔をあけて二回確認されるものとしており、基本的に臨床研究に用いるためにつくられたが現場でも用いられている。2006年、改訂版が提案され、自己抗体確認の間隔が12週間に延長されるなどした。
治療
おおまかに2つの臨床症状に対して治療がなされる。下記の臨床症状がでておらず、抗リン脂質抗体(ループスアンチコアグラントも含む)のみが陽性である場合に、治療を行うかどうかはいまだ議論の分かれるところである。
血栓症
血栓症の進行を防ぐため、すなわち2次血栓予防のために薬剤が投与される。脳梗塞などの動脈系の血栓であればアスピリンなどの抗血小板薬が使用される。下大静脈血栓や、動脈血栓で効果が足りないときにはワルファリンを投与する。劇症型抗リン脂質抗体症候群に対し、ステロイド剤やシクロフォスファミドが投与されることがあるが、有効性は明らかとなっていない。
不育症、流産の治療
自己免疫によるものとしては血液凝固異常をきたす抗リン脂質抗体症候群(APS)が有名である。不育症の患者の場合は以前に自己免疫疾患の基準を満たさなかったとしても20%の頻度で自己抗体が陽性になることが知られており特に重要視されているのが抗リン脂質抗体である。抗リン脂質抗体としてはループスアンチコアグラント、抗カルジオリピン抗体、抗カルジオリピン・β2GPI複合体抗体、抗フォスファチジルエタノールアミン(PE)抗体、抗フォスファチジルセリン(CL)抗体(抗プロトロンビン抗体)、抗アネキシンⅤ抗体などが知られている。ループスアンチコアグラントは生体外ではリン脂質依存性のaPTTの延長を示すが生体内では血栓症を引き起こすことが知られている。抗カルジオリピン・β2GPI複合体抗体は抗カルジオリピン抗体のうち血栓症の病的意義が明らかになっている抗体である。抗PE抗体と同様にキニノーゲンに結合する。抗CL抗体はプロトロンビンに結合する。2006年度のAPS分類基準では不育症を認めた場合は比較的容易にAPSと診断されることに注意が必要である。APSによる不育症の治療としては低用量アスピリン療法(LDA)、ヘパリン療法、両者の併用療法、免疫グロブリン静注が知られている。十分なエビデンスは2008年現在存在しないがヘパリン・アスピリン併用療法が一般的である。LDAの投与量は40~100mgである。これは脳血管障害といった病的血管に対しての投与量よりもさらに少量でよいという考え方があるからである。アスピリンの投与に関しては投与期間に関してはコンセンサスを得られていない。妊娠前から投与することもあるし、妊娠が判明してから投与することもある。36週までで投与を中止することが多いがこれは流産の流産、死産のリスクのためであり、催奇形性はない。他のNSAIDs同様に動脈管早期閉鎖などが関与していると考えられている。ヘパリンに関しては教育入院の後、ヘパリンカルシウム(カプロシン)5000単位の12時間ごとの皮下注を行うことが多い。よりリスクが低いと考えられている低分子ヘパリンの皮下注用製剤としてはエノキサバリンが認可される見込みがある。なおこれら血栓症の治療薬は分娩後も継続するのが一般的である。帝王切開では12時間後より、経腟分娩では6時間後より使用を再開し、6~8週間にワーファリンに切り替える。アスピリンは継続することが多い。ワーファリンは催奇形性があることから妊娠中は用いたくない薬の一つである。ステロイド剤もリスク減少が報告されるが、ステロイド剤自体も胎児リスクを有する薬剤である点に留意すべきである。その他、血栓性の不育症を起こすものはループスアンチコアグラント、抗カルジオリピン抗体といった免疫学的な異常によって引き起こされる凝固異常の他、第ⅩⅡ因子、プロテインC、プロテインS、アンチトロンビンⅢの欠乏なども血栓症による胎盤機能不全による不育症を起こすことが知られている。第ⅩⅡ因子は肺塞栓症の原因としてもよく知られている。通常は50%以下で不足と考えるが60%程度でも注意が必要である。プロテインC、プロテインS、アンチトロンビンⅢの欠乏は頻度としては非常に少ない。
予後
重篤な合併症からも予想されるように、本症は生命予後に影響する。全身性エリテマトーデスに本症を合併している患者は、そうでない患者よりも予後が悪い。
参考文献
- 抗リン脂質抗体症候群における脳卒中の二次予防についての検討。
-
- Levine SR, Brey RL, Tilley BC, et al. Antiphospholipid antibodies and subsequent thrombo-occlusive events in patients with ischemic stroke. JAMA 2004; 291:576–584. PMID:14762036 (APASSスタディ。1440人を対象としたランダム化二重盲検試験。脳卒中二次予防において、アスピリンとワルファリンの効果に有意な差はなかった)
- van Goor MP, Alblas CL, Leebeek FW, et al. Do antiphospholipid antibodies increase the long-term risk of thrombotic complications in young patients with a recent TIA or ischemic stroke? Acta Neurol Scand 2004; 109:410–415.PMID:15147465 (128人を対象としたコホート研究。抗リン脂質抗体は脳卒中再発の危険因子ではなく、抗凝固療法は再発抑制に寄与しなかった)
- 抗リン脂質抗体症候群におけるワルファリンの治療強度についての検討。
-
- Crowther MA, Ginsberg JS, Julian J, et al. Comparison of two intensities of warfarin for the prevention of recurrent thrombosis in patients with the antiphospholipid antibody syndrome. NEJM. 2003; 349:1133–1138. PMID:13679527 (114人を対象としたランダム化二重盲検試験。ワルファリンの治療目標値をINR 2.0-3.0(通常療法群)とINR 3.0-4.0(強化療法群)にわけたところ、脳卒中の再発率に有意な差はみられなかった)
- Finazzi G, Marchioli R, Brancaccio V, et al. A randomized clinical trial of high-intensity warfarin vs. conventional antithrombotic therapy for the prevention of recurrent thrombosis in patients with the antiphospholipid syndrome (WAPS). J Thromb Haemost 2005; 3:848–853.PMID:15869575 (WAPSスタディ。109人を対象としたランダム化二重盲検試験、やはりワルファリンをINR 2.0-3.0と3.0-4.0の二つの目標値にわけたが脳卒中の再発率に有意な差はみられなかった)
外部リンク
- 難病情報センター:抗リン脂質抗体症候群
- 抗リン脂質抗体症候群(大学病院ブログ)
UpToDate Contents
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English Journal
- Platelet abnormalities in adults with severe pulmonary arterial hypertension related to congenital heart defects (Eisenmenger syndrome).
- Remková A1, Šimková I, Valkovičová T, Kaldarárová M.
- Blood coagulation & fibrinolysis : an international journal in haemostasis and thrombosis.Blood Coagul Fibrinolysis.2016 Dec;27(8):925-929.
- Patients with severe pulmonary arterial hypertension suffer from life-threatening thrombotic and bleeding complications. The aim of this study was to compare selected platelet, endothelial, and coagulation parameters in healthy volunteers and patients with severe pulmonary arterial hypertension beca
- PMID 26829363
- Thrombotic risk of reduced ADAMTS13 activity in patients with antiphospholipid antibodies.
- Lee SJ1, Kim JE, Han KS, Kim HK.
- Blood coagulation & fibrinolysis : an international journal in haemostasis and thrombosis.Blood Coagul Fibrinolysis.2016 Dec;27(8):907-912.
- Antiphospholipid syndrome (APS) is an autoimmune disease in which antiphospholipid antibodies (aPLs) are generated. Previous studies show concurrence of APS and thrombotic thrombocytopenic purpura; therefore it is plausible to assume that anti-ADAMTS13 autoantibody is also involved in the pathophysi
- PMID 26757014
- Catastrophic antiphospholipid syndrome in pregnancy, a diagnosis that should not be missed.
- Hoayek JG1, Moussa HN1, Rehman HA1, Nasab SH1, Blackwell SC1, Sibai BM1.
- The journal of maternal-fetal & neonatal medicine : the official journal of the European Association of Perinatal Medicine, the Federation of Asia and Oceania Perinatal Societies, the International Society of Perinatal Obstetricians.J Matern Fetal Neonatal Med.2016 Dec;29(24):3950-5. doi: 10.3109/14767058.2016.1160047. Epub 2016 Mar 29.
- Catastrophic antiphospholipid syndrome (CAPS) is an accelerated form of the antiphospholipid antibody syndrome resulting in multi-organ ischemia and failure. It is a rare and life-threatening condition that can be easily mistaken with hemolysis elevated liver enzymes low platelets syndrome, thrombot
- PMID 27023104
Japanese Journal
- 複数回脳梗塞既往の抗リン脂質抗体症候群患者に対する肺切除術の麻酔経験
- 麻酔 = The Japanese journal of anesthesiology : 日本麻酔科学会準機関誌 66(6), 631-633, 2017-06
- NAID 40021230593
- Increased Anti-HSP60 and Anti-HSP70 Antibodies in Women with Unexplained Recurrent Pregnancy Loss
- Pregnancy-related thromboembolism and contributing risk factors: From 10 years of experience at a Japanese tertiary obstetrics institute
Related Links
- Antiphospholipid (AN-te-fos-fo-LIP-id) antibody syndrome (APS) is an autoimmune disorder. Autoimmune disorders occur if the body's immune system makes antibodies that attack and damage tissues or cells. ...
- Giannakopoulos B, et al. Pathogenesis of the antiphospholipid syndrome. New England Journal of Medicine. 2013;368:1033. What is antiphospholipid antibody syndrome? National Heart, Lung, and Blood Institute. http://www.nhlbi.nih ...
★リンクテーブル★
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- 英
- antiphospholipid syndrome, antiphospholipid antibody syndrome, anti-phospholipid syndrome, anti-phospholipid antibody syndrome, APS
- 同
- 抗リン脂質症候群
- 関
- [[]]
概念
分類
- 全身性エリテマトーデスに合併(SLEの20-40%に合併)
- 劇症型(catastrophic APS):血小板減少症・重症、3部位以上の多臓器不全
病因
疫学
症状
- 胎盤内の血栓形成→胎盤機能不全。妊娠5-6か月に多い。明らかな基礎疾患のない習慣流産患者のうちの20%を占める。3回続けて流産した場合は疑われる。
- 1. 静脈血栓症:深部静脈血栓症(Budd-Chiari症候群、下肢、腎、網膜など)、肺塞栓症、腸間膜静脈血栓症
- 2. 動脈血栓症:脳血管障害(一過性脳虚血発作、脳梗塞)、末梢動脈閉塞、腸間膜動脈血栓症、心筋梗塞、網膜動脈血栓症
- 3. 習慣性流産:子宮内胎児死亡
- 4. 血小板減少症(出血傾向は来さないことが多い)
- 5. その他:網状皮斑(livedo),皮膚潰瘍、溶血性貧血、偏頭痛、舞踏病、てんかん、肺高血圧症など
REU.188
- SLE様症状(蝶形紅斑、DLE、光線過敏症など)もありうる
診断
診断基準 REU.190
- 臨床症状1椎上、検査基準1つ以上を満たしたとき、抗リン脂質抗体症候群と診断
- 1. 血栓症:動脈、静脈、小血管
- 2. 妊娠合併症
- a. 妊娠10週以降の胎児死亡
- b. 重症子癇前症、子癇、あるいは重症胎盤機能不全による34週以前の早産
- c. 3回以上続けての妊娠10週以前の自然流産
検査
- → 梅毒血清反応(STS):偽陽性
- 抗β2-GFI/カルジオリピン複合体抗体
- → リン脂質依存性の血液凝固反応の阻害(内因系) → APTT:延長。PT:正常
治療
- 動脈血栓症の再発予防・・・アスピリン少量内服が第一選択
- 静脈血栓症の再発予防・・・ワルファリン
予後
予防
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- 同
- ants, stinging
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