- 英
- apoptosis
- 関
- 細胞死、プログラム細胞死
臨床関連
アポトーシス異常
免疫
- 自己免疫病
- lprマウスやgldマウスと同じ症状を呈する
参考
- http://www.nature.com/nrm/journal/v3/n6/fig_tab/nrm832_F1.html
- PMID 12042767
WordNet
- a type of cell death in which the cell uses specialized cellular machinery to kill itself; a cell suicide mechanism that enables metazoans to control cell number and eliminate cells that threaten the animals survival (同)programmed_cell_death, caspase-mediated cell death
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/10/11 05:38:36」(JST)
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アポトーシス (apoptosis) とは、多細胞生物の体を構成する細胞の死に方の一種で、個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる、管理・調節された細胞の自殺すなわちプログラムされた細胞死(狭義にはその中の、カスパーゼに依存する型)のこと。ネクローシス(necrosis)の対義語として使われる事が多い。
Apoptosis の語源はギリシャ語の“απόπτωσις”, apoptosis アポプト-シス:「apo-(離れて)」と「ptosis(下降)」に由来し、「(枯れ葉などが木から)落ちる」という意味である。
目次
- 1 特徴
- 2 登場作品
- 3 脚注
- 4 参考文献
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
特徴
特徴としては、順番に
- 細胞膜構造変化(細胞が丸くなる)
- 核が凝縮する
- DNA 断片化(DNAが短い単位(ヌクレオソームに相当)に切断される)
- 細胞が小型の「アポトーシス小胞」とよぶ構造に分解する
といった変化を見せる。
多細胞生物の生体内では、癌化した細胞(そのほか内部に異常を起こした細胞)のほとんどは、アポトーシスによって取り除かれ続けており、これにより、ほとんどの腫瘍の成長は未然に防がれている。また、生物の発生過程では、あらかじめ決まった時期に決まった場所で細胞死が起こり(プログラムされた細胞死)、これが生物の形態変化などの原動力として働いているが、この細胞死もアポトーシスの仕組みによって起こる。例えばオタマジャクシからカエルに変態する際に尻尾がなくなるのはアポトーシスによる[1]。線虫では発生において起こるアポトーシスがすべて記載されている。人の指の形成過程も、最初は指の間が埋まった状態で形成され、後にアポトーシスによって指の間の細胞が死滅することで完成する。さらに免疫系でも自己抗原に反応する細胞の除去など重要な役割を果たす。
シドニー・ブレナー、ロバート・ホロビッツ、ジョン・サルストンはこの業績により2002年のノーベル生理学・医学賞を受賞している。
アポトーシスを開始させる細胞内のシグナル伝達経路は主にこの線虫の遺伝学的研究から明らかになった。その後線虫や昆虫から哺乳類まで多細胞動物のアポトーシス経路には共通点が多いことが明らかとなった。これは非常に複雑に調節されるネットワークであるが、カスパーゼと総称される一連のプロテアーゼが中心的な働きをし、下流のカスパーゼを順に切断・活性化していくこと、また「アポトーシスの司令塔」であるミトコンドリアも重要な働きをなすことが特徴である。おおよそ次のようにまとめられる。
- TNFやFasリガンドなどのサイトカイン(デスリガンド)による細胞外からのシグナル ⇒ 受容体(デスレセプター) ⇒ カスパーゼ-8,-10 ⇒ カスパーゼ-3
- DNA損傷など ⇒ p53 ⇒ ミトコンドリア上のBax、Bakなどのタンパク質からなるシグナル系による制御(またはミトコンドリア自体の異常) ⇒ ミトコンドリアからシトクロムcの漏出 ⇒ カスパーゼ-9 ⇒ カスパーゼ-3
- 小胞体ストレス(小胞体で異常なタンパク質が生成するなど) ⇒ カスパーゼ-12 ⇒ カスパーゼ-3
カスパーゼ-3がその他のタンパク質を分解するなどしてアポトーシスを決行させる。現在普通にはこのような経路による細胞死を特にアポトーシスと呼んでいるが、植物などで異なるメカニズムによる細胞死をアポトーシスと呼ぶこともある(これらについてはプログラム細胞死を参照)。
登場作品
名探偵コナン - この細胞により作成された架空の薬APTX4869も存在する。
脚注
- ^ この経路に免疫系がかかわっており、自己免疫から抗原と認識される蛋白質を尾に発現させ、異物として排除する。新潟大学の井筒ゆみ助教(2009年10月現在)が証明し、生物の発生に免疫系が関与する事例を初めて示したとして2009年10月に米国科学アカデミー紀要に発表した。
参考文献
- 三橋紀夫 『がんをどう考えるか 放射線治療医からの提言』 新潮社〈新潮新書〉、2009年。ISBN 9784106102950。
関連項目
外部リンク
- 日本Cell Death学会
- アポトーシス概論(CSTジャパン)
- アポトーシス抑制(CSTジャパン)
- ミドコンドリアでのアポトーシス制御(CSTジャパン)
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 新規抗HBV薬の開発状況 (第5土曜特集 ウイルス肝炎のすべて) -- (血液伝播するウイルス肝炎)
- New food industry = ニューフードインダストリー : 食品加工および資材の新知識 59(8), 1-14, 2017-08
- NAID 40021280852
- 膵臓癌細胞のアポトーシス誘導に関する基礎研究 (特集 進化する超音波治療技術の最前線(1))
- 自己免疫機序と緑内障進行との関連 (特集 緑内障の非眼圧的要素)
Related Links
- アポトーシス=「細胞の自然死」(自発死) あらかじめプログラムされた細胞死のこと。植物の落ち葉、胎児の指の形成、ガン細胞の死滅・・・・。無関係に見えるこれらの現象に共通しているのが、細胞が自滅するように死んで ...
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- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 - アポトーシスの用語解説 - 一部の細胞があらかじめ遺伝子で決められたメカニズムによって,なかば自殺的に脱落死する現象。アポプトーシスともいう。オタマジャクシがカエルになるときに ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- cell death
- 関
- アポトーシス、プログラム細胞死、ネクローシス
アポトーシスとネクローシスの違い
|
アポトーシス
|
ネクローシス
|
形態
|
濃縮、分断化
|
溶解
|
膜の強度
|
保たれる
|
失われる
|
ミトコンドリア
|
影響を受けない
|
膨潤、Ca取り込み
|
クロマチン
|
偏在化、濃縮
|
凝集
|
タンパク質合成阻害
|
死が阻害されうる ・actinomycin D ・CHX
|
なし
|
原因
|
糖質コルチコイド、ホルモン刺激の低下、過剰な刺激、中程度の毒
|
強い毒、低酸素、pHの大きな変動
|
典型例
|
胸腺←糖質コルチコイド
|
肝臓←肝毒性物質
|
細胞の変化
|
リソソームは変化無し
|
リソソームが破裂する
|
核の変化
|
特定の長さに切断
|
ランダムに切断
|
最初の徴候
|
エンドヌクレアーゼの活性化
|
小疱形成、膨潤
|
[★]
- 英
- autoimmune lymphoproliferative syndrome ALPS
- 関
- アポトーシス
遺伝
原因
- Fas(Ia型)
- FasL(Ib型)
- caspase-10(II型)
症状
- リンパ節腫大
- 肝脾腫
- 自己免疫性疾患(溶血性貧血、血小板減少症、好中球減少症、糸球体腎炎、自己免疫性肝炎、皮疹など)
治療
[★]
- 英
- necrosis
- 同
- ネクローシス
- 関
- アポトーシス、細胞死
[★]
- 英
- programmed cell death、PCD
- 関
- アポトーシス、プログラム死、予定死
[★]
- 英
- necrosis、necrotic
- 関
- 壊死、壊死性、アポトーシス
[★]
- 英
- apoptosis-inducing factor, AIF
参考
- http://www.nature.com/nrm/journal/v3/n6/fig_tab/nrm832_F1.html
- PMID 12042767
[★]
- 英
- TNF-related apoptosis-inducing ligand
- 関
- 腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド
[★]
- 英
- TNF-related apoptosis-inducing ligand
- 関
- TNF関連アポトーシス誘導リガンド
[★]
- 英
- inhibition of apoptosis
[★]
- 英
- apo
- 関
- アポリポタンパク質、アポリポ蛋白、アポリポ蛋白質、アポリポタンパク