キアリ奇形
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/03/10 12:15:53」(JST)
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脳ヘルニアの一種である小脳扁桃嵌頓のMRI像。同時にアーノルド・キアリ奇形の徴候を示す
アーノルド・キアリ奇形 (Arnold-Chiari malformation) とは脳の奇形の一種で、後頭部にある小脳や脳幹の一部が、頭蓋骨から脊椎に落ち込んだ状態になる。キアリ奇形とも。この状態になると脊髄空洞症 (syringomyelia) をおこし運動機能に障害が出る。先天性と後天性があり詳しい原因は分かっていない。大人になってから分かることが多く、水頭症及び無呼吸症候群等の症状がきっかけで診断されることが多い。II型でも空洞症は併発していない症例が多く、その相互関係は研究されている。
§症状・型
- 先天性
- 妊娠中に後頭骨から上部頸椎の骨の形成異常によって起きる。
- 後天性
- 出生時の外傷によって頭蓋骨が変形することによって起きる。
§キアリI型
小脳扁桃の一部のみが脊柱管内に落ち込んだ状態。
§キアリII型
延髄の一部や小脳の虫部までが脊柱管内へ落ち込んだ状態、 I型よりも重症である。脊髄髄膜瘤、水頭症の合併がみられることが多い。
§治療法
外科手術によって治療可能な場合がある。
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Japanese Journal
- 黒毛和種新生牛にみられた小脳欠損および潜在性二分脊椎症を伴う複合奇形
- 小泉 源也,平井 良夫,山本 賢一
- 日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association 61(8), 626-629, 2008-08-20
- NAID 10025574479
- 臨床 神経耳科学的検討を加えたアーノルドキアリ奇形の2例
- 石田 芳也,金谷 健史,執行 寛 [他]
- 耳鼻咽喉科臨床 98(9), 685-690, 2005-09
- … 著者版症例1(14歳):症例2(54歳女).いずれも歩行時のふらつきを主訴とし,画像検査によりアーノルドキアリ奇形I型と診断したが,画像所見から障害部位やその程度を推測するのは困難で,神経耳科学的評価により推測することができた.症例1では神経耳科学的にsmooth pursuit(SP)と視運動性眼振(OKN)の触発不良を認め,脳幹機能の障害が示唆された.温度刺激検査においては明らかな温度眼振第2相が観察された.症例2は症例1と比較し …
- NAID 120001025444
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- アーノルド・キアリ奇形 (Arnold-Chiari malformation) とは脳の奇形の一種で、後頭部 にある小脳や脳幹の一部が、頭蓋骨から脊椎に落ち込んだ状態になる。キアリ奇形とも 。この状態になると脊髄空洞症 (syringomyelia) をおこし運動機能に障害が出る。
- アーノルド・キアリ奇形. 前回は、突発性難聴に良く似た症状で発症した聴神経腫瘍の 症例についてお話しました。 このように中枢神経(つまり脳のことです)疾患に、難聴の ような末梢神経(この場合は耳です)の症状が関わると、一見理解し難い病態を呈する こと ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 日
- げんうん、めまい
- 英
- vertigo, dizziness
- ラ
- vertigo
- 同
- めまい発作 dizzy spell
- 関
- めまい、耳鳴り
めまいの分類
IMD. 276
- SOD.134
原因部位による分類
めまいをきたしうる疾患
- IMD.277
原因部位と眼振
原因部位の鑑別
- 研修医当直御法度 症例帳 p.22
- IMD.279
|
末梢前庭性めまい
|
中枢性めまい
|
性状
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回転性が多い
|
回転性は少ない
|
強さ
|
強い
|
軽度
|
持続時間
|
数日まで
|
数日以上
|
眼振の方向
|
一方向性
|
注視方向性
|
自発眼振の性状
|
水平回旋性が多
|
純回旋性、垂直性
|
固視の影響
|
抑制される
|
抑制されない
|
注視眼振の増強する方向
|
健側
|
患側
|
蝸牛症状
|
多い
|
稀
|
中枢神経症候
|
なし
|
あり
|
悪心・嘔吐
|
軽度~重度
|
ない or 軽度
|
疫学
- IMD.277
- 1. 末梢前庭性眩暈:4-5割 → 良性発作性頭位眩暈が多い。
- 2. 中枢性眩暈 :3割
眩暈、難聴をきたす疾患
検査
参考
- 1. [charged] Benign paroxysmal positional vertigo - uptodate [1]
[★]
キアリ奇形。アーノルド・キアリ奇形
[★]
- 英
- Chiari malformation
- 同
- Chiari奇形、アーノルド-キアリ症候群 Arnold-Chiari syndrome、アーノルド・キアリ奇形 Arnold-Chiari奇形 Arnold-Chiari malformation、キアリ-アーノルド奇形 Chiari-Arnold malformation
概念
- 小脳や脳幹が大後頭孔を通じて脊椎管内に下垂した先天性奇形の総称である。
定義
- 先天性水頭症を伴う小脳奇形の4型 → アーノルド・キアリ奇形(1891年Chiariが記載) → 後脳奇形全体をまとめてアーノルド・キアリ症候群とよぶ
Chiari奇形I型とChiari奇形II型。その他
- SCN.282改変
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I型
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II型
|
III型
|
IV型
|
脊柱管への陥入
|
小脳扁桃
|
延髄、 第四脳室、 小脳虫部
|
(頚部の二分脊椎部に 小脳が陥入(脳瘤) 。 延髄下垂。水頭症)
|
(小脳の形成不全)
|
発症年齢
|
小児、成人
|
乳幼児
|
|
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臨床症状
|
非特異的
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喉頭喘鳴、 無呼吸発作、 嚥下困難
|
|
|
水頭症
|
+
|
+++
|
|
|
脊髄髄膜瘤
|
-
|
+++
|
|
|
脊髄空洞症
|
++
|
+
|
|
|
病型 SOR.437
I型
- (MRI像、頭蓋底陥入症、脊髄空洞症合併が見られる。矢頭は小脳扁桃)
- 脊髄空洞症を伴いやすい
II型
異常部位
大脳
|
脳梁形成不全、大脳鎌形成不全、小多脳回
|
小脳
|
下垂
|
中脳
|
中脳水道の閉塞
|
橋
|
|
延髄
|
下垂
|
脳室
|
水頭症(ほぼ全例)(側脳室・第3脳室の拡大、側脳室後角の拡大)
|
脊椎
|
脊髄髄膜瘤(ほぼ全例)
|
III型
- 頚部の二分脊椎部に小脳が陥入(脳瘤)。延髄下垂。水頭症
IV型
症状
- I型:咳嗽、くしゃみ、怒責により頭蓋内圧が亢進して頭痛を来す。
- II型:脳幹症状(吸気時喘鳴、無呼吸発作、嚥下障害、水頭症に伴う脳室拡大。)
検査
治療
- 頭蓋内圧が高い場合には脳室シャント術を行う
- 後頭下減圧術(大孔減圧術)である
[★]
- 英
- form、shape、figure、appearance
- 関
- 型、外見、形式、形成、形態、杢、出現、図、品種、編成、見かけ、形をとる、フォーム、外観、成立、様子、形づくる
[★]
- 英
- malformation (L), anomaly, deformity, teratism
- 関
- 先天異常、先天奇形