クラインフェルター症候群
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- United States physician who first described the XXY-syndrome (born in 1912) (同)Harry F. Klinefelter, Harry Fitch Kleinfelter
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/08/27 01:17:54」(JST)
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クラインフェルター症候群(クラインフェルターしょうこうぐん、英: Klinefelter's syndrome)とは、男性の性染色体にX染色体が一つ以上多いことで生じる一連の症候群。1942年にハリー・クラインフェルターによって初めて紹介された。
目次
- 1 原因
- 2 疫学
- 3 症状
- 4 臨床像
- 5 治療
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
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原因
通常の男性の性染色体は「XY」であるが、これにX染色体が1つ多く「XXY」となっている。一般に染色体すべてを総合して「47, XXY」と表現される。さらにX染色体が二つ以上多い「XXXY」等もある。
疫学
頻度は大体1000 - 2000人(男児500 - 1000人)に1人とされている。
症状
過剰なX染色体が多いほど障害の傾向も強い。X染色体の数の異常があれば症状が高確率で出るわけではなく、この組み合わせの染色体を持ちながら症状が全く出ないケースの方が多い。成人以降、突如第二次性徴的変化が始まることもある。アンドロゲン不応症とよく間違われるが、アンドロゲン不応症は染色体異常ではなく、外見的特長は女性的であり、別の症状である。
第二次性徴までは一般の男児とさほど変わらない体形だが、第二次性徴あたりから胴体の成長はとまり、首・手・足などが成長するため、華奢で手足の長い細身の体形になる人が多いとされるが、肥満体や、身長は平均並みの人も多く、顕著とも言い切れない[1]。
必ず乳房が発達するというものでもないが、まれというほどでもない[2]。成人しても少年や児童的、華奢な体格・声変わりしない・筋肉が付きにくく運動能力が低い・体毛が薄い、陰毛腋毛が発生しない、もしくは極端に薄い等がある。性同一性障害の割合や、性指向の混乱は一般と比べそれほど多くない。
外性器・内性器は通常の男性形である。性欲は一般的に低いが、射精や通常の性行為は問題なくできる。精液はほぼ透明であり、無臭に近く量も少ない。精子の数が極端に少ないため不妊となりやすいが、人工授精によって受精・出産まで至った例もある[3]。また、XXYと判定されている場合でも実際はXYとXXYのモザイクである可能性もあり、この場合、睾丸内のXY細胞の数が多ければ特に受精に問題は生じない[4]。
認知機能や言語機能の遅れ、社会的スキルや感情のコントロールの脆弱性が指摘されており、最近の研究では、自閉症(広汎性発達障害)的傾向が一般よりも高いことが判明している(広汎性発達障害者がクラインフェルター症候群であるということではない)。
身体が弱く病気がち、特に気管支関連の病気と心臓の病気が多い。 中年以降は、男性ホルモン不足による更年期障害や骨粗鬆症になりやすい。「XXXY」、「XXXXY」の場合に多く観察される。一般にXの数が多いほど症状が深刻である。
臨床像
X染色体が一つ多いことだけで「女性化」と見られる特徴を呈する。
治療
男性ホルモン補充療法などが行われる。
関連項目
- 染色体異常
- 三毛猫
- 無精子症
- 不妊
- ボビー・ジョー・ロング(w:Bobby Joe Long)- アメリカ合衆国の強姦殺人犯。同病の持病があった。
外部リンク
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 症例 Klinefelter症候群患者にみられたWeber-Christian病の1例
- Klinefelter 症候群に伴った難治性下腿潰瘍の1例
- 藏岡 愛,穐山 雄一郎,小川 文秀,清水 和宏,佐藤 伸一,赤星 吉徳
- 西日本皮膚科 = The Nishinihon journal of dermatology 71(4), 392-395, 2009-08-01
- NAID 10026321232
Related Links
- クラインフェルター症候群の染色体. クラインフェルター症候群(クラインフェルターしょう こうぐん、英: Klinefelter's syndrome)とは、男性の性染色体にX染色体が一つ以上 多いことで生じる一連の症候群。 1942年にハリー・クラインフェルターによって初めて 紹介 ...
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★リンクテーブル★
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- 日齢Oの新生児。母親は42歳、1回経妊1回経産婦。妊娠19週の胎児超音波検査で脳室拡大、小脳低形成、心奇形が認められた。妊娠37週に骨盤位のため帝王切開で出生した。出生後から自発呼吸が微弱であり、人工呼吸管理を施行した。身長 41.5cm(-2.42 SD)、出生時体重 1,528g(-3.72 SD)、頭囲 31.5cm(-0.83SD)。体温 36.1℃。心拍数 144/分、整。血圧 60/30mmHg。四肢末梢に軽度の冷感を認める。大泉門は平坦、軟で、2×2cmと開大している。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸雑音は弱い。筋緊張は弱い。外性器は男性型である。胸部エックス線写真で心胸郭比58%であった。頭部、手および足の写真(別冊No. 4)を別に示す。
- 考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112F050]←[国試_112]→[112F052]
[★]
- 30歳の男性。挙児希望を主訴に来院した。結婚後2年間、排卵日に性交渉をもったが妻は妊娠しなかった。28歳の妻は産婦人科を受診し異常を指摘されていない。腹部の視診と触診で異常を認めない。外陰部の触診で両側精管に異常を認めない。血液生化学所見:LH 3.2mIU/mL(基準 1.8~5.0)、FSH 23.3mIU/mL(基準 2.0~8.0)、テストステロン 285ng/dL(基準 201~750)。染色体検査は46,XYであった。精巣容積は両側ともに6mL(基準 10~14)。精液検査で精液中に精子を認めない。精巣生検において精巣内に運動精子をわずかに認める。この患者について正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109I058]←[国試_109]→[109I060]
[★]
- 32歳の男性。急に身体に力が入らなくなったため救急搬送された。過去にも2、3度似たようなエピソードがあったが自然軽快したためそのままにしていた。意識は清明。脈拍 84/分、整。血圧 200/110mmHg。呼吸数 16/分。近位筋に強い全身筋力低下があり起きあがれない。体型はやや女性的で、幼いころは女児とよく間違われたという。血液生化学所見:Na 146mEq/L、K 1.8mEq/L、Cl 104mEq/L。動脈血ガス分析(room air):pH 7.53、PaCO2 43Torr、PaO2 87Torr、HCO3- 35mEq/L。カリウム含有の補液治療を受け、動けるようになった。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109I064]←[国試_109]→[109I066]
[★]
- 22歳の女性。原発性無月経を主訴に来院した。身長160cm、体重52kg。陰毛は欠如している。内診で、膣は形成されているものの盲端に終わる。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球438万、Hb13.4g/dl、Ht36%、白血球7,300、血小板16万。血清生化学所見:FSH22.0mIU/ml(基準5.2~14.4)、LH18.8mIU/ml(基準1.8~7.6)、エストラジオール50pg/ml(基準25~75)、テストステロン10.5ng/ml(基準0.3~0.9)。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A049]←[国試_101]→[101A051]
[★]
- 18歳の女子。初経がみられないことを主訴に来院した。においを感じにくいとの訴えがある。既往歴に特記すべきことはない。身長165cm、体重50kg。二次性徴の発来を認めない。内診で異常を認めない。血液生化学所見: LH 0.2mlU/mE(基準1.8-7.6)、FSH 0.8mIU/ml(基準5.2-14.4)、エストラジオール 20pg/ml以下(基準25-75)、テストステロン 10ng/dl(基準30-90)。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104D036]←[国試_104]→[104D038]
[★]
- 42歳の初妊婦。妊娠31週5日。羊水過多のため精査目的で紹介されて来院した。超音波検査で胎児推定体重 1,250g、羊水指数(AFI)28.5cm(基準 5~25)であり、胎児に房室中隔欠損を認め、心内膜床欠損症が疑われた。胎児の腹部超音波像(別冊No. 22A、B)を別に示す。
- 最も考えられる胎児の疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110D049]←[国試_110]→[110D051]
[★]
- 日齢12の新生児。呼吸障害のためNICUに入院中である。在胎 37週、出生体重 2,386g、身長 47cmで帝王切開で出生した。筋緊張低下、色白な皮膚、矮小陰茎と停留精巣があり、哺乳障害を認める。FISH法にて15番染色体長腕に微細欠失を認める。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112D054]←[国試_112]→[112D056]
[★]
- 38歳の初産婦。妊娠34週の妊婦健康診査のため来院した。腹部超音波検査で胎児推定体重は1,500g、羊水ポケットは5cm、胎児の小脳低形成、心室中隔欠損、手関節屈曲および手指の重なりを認める。
- この児に疑うべき疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111D037]←[国試_111]→[111D039]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102E004]←[国試_102]→[102E006]
[★]
- 健常成人の手の写真(別冊No. 3A、B)を別に示す。
- これらの握り方や組み方が特徴的な所見を示すのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111I015]←[国試_111]→[111I017]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096H042]←[国試_096]→[096H044]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096H045]←[国試_096]→[096H047]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [099D070]←[国試_099]→[099D072]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096G087]←[国試_096]→[096G089]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101B058]←[国試_101]→[101B060]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107E037]←[国試_107]→[107E039]
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[正答]
※国試ナビ4※ [105B036]←[国試_105]→[105B038]
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[正答]
※国試ナビ4※ [106D004]←[国試_106]→[106D006]
[★]
- 小児期に血中ゴナドトロピンが低値となるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [096G056]←[国試_096]→[096G058]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100B060]←[国試_100]→[100B062]
[★]
- 英
- obesity
- 同
- 肥満症
- 関
- overweight
定義
- 体脂肪が異常に蓄積した状態
- 日本肥満学会による定義ではBMI 25以上を肥満としている。
- その他に、標準体重の20%以上増加(肥満度が20%以上ということ)、体脂肪率で男性25%、女性30%以上を肥満とする定義がある。
分類
病態
- 1. 原発性肥満:過食、運動不足、遺伝。全体の約95%
-
- シプロヘプタジン、クロルプロマジン、フェノチアジン
重症度
- 日本肥満学会によるBMIの肥満分類
- 低体重 18.5>
- 普通体重 18.5≦ <25
- 肥満(1度) 25≦ <30
- 肥満(2度) 30≦ <35
- 肥満(3度) 35≦ <40
- 肥満(4度) 40≦
肥満に合併する疾患
- 脳血管障害、心疾患(心肥大等)、動脈硬化、呼吸器疾患(睡眠時無呼吸症候群)、脂肪肝、胆石症、高血圧、高脂血症、糖尿病、腎疾患、月経異常、関節痛
[★]
- 英
- leg ulcer
- 関
- 下腿潰瘍
分類
- 動脈性潰瘍:虚血性が原因なので治療は末梢血行の改善がfirst
- 静脈性潰瘍:中年女性、立ち仕事が多い者に後発。下腿内側>下腿外側。
- 糖尿病性潰瘍
- 中枢神経系の疾患に基づく麻痺(脳卒中、脊髄損傷、二分脊椎症)
- ハンセン氏病
[★]
- 英
- Klinefelter's syndrome, KS, Klinefelter syndrome
- 同
- Klinefelter症候群, XXY症候群 XXY syndrome
概念
- X染色体過剰に由来する性染色体異常症候群
- 男性性腺機能不全のうち最も多い疾患である。 男性不妊を主訴とした染色体異常の中で最も多く600-1000人中1人に見つかるとされる。
病因
- 核型:47,XXY(約80%), 48,XXXY, 49,XXXXY, 46,XY/47,XXYモザイク、48,XXYYなど
- 受精卵の卵割時のX染色体の不分離。
- 性腺は精巣へ分化し、内性器・外性器は正常に分化するが、精巣機能が正常に作用しない
疫学
- 発生頻度:男子の1/1,000(男児600出生に1人とも)
症状
- 無精子症、小睾丸、女性化乳房、高身長、細長い体型、薄い髭・体毛
- 知能は通常正常。
- 女性化乳房を呈する症例で男性乳ガンの発生率が高いらしい?
検査
- テストステロン産生不全、ゴナドトロピン高値(LH・FSH高値。精巣の機能が異常ということか?) → 二次性徴の欠如、不妊
診断
国試
[★]
- aberration
- 英
- chromosome aberration, chromosomal aberration, chromosome abnormality, chromosome anomaly
- 関
- 白血病、染色体検査
概念
種類
-
- 45,XO:Turner症候群 (45X/46XX (モザイク)、46XXq、46XXpもありうる)
- 45,YO:致死的らしい
- 47,XXY:Klinefelter症候群 (2個以上のXと1個以上のY:48,XXXY, 49,XXXXY, 46,XY/47,XXYモザイク、48,XXYYなどもありうる)
- 欠失、逆位、転座、挿入、重複、環状染色体、同腕染色体
流産との関係
- 全妊娠の10-15%は自然流産であり、自然流産の半数以上は染色体異常が原因である。(QB.P-334)
- 自然流産児の染色体異常頻度は50-70%、新生児における染色体異常頻度は約1%。
[★]
- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
[★]
- 英
- group
- 関
- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
[★]
- 英
- symptom and sign
- 関
- 症状, 徴候 兆候