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Japanese Journal
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- ホルモン補充療法の注意点① - 甲状腺機能低下症 いきなり必要量を使うと身体への負担が大きすぎる 甲状腺ホルモン薬の適切な使用量は、患者さんごとに異なります。甲状腺ホルモン薬の服用は、少量から開始します。
- 甲状腺ホルモン (サイロイド、チラージン、サイロニン) 補充療法 甲状腺とは、頚部の前面にある小さな蝶形の内分泌臓器で、ここから分泌されるのが、甲状腺ホルモンです。このホルモンは、エネルギー代謝量や人間の体の様々な臓器の働き ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、 53~ 55の問いに答えよ。
- 74歳の女性。意欲低下と全身倦怠感とを主訴に来院した。
- 現病歴: 3年前に夫を亡くし、そのころから意欲低下を自覚するようになったが誰にも相談しなかった。 3か月前から意欲低下がこれまでより増悪し、全身倦怠感も徐々に出現した。一昨日、転倒して尻もちをついた。昨日、腰痛も自覚したためかかりつけ医を受診し、カルシトニンの筋肉注射を受け、さらに精査のため紹介されて受診した。
- 既往歴: 68歳で脂質異常症と骨粗鬆症とを指摘され、 HMG-CoA還元酵素阻害薬と活性型ビタミン Dとを服用中である。
- 生活歴: 3年前から一人暮らし。喫煙歴と飲酒歴とはない。
- 家族歴:夫が心筋梗塞のため 75歳で死亡。妹が脂質異常症で治療中。
- 現症:意識は清明。身長 153 cm、体重 58 kg。体温 35.8 ℃。脈拍 52/分、整。血圧 116/64 mmHg。甲状腺はびまん性に腫大し硬い。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
- 検査所見:血液所見:赤血球 408万、 Hb 12.0 g/dl、Ht 38%、白血球 5,300、血小板 17万。血液生化学所見:総蛋白 7.0 g/dl、アルブミン 3.7 g/dl、AST 62 IU/l、ALT 42 IU/l、LD 484 IU/l(基準 176~353)、 ALP 275 IU/l(基準 115~359)、 γ -GTP 3 3IU/l(基準 8~50)、 CK 682 IU/l(基準 30~140)、 CK-MB 15 IU/l(基準 20以下 )、尿素窒素 16 mg/dl、クレアチニン 0.9 mg/dl、尿酸 7.2 mg/dl、血糖 98 mg/dl、総コレステロール 216 mg/dl、トリグリセリド 130 mg/dl、HDLコレステロール 45 mg/dl、Na137 mEq/l、K 4.5 mEq/l、Cl 102 mEq/l、Ca 9.5 mg/dl、TSH 56.3 μU/ml(基準 0.2~4.0)、 FT3 0.8 pg/ml(基準 2.5~4.5)、 FT4 0.2 ng/dl(基準 0.8~2.2)。 CRP 1.0 mg/dl。心電図で肢誘導の低電位を認める。胸部エックス線写真で心胸郭比 54%。甲状腺ホルモン補充療法を開始した。
- 最も注意すべき有害事象はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108B054]←[国試_108]→[108B056]
[★]
- 英
- hormone
古典的な定義
- 特定の内分泌腺から分泌され、血行によって運ばれ、遠隔部の特定の標的器官に作用して特異的効果を現す物質(PT.403)
例外
- 消化管ホルモン (PT.403)
- 視床下部ホルモン (PT.403)
- 甲状腺濾胞ホルモン?
- カルシトニン?
ホルモンの一覧表
[★]
- 英
- thyroid gland
- ラ
- glandula thyroidea
- 関
- 甲状腺ホルモン、副甲状腺(上皮小体)
- 喉頭
- 図:N.24(全面の筋),25(全面の筋),70(血管),71(血管)
解剖学
部位
性状
- 成人の正常重量15-25g、女性の方が少し重い。妊娠中や性周期で重量が変化する。分泌期初期(early secretary phase排卵後2-5日目)には50%も重量が増加する。
大きさ
- よくわかる甲状腺疾患のすべて 永井書店 (2004/01) ISBN 481591673X
- 単位はmm?
|
n
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峡部
|
横断厚
|
横径
|
縦経(右)
|
縦経(左)
|
男性
|
34
|
1.8±0.6
|
18±3.0
|
48±4.8
|
49±3.7
|
49±3.8
|
女性
|
16
|
1.3±0.8
|
16±2.2
|
46±3.6
|
45±6.0
|
46±3.0
|
血管
動脈
静脈
神経
- 声帯を支配する神経が甲状腺の裏側を通過 N.71
画像
- (高エコー)筋肉>甲状腺>気道(低エコー) ← 要確認
組織学
- 成人甲状腺全体の0.1%を占める
- カルシトニン産生細胞、HEでは判別困難。
- 銀染色(Glimerius)、免疫組織化学(chromogranin A、synaprophysin, carcitoninなど)により明らかとなる。
- 電顕では、electron dense な顆粒を有する(神経内分泌顆粒)。
機能
発生
神経支配
- 上頚部交感神経節、中頚部交感神経節。交感神経神経線維は濾胞近傍に終末し、分泌に影響を及ぼす。
臨床関連
診察所見と疾患
非腫瘍性疾患
- a) 無形成 Agenesis
- b) 低形成 Hypoplasia
- c) 異所性甲状腺:異残物
- mynocyclineによるblack thyroid:消耗性色素リポフスチンと他の物質(lipid-drug complexによりlysosomeに色素が沈着する)。
- a) 濾胞腺腫 follicular adenoma
- a) 乳頭癌 papillary carcinoma 88%
- b) 濾胞癌 follicular carcinoma 4.2% 甲状腺濾胞癌 thyroid follicular carcinoma
- c) 低分化癌 poorly differentiated carcinoma
- d) 未分化癌 undifferentiated carcinoma 1.5%
- e) 髄様癌(C細胞癌) medullary carcinoma, C-cell carcinoma 1.4%
- f) 悪性リンパ腫 malignant lymphoma 3.5%
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
分類
[★]
- 英
- thyroid hormone, thyroid hormones
- 関
- 甲状腺、サイログロブリン、カルシトニン、甲状腺ホルモン製剤
- 胎児の発育・新生児の生理と適応
種類
分類
性状
産生組織
標的組織
受容体
- 核内甲状腺受容体(甲状腺ホルモン受容体ファミリー)
- ステロイドレセプタースーパーファミリーに属する → 核内受容体スーパーファミリー
作用
代謝系別
- 脳、脾臓、睾丸をのぞくすべての組織で酸素消費を高める ← 甲状腺クリーゼによる発熱の原因
- カテコラミンの作用を増強する
心筋細胞のカテコールアミン受容体を増加 ←証明されていない?
-
-
- →甲状腺ホルモンの投与によりコルチゾールが減少し副腎クリーゼを誘発
- エリスロポエチン産生促進 → 赤血球増加
- ヘモグロビンからの酸素解離を促進 → 末梢組織での酸素利用↑
- 骨代謝回転を高め、骨形成・骨吸収を促進 (閉経後女性で甲状腺ホルモン多 → 骨塩量減少 → 骨粗鬆症
- グレーブス病では筋肉蛋白の代謝亢進、筋肉量の減少、筋力低下、筋脱力、四肢麻痺
-
- 肝臓におけるコレステロール産生を促進
- 肝臓のトリグリセリドリパーゼ活性を亢進し、コレステロールの代謝を促進
- コレステロールが減少 ← 総じて分解系の法が作用が強い
薬理学的作用 (SPC.321)
- 全ての生体の活動に関わる-(不足)→成長停止、身体的・精神的発育停止
- 組織の酸素消費を高め、基礎代謝を亢進させる。Na+,K+-ATApaseの活性刺激や、核内クロマチンに作用してDNA転写を促進する作用による
- 上記の通り
- ネガティブフィードバック
分泌の調節
- 視床下部--(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)-→下垂体前葉--(甲状腺刺激ホルモン)-→甲状腺濾胞細胞-→T3, T4-→T3, T4は下垂体前葉・視床下部に作用し甲状腺刺激ホルモンの分泌を抑制
分子機構
臨床関連
過多
欠乏
-
- 低栄養、外傷、感染症、手術、腎不全、肝不全、心不全、悪性腫瘍
- エネルギー消費を減らすための適応かもしれない
- 以上2007後期生理学授業プリント内分泌(3)
生合成 (SP.916)
[★]
- 英
- hormone replacement therapy, HRT
- 関
- エストロゲン補充療法、更年期障害
概念
- 閉経や卵巣摘出後のエストロゲン欠乏を補う目的で外因性にエストロゲンとプロゲストーゲンを投与する療法のことで、子宮のある女性が対象となる(参考1)。 (⇔ エストロゲン補充療法 ERT)
薬剤
エストロゲンの臨床的作用
- 参考1
- 更年期症状緩和作用
- 骨吸収抑制作用
- 抗動脈硬化作用
- 脂質代謝改善作用
- 凝固・線溶亢進作用
- 認知機能改善作用
- 皮膚萎縮予防作用
- 泌尿生殖器障害改善作用
適応
- 参考1
最もよい適応疾患
- 更年期症状(顔面紅潮、発汗、睡眠障害および一部の精神神経症状)
- 骨粗鬆症および骨量減少症
- 泌尿生殖器系の障害
条件付きで適応となる疾患
現時点では適応とならない疾患
禁忌
参考1
- (1) 乳癌
- (2) 原因不明の子宮出血
- (3) 急性期の血栓性静脈炎,血栓症
- (4) 重症肝機能障害
- (1) 血栓性静脈炎の既往,静脈血栓症の既往
- (2) 子宮内膜癌の既往
- (3) 子宮筋腫の既往,子宮内膜症の既往
- (4) 重症高血圧 → エストロゲンの水、電解質貯留作用に基づく。
- (5) 糖尿病
- (1) 胆石症
- (2) 片頭痛
- (3) 高度の肥満
- (4) ヘビースモーカー
G9M.101
絶対禁忌
- エストロゲン依存性の悪性腫瘍
- 原因不明の不正性器出血 → 子宮内膜癌に対して投与することを防ぐ
- 血栓性静脈炎、血栓炎
- 重症肝機能障害 → 性ホルモンは肝臓で代謝されるため
- 妊娠疑い
- 冠動脈疾患、脳卒中既往
相対禁忌
- 血栓症の既往
- 子宮体癌の既往
- 子宮筋腫の既往
- 子宮内膜症の既往
- 重症高血圧
- 重症糖尿病
- 卵巣癌の既往
- 肥満
- 高齢者
治療方法
- G9M.101
- 子宮を有する場合にはエストロゲンとプロゲステロンを併用する。
- 周期的併用投与:閉経前、月経が不規則で機能性出血を繰り返す場合に適応。カウフマン療法と呼ばれる。
- 持続併用投与:エストロゲンとプロゲステロンを持続的に同時投与すると、最初、破綻出血がみられるが、次第に子宮内膜が萎縮し、破綻出血がみられなくなる。
投与経路について
- 参考2
- 経口結合型エストロゲン:CEEの投与量に依存して心筋梗塞や脳血管疾患のリスクが上昇する。また静脈血栓症、静脈塞栓症のリスクも上昇する
- 経皮結合型エストロゲン:CEEの投与量を減らすことなく静脈血栓症、静脈塞栓症、胆嚢疾患、乳癌リスクを低減させうる。
参考
- http://www.jsog.or.jp/PDF/56/5607-158.pdf
- http://www.jsog.or.jp/PDF/61/6107-242.pdf
[★]
- 英
-
- 関
- アナプレロティック、補う、サプリメント、漸増、漸加、追加、動員、栄養補助食品、補助栄養食品、補給、栄養補助剤、リクルート、リクルートメント、補足