ランソプラゾール
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ランソプラゾール
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IUPAC命名法による物質名 |
(RS)-2-([3-methyl-4-(2,2,2-trifluoroethoxy)pyridin-2-yl]methylsulfinyl)-1H-benzo[d]imidazole |
臨床データ |
ライセンス |
US FDA:リンク |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
|
投与方法 |
Oral, IV |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
80% or more |
血漿タンパク結合 |
97% |
代謝 |
Hepatic (CYP3A4- and CYP2C19-mediated) |
半減期 |
1–1.5 hours |
排泄 |
Renal and fecal |
識別 |
CAS番号 |
103577-45-3 |
ATCコード |
A02BC03 |
PubChem |
CID 3883 |
DrugBank |
APRD00077 |
ChemSpider |
3746 |
KEGG |
D00355 |
化学的データ |
化学式 |
C16H14F3N3O2S |
分子量 |
369.363 g/mol |
SMILES
- O=S(Cc1nccc(OCC(F)(F)F)c1C)c1nc2ccccc2[nH]1
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ランソプラゾール(英: lansoprazole)は、胃からの酸の産生を抑制するプロトンポンプ阻害薬の一つ。世界中の多くの企業で生産されており、種々の商品名がある(Prevacid、Helicid、Zoton、Inhibitol、など)。アメリカ食品医薬品局は、1995年にランソプラゾールを最初に認可した[1]。
日本で初めて上市された商品名はタケプロン®(武田薬品工業)。後に後発品も多数販売されている。
ヘリコバクター・ピロリ除菌にも有用で、日本では一次除菌・二次除菌に認可されている。胃潰瘍・十二指腸潰瘍の他、逆流性食道炎にも日本では認可されている。上部消化管出血には注射剤も上市されている。
目次
- 1 効果・効能
- 2 慎重投与
- 3 副作用
- 4 出典
- 5 外部リンク
効果・効能
- 1回10~20mgを1日1回投与する。期間は8週間までとする。
- 1回10~20mgを1日1回投与する。期間は6週間までとする。
- 1回15~30mgを1日1回、8週間投与する。再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法の場合、1日1回30mgまで投与が可能。
- 1回15mgを1日1回、期間は4週間までとする。
- 1日1回30mgをアモキシシリン、クラリスロマイシンと同時に1日2回、7日間投与する。
慎重投与
- 薬物過敏症の既往歴のある患者
- 肝障害のある患者(代謝、排泄が遅延することがある)
- 高齢者
副作用
主な副作用として、発疹、かゆみ、便秘、下痢、口渇、腹部膨満感、頭痛、眠気、発熱、女性化乳房[2]、味覚異常、発疹などが報告されている。なお長期投与での安全性は確認されていない。
- その他の重篤な副作用
- アナフィラキシー反応・ショック
- 汎血球減少・無顆粒球症・顆粒球減少・溶血性貧血・血小板減少・貧血
- 重篤な肝機能障害
- 中毒性表皮壊死症・皮膚粘膜眼症候群
- 間質性肺炎
出典
- ^ Mosby's Drug Consult: Lansoprazole
- ^ くすり適正使用協議会『くすりのしおり』
外部リンク
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 超ブロックバスター『タケプロン』に学ぶ日本での研究,世界での開発・販売戦略(第7回)日本でのライフサイクルマネージメント戦略
Related Links
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- 武田薬品工業株式会社のタケプロンOD錠15[消化器用剤](消化器官用薬)、一般名ランソプラゾール(Lansoprazole) の効果と副作用、写真、保管方法等を掲載。 ... 以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことが ...
- タケプロンOD(胃・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎などの治療薬 )について主な作用 副作用 用い方と注意点を説明します ... 主な作用 胃・十二指腸潰瘍は消化性潰瘍ともいわれ、胃酸の過剰により胃や十二指腸の粘膜が傷つけられる ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
タケプロン静注用30mg
組成
1バイアル中の有効成分
添加物
- D-マンニトール 60mg、メグルミン 10mg、pH調整剤
禁忌
- 本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者
- アタザナビル硫酸塩を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
効能または効果
経口投与不可能な下記の疾患
- 出血を伴う胃潰瘍、十二指腸潰瘍、急性ストレス潰瘍及び急性胃粘膜病変
- 通常、成人には、ランソプラゾールとして1回30mgを、日局生理食塩液又は日局5%ブドウ糖注射液に混合して1日2回点滴静注する、或いは日局生理食塩液又は日局5%ブドウ糖注射液20mLに溶解して1日2回緩徐に静脈注射する。
- 本剤は投与開始から3日間までの成績で高い止血効果が認められているので、内服可能となった後は経口投与に切りかえ、漫然と投与しないこと。(【臨床成績】の項参照)
- 国内臨床試験において、本剤の7日間を超える使用経験はない。
慎重投与
- 薬物過敏症の既往歴のある患者
- 肝障害のある患者
[本剤の代謝、排泄が遅延することがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
- アナフィラキシー反応(全身発疹、顔面浮腫、呼吸困難等)(0.1%未満)があらわれることがあり、ショック(0.1%未満)を起こした例もあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血(0.1%未満)、また、顆粒球減少、血小板減少、貧血(0.1〜5%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 黄疸、AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等を伴う重篤な肝機能障害(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 間質性肺炎(0.1%未満)があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、速やかに胸部X線等の検査を実施し、本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
- 間質性腎炎(頻度不明)があらわれ、急性腎不全に至ることもあるので、腎機能検査値(BUN、クレアチニン上昇等)に注意し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
作用機序9〜12)
- 本剤は胃粘膜壁細胞の酸生成部位へ移行した後、酸による転移反応を経て活性体へと構造変換され、この酸転移生成物が酸生成部位に局在してプロトンポンプとしての役割を担っているH+, K+-ATPaseのSH基と結合し、酵素活性を抑制することにより、酸分泌を抑制すると考えられる。
血液凝固能及び血小板凝集能は酸性条件下で強く障害され、さらに血液凝固の結果として形成されたフィブリンは酸性条件下でペプシンにより溶解されることが報告されているが、本剤は胃内pHを上昇させることにより血液凝固能及び血小板凝集能を改善し、ペプシン活性を抑制して出血抑制作用を示すと考えられる。
また、胃の損傷粘膜の修復は酸性条件下で抑制されるが、本剤は酸分泌を抑制することにより胃内pHを上昇させ、損傷粘膜の修復を促進すると考えられる。
胃出血抑制作用13)
- ラット(静脈内投与)において、脱血ショックによる胃出血に対して抑制作用を示す。
胃粘膜損傷形成抑制作用13)
- ラット(静脈内投与)において、アスピリン又はインドメタシンによる胃粘膜損傷の形成を抑制する。
胃酸分泌抑制作用(24時間胃内pHモニタリング)1,14,15)
- 健康成人への1回30mg1日2回静脈内投与により、持続的な胃酸分泌作用が認められる。また、静脈注射(約3分)又は点滴静注(30分)において、24時間胃内pH4ホールディングタイム(pH4以上の時間の割合)は同様である。
なお、本剤の代謝型が判定された健康成人への1回30mg1日2回静脈内投与における酸分泌抑制効果(24時間ごとのpH4ホールディングタイム)は、1日目ではEM(56〜69%)、PM(90%)、5日目ではEM(80〜88%)、PM(98%)である。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- ランソプラゾール(Lansoprazole)〔JAN〕
化学名
- (RS)-2-({[3-Methyl-4-(2,2,2-trifluoroethoxy)-2-pyridyl]methyl}sulfinyl)benzimidazole
分子式
分子量
融点
性状
- ランソプラゾールは白色〜帯褐白色の結晶性の粉末である。N,N−ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
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商品
[★]
- 英
- lansoprazole
- 商
- スタンゾーム、タイプロトン、タケプロン、タピゾール、ラソプラン、ランサップ、ランソラール、ランピオンパック、Prevacid
- 関
- 消化性潰瘍用剤
-
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- 英
- pro