ランソプラゾール、アモキシシリン、メトロニダゾール
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 医薬品適正使用情報DI ランピオンパックについて--武田薬品工業株式会社
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
販売名
ランピオンパック
組成
1シート(1日分)中
- タケプロンカプセル30 2カプセル
アモリンカプセル250 6カプセル
フラジール内服錠250mg 2錠
- 3製剤各々の組成は次のとおりである。
タケプロンカプセル30
- 1カプセル中の有効成分 ランソプラゾール 30mg
添加物
炭酸マグネシウム、トウモロコシデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、精製白糖、メタクリル酸コポリマーLD、タルク、マクロゴール6000、酸化チタン、ポリソルベート80、軽質無水ケイ酸、ゼラチン、ラウリル硫酸ナトリウム
アモリンカプセル250
- 1カプセル中の有効成分 アモキシシリン水和物 250mg(力価)
添加物
ステアリン酸マグネシウム、メチルセルロース、トウモロコシデンプン、ゼラチン、ラウリル硫酸ナトリウム
フラジール内服錠250mg
- 1錠中の有効成分 メトロニダゾール 250mg
添加物
コムギデンプン、グリセリン、メチルセルロース、水アメ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、白糖、デンプングリコール酸ナトリウム、アラビアゴム末、ゼラチン、沈降炭酸カルシウム、安息香酸ナトリウム、カルナウバロウ
禁忌
- タケプロン、アモリン及びフラジールの成分に対する過敏症の既往歴のある患者
- アタザナビル硫酸塩、リルピビリン塩酸塩を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
- 伝染性単核症のある患者[アモキシシリン水和物で紅斑性丘疹の発現頻度が高いとの報告がある。]
- 高度の腎障害のある患者[アモキシシリン水和物の血中濃度が上昇することがあり、本製品では各製剤の投与量を調節できないため、本製品の使用を避けること。]
- 脳、脊髄に器質的疾患のある患者(脳膿瘍の患者を除く)[メトロニダゾールで中枢神経系症状があらわれることがある。]
- 妊娠3ヵ月以内の婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
効能または効果
適応菌種
- アモキシシリン、メトロニダゾールに感性のヘリコバクター・ピロリ
適応症
- 下記におけるヘリコバクター・ピロリ感染症
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃
- 進行期胃MALT リンパ腫に対するヘリコバクター・ピロリ除菌治療の有効性は確立していない。
- 特発性血小板減少性紫斑病に対しては、ガイドライン等を参照し、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療が適切と判断される症例にのみ除菌治療を行うこと。
- 早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃以外には、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療による胃癌の発症抑制に対する有効性は確立していない。
- プロトンポンプインヒビター、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの3剤投与によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合
通常、成人にはランソプラゾールとして1回30mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びメトロニダゾールとして1回250mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。
慎重投与
タケプロン
- 薬物過敏症の既往歴のある患者
- 肝障害のある患者[ランソプラゾールの代謝、排泄が遅延することがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
アモリン
- セフェム系抗生物質に対する過敏症の既往歴のある患者
- 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
フラジール
- 血液疾患のある患者[白血球減少、好中球減少があらわれることがある。]
- 脳膿瘍の患者[中枢神経系症状があらわれることがある。]
重大な副作用
- タケプロン、アモリン及びフラジールでは、他にもそれぞれに次の副作用が認められている。
タケプロン
- アナフィラキシー反応(全身発疹、顔面浮腫、呼吸困難等)(0.1%未満)があらわれることがあり、ショック(0.1%未満)を起こした例もあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血(0.1%未満)、また、顆粒球減少、血小板減少、貧血(0.1〜5%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 黄疸、AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等を伴う重篤な肝機能障害(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 間質性肺炎(0.1%未満)があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、速やかに胸部X線等の検査を実施し、タケプロンの投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
- 間質性腎炎(頻度不明)があらわれ、急性腎不全に至ることもあるので、腎機能検査値(BUN、クレアチニン上昇等)に注意し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
アモリン
- ショック、アナフィラキシー様症状(0.1%未満)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常感、眩暈、便意、耳鳴、発汗、喘鳴、呼吸困難、血管浮腫、全身の潮紅・蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(いずれも0.1%未満)、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、頭痛、関節痛、皮膚や粘膜の紅斑・水疱、膿疱、皮膚の緊張感・灼熱感・疼痛等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 急性腎不全等の重篤な腎障害(0.1%未満)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 顆粒球減少(0.1%未満)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(0.1%未満)があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等を伴う肝機能障害、黄疸(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
フラジール
- 末梢神経障害(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、四肢のしびれ、異常感等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 痙攣、意識障害、構語障害、錯乱、幻覚、小脳失調等の中枢神経障害(頻度不明)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「慎重投与」及び「重要な基本的注意」の項参照)
- 項部硬直、発熱、頭痛、悪心・嘔吐あるいは意識混濁等を伴う無菌性髄膜炎(頻度不明)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 急性膵炎(頻度不明)があらわれることがあるので、腹痛、背部痛、悪心・嘔吐、血清アミラーゼ値の上昇等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 白血球減少、好中球減少(頻度不明)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「慎重投与」及び「重要な基本的注意」の項参照)
薬効薬理
抗菌作用
- アモキシシリン水和物はヘリコバクター・ピロリに対し殺菌的な抗菌作用を示す。
作用機序
- アモキシシリン水和物は細菌の細胞壁合成を阻害することにより効果を発揮する。9)
ランソプラゾールは胃粘膜壁細胞のH+,K+-ATPaseのSH基と結合し、酵素活性を抑制することにより、酸分泌を抑制し胃内pHを上昇させる。10〜13)
メトロニダゾールはヘリコバクター・ピロリ菌体内のニトロ還元酵素系の反応によって還元を受け、ニトロソ化合物(R-NO)に変化する。このR-NOがヘリコバクター・ピロリに対する殺菌作用を示す。また、反応の途中で生成したヒドロキシラジカルがDNAを切断し、DNAらせん構造の不安定化を招く。14〜16)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- メトロニダゾール(Metronidazole)〔JAN〕
化学名
- 2-(2-Methyl-5-nitro-1H-imidazol-1-yl)ethanol
分子式
分子量
融点
性状
- メトロニダゾールは、白色〜微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(99.5)又はアセトンにやや溶けにくく、水に溶けにくい。希塩酸に溶ける。光によって黄褐色になる。
分配係数
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- metronidazole, MTZ
- 商
- フラジール Flagyl, Metro-IV、アスゾール。ランピオンパック(ランソプラゾール、アモキシシリン、メトロニダゾール)
- 関
- トリコモナス
- first aid step1 2006 p.139,142,148,165,172,178,208,276,282
特徴
構造
作用機序 PPC. 641, 647
- メトロニダゾールの活性化には嫌気性生物の発酵に関与する酵素 pyruvate-derredocin oxidoreductase,PFORが必要
- pyruvate-ferredoxin oxidoreductaseはferredoxinをreduced ferredoxinに変換するが、これに共役してメトロニダゾールがreduced metronidazole(活性型)に変換される。
- PFORは宿主細胞(好気性生物)には存在しないので、原虫や嫌気性生物が特異的に障害を受ける
適応
USMLE (first aid step1 2006 p.172)
- 横隔膜より下の嫌気性菌に対して用いられる
- H. pylori:bismuth + amoxicillin/tetracycline + metronidazole
副作用
- disulfiram-like reaction with alcohol; headache,metallic taste (first aid step1 2006 p.172)
[★]
- 英
- lansoprazole
- 商
- スタンゾーム、タイプロトン、タケプロン、タピゾール、ラソプラン、ランサップ、ランソラール、ランピオンパック、Prevacid
- 関
- 消化性潰瘍用剤
-
[★]
- 英
- pack
- 関
- 詰める、湿布、充填、包装