出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/22 11:33:30」(JST)
胆管炎 | |
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分類及び外部参照情報 | |
ICD-10 | K83.0 |
ICD-9 | 576.1 |
DiseasesDB | 2514 |
eMedicine | med/2665 emerg/96 |
Patient UK | 胆管炎 |
MeSH | D002761 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 | |
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胆管炎(たんかんえん、英:Cholangitis)とは、胆管の炎症のことをいう。最も一般的な原因は、細菌による感染であり、問題になるのは上行性胆管炎である。いずれにせよ、そのほかの原因もある。尿路感染症、肺炎とならぶ高齢者の発熱の原因の一つである。
胆嚢炎と胆管炎を合わせて胆道感染症というくくりでまとめられることがある。急性胆管炎は結石、腫瘍、寄生虫などによって胆汁の流れが妨げられることによっておこる上行性胆管炎をさすことが多い。胆嚢炎には結石や腫瘍が胆嚢管を閉塞し、発熱、右季肋部痛をきたす急性胆嚢炎、急性胆嚢炎と同様の症状をきたすものの、全身状態の悪い患者に発症し、かつ胆嚢結石が発症に関与しない無石胆嚢炎、繰り返す急性胆嚢炎や胆石発作などにより慢性炎症が胆嚢におこる慢性胆嚢炎に分かれる。
典型的な胆管炎の三症状は、発熱、黄疸、腹部四分右上の腹痛である。この三症状は、シャルコーの胆管炎三症状という。
上行性胆管炎は、細菌によって引き起こされ、痛み、黄疸、発熱を伴う。細菌は、既往の総胆管結石症によるものが通常である。
原発性硬化性胆管炎は、自己免疫性の胆管炎である。 (詳細は原発性硬化性胆管炎を参照のこと。)
二次性硬化性胆管炎は、その他の原因による胆管炎である。
再発性化膿性胆管炎とは、再発を繰り返す胆石に関連した胆管炎である。これも胆管炎として知られている。
「科学的根拠に基づいた急性胆管炎、胆嚢炎の診療ガイドライン2005」に基づくと急性胆管炎の診断は以下のようになる。
急性肝炎やその他の急性腹症が除外できAのいずれか+Bの2項目を満たすものを疑診、Aの全てを満たすもの(すなわちシャルコー3徴を満たすもの)、またはAのいずれか+Bの全てを満たすものが確診となる。急性胆管炎は原則として胆道ドレナージ術の施行を前提として絶食のうえで十分な輸液、電解質の補正、抗菌薬の投与を行っていく。重症度の判定基準は以下のようになっている。
急性胆管炎のうち、ショック、敗血症、意識障害、急性腎不全のいずれかを認めるものは重症急性胆管炎である。この場合は適切な臓器サポート(十分な輸液、抗菌薬投与、DICに準じた治療など)や呼吸循環管理(気管内挿管、人工呼吸器、昇圧剤の使用など)とともに緊急の胆道ドレナージを行う。
急性胆管炎のうち黄疸(総ビリルビン>2.0mg/dl)、低アルブミン血症(アルブミン<3.0g/dl)、腎機能障害(Cre>1.5mg/dl,BUN>20mg/dl)、血小板減少(plt<12万/mm3)、39℃以上の発熱のいずれかが認められる場合は中等症急性胆管炎である。中等症急性胆管炎では初期治療とともに速やかに胆道ドレナージを行う。
急性胆管炎のうち、重症、中等症の基準をみたさないものが軽症急性胆管炎となる。緊急胆道ドレナージを必要としない場合が多いが総胆管結石存在する場合や初期治療(24時間以内)に反応しない場合は胆道ドレナージを行う。
胆管炎は腎盂腎炎と並んで血液培養で菌が検出されやすい。血液培養や胆汁培養の結果を参考に修正されることが多い。代表的なempric therapyを示すが2005年度ガイドラインでも十分に言及されていない。
物質名 | 投与方法 |
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セフメタゾール | 2gを6-8時間ごと |
アンピシリン/スルバクタム | 3gを6時間ごと |
ピペラシリン/タゾバクタム | 4.5gを6-8時間ごと |
またESBL産出菌やAmpC過剰産出菌のカバーが必要な場合は
物質名 | 投与方法 |
---|---|
メロペネム | 1gを8時間ごと |
イミペネム/シラスタチン | 1gを6-8時間ごと |
などがよく知られて処方例のひとつである。投与期間はドレナージの成功や菌血症の有無によって変わってくる。菌血症がある場合は10-14日、ドレナージ不可である場合は肝膿瘍に準じて4-6週間ほど治療することもある。
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国試過去問 | 「104H009」 |
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リンパ管 | ホジキンリンパ腫 | ||||||||
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十二指腸乳頭部癌 | |||||||||
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細胆管 | 細菌性胆管炎 | 胆管癌 | チアジド系利尿薬 | デュビン・ジョンソン症候群 | 妊娠 | ||||
避妊用ピル |
Table 16-7. Main Features of Primary Biliary Cirrhosis and Primary Sclerosing Cholangitis | ||
Parameter | primary biliary cirrhosis | primary sclerosing cholangitis |
Age | Median age 50 years (30-70) | Median age 30 years |
Gender | 90% female | 70% male |
Clinical course | Progressive | Unpredictable but progressive |
Associated conditions | Sjogren syndrome (70%) | inflammatory bowel disease (70%) |
scleroderma (5%) | pancreatitis (?25%) | |
thyroid disease (20%) | idiopathic fibrosing disease (retroperitoneal fibrosis) | |
Serology | 95% AMA positive | 0% to 5% AMA positive (low titer) |
20% ANA positive | 6% ANA positive | |
60% ANCA positive | 82% ANCA positive | |
Radiology | normal | strictures and beading of large bile ducts; pruning of smaller ducts |
duct lesion | florid duct lesion; loss of small ducts | concentric periductal fibrosis; loss of small ducts |
-primary sclerosing cholangitis
Charcot3徴 : 94 件 Charcot三徴 : 68 件 Charcot三主徴 : 11 件 Charcotの三徴 : 約 94 件 シャルコー3徴 : 57 件 シャルコー三徴 : 約 47 件 シャルコー三主徴 : 10 件 シャルコーの三徴 : 約 39 件
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