バージャー病 thromboangiitis obliterans TAO
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/09/07 23:51:32」(JST)
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閉塞性血栓性血管炎(へいそくせいけっせんせいけっかんえん、ラテン語Thromboangiitis Obliterans: TAO)は、末梢動脈に閉塞性の内膜炎を起こし、末梢部に潰瘍や壊疽を引き起こす病気。フェリックス・フォン・ヴィニヴァルターによって報告された。
一般に、発見者であるレオ・ビュルガーにちなんだ名前であるBuerger's diseaseとして、ビュルガー病(ドイツ語読み)或いはバージャー病(英語読み)で知られている。
日本においては、14番目の特定疾患治療研究対象疾患(難病)に定められており、国からの治療費等の補助が受けられる。
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目次
- 1 病態
- 2 疫学
- 3 症状
- 4 治療
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
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病態
末梢動脈に血栓を生じ、それが結合組織に置き換えられて動脈が閉塞し血流の途絶を招き、結果的に末梢部の壊死を引き起こす。
東京医科歯科大学の研究調査により、病変部位より高率に歯周病菌スピロヘータ属 Treponema denticola が発見されていることが報告され、発症との因果関係が注目されている。
疫学
男性患者が9割であり、女性は少ない。20歳から50歳まで特に30代の喫煙者でストレスが過多な患者に多発。受動喫煙者を含めるとほぼ全員が喫煙に関与していると言う。日本には約1万人の罹患者がいるとされる。近年日本での患者は減少気味。
症状
- 遊走性静脈炎 : 静脈に炎症(静脈炎)が見られる。静脈炎の部分は痒みを伴う。静脈炎があちこちに移動するので遊走性静脈炎という。
- 血流不足による虚血によって、末梢部の痺れ、冷感、部位の蒼白化、潰瘍、短距離の歩行で間欠性跛行、激しい安静時疼痛、指趾の難治性潰瘍や壊死が起こる。
- 寒冷曝露によるレイノー症状が認められる。
- 下肢動脈に好発する。
- 末梢動脈拍動の消失。(ドップラー血流計では確認できる場合あり)
- 確定診断には血管造影が用いられる。
治療
将来的に内膜炎が血管閉塞を引き起こし末梢を壊死させるのを防ぐ為に、血管の収縮を招くストレスに晒さない事が求められる。寒気を避け、温浴、マッサージ、運動等で血流を良くする事が求められる。また患部を清潔に保つ事も効果があるとされる。 喫煙は血管収縮を招く事から、絶対禁止が求められる。禁煙を遵守しない場合、足趾や下肢切断等に至る場合が多い。歯周病治療および口腔内ケアの徹底が望まれる。 医学的にもプロスタグランジンなど血小板凝縮抑制や血管拡張、血管バイパス形成等による血行再建手術、交感神経節切除などの対症療法が主流であるが、病変が末梢部にあるので血行再建手術は難しいとされる。現在自己造血幹細胞を用いた再生医療が試みられている。
関連項目
外部リンク
- 難病情報センター特定疾患情報
- Emedicine
- 財団法人 先端医療振興財団
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Ia群: プロカインアミド, キニジン
Ib群: リドカイン, フェニトイン
Ic群: フレカイニド, プロパフェノン
II群: 交感神経β受容体遮断薬(プロプラノロールなど)
III群: アミオダロン, ソタロール
IV群: カルシウム拮抗剤(ベラパミル, ジルチアゼムなど)
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Japanese Journal
- 末梢動脈疾患 (特集 各種疾患におけるリハビリテーションのエビデンス)
- 末梢血管障害を扱う理学療法士の立場から (特集 末梢血管疾患に対する集学的アプローチ--各診療科における治療の実際と他科への連携)
- 坂本 親宣
- Monthly book medical rehabilitation (101), 47-54, 2009-01
- NAID 40016454498
- 閉塞性血栓血管炎 (特集 外科疾患データブック) -- (血管)
Related Links
- 原因が不明で、末梢動脈が全体に細くなったり、血栓ができたりして、十分な血液が保てなくなる病気です。そのため、血液の流れが悪くなり、歩行時に足のしびれ、痛みや冷たさを感じます。更に進行すると、安静時にも症状が現れること ...
- 家庭医学館 バージャー病(閉塞性血栓血管炎)の用語解説 - [どんな病気か] 四肢(しし)(手足)の動脈および静脈に炎症がおこり、そこに血栓(けっせん)(血液のかたまり)ができて血管の内腔(ないくう)をふさいでしまう病気です。
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- chronic arterial occlusion, chronic arterial obstruction, chronic arterial occlusive disease, chronic occlusive disease
ガイドライン
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_shigematsu_h.pdf
- 2. INTER-SOCIETY CONSENSUS FOR THE MANAGEMENT OF PERIPHERAL ARTERIAL DISEASE (TASC II)
- http://www.tasc-2-pad.org/upload/SSRubriqueProduit/Fichier2/597.pdf
[★]
[★]
- 英
- angiitis
- 関
- 脈管炎 vasculitis vasculitides、血管内膜炎、血管炎症候群
分類
- CHCC2012
参考
- 血管炎症候群 - 日本内科学会雑誌第103巻第10号
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2008_ozaki_h.pdf
- 血管炎・血管障害診療ガイドライン 2016 年改訂版 - 日本皮膚科学会
- https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/vasculitisGL.pdf
[★]
- 英
- blood vessel, blood vessels
構造
- 内皮細胞(単層扁平上皮細胞)
- 基底板
- 内皮下結合組織(内皮下層 subendothelial layer):疎性結合組織、縦走平滑筋
- 内弾性板
分類
[★]
- 英
- thrombus, thrombi TH
- 関
- 血栓症
分類
心筋梗塞における血栓
- ST上昇型急性冠症候群の症例ではフィブリンと赤血球主体の赤色血栓が認められ、非ST上昇型急性冠症候群で心筋トロポニンが上昇した症例では血小板主体の白色血栓が存在していることが明らかとなった。
参考文献
- 岡松健太郎1 清野精彦1 水野杏一2, 血管内視鏡を用いた急性冠症候群の洞察(II),日医大医会誌2009; 5(1)
- 1日本医科大学千葉北総病院循環器内科
- 2日本医科大学大学院医学研究科器官機能病態内科学
[★]
- 英
- occlusion
- 関
- 促通
- 詰まること、詰まっていること
- (神経)2種の異なる興奮性のシナプス前性のニューロン群が1つのニューロン群へ収束と発散によりシナプス結合する回路において、2種のシナプス前線維群内の同期して興奮するニューロンの数が多い場合には、興奮するシナプス後ニューロンの数は、個々のシナプス前線維群だけの活動による場合の和よりも少なくなる。
[★]
- 英
- obstructive、occlusive、obliterative、constrictive、obliterans、occlusively
- 関
- 狭窄、筋収縮性、収縮、収縮性