- 英
- incidence rate, morbidity rate
- 同
- 発病率、疾病率、罹病率
- 関
- 有病率 prevalence ← 区別する!
- 罹患期間
- SUB.178
- 単位人口(暴露人口、危険人口)に対する一定期間内に新たに疾病異常者となった者の割合 → 動的な数字
- 罹病率= 一定の観察期間内に新規発生した患者数 [人] / 危険暴露人口一人一人の観察期間の総和 [人年]
疾患と死亡に関わる疫学指標
|
定義
|
特徴
|
式
|
罹患率
|
incidence rate
|
単位人口(暴露人口、危険人口)に対する一定期間内に新たに疾病異常者となった者の割合
|
動的
|
一定の観察期間内に新規発生した患者数 [人] / 危険暴露人口一人一人の観察期間の総和 [人年]
|
有病率
|
prevalence rate
|
単位人口に対する一時点における疾病異常者の割合
|
静的
|
集団のある一時点における疾病を有する者の数[人] / 集団の調査対象全員の数[人]
|
死亡率
|
mortality rate
|
単位人口に対する一定期間内における死亡数の割合
|
|
集団のある一定期間内における死亡者数[人] / 集団の調査対象全員の数[人]
|
致命率
|
case fatality rate
|
一定期間内において、対象とする疾患にかかった者がその疾患で死亡する者の割合
|
急性疾患の重篤度を表す。
|
死亡率 / 罹患率
|
生存率
|
survival rate
|
対象とする疾患に罹患しているのものが、一定期間中に死亡から免れる確率
|
慢性疾患の予後判定に用いられる。
|
(1-死亡率)の積和
|
国試
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/08 01:55:32」(JST)
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疫学における罹患率(りかんりつ、Incidence rateまたは単に紛れの無い場合はIncidenceという場合もあるが,推奨されない.)は、観察対象の集団のある観察期間に疾病の発症の頻度をあらわす指標の一つである[1][2]。疫学において罹患率は、以下のように算出される [3]。
ここにaは期間中に新たに発生した症例数,bは当該期間中の疾患の危険性にさらされる集団ののべ人数である.括弧内のとは1000人当たり,または10万人当たりでの場合の乗数である.
なお,疫学で類似の指標として,有病率(Prevalence Rate)がある.なお発生学ではIncidenceは発症数または発症率と訳されるときがある.
目次
- 1 有病率と罹患率
- 2 計算法
- 3 注意事項
- 4 参考文献
- 5 関連項目
有病率と罹患率
簡便のために 以下に罹患率と有病率の定義と注意事項を示す.[3]。
|
罹患率 |
有病率 |
分子 |
特定期間中の疾患の新規発生症例数 |
特定時点における疾患を有する人口 |
分母 |
罹患の危険性にさらされる人口 |
観察対象の人口 |
焦点 |
罹患の開始時点
それが新規であるか? |
疾患の有無
期間でなくある時点 |
注意 |
既に疾患に罹患している者は,すでに危険もなく,新たな罹患でもないので,分母子から外される. |
既に疾患に罹患している者は,疾患を有しているので分母子に含まれる |
計算法
図は人口7人であるが,既に罹患している1名を除いた6名が定義式の分母である. 分子は新たに罹患した2名である.従って罹患率は となる.
期間内の集団においては,死亡,転出などが発生するので,簡便法として人年法( (person-year method).で計算する.この例で,開始と終了期間の間隔が1年であるとすれば, 10万人年当たりで,10万倍をした33,333となる.
疾病の状態が定常的な発生状況と有病期間が長く致死率が極めて低く、かつ十分大きな集団であれば[4]
有病割合≒罹患率×平均有病期間
の近似式が成立するとされている。しかしながら、疾患によっては罹患の発見という認識が困難な疾患(腫瘍のようにある程度の大きさに ならないとスクリーニングにかからない)には適用できないとの指摘もある。
注意事項
- 定義からわかるように罹患率は1を超えることもある.同様に,調査期間内に既に罹患している者は除外される.(有病率では対象となる)[5]
- ある特定の疾患の罹患率は極めて小さいために,一般の行政統計等では1000人または10万人当たりの数値で表すことが多い.
- 定義の「危険にされされる集団」で示されるように危険の定義をどのようにするかによって,計算は異なる.たとえば,コレラなどの疾患においては,同時に2つの罹患はありえない.しかし,褥瘡などは部位が変われば,2つの罹患があり得る.具体的に期間内に入院してきた患者に,すでに褥瘡があり,期間内に別の部位に褥瘡が発生したとする.この場合の患者を対象とするか否かについては,2通りの場合があることになる.[6] ガンのような疾患では,再発した場合は新たな罹患とみなすことはぜずに,罹患の継続とみなしている.このように定義によって値が変わるのでかならず定義を明確に記載するべきである.
- 罹患率は,その定義から罹患期間に依存しない.他方,有病率は罹患期間が長いと大きくなる.
- 罹患致死率の高い疾患に関しては,有病率は小さくなる.しかし,罹患率は,その定義から罹患致死率に依存しない.
参考文献
- ^ 日本疫学会 疫学辞典 日本公衆衛生協会; 第3版 (2000/01)
- ^ "incidence rate" - ドーランド医学辞典
- ^ a b R. Bonita, R. Beaglehole and T. Kjellstrom; Basic epidemiology WHO Library Cataloguing-in-Publication Data. 2006
- ^ Rothman, K.J. (2012). Epidemiology: An Introduction, (2nd ed.). New York, NY: Oxford University Press.
- ^ Mitchell H.Katz Study Design and Statistical Analysis: A Practical Guide for Clinicians, Cambridge University Press,ISBN 978-0521534079 2006.(邦訳 本多正幸 /中村洋一/橋本明生浩/中野正孝 訳 臨床研究のための統計実践ガイド EDIXi出版部 2011
- ^ MacGregor (真田弘美監訳)褥瘡の予防 有病率および発生率について pp.4
関連項目
- 発生数
- 発生率
- 有病率
- 罹病率
- 致死率
- 累積罹患率
- 累積死亡率
- 粗罹患率
- 年齢調整罹患率
- 罹患率比
- 死亡率
- 標準化死亡比
- 致命率
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 特殊災害時における一般市民のPTSD罹患率に影響を与える要因
- 篠部 道隆
- 東京女子医科大学雑誌 82(E2), E376-E381, 2012-07-31
- … 歯周病は最も罹患率の高い疾患であり、歯周組織の慢性炎症を主な特徴とする慢性感染症である。 …
- NAID 110009435916
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- 「罹患率」とは - 罹患率(incidence) 集団における疾病発生を表す基本的な方法として罹患率と有病率(prevalence)とがあります。罹患率は、特定の期間内に集団に新たに生じた疾病の症例数を割合として示すもので、「...
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- 罹患とは?健康用語辞典では健康に関する用語をわかりやすく説明 ... 疾病に新たにかかること。ある期間に発生した特定の疾病の新患者数の、その疾病にかかる危険にさらされた人口に対する比率を「罹患率」といい、ある時点、ある地域内 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 病院内のある委員会の様子を示す。
- 委員長 :これから委員会を開催します。まず、 MRSAの分離状況について検査部から報告をお願いします。
- 検査部委員: 1月はMRSAの感染率、罹患率とも前月までと比較して大きく上回っていました。
- 委員長 :それは好ましくない状況ですね。手洗いの状況はどうですか。看護部から報告をお願いします。
- 看護部要員:先月は手洗い実施の程度を表す消毒用アルコールの消費量が少なかったようです。さっそく手洗いを各部署に徹底させたいと思います。
- 委員長 :よろしくお願いします。抗菌薬の使用状況はどうですか。薬剤部から報告をお癖いします。
- 薬剤部要員:先月はカルバぺネム系抗菌薬の長期使用件数が増加していました。
- 委員長 :それは好ましくない状況ですね。広域抗菌薬の使用は最小限にとどめ、抗菌薬を適正に使用するよう、各部署への通知をお願いします。
- この委員会の名称として考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105C017]←[国試_105]→[105C019]
[★]
- 集団に対してある癌の検診を行った。検診後に観察された変化の中で、検診が有効であったことを示す根拠はどれか。
- a 検診で発見されたその癌の患者数の増加
- b 検診で発見されたその癌の患者の生存率の上昇
- c 集団全体におけるその癌の死亡率の低下
- d 集団全体におけるその癌の罹患率の低下
- e 検診に用いられた検査の陽性反応適中率の上昇
[正答]
※国試ナビ4※ [106G021]←[国試_106]→[106G023]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101B012]←[国試_101]→[101B014]
[★]
- 都市Aは人口50万人で、疾患Bの登録事業を実施している。2008年の初めの時点での疾患Bの患者数は120人、2008年に疾患Bが新たに発症したのは40人、疾患Bが治癒したのは20人、疾患Bで死亡したのは30人であった。都市Aにおける2008年の疾患Bの罹患率(人口10万対)はどれか。
- a 4
- b 6
- c 8
- d 20
- e 24
- f 32
- g 50
[正答]
※国試ナビ4※ [104G067]←[国試_104]→[104G069]
[★]
- ある疾患のA町での罹患率が郡内で高いかどうかを調べるために、郡全体を標準集団として、A町での標準化罹患率(%)を求めた。
- a. 2.4%
- b. 2.8%
- c. 3.0%
- d. 3.6%
- e. 3.8%
[正答]
※国試ナビ4※ [099F002]←[国試_099]→[099F004]
[★]
- 患者対照研究(case control study)について正しいのはどれか。
- a. 結果が出るまでの観察期間は長期にわたる。
- b. コホート研究に比較して費用がかかる。
- c. オッズ比を計算する。
- d. 罹患率の低い疾患の解析に適する。
- e. 前向き研究である。
[正答]
※国試ナビ4※ [096G019]←[国試_096]→[096G021]
[★]
- a. 全数調査である。
- b. 疾患の罹患率が分かる。
- c. 国勢調査と同時に行われる。
- d. 介護についての調査が含まれる。
- e. 所得に関する調査は含まれない。
[正答]
※国試ナビ4※ [099D021]←[国試_099]→[099D023]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108G004]←[国試_108]→[108G006]
[★]
- a 感受性人口が増加する。
- b 流行のピークが早まる。
- c 罹病期間が長くなる。
- d 潜伏期間が短くなる。
- e 罹患率が低下する。
[正答]
※国試ナビ4※ [111E005]←[国試_111]→[111E007]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104D017]←[国試_104]→[104D019]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [113F006]←[国試_113]→[113F008]
[★]
- (1) 男性では女性よりも罹患率が高い
- (2) 脊椎すべり症を合併することが多い
- (3) しばしば両側に発生する
- (4) 15歳前後が好発年齢である。
[★]
- 英
- brain tumor, cerebral tumor
- 同
- 脳新生物 brain neoplasm
- 関
- 頭蓋内腫瘍
概念
分類
-
-
疫学
- 発生率:10万人対10-15人。罹患率:10万人対46人 →
腫瘍別発生頻度
YN.J.188
小児の脳腫瘍
- SCN.173
- 腫瘍:星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、胚細胞腫、上衣腫の順に多い。
- 部位:1歳まではテント上、2-7歳まではテント下、8-15歳まではテント上に多い。
- SRA.163
|
後発年齢
|
好発部位
|
小脳星細胞腫
|
5~10歳
|
小脳半球
|
髄芽腫
|
5~10歳(男児に多い)
|
小脳虫部から発生
|
頭蓋咽頭腫
|
10~15歳
|
トルコ鞍上部
|
上衣腫
|
10~15,30~40歳
|
第四脳室、側脳室
|
髄芽腫
|
10~30歳
|
松果体部、トルコ鞍上部
|
脳幹部膠腫
|
~15歳
|
橋
|
視神経膠腫
|
~15歳
|
視神経視交叉
|
放射線感受性
- SCN.173
転移性脳腫瘍
- 肺癌(約半数)、乳癌、消化器癌、腎癌
- 頻度:肺癌>乳癌>胃・腸癌 (SCN.173)
石灰化が見られる脳腫瘍
- 乏突起膠腫:CT上、低吸収領域の中に石灰化がみられる。(SCN.173)
- 上衣腫:CT:(単純CT)等~低吸収、(造影CT)中~強度の増強。小嚢胞や壊死、石灰化を認める
- 髄膜腫:腫瘍の一部石灰化が少なからず見られる
- 頭蓋咽頭腫:小児において石灰沈着が高頻度にみられる。
嚢胞性腫瘍
参考
- http://www.gsic.jp/cancer/cc_19/hc/02.html
- 1-1. がんサポートセンター 脳腫瘍 フローチャート
- http://www.gsic.jp/cancer/cc_19/hc/cc_19_021.html
- http://www.ebm.jp/disease/brain/07noshuyo1/guide.html
- http://ganjoho.ncc.go.jp/public/cancer/data/brain_adult.html
- http://ganjoho.ncc.go.jp/public/cancer/data/brain_child.html
- http://www.geocities.jp/ululu_o_ululu/report-11.html
国試
[★]
- 英
- tuberculosis, TB
- 同
- 結核症
- 関
- 結核菌 Mycobacterium tuberculosis、抗結核薬
- 肺結核、腸結核、脳結核腫
- 感染予防学 080423I,II
- first aid step1 2006 p.135,137,143,162,172,173,181
- Pott's disease = vertebral tuberculosis. constrictive pericarditis = tuberculosis
概念
病原菌
疫学
平成21年
- 参考3
- 結核患者の発生は未だ2万4千人以上である。結核罹患率は引き続き減少傾向にあるが、減少率は2%台と低い。
- 新登録結核患者数 24,170人
- 罹患率(人口10万人対の新登録結核患者数) 19.0 (対前年比0.4減)
- 80歳以上の結核罹患率は横ばいないし増加し、70歳以上の高齢結核患者は新登録結核患者の半数以上となった。
- 80歳以上の罹患率 88.3 (H20 87.6、H19 90.5、H18 93.0)
- 70歳以上の新登録結核患者の占める割合 50.1%(H20 48.9%、H19 47.9%、H18 47.0%)
- 世界的に見て、日本は依然として結核中まん延国である。
- 日本の罹患率(19.0)は、米国(4.3)の4.4倍、カナダ(4.7)の4.0倍、スウェーデン(5.4)の3.5倍、オーストラリア(5.5)の3.5倍。
感染の型
- SPU.178
一次感染
- 初感染患者に形成される初期変化群の増悪による病変:全身性血行性散布(粟粒結核など)、肺原発巣の空洞化、リンパ節の穿孔による吸引性結核性肺炎、結核性胸膜炎
二次感染
症状
結核の皮膚病変
検査
- 「喀痰の抗酸菌検査では1日1回、連続して3日間検査することが推奨されている。抗酸菌検査では通常、塗抹検査と培養検査の2項目をオーダーするが、結核の疑いが強い場合には、健康保険診療上、結核菌核酸増幅法検査を1回行うことができる。」(ガイドライン1より引用)
診断
- 結核菌の診断を行う上では、あくまでも細菌学的検査(塗沫検査、培養検査)によることが原則である。(IRE.1034)
- 結核の疑いが強い場合にはPCR法により確定して、直ちに保健所に届けるのがよい。
治療
- 標準治療法:最初2ヶ月間4剤、次の4ヶ月間2-3剤の計6ヶ月間の治療
- 例:INH,RFP,EB,PZAで2ヶ月間(bactericidal phase) → INH,RFP(,EB)で4ヶ月間(continuation phase)
- 多剤耐性結核菌:少なくともINHとRFPに同時耐性を示す菌株
2009年に厚生労働省告示
- ピラジナミド(PZA)を使用できる場合には、まずイソニアジド(INH)、リファンピシン(RFP)およびPZAにストレプトマイシン(SM)またはエタンブトール(EB)を加えた4剤併用療法を2カ月間行い、その後INHおよびRFPの2剤併用療法を4剤併用療法開始時から6カ月を経過するまで行う。
- PZAを使用できない場合には、まずINHおよびRFPの2剤にSMまたはEBを加えてた3剤併用療法を2ないし6ヵ月間行い、その後INHおよびRFPの2剤併用療法を3剤併用療法開始時から9ヶ月を経過するまでに行う。INHまたはRFPを使用できない場合、症状が著しく重い場合、治療開始から2カ月を経ても結核菌培養検査陽性の場合、糖尿病、じん肺、HIV感染症等の疾患を合併する場合、または副腎皮質ホルモン剤を免疫抑制剤を長期にわたり使用している場合、などでは治療期間を3ヵ月間延長できる。
感染経路
公衆衛生
参考
- http://www.kekkaku.gr.jp/
- http://www.jatahq.org/about_tb/index.html
- 3. 結核登録者情報調査【平成18年まで結核発生動向調査】|厚生労働省
- http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/kekkaku_tourokusya.html
ガイドライン
- 1. 結核診療ガイドライン(の要点抜粋) 山岸文雄 独立行政法人国立病院機構千葉東病院 病院長
- http://www.kekkaku.gr.jp/ga/ga-59.htm
国試
[★]
- 英
- cohort study
- 関
- 研究デザイン、コホート内症例対照研究
定義
- 対照集団を要因の有無別に分けて、疾病罹患の傾向を比較する
- ある時点で研究対象を決めて、その人たちを追跡調査するスタイルの研究
種類
- 前向きコホート研究 (Prospective Cohort Study)
- 後ろ向きコホート研究 (Retrospective Cohort Study)
特徴
|
名称
|
患者対照研究
|
コホート研究
|
時間軸
|
後向き研究
|
前向き研究
|
調査の方法
|
既往調査、病歴調査
|
追跡調査
|
対象
|
曝露情報の 信頼性
|
患者の過去の記録やカルテに頼るため 信頼性は低い
|
現時点での曝露状況が判明しているので信頼性は高い
|
対象
|
偏り バイアス
|
抽出の段階で、既に患者、対照群とも に偏りが発生している場合が多い
|
母集団から、要因の有無別に対照群が 抽出されるため、偏りは小さい
|
対象
|
まれな要因
|
評価不能
|
評価可能
|
調査
|
観察期間
|
なし
|
長期
|
調査
|
費用 労力
|
患者と対照のみを観察するので、費用・労力が少ない
|
大きな集団を長期に追跡しなければな らないので、費用・労力が多い
|
疾患
|
対照疾患
|
単一
|
複数
|
疾患
|
診断の正確性
|
正確性が高い
|
正確性が低い →診断基準が必要
|
疾患
|
まれな疾患
|
可能
|
困難
|
解析
|
罹患率
|
計算不可
|
算出可能
|
解析
|
相対危険度
|
近似値の算出
|
算出可能
|
解析
|
寄与危険度
|
計算不可
|
算出可能
|
その他の特徴
- 人口の移動の激しい地域で追跡調査は困難
- 前もって発生頻度を予測して対照群の人口サイズを決定する必要がある
- 診断基準の設定が必要な場合もある →長期の観察では診断方法や疾病概念が変化することがあるため
- 因果関係について、患者対照研究よりも、より多くの情報が得られる
- 患者対照研究に比べ、選択バイアスが生じにくい。
- 患者対照研究に比べ、交絡因子の調整が容易。
参考
- http://phi.med.gunma-u.ac.jp/epidemiology/epi03.html
- http://phi.med.gunma-u.ac.jp/epi-spc/term4.pdf
[★]
- 英
- case-control study
- 同
- ケース・コントロール研究
- 同
- 患者対照研究
- 関
- 症例対照法、アトリビュータブル・リスク、コホート研究、分析疫学、マッチング
特徴
|
名称
|
患者対照研究
|
コホート研究
|
時間軸
|
後向き研究
|
前向き研究
|
調査の方法
|
既往調査、病歴調査
|
追跡調査
|
対象
|
曝露情報の 信頼性
|
患者の過去の記録やカルテに頼るため 信頼性は低い
|
現時点での曝露状況が判明しているので信頼性は高い
|
対象
|
偏り バイアス
|
抽出の段階で、既に患者、対照群とも に偏りが発生している場合が多い
|
母集団から、要因の有無別に対照群が 抽出されるため、偏りは小さい
|
対象
|
まれな要因
|
評価不能
|
評価可能
|
調査
|
観察期間
|
なし
|
長期
|
調査
|
費用 労力
|
患者と対照のみを観察するので、費用・労力が少ない
|
大きな集団を長期に追跡しなければな らないので、費用・労力が多い
|
疾患
|
対照疾患
|
単一
|
複数
|
疾患
|
診断の正確性
|
正確性が高い
|
正確性が低い →診断基準が必要
|
疾患
|
まれな疾患
|
可能
|
困難
|
解析
|
罹患率
|
計算不可
|
算出可能
|
解析
|
相対危険度
|
近似値の算出
|
算出可能
|
解析
|
寄与危険度
|
計算不可
|
算出可能
|
その他の特徴
- 対照群は母集団を代表しているわけではない →対照は必ずしも健常者でなくともよい(同じ病院の他の疾病の患者が選ばれることが多い)
- 交絡因子を考慮した調査対象の選択が必要である.
- 統計学的検定にはカイ二乗検定などが用いられる
参考
- はじめてケースコントロールシート2.5 Beginners’ Training Sheet for Case-control study
- http://spell.umin.jp/BTS_CCS2.5.pdf
[★]
- 英
- bronchial carcinoid
- 関
- カルチノイド、肺カルチノイド
概念
- 気管支カルチノイドは肺腫瘍の中でも珍しい部類である;神経内分泌分化を呈し、比較的潜行性の経過を辿るのが特徴である。
- 元々、気管支腺腫と言われていたが、転移する可能性があることから悪性腫瘍とみなされている。
- 体の他の部位にできる癌腫のように気管支カルチノイドは、胚の神経堤から遊走したペプチドやアミンを産生する内分泌細胞に由来すると考えられている。
- カルチノイドは体の多くの部位から発生する可能性がある;胸腺、肺、消化管、卵巣。消化管が最もカルチノイドが発生する部位であり、肺はその次に多い。
疫学
- 世界的には、罹患率は10万人対0.2-2人/年。
- 女性に多い、また黒人より白人に多いことが示唆されている。
- 悪性肺腫瘍の1-2%
- カルチノイドの20-30%
- 子供(晩期思春期)の原発性肺新生物としては気管支カルチノイドが最も一般的。
- 頻度;定型的カルチノイド:非定型的カルチノイド=4:1
- 定型的カルチノイド:低分化度で分裂速度は遅い。
- 非定型的カルチノイド:中等度分化度で分裂速度は速く、壊死を伴う。
[★]
- 英
- comorbidity
- 関
- 合併性、併存症
[★]
- 英
- cumulative incidence rate
- 関
- 罹患率
[★]
- 英
- rate
- 関
- 比
- 集団における現象発生の頻度を表す指標。全体に対する部分の割合を示す。
- 値は0~1
[★]
- 英
- morbidity、morbid
- 関
- 病的、罹患率、罹病率、病的状態