- 英
- glioblastoma
- 同
- 神経膠芽腫、多形膠芽腫 glioblastoma multiforme
- グリア芽細胞腫、グリア芽腫、膠芽細胞腫、グリオブラストーマ、膠芽腫、神経膠芽細胞腫
- 関
- 脳腫瘍、星状細胞腫
分類
-
-
概念
- 肉眼的・組織的に多彩な形態を示すので多形膠芽腫とも呼ばれる(SCN.170)
病因
- primary dlioblastoma:genetic defects(EGFR amplification, MDM2 overexpression, p16 deletion, PTEN mutation):older patients
- secondary glioblastoma:p53 tumor suppressor gene inactivating → PDGF-A amplification:young patiens
病理
- 壊死、出血、嚢胞形成 (SCN.170)
- 大小様々の円型、紡錘型、不整型の細胞が密に増殖 (SCN.170)
- 腫瘍内の様々な壊死。壊死周囲に核が柵状に配列する所見(nuclear pseudopalisading, pseudopalisading necrosis)、血管の増殖、内皮細胞の増殖(SCN.170)
- pseudopalisading necrosisは膠芽腫に特徴的(palisade:柵)
治療
参考
- http://square.umin.ac.jp/sawamura/braintumors/astrocytictumor.html
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/07/22 23:26:12」(JST)
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膠芽腫(こうがしゅ、英: glioblastoma)は、脳腫瘍の一種。神経膠腫(グリオーマ)の中でも最も悪性度が高いとされる。
膠芽腫のデータ |
ICD-10 |
C719 |
統計 |
出典: |
世界の患者数 |
半角数字、3桁区切り人
(20xx年xx月xx日) |
日本の患者数 |
半角数字、3桁区切り人
(20xx年xx月xx日) |
○○学会 |
日本 |
日本脳神経外科学会 |
世界 |
AANS & CNS Neurosurgery On-Call |
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目次
- 1 定義(概念)
- 2 病態
- 3 疫学
- 4 症状
- 5 検査
- 6 診断
- 7 治療
- 8 予後
- 9 診療科
- 10 参考文献
定義(概念)
グリア細胞(主として星状膠細胞)由来の悪性腫瘍の中で、極端に未分化で増殖能の高いものを指す。腫瘍は出血を伴うことが多く、腫瘍内には壊死巣が見られる。腫瘍細胞は円形、紡錘形などのさまざまな形状が存在し、大小不同である。
病態
急速な腫瘍の増大により極めて進行が速い。数週単位で症状が悪化することも見られる。
疫学
好発年齢は45~79歳であり中年以降に多発する。男性のほうがやや多い(1.4倍)。原発性脳腫瘍の約9.0%を占める。 前頭葉に最も多く、次いで側頭葉、頭頂葉に好発する。
症状
急速に増大する腫瘍による頭蓋内圧亢進症状が見られる。初発症状は頭痛が多い。他の脳腫瘍と同じく、朝に強い頭痛が見られること(morning headache)が多い。その他に運動麻痺、痙攣、見当識の低下などが見られる。
検査
- CT
- 単純CTでは腫瘍実質が高吸収域、周囲の壊死部や嚢胞は低吸収域として造影される。造影剤を用いた造影CTでは腫瘍実質が不均一に増強される。
- MRI
- T1強調画像では腫瘍はやや低信号域、T2強調画像では腫瘍やその周囲の脳浮腫が高信号域となる。ガドリニウムを用いた造影MRIでは、腫瘍の辺縁が高信号域となる一方、腫瘍内部は壊死などを反映して低~高信号域が入り混じった像となる事が多い。この所見をリング・エンハンスメントと称する。また、リング・エンハンスメントは膠芽腫に特異的な所見ではなく、脳膿瘍、転移性脳腫瘍などが鑑別としてあがることが多い。
診断
臨床症状から脳腫瘍を疑い、CTやMRIの結果を元に確定診断する。
治療
本腫瘍を根治する方法はない。手術での出来る限りの摘出が基本であるが、腫瘍は浸潤性で正常組織との境界が不明瞭であるため、通常全摘は不可能である。そのため術後の放射線療法や化学療法との併用が基本となる。現在化学療法はテモゾロミドを用いるのが一般的である。
予後
脳腫瘍の中では最も悪く、すべての悪性腫瘍と比べても最悪の部類に入る。1年生存率は51.6%、3年生存率は13.1%、5年生存率は7.8%である。なお、膠芽腫は遠隔転移はほとんどせず、転移するのは脳内のみであるという特徴がある。
診療科
脳神経外科、神経内科
参考文献
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 自家がんワクチン療法とグリオブラストーマ(神経膠芽腫)に対する最新の知見 (特集 がんの免疫療法--免疫療法でがんはどこまで治るのか?)
- 症例報告 脳ドックで経験した無症候性神経膠芽腫の1例
- Pseudoprogression Following Concurrent Temozolomide and Radiotherapy in a Patient with Glioblastoma : Findings on Functional Imaging Techniques
- Shirakawa Yuko,Yoshiura Takashi,Hiwatashi Akio,Yamashita Koji,Kamano Hironori,Shioyama Yoshiyuki,Abe Kouichiro,Amano Toshiyuki,Nakamizo Akira,Yoshimoto Koji,Honda Hiroyuki,Torisu Rina,Suzuki Satoshi,Honda Hiroshi,白川 友子,吉浦 敬,樋渡 昭雄,山下 孝二,鎌野 宏礼,塩山 善之,阿部 光一郎,天野 敏之,中溝 玲,吉本 幸司,本田 裕之,鳥巣 利奈,鈴木 諭,本田 浩,シラカワ ユウコ,ヨシハラ タカシ,ヒワタシ アキオ,ヤマシタ コウジ,kマノ ヒロノリ,シオヤマ ヨシユキ,アベ コウイチロウ,アマノ トシユキ,ナカミゾ アキラ,ヨシモト コウジ,ホンダ ヒロユキ,トリス リナ,スズキ サトシ,ホンダ ヒロシ
- 福岡医学雑誌 101, 257-264, 2010-12-25
- … The lesion was pathologically diagnosed as pseudoprogression after additional surgical resection.膠芽腫に対するtemozolomide(TMZ)を用いた化学放射線治療後に生じたpseudoprogressionの機能画像所見を報告する. … 当院脳外科において部分切除され, 病理学的に膠芽腫と診断された. …
- NAID 120003043283
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★リンクテーブル★
[★]
- 56歳の女性。右耳の聴力低下と歩行障害とを主訴に来院した。4年前から右の聴力低下を自覚し、次第に増悪していた。半年前からは歩行障害を自覚し次第に増悪してきたため受診した。意識は清明。体温 36.2℃、脈拍 72/分、整。血圧 132/78mmHg。呼吸数 18/分。右耳の聴力低下を認め、Weber試験では左に偏位し、Rinne試験は左右ともに陽性である。右小脳性運動失調を認め、腱反射は正常でBabinski徴候は認めない。骨条件の頭部CT(別冊No. 12A)、頭部造影MRI(別冊No. 12B)及び手術により摘出した組織のH-E染色標本(別冊No. 12C)を別に示す。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110D035]←[国試_110]→[110D037]
[★]
- 63歳の女性。頭痛と行動異常を主訴に来院した。3か月前から起床時の頭痛を自覚し、徐々に悪心を伴うようになってきたため受診した。2か月前から約束を間違える、着衣がうまくできないなどの異常に家族が気付いていたという。意識レベルはJCSⅠ-2。脈拍 68/分、整。血圧 142/88mmHg。神経診察で左不全片麻痺を認める。頭部造影MRI(別冊No.19A)を別に示す。入院し、開頭腫瘍摘出術を施行した。病変部のH-E染色標本(別冊No.19B)を別に示す。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114D042]←[国試_114]→[114D044]
[★]
- 64歳の男性。右片麻痺を主訴に来院した。6か月前から右足を引きずるようになった。2週前から右手で箸を持ちにくいことに気付き受診した。意識レベルはJCS I-2。脈拍 68/分、整。血圧 164/88mmHg。右同名半盲と右片麻痺とを認める。腱反射は右側優位に両側で亢進し、Babinski徴候は両側で陽性である。頭部造影MRI(別冊No. 19A)と病変部のH-E染色標本(別冊No. 19B)とを別に示す。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109D040]←[国試_109]→[109D042]
[★]
- 10歳の男児。数日前からの意識障害のため来院した。Fallot四徴症がある。傾眠状態で、項部硬直、不全四肢麻麻痺、四肢腱反射亢進およびBabinski徴候を認める。頭部MRIのT1強調像と造影T1強調像とを以下に示す。最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095D048]←[国試_095]→[095D050]
[★]
- 61歳の男性。昨日、意識障害と右片麻痺とが出現し、今日になって急に悪化したため救急車で搬送された。昏睡状態で自発運動を認めない。頭部単純CTを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [095G042]←[国試_095]→[095G044]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107I001]←[国試_107]→[107I003]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099E050]←[国試_099]→[099E052]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
- 頭部X線造影CTでリング状の増強効果を示すのはどれか
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
- 英
- brain tumor, cerebral tumor
- 同
- 脳新生物 brain neoplasm
- 関
- 頭蓋内腫瘍
概念
分類
-
-
疫学
- 発生率:10万人対10-15人。罹患率:10万人対46人 →
腫瘍別発生頻度
YN.J.188
小児の脳腫瘍
- SCN.173
- 腫瘍:星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、胚細胞腫、上衣腫の順に多い。
- 部位:1歳まではテント上、2-7歳まではテント下、8-15歳まではテント上に多い。
- SRA.163
|
後発年齢
|
好発部位
|
小脳星細胞腫
|
5~10歳
|
小脳半球
|
髄芽腫
|
5~10歳(男児に多い)
|
小脳虫部から発生
|
頭蓋咽頭腫
|
10~15歳
|
トルコ鞍上部
|
上衣腫
|
10~15,30~40歳
|
第四脳室、側脳室
|
髄芽腫
|
10~30歳
|
松果体部、トルコ鞍上部
|
脳幹部膠腫
|
~15歳
|
橋
|
視神経膠腫
|
~15歳
|
視神経視交叉
|
放射線感受性
- SCN.173
転移性脳腫瘍
- 肺癌(約半数)、乳癌、消化器癌、腎癌
- 頻度:肺癌>乳癌>胃・腸癌 (SCN.173)
石灰化が見られる脳腫瘍
- 乏突起膠腫:CT上、低吸収領域の中に石灰化がみられる。(SCN.173)
- 上衣腫:CT:(単純CT)等~低吸収、(造影CT)中~強度の増強。小嚢胞や壊死、石灰化を認める
- 髄膜腫:腫瘍の一部石灰化が少なからず見られる
- 頭蓋咽頭腫:小児において石灰沈着が高頻度にみられる。
嚢胞性腫瘍
参考
- http://www.gsic.jp/cancer/cc_19/hc/02.html
- 1-1. がんサポートセンター 脳腫瘍 フローチャート
- http://www.gsic.jp/cancer/cc_19/hc/cc_19_021.html
- http://www.ebm.jp/disease/brain/07noshuyo1/guide.html
- http://ganjoho.ncc.go.jp/public/cancer/data/brain_adult.html
- http://ganjoho.ncc.go.jp/public/cancer/data/brain_child.html
- http://www.geocities.jp/ululu_o_ululu/report-11.html
国試
[★]
- hydro cephalus
- 英
- hydrocephalus, hydrocephaly
- 同
- 水頭
概念
- 髄液の産生、循環、吸収の不均衡により頭蓋内に異常に髄液の貯留した状態。
分類
発症の起点となった時期
直接の原因
- 脳出血に伴う脳室内血腫
- 髄芽腫・上衣腫などの後頭蓋窩腫瘍(第四脳室腫瘍)
- 頭蓋咽頭腫・胚腫・視床下部神経膠腫などの第三脳室腫瘍・脳室炎などによる中脳水道閉塞
- 結節性硬化症、トキソプラズマ症、Dandy-Walker症候群(後頭蓋窩正中の嚢胞、小脳虫部の形成不全)
脳圧
機序
- 1. 髄液の過剰産生 →(稀)脈絡叢乳頭腫
- 2. 脳室、くも膜下腔の通過障害 →脳室周辺の腫瘍、血腫、先天奇形
- 3. 上矢状静脈洞への髄液の吸収障害 →くも膜下出血、髄膜炎
病因
症候
画像
治療
- 第一の治療はシャント手術:脳室-腹腔シャント(V-Pシャント)、脳室-心房シャント(V-Aシャント)、腰部-腹腔(L-Pシャント)
- 悪性腫瘍が原因である場合は原疾患の治療も。
[★]
- 英
- astrocytoma
- 同
- 星細胞腫、アストロサイトーマ、星状膠細胞腫
- 関
- 星状腫、アストログリオーマ、astroglioma、astrocytic glioma、退形成星状細胞腫、毛様細胞性星細胞腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、混合神経膠腫、星状細胞腫、星状芽細胞腫、肥胖性星細胞腫、グレードII星細胞腫、グレードIII星細胞腫、グレードI星細胞腫、線維性星細胞腫、若年性毛細胞性星細胞腫
[show details]
好発部位
- 小児:小脳半球 → 小脳失調
- 成人:大脳半球 → 痙攣
分類
-
-
特徴
- 浸潤性に発育 → 全摘が困難 → 再発しやすい・再発時に悪性化する傾向がある
- 遠隔転移はきわめて稀
- 放射線に対する感受性が低い
- 抗癌薬が効きにくい。
[★]
- 英
- glioma
- 同
- 神経上皮性腫瘍、グリオーマ、神経膠細胞性腫瘍 glial tumor、神経膠細胞腫、膠腫
- 関
- 脳腫瘍
分類
-
悪性神経膠腫の予後規定因子
- 悪性度(悪性度が低いこと = WHO gradeが小さい)
- 年齢(若いこと)
- 腫瘍切除(腫瘍の残存が少ないこと)
- 放射線療法(70Gy以上がよい)
- Performance status(PS)(治療前の神経症状が軽いこと)
- secondary glioblastoma(悪性転化型であること)
- primary glioblastomaは放射線に抵抗性であり、治療しづらい。
参考
- http://ganjoho.jp/public/cancer/data/glioma.html
[★]
- 英
- glioblastoma
- 関
- グリア芽腫、膠芽細胞腫、神経膠芽腫、多形神経膠芽腫、グリオブラストーマ、膠芽腫、神経膠芽細胞腫、巨細胞膠芽腫、グレードIV星細胞腫
[★]
- ラ
- glioblastoma multiforme、GBM
- 関
- グリア芽細胞腫、糸球体基底膜、多形性神経膠芽細胞腫、巨細胞膠芽腫、グレードIV星細胞腫
[★]
- 英
- giant cell glioblastoma
- 関
- グリア芽細胞腫、多形神経膠芽腫、グレードIV星細胞腫
[★]
- 関
- がん、腫瘍、腫瘤、良性新生物
[★]
- 英
- blastoma
- 関
- 芽細胞腫