第4脳室
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脳: 第四脳室 |
脳室と脳表面の関係を示した模式図
赤色で示す領域が第四脳室
脳室を上面から見た絵 (第四脳室は中央下に見える)
|
名称 |
日本語 |
第四脳室 |
英語 |
fourth ventricle |
ラテン語 |
ventriculus quartus |
略号 |
4V |
関連構造 |
上位構造 |
脳室系、橋 |
画像 |
アナトモグラフィー |
三次元CG |
Digital Anatomist |
内側面
大脳パーツ
脳室系
冠状断(海馬采/脳弓)
水平断(脳幹)
矢状断 |
関連情報 |
IBVD |
体積(面積) |
Brede Database |
階層関係、座標情報 |
NeuroNames |
関連情報一覧 |
NIF |
総合検索 |
MeSH |
Fourth+Ventricle |
グレイの解剖学 |
書籍中の説明(英語) |
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第四脳室(fourth ventricle)とは、脳幹と小脳に挟まれた空間を指す。吻側では中脳水道を介して第三脳室に、尾側では脊髄の中心管につながり、脳脊髄液(cerebrospinal fluid、以下CSF)の通り道になっている。
第四脳室は、平らな菱形窩と、菱形窩の周りから小脳に延びる上髄帆・下髄帆の間でテントのような形になっている。その壁になっているものは以下のとおり。
- 腹側:菱形窩、すなわち橋と延髄の背側面。菱形窩は第四脳室の「底」と表現されることが多い。菱形と呼ばれるとおり、正中と左右軸沿いに対角線を持つ四角形と見ることができる。そのとき上の2辺は上小脳脚の内側縁、下の2辺は後索核の吻側縁である。菱形窩にみられる構造物について、詳しくは延髄を参照されよ。
- 背側の吻側半分:上髄帆と上小脳脚。上髄帆は左右の上小脳脚の間に張られた幕のような薄い板で、中脳水道が第四脳室に開く部分までを隙間なく覆っている。
- 背側の尾側半分:下髄帆と下小脳脚。下髄帆は左右の下小脳脚の間にある薄い板だが、小脳に接する部分で外側に広がり、その先端は外側口(ルシュカ孔)と呼ばれる開口になっている。下髄帆の正中近くと、小脳に接する部分には、血管に富んだ脈絡叢が貼りついているが、その両外側はルシュカ孔から第四脳室の外へはみ出している。はみ出した部分にはボホダレクの花籠という通称がある。下髄帆には正中の延髄に接する部分にも正中口(マジャンディ孔)と呼ばれる開口がある。
側脳室の脈絡叢で作られたCSFは第三脳室のあと第四脳室を通り、中心管の中で脊髄を下るほかはルシュカ孔とマジャンディ孔からクモ膜下腔に出る。クモ膜は小脳の尾側面で深く折れ込まないで脊髄のあたりまでなだらかに延びているので、クモ膜下腔は延髄後面と小脳の間で若干広がっている。この部分を小脳延髄槽と呼ぶ。ルシュカ孔・マジャンディ孔から出たCSFは小脳延髄槽に流れ込むと言える。
画像
-
第四脳室の位置を様々な角度から眺めた動画。赤い所が第四脳室。(画像出典:Anatomography)
参考文献
- Werner Kahle、長島聖司・岩堀修明訳『分冊 解剖学アトラスⅢ』第5版(文光堂、ISBN 4-8306-0026-8、日本語版2003年)
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UpToDate Contents
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- 1. まれな脳腫瘍 uncommon brain tumors
- 2. 神経膠腫の分類 classification of gliomas
Japanese Journal
- 第四脳室と橋・延髄の解剖と外科治療(<特集>脳室・脳幹病変の外科治療)
- 斉藤 延人,金 太一
- 脳神経外科ジャーナル 20(6), 438-445, 2011-06-20
- … 第四脳室と橋・延髄下半分の病変には,髄芽腫,脳室上衣腫,星細胞腫,脈絡叢乳頭腫,脳幹海綿状血管腫,血管芽腫,外向発育性グリオーマなどがある.第四脳室を露出するには小脳延髄裂アプローチが有用である.小脳扁桃の裏で延髄に付着している脈絡膜と脈絡紐を切開して小脳扁桃を牽引する方法である.脳幹内部へは,病変が最も表面に近い部分から進入するのが基本である.第四脳室 …
- NAID 110008662231
- 3. 第四脳室上衣腫の一例(第37回群馬脳腫瘍研究会<一般演題1>)
- 甲賀 英明,藤巻 広也,相島 薫,橋場 康弘,朝倉 健,宮崎 瑞穂,小島 勝
- The Kitakanto medical journal 59(3), 290-290, 2009-08-01
- NAID 120002098429
Related Links
- 脳脊髄液が産生される脳内の腔。ヒトの場合、左右一対の側脳室と、正中に第三脳室、第四脳室が一つずつの、計四つの脳室がある(図1)。これらは相互に連絡があり、くも膜下腔へと接続されることで、脳脊髄液は脳室内を循環する。
- 第四脳室(fourth ventricle)とは、脳幹と小脳に挟まれた空間を指す。吻側では中脳水道を介して第三脳室に、尾側では脊髄の中心管につながり、脳脊髄液(cerebrospinal fluid、以下CSF)の通り道になっている。 第四脳室は、平らな菱形 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- brain tumor, cerebral tumor
- 同
- 脳新生物 brain neoplasm
- 関
- 頭蓋内腫瘍
概念
分類
-
-
疫学
- 発生率:10万人対10-15人。罹患率:10万人対46人 →
腫瘍別発生頻度
YN.J.188
小児の脳腫瘍
- SCN.173
- 腫瘍:星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、胚細胞腫、上衣腫の順に多い。
- 部位:1歳まではテント上、2-7歳まではテント下、8-15歳まではテント上に多い。
- SRA.163
|
後発年齢
|
好発部位
|
小脳星細胞腫
|
5~10歳
|
小脳半球
|
髄芽腫
|
5~10歳(男児に多い)
|
小脳虫部から発生
|
頭蓋咽頭腫
|
10~15歳
|
トルコ鞍上部
|
上衣腫
|
10~15,30~40歳
|
第四脳室、側脳室
|
髄芽腫
|
10~30歳
|
松果体部、トルコ鞍上部
|
脳幹部膠腫
|
~15歳
|
橋
|
視神経膠腫
|
~15歳
|
視神経視交叉
|
放射線感受性
- SCN.173
転移性脳腫瘍
- 肺癌(約半数)、乳癌、消化器癌、腎癌
- 頻度:肺癌>乳癌>胃・腸癌 (SCN.173)
石灰化が見られる脳腫瘍
- 乏突起膠腫:CT上、低吸収領域の中に石灰化がみられる。(SCN.173)
- 上衣腫:CT:(単純CT)等~低吸収、(造影CT)中~強度の増強。小嚢胞や壊死、石灰化を認める
- 髄膜腫:腫瘍の一部石灰化が少なからず見られる
- 頭蓋咽頭腫:小児において石灰沈着が高頻度にみられる。
嚢胞性腫瘍
参考
- http://www.gsic.jp/cancer/cc_19/hc/02.html
- 1-1. がんサポートセンター 脳腫瘍 フローチャート
- http://www.gsic.jp/cancer/cc_19/hc/cc_19_021.html
- http://www.ebm.jp/disease/brain/07noshuyo1/guide.html
- http://ganjoho.ncc.go.jp/public/cancer/data/brain_adult.html
- http://ganjoho.ncc.go.jp/public/cancer/data/brain_child.html
- http://www.geocities.jp/ululu_o_ululu/report-11.html
国試
[★]
- 英
- Chiari malformation
- 同
- Chiari奇形、アーノルド-キアリ症候群 Arnold-Chiari syndrome、アーノルド・キアリ奇形 Arnold-Chiari奇形 Arnold-Chiari malformation、キアリ-アーノルド奇形 Chiari-Arnold malformation
概念
- 小脳や脳幹が大後頭孔を通じて脊椎管内に下垂した先天性奇形の総称である。
定義
- 先天性水頭症を伴う小脳奇形の4型 → アーノルド・キアリ奇形(1891年Chiariが記載) → 後脳奇形全体をまとめてアーノルド・キアリ症候群とよぶ
Chiari奇形I型とChiari奇形II型。その他
- SCN.282改変
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I型
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II型
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III型
|
IV型
|
脊柱管への陥入
|
小脳扁桃
|
延髄、 第四脳室、 小脳虫部
|
(頚部の二分脊椎部に 小脳が陥入(脳瘤) 。 延髄下垂。水頭症)
|
(小脳の形成不全)
|
発症年齢
|
小児、成人
|
乳幼児
|
|
|
臨床症状
|
非特異的
|
喉頭喘鳴、 無呼吸発作、 嚥下困難
|
|
|
水頭症
|
+
|
+++
|
|
|
脊髄髄膜瘤
|
-
|
+++
|
|
|
脊髄空洞症
|
++
|
+
|
|
|
病型 SOR.437
I型
- (MRI像、頭蓋底陥入症、脊髄空洞症合併が見られる。矢頭は小脳扁桃)
- 脊髄空洞症を伴いやすい
II型
異常部位
大脳
|
脳梁形成不全、大脳鎌形成不全、小多脳回
|
小脳
|
下垂
|
中脳
|
中脳水道の閉塞
|
橋
|
|
延髄
|
下垂
|
脳室
|
水頭症(ほぼ全例)(側脳室・第3脳室の拡大、側脳室後角の拡大)
|
脊椎
|
脊髄髄膜瘤(ほぼ全例)
|
III型
- 頚部の二分脊椎部に小脳が陥入(脳瘤)。延髄下垂。水頭症
IV型
症状
- I型:咳嗽、くしゃみ、怒責により頭蓋内圧が亢進して頭痛を来す。
- II型:脳幹症状(吸気時喘鳴、無呼吸発作、嚥下障害、水頭症に伴う脳室拡大。)
検査
治療
- 頭蓋内圧が高い場合には脳室シャント術を行う
- 後頭下減圧術(大孔減圧術)である
[★]
- 英
- monoaminergic neuron
- 同
- モノアミン含有ニューロン、モノアミン系ニューロン
- 関
- ニューロン
脳幹のモノアミン作動性ニューロン (B.29 SP.422 SP.423(下行性入力))
[★]
- 英
- midbrain
- ラ
- mesencephalon
- 関
- 脳, 一次脳胞
解剖
- 中心管は、細い中脳水道となっている
- 中脳は3つの領域に分けられる。
- 中脳水道より背側にある領域は中脳蓋
- 腹外側に突出した部分は大脳脚
- 両者の間の領域が中脳被蓋である
発生
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
中脳とは(医学大事典)
臨床関連
神経内科
[★]
- 英
- Wernicke's encephalopathy, Wernicke encephalopathy
- 同
- Wernicke脳症、急性出血性上部灰白脳炎 polio-encephalitis haemorrhagica superior acuta
- 関
- ウェルニッケ症候群、ウェルニッケ病
病因
病理
症状
- 眼球運動障害:両側外転神経麻痺、両側方注視麻痺、上方注視麻痺、両側内転障害。眼振。
- コルサコフ症候群:記銘障害、作話、空間と時間に対する失見当識
検査
-
- 乳頭体、第三脳室、中脳水道、第四脳室周囲の灰白質に病変部位が認められる。
国試
[★]
- 英
- median aperture of fourth ventricle, median aperture (KH)
- ラ
- apertura mediana ventriculi quarti
- 同
- マジャンディ孔 foramen of Magendie, Magendie孔, マジャンデイー孔, Magendie's foramen, Magendie foramen
- 関
- 第四脳室外側口、ルシュカ孔。脳室系。髄膜。ダンディ・ウォーカー症候群
[★]
- 英
- atresia of foramina of fourth ventricle
- 関
- ダンディ・ウォーカー症候群、第四脳室、第四脳室孔
[★]
- 英
- lateral recess of fourth ventricle
- 関
- 第四脳室、外側陥凹
[★]
- 英
- ()
- 英
- choroid plexus of fourth ventricle
[★]
- 英
- ventricle、ventriculus、ventriculi、ventricular
- 関
- 胃、腔、心室、心室性、脳室
[★]
- 英
- ventricle, ventricles
- ラ
- ventriculus cerebri
- 関
- 側脳室、第3脳室、第4脳室