- 英
- case fatality rate, fatality rate
- 同
- 致死率
- 関
- 死亡率、罹患率
- 死亡率とは定義が異なるので注意
- 急性疾患の重篤性を表す場合に使用
- 一定期間内において、対象とする疾患にかかった者がその疾患で死亡する者の割合。
- 致命率 = 死亡率 / 罹患率
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/11/26 13:08:13」(JST)
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致命率 (CFR: case fatality rate) または致命リスク、致死率は疫学における、特定の疾病に罹患した母集団のうち死亡する割合である。致命率は通常、パーセンテージとして表され、リスクの測定値を表す。
致命率は急性感染症の集団発生などで、個別の疾患について[注釈 1]時間経過を区切って[注釈 2]使用される事が一般的である。
たとえば、ある地域社会で同じ病気と診断された100人のうち9人が死亡したと仮定する。これは正式に病気と診断された100人のうち9人が死亡し、91人は回復したことを意味する。従って致命率は9%である。もし調査期間中に症例の幾つかが治療中で、死亡も回復のいずれもしていない場合は、致命率に誤差が出る可能性がある。
しばしば致命率と混同される死亡率は、人口に対する死亡者数(全ての死因の合計、または特定疾患別)を調査したもので、人口数と期間を定めて行う。例えば1万人あたり1年間に糖尿病に起因する50人の死者が生じた場合、糖尿病の死亡率は 10000:50 または 1000:5 になる。
致命率と生存率と死亡率の関係 |
致命率=死亡数/罹患数 |
生存率=1-致命率 |
死亡率=死亡数/人口数 |
厳密には、致命率は実際にはリスクまたは累積発生率であり、値は 0 から 1 の間になる。割合や発生数、比とも異なる。(これらは 0 から 1 の値を取らない) 極めて厳密な話をすると、”致命率”という言い方は、疾患の発症から死亡までの時間が考慮されていないので間違っている。[注釈 3]それにもかかわらず、致命率(および英文頭字語の CFR)は科学文献で多用されている。
例
詳細は「:en:List of human disease case fatality rates」を参照
以下に挙げる例は現実の世界における致命率が取りうる値を理解するのに役立つ。
- スペインかぜの致命率は 2.5% 以上[1]アジアかぜと香港かぜは約 0.1%、他のインフルエンザの流行では 0.1% 以下。
- レジオネラ症の致命率は約 15%。
- 黄熱の致命率は、適切な治療を受けた場合で 20% から 50%。
- ペストの致命率は、治療を受けなければ 60% にも達する。
- ザイールエボラウイルスは最も致死的なウイルスの一つで、致命率は 90% に達する。
- 狂犬病ウイルスは、発症前にワクチン接種を受けていない人が感染し治療しなければ極めて致死的で、致命率は事実上 100% である。
関連項目
脚注
参考資料
- Li, F C K; B C K Choi; T Sly; A W P Pak (June 2008). "Finding the real case-fatality rate of H5N1 avian influenza". Journal of Epidemiology and Community Health 62 (6): 555–559. doi:10.1136/jech.2007.064030. ISSN 0143-005X. PMID 18477756. Retrieved 2009-04-29.
- Taubenberger, Jeffery K.; David M. Morens (January 2006). "1918 influenza: the mother of all pandemics". Emerging Infectious Diseases (Coordinating Center for Infectious Diseases, Centers for Disease Control and Prevention) 12 (1): 15–22. doi:10.3201/eid1201.050979. PMC 3291398. PMID 16494711. Retrieved 2009-04-17.
- King, John W (2008年4月2日). “Ebola Virus”. eMedicine. WebMd. 2008年10月6日閲覧。
出典
- ^ 1918 influenza: the mother of all pandemics.
注釈
- ^ 原文は diseases with discrete。複数の生命を脅かす病気に罹っている人を含めると致命率が正しく出せない、のような趣旨と判断。
- ^ 死亡率も同様であるが、期間を区切らないと致命率は出せない。
- ^ ある期間における致命率、とすべき。時間を考慮しないなら rate ではなく proportion だから「致命割合」とすべき、という意見もある (「新型」インフルエンザ対策の公衆衛生学的視点)
外部リンク
- Definitions of case fatality for coronary events in the WHO MONICA Project
- Swine flu: what do CFR, virulence and mortality rate mean?
Japanese Journal
- 致命率の高い新生児感染症への対応 (特集 周産期と死亡を考える)
- カルバペネム耐性腸内細菌科細菌 (今月の特集 グローバル化時代の耐性菌感染症)
- 自己免疫性溶血性貧血に対するprednisolone治療中に発症した皮膚症状を伴わない劇症型内臓播種性VZV感染症
Related Links
- デジタル大辞泉 - 致命率の用語解説 - ある疾患の罹患(りかん)者数に対する死亡者数の割合。百分率か千分率で表す。致死率。
- 「エボラ出血熱の死亡率は50-90%と高く、・・・」というような記述を見かけることがあります。この記述は誤りで、正しくは、「エボラ出血熱の致死率(致命率)は50-90%と高く、・・・」です。ある病気Aの死亡率、あるいは、ある ...
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- 英
- dengue virus
- 同
- デング熱ウイルス dengue fever virus
- 関
- デング熱、デング出血熱
ウイルス学
潜伏期間
感染経路
疫学
- 致命率0.1%以下。デング出血熱の場合、死亡率10%
症状
デング熱
- 発熱、頭痛、腰痛、関節痛、骨痛、食欲低下、悪心嘔吐
- 比較的徐脈、皮疹、リンパ節腫大
デング出血熱 dengu hemorrhagic fever
- 東南アジアの3-5歳の小児。デング熱の症状+皮膚・消化管の毛細血管からの出血。
- 一度罹患した患者が別の方のウイルスに再度感染したときにデングショック症候群 dengue shock syndromeを伴うことがある。
にデング出血熱とよばれる重症型がみられ,血小板低下を伴う出血傾向やショックを伴い,その死亡率は10%に至る。
経過
- 悪寒戦慄でで発熱。5-6日後解熱し、1-2日後に再度発熱。二峰性発熱
- インフルエンザ様症状と充血を伴った眼痛(動眼痛、眼底痛)、発疹(四肢)が出現
治療
- 対症療法のみ
- ワクチン開発はデングショック症候群の可能性があるため、困難
検査
- 血液検査:白血球減少傾向、血小板減少
- ウイルス分離:第3-5病期の血液から哺乳マウスの嚢胚摂取、培養細胞への接種
[★]
|
定義
|
特徴
|
式
|
罹患率
|
incidence rate
|
単位人口(暴露人口、危険人口)に対する一定期間内に新たに疾病異常者となった者の割合
|
動的
|
一定の観察期間内に新規発生した患者数 [人] / 危険暴露人口一人一人の観察期間の総和 [人年]
|
有病率
|
prevalence rate
|
単位人口に対する一時点における疾病異常者の割合
|
静的
|
集団のある一時点における疾病を有する者の数[人] / 集団の調査対象全員の数[人]
|
死亡率
|
mortality rate
|
単位人口に対する一定期間内における死亡数の割合
|
|
集団のある一定期間内における死亡者数[人] / 集団の調査対象全員の数[人]
|
致命率
|
case fatality rate
|
一定期間内において、対象とする疾患にかかった者がその疾患で死亡する者の割合
|
急性疾患の重篤度を表す。
|
死亡率 / 罹患率
|
生存率
|
survival rate
|
対象とする疾患に罹患しているのものが、一定期間中に死亡から免れる確率
|
慢性疾患の予後判定に用いられる。
|
(1-死亡率)の積和
|
[★]
- 英
- primary amebic meningoencephalitis PAM
概念
病原体
疫学
症状
- 突然の頭痛、発熱、嘔気・嘔吐 → 急激増悪で昏睡・痙攣 他の化膿性髄膜炎と鑑別が困難。ここ一週間、淡水で泳いでいないか問診が重要かも。
診断&診断
- 炎症性中枢神経疾患の鑑別診断としてあげること。
- 確定診断は病理組織学的診断(病理染色、免疫組織染色)、PCRなど。髄液からのアメーバー検出
治療
予後
予防
- 水泳中に鼻から水を吸い込まないように注意(参考文献.1) ← 無理無理
- 怪しげな淡水で泳がないこと!!
参考
- http://idsc.nih.go.jp/iasr/31/369/kj3695.html
[★]
- 英
- survival rate, px、viability、survivorship
- 同
- 生残率 probability of survival
- 関
- 生存度、平均生存時間、バイアビリティー、生存能、バイアビリティ、死亡率、致命率
- 対象とする疾患に罹患しているのものが、一定期間中に死亡から免れる確率。
[★]
- 英
- mortality rate, mortality, death rate
- 関
- 調整死亡率、case fatality rate、excess mortality、lethality、premature mortality
- 致命率、生存率、年齢調整死亡率
[★]
- 英
- rate
- 関
- 比
- 集団における現象発生の頻度を表す指標。全体に対する部分の割合を示す。
- 値は0~1