- 英
- bronchial carcinoid
- 関
- カルチノイド、肺カルチノイド
概念
- 気管支カルチノイドは肺腫瘍の中でも珍しい部類である;神経内分泌分化を呈し、比較的潜行性の経過を辿るのが特徴である。
- 元々、気管支腺腫と言われていたが、転移する可能性があることから悪性腫瘍とみなされている。
- 体の他の部位にできる癌腫のように気管支カルチノイドは、胚の神経堤から遊走したペプチドやアミンを産生する内分泌細胞に由来すると考えられている。
- カルチノイドは体の多くの部位から発生する可能性がある;胸腺、肺、消化管、卵巣。消化管が最もカルチノイドが発生する部位であり、肺はその次に多い。
疫学
- 世界的には、罹患率は10万人対0.2-2人/年。
- 女性に多い、また黒人より白人に多いことが示唆されている。
- 悪性肺腫瘍の1-2%
- カルチノイドの20-30%
- 子供(晩期思春期)の原発性肺新生物としては気管支カルチノイドが最も一般的。
- 頻度;定型的カルチノイド:非定型的カルチノイド=4:1
- 定型的カルチノイド:低分化度で分裂速度は遅い。
- 非定型的カルチノイド:中等度分化度で分裂速度は速く、壊死を伴う。
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Japanese Journal
- 気管支カルチノイドの姑息的治療として気管支動脈塞栓術,局所エタノール注入の後,高周波スネア切除を行った1例
- 久保 直樹,大坪 孝平,中島 信隆,古藤 洋
- 気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 34(2), 175-179, 2012-03-25
- … 背景.気管支カルチノイドの根治治療は外科的切除が選択されるが,外科手術適応外の症例も多く存在する.症例.71歳女性.盲腸癌に対して右半結腸切除術を行った後,化学療法を継続中,左底幹入口部をほぼ閉塞する気管支カルチノイドを認めた.予後決定因子は盲腸癌であり,閉塞性肺炎や喀血などの合併症予防のため,姑息的治療としての腫瘍切除を試みた.まず,気管支動脈塞栓術を行い,追加で局所エタノ …
- NAID 110009437401
- 根治切除術後15年の経過中に局所再発と多発肝転移をきたした定型的気管支カルチノイドの1例
- 錦織 博貴,田中 裕士,山田 裕一,藤井 偉,千葉 弘文,山田 玄,高橋 弘毅
- 気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 34(2), 164-168, 2012-03-25
- … 背景.肺・気管支カルチノイドは,病理組織学的に定型的と非定型的とに分類され,前者は発育が緩徐で,遠隔転移や術後再発も極めて少ないといわれている.今回われわれは,定型的気管支カルチノイド切除後15年間の経過を観察し,根治切除から9年後に局所再発,その翌年に多発肝転移を認めた症例を経験したので報告する.症例.初診時69歳,男性.1995年に血痰を主訴に当院を受診した.気管支内視鏡検査で,右 …
- NAID 110009437399
- 9.高周波スネアで切除した気管支カルチノイドの1例(第136回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)
- 廣瀬 瑛介,鈴木 隆,土屋 裕,國分 二三男,臼田 亮介,林 祥子,野中 誠
- 気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 33(3), 211, 2011-05-25
- NAID 110008686185
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- 2010年7月3日 ... 金子哲雄様のご冥福をお祈り申し上げます。(追記2012年10月3日)○肺~気管支 カルチノイド肺癌の中でも比較的稀な低悪性度の腫瘍として扱われている。肺癌1...
- 気管支カルチノイドは,気管支粘膜からまれに生じる増殖速度の遅い神経内分泌腫瘍 で,患者が40代〜60代の頃に影響が現れる。 患者の半数は無症状だが,残りの半数 は,呼吸困難,喘鳴,および咳を含む気道閉塞症状を呈し,しばしば喘息という誤診を 導く ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- carcinoid of lung
- 同
- 肺カルチノイド腫瘍 carcinoid tumor of lung
- 関
- カルチノイド
- 英語の教科書ではbronchial carcinoidと記載されており、気管支カルチノイドの方が適切であろう。そもそも原発となる細胞は気管支の細胞だから。肺腫瘍の一つであるし、また感覚的に肺のあたりにできるカルチノイドということで肺カルチノイドと呼びたくなる気持ちは分からなくもない。
- →気管支カルチノイド
有名人
- 流通ジャーナリスト 金子哲雄(享年41歳 2012/9/2)
- 非定型的カルチノイドだったもよう。
[★]
気管支カルチノイド
[★]
- 英
- carcinoid
- 同
- カルチノイド腫瘍 carcinoid tumor
- 好銀性細胞腫 argyrophil cell tumor
- 関
- カルチノイド症候群、消化管カルチノイド
概念
- 気管支や消化管に発生し、原腸系臓器に広く分布する内分泌系細胞腫瘍の低異型度腫瘍。消化管に発生したものは特に消化管カルチノイドという(YN.A-75)
疫学
- 欧米では小腸腫瘍の中で悪性腫瘍に次いで2番目に多いが、日本では非常にまれ。
分類
部位
発生部位
- 発生部位:消化管(虫垂、大腸、小腸、直腸、胃)および肺、気管支
- 直腸が最多 (YN.A-75)
- 肺:発生母地(気管支腺、細気管支上皮内に存在するKultchitzky細胞)。神経内分泌顆粒を有する。(NSU.344)
病理
- 粘膜下腫瘍と同様の所見を呈することが多い。 ちなみにGISTは粘膜下腫瘍
- つまり辺縁はなだらかである。
- 細胞の配列:索状、リボン状。時にロゼット様
- 核:小型、円形で中心に存在し、分裂像は少ない
予後
- 予後(5年生存率):虫垂のカルチノイドを除いて90%。小腸原発のカルチノイドで肝臓に転移があっても50% (BPT.627)
消化管 (BPT.626)
疫学
- The peak incidence of these neoplasms is in the sixth decade.(BPT.626)
- 直腸結腸癌の2%以下。小腸の悪性腫瘍の半分を占める
- 転移:虫垂と直腸のカルチノイドは転移しにくい。90%の胃、空腸、結腸のカルチノイドは
直腸
疫学(NSU.590)
- 消化器系のカルチノイドのうち最多(36%)。
- 40-50歳代に多い。
- 男:女=1.4:1
国試
[★]
- 英
- trachea (Z), tracheal tube
- ラ
- trachea
- 関
- 気管支、気管支の分岐、肺
解剖
- 長さ12cm、直径2cm (HIS.298)。
- C6椎体-T5椎体 / C6椎体の下部より始まりT4-T5椎体で左右の気管支に分かれる。)
- 喉頭の輪状軟骨の直下から始まり主気管支が分岐するところに終わる。 (HIS.298)
粘膜
- a. 杯細胞 goblet cell 30% 粘液物質の分泌 ムチンmucin
- b. 線毛細胞 ciliated cell 30% 核は基底部に存在 線毛と微絨毛
- c. 基底細胞 basal cell 30% 丈の低い細胞、未分化細胞
- d. その他 刷子細胞、漿液細胞、DNES細胞 など
- 2. 粘膜固有層 疎性結合組織 膠原線維、弾性線維、気管腺(混合腺)
- 3. 粘膜下組織 密生結合組織
- 4. 外膜 気管軟骨 馬蹄形(C字軟骨)後方に開いている。10-12個
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 英
- bronchus / bronchi(pl.) (Z)
- ラ
- bronchus principalis
- 同
- 主気管支 main bronchus、一次気管支 primary bronchus
- 関
- 気管、気管支の分岐、肺区域、区域気管支
-
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
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ケノデオキシコール酸