- 英
- relative risk
- 同
- 相対リスク、相対危険
- 関
- コホート研究、オッズ比
- コホート研究で取られる手法
- ある因子が、疾病発生とどの程度関連しているかを評価する。すなわち、暴露群と被暴露群の比較に主眼がおかれている。
- R = A / (A + B) / ( C / (C + D) )
- 疾患が稀な場合、 A + B ≒ B, C + D ≒ D となり
- R ≒ AD / BC
- →疾患が稀な時の近似的相対危険度はオッズ比に等しくなる
|
疾病あり
|
疾病なし
|
計
|
暴露あり
|
A
|
B
|
A+B
|
暴露なし
|
C
|
D
|
C+D
|
計
|
A+C
|
B+D
|
T
|
参考
- http://www.med.nihon-u.ac.jp/department/public_health/ebm/ce105.html
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B8%E5%AF%BE%E5%8D%B1%E9%99%BA%E5%BA%A6
uptodate
- In the systematic review of this trial, significantly more patients experienced clinical improvement at three months with surgery than with splinting (71 versus 51.6 percent) with a relative risk (RR) for clinical improvement favoring surgery of 1.38 (95% CI 1.08-1.75).(手術群とスプリント群で比較すると手術群の「臨床的な改善」のRRは1.38。(手根管症候群))
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/12/31 22:54:41」(JST)
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相対危険度(そうたいきけんど)とは疫学における指標の1つで、「相対リスク」とも呼ばれ、暴露群と非暴露群における疾病の頻度を比で表現したもの。そのまま比率として表すが、百分率で表す場合もある。相対危険度は暴露群の発生率を非暴露群の発生率で割ることにより求めることができ、暴露因子と疾病発生との関連の強さを示す指標となる。主にコホート研究で用いられる。
疾病と暴露の比較
|
疾病あり |
疾病なし |
計 |
暴露あり |
A |
B |
A+B |
暴露なし |
C |
D |
C+D |
計 |
A+C |
B+D |
T |
R:相対危険度
「相対危険度」が1(100%)であれば暴露群も非暴露群も発生率は等しいが、「相対危険度」が1(100%)より大きければ暴露群の方が非暴露群よりも発生率が高くなり、「相対危険度」が1(100%)よりも小さければ暴露の方が非暴露群よりも発生率が低くなる。
「相対危険度」が1を上回る場合は「過剰相対危険度(余剰リスク,相対リスク増加)」、「相対危険度」が1を下回る場合は「相対リスク減少」を求められる。
暴露群の発生率ではなく、集団全体の発生率を用いたリスクの比は、「人口相対危険度」となる。
関連項目
- 過剰相対危険度
- 相対リスク減少
- 寄与危険度
- 人口相対危険度
- オッズ比
- ハザード比
参考文献
- 日本疫学会 編集『疫学 基礎から学ぶために』南江堂、1996年、P29-32、ISBN 4-524-21258-2
- 糸川嘉則・斎藤和雄・桜井治彦・廣畑富雄 編集『NEW 衛生衛星公衆衛生学(改訂第3版)』南江堂、1998年、P39-40、ISBN 4-524-21616-2
- 鈴木庄亮・久道茂 編集『シンプル公衆衛生学 2002』南江堂、2002年、P99-100、ISBN 4-524-23506-X
- 奥田千恵子 著『道具としての統計学(改訂第2版)』金芳堂、2011年、P119、ISBN 978-4-7653-1501-2
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- ビスフォスフォネート製剤に関連するその他の有害事象(心房細動と食道癌) (特集 最新のビスフォスフォネート製剤療法)
- 総白血球数とその分画、空腹時インスリン、メタボリックシンドロームの関係
- 大屋 純子,中神 朋子,遠藤 康弘,岩本 安彦
- 東京女子医科大学雑誌 81(E2), E189-E196, 2011-03-31
- … 空腹時インスリン値を含む多因子補正後のロジスティック回帰分析では、総白血球数の4分位において、最上位群では最下位群と比較し男女それぞれ、メタボリックシンドロームの相対危険度が2.26倍、2.71倍であった。 … 同様に、好中球数の4分位において、最上位群では最下位群と比較し男女それぞれ、メタボリックシンドロームの相対危険度が2.17倍、4.08倍であった。 …
- NAID 110008441467
- 2型糖尿病罹患に対する飲酒習慣,有酸素能力の相互作用に関するコホート研究
- 繰り返される災害下での精神健康の問題―2000年三宅島雄山噴火後の坪田地区住民の精神健康について―
- 大森 哲至
- 実験社会心理学研究 50(1), 60-75, 2010
- … また,ハイリスク者の発生に寄与するリスク要因を分析した結果,最も相対危険度の高いのは,性別の要因であり,女性は男性の3. … 次いで,相対危険度の高いのは,今後の生活や復興活動に対する悩みの有無であり,悩みのある人はない人の3. …
- NAID 130000303103
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- 相対危険度とオッズ比. コホート研究においては、ある要因の曝露群と非曝露群が時間 経過とともに疾病になるかならないかを追跡して研究します。これらの結果のデータは次 の表のようにまとめられます。
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★リンクテーブル★
[★]
- ある集団における要因Aの割合は25%であり、要因Aによる疾患B発症の相対危険度は2.0であった。
要因Aを取り除いた場合に疾患Bを予防できる割合はどれか。
- 以下のように改変
- 設問1. 集団全体の疾患Bに罹患した人の中で、要因Aが原因の人の割合
- 設問2. 要因Aがありかつ疾患Bに罹患に罹患した人の中で、要因Aが原因の人の割合
- a 10%
- b 20%
- c 30%
- d 40%
- e 50%
[正答]
※国試ナビ4※ [104E040]←[国試_104]→[104E042]
[★]
- a. 有病率はP/(P+Q)である。
- b. 相対危険度は(R/(R+S))/(P/(P+Q))である。
- c. 寄与危険度は(P/(P+Q))-(R/(R+S))である。
- d. オッズ比はPQ/RSである。
- e. 有意差検定はt検定で行う。
[正答]
※国試ナビ4※ [096G018]←[国試_096]→[096G020]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103F012]←[国試_103]→[103F014]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099D022]←[国試_099]→[099D024]
[★]
- a. 疾患の判定が困難である。
- b. 相対危険度を直接計算できない。
- c. 要因の情報を記憶に頼ることが多い。
- d. まれな疾患を対象とすることが多い。
- e. 疾患を有しない群の同定が困難である。
[正答]
※国試ナビ4※ [101B014]←[国試_101]→[101B016]
[★]
- a 要因の有無によって2群に分けて追跡する。
- b 過去から現在への追跡は含めない。
- c まれな疾患の研究に通している。
- d 介入群と非介入群とを設定する。
- e 相対危険度は計算できない。
[正答]
※国試ナビ4※ [106G030]←[国試_106]→[106G032]
[★]
- a. 人年法を用いる。
- b. 後ろ向き研究である。
- c. 相対危険度を算出できる。
- d. 寄与危険度を算出できる。
- e. コホート集団を設定する。
[正答]
※国試ナビ4※ [100G023]←[国試_100]→[100G025]
[★]
- 英
- cohort study
- 関
- 研究デザイン、コホート内症例対照研究
定義
- 対照集団を要因の有無別に分けて、疾病罹患の傾向を比較する
- ある時点で研究対象を決めて、その人たちを追跡調査するスタイルの研究
種類
- 前向きコホート研究 (Prospective Cohort Study)
- 後ろ向きコホート研究 (Retrospective Cohort Study)
特徴
|
名称
|
患者対照研究
|
コホート研究
|
時間軸
|
後向き研究
|
前向き研究
|
調査の方法
|
既往調査、病歴調査
|
追跡調査
|
対象
|
曝露情報の 信頼性
|
患者の過去の記録やカルテに頼るため 信頼性は低い
|
現時点での曝露状況が判明しているので信頼性は高い
|
対象
|
偏り バイアス
|
抽出の段階で、既に患者、対照群とも に偏りが発生している場合が多い
|
母集団から、要因の有無別に対照群が 抽出されるため、偏りは小さい
|
対象
|
まれな要因
|
評価不能
|
評価可能
|
調査
|
観察期間
|
なし
|
長期
|
調査
|
費用 労力
|
患者と対照のみを観察するので、費用・労力が少ない
|
大きな集団を長期に追跡しなければな らないので、費用・労力が多い
|
疾患
|
対照疾患
|
単一
|
複数
|
疾患
|
診断の正確性
|
正確性が高い
|
正確性が低い →診断基準が必要
|
疾患
|
まれな疾患
|
可能
|
困難
|
解析
|
罹患率
|
計算不可
|
算出可能
|
解析
|
相対危険度
|
近似値の算出
|
算出可能
|
解析
|
寄与危険度
|
計算不可
|
算出可能
|
その他の特徴
- 人口の移動の激しい地域で追跡調査は困難
- 前もって発生頻度を予測して対照群の人口サイズを決定する必要がある
- 診断基準の設定が必要な場合もある →長期の観察では診断方法や疾病概念が変化することがあるため
- 因果関係について、患者対照研究よりも、より多くの情報が得られる
- 患者対照研究に比べ、選択バイアスが生じにくい。
- 患者対照研究に比べ、交絡因子の調整が容易。
参考
- http://phi.med.gunma-u.ac.jp/epidemiology/epi03.html
- http://phi.med.gunma-u.ac.jp/epi-spc/term4.pdf
[★]
- 英
- case-control study
- 同
- ケース・コントロール研究
- 同
- 患者対照研究
- 関
- 症例対照法、アトリビュータブル・リスク、コホート研究、分析疫学、マッチング
特徴
|
名称
|
患者対照研究
|
コホート研究
|
時間軸
|
後向き研究
|
前向き研究
|
調査の方法
|
既往調査、病歴調査
|
追跡調査
|
対象
|
曝露情報の 信頼性
|
患者の過去の記録やカルテに頼るため 信頼性は低い
|
現時点での曝露状況が判明しているので信頼性は高い
|
対象
|
偏り バイアス
|
抽出の段階で、既に患者、対照群とも に偏りが発生している場合が多い
|
母集団から、要因の有無別に対照群が 抽出されるため、偏りは小さい
|
対象
|
まれな要因
|
評価不能
|
評価可能
|
調査
|
観察期間
|
なし
|
長期
|
調査
|
費用 労力
|
患者と対照のみを観察するので、費用・労力が少ない
|
大きな集団を長期に追跡しなければな らないので、費用・労力が多い
|
疾患
|
対照疾患
|
単一
|
複数
|
疾患
|
診断の正確性
|
正確性が高い
|
正確性が低い →診断基準が必要
|
疾患
|
まれな疾患
|
可能
|
困難
|
解析
|
罹患率
|
計算不可
|
算出可能
|
解析
|
相対危険度
|
近似値の算出
|
算出可能
|
解析
|
寄与危険度
|
計算不可
|
算出可能
|
その他の特徴
- 対照群は母集団を代表しているわけではない →対照は必ずしも健常者でなくともよい(同じ病院の他の疾病の患者が選ばれることが多い)
- 交絡因子を考慮した調査対象の選択が必要である.
- 統計学的検定にはカイ二乗検定などが用いられる
参考
- はじめてケースコントロールシート2.5 Beginners’ Training Sheet for Case-control study
- http://spell.umin.jp/BTS_CCS2.5.pdf
[★]
- 英
- positive likelihood ratio, LR+
- 関
- 感度、特異度、尤度比、陰性尤度比。相対危険度と混同するな
|
疾患あり
|
疾患なし
|
検査陽性
|
a 真陽性
|
b 偽陽性
|
検査陰性
|
c 偽陰性
|
d 真偽性
|
- 「疾患を有する人」が「陽性」になる確率と「疾患を有さない人」が「陽性」になる確率の比
使用例
- A疾患の検査前確率がPb (%)の人がいる。
- B検査を行ったところ陽性であった。
- 検査後確率 Pa (%)はどのくらいか?
- 検査前オッズ:Odb = Pb / ( 1- Pb )
- 陽性尤度比 :Lp = 真陽性 / 偽陽性 = ( a / ( a + c ) ) / ( b / ( b + d ) )
- 検査後オッズ:Oda = Odb x Lp
- 検査後確率 :Oda = Pa / ( 1- Pa ) → Pa = Oda / ( 1 + Oda )
国試
[★]
- 英
- odds ratio OR
- 関
- 相対危険度、オッズ
- ある群でのオッズを、他の群でのオッズで除したもの。
- ある事象に関して、関心のある群と対象とする群の間でどれだけその事象が起こりやすいかをいうことを表現するための値である。
例
ウイルス ウイルス
あり なし
心筋炎あり 20 10 |30
心筋炎なし 20 38 |58
-----------------------------------------
40 48
- 心筋炎もしくは心筋症を疑った患者に行った心生検を行い、PCRによるメタ解析を行った所、ウイルスが存在するオッズ比は対照群(心筋炎ではない)と比べて患者群は3.8倍であった(Braunwald's Heart Disease: A Textbook of Cardiovascular Medicine, 8版, p.1776)。
参考
[★]
- 英
- hazard ratio HR
- 関
- 相対危険度
参考
- http://acts-gc.jp/glossary/04.html
- ある単位時間あたりにおける死亡確率がハザードで、その群間の比をハザード比と定義
- 計算方法:(1)ログランク検定から間接的に計算 (2)Cox回帰
- http://circ.ebm-library.jp/topics/yougo.html
- 生存率解析における死亡の率 → ハザード
- 比較群と対照群の比 → ハザード比
- http://www.kdcnet.ac.jp/hepatology/technique/statistics/reading/ebm3.htm
- いい
- 要約データを利用したハザード比のメタ・アナリシスの研究
- http://www.rs.kagu.tus.ac.jp/yoshilab/iyaku/2006ME/hirooka.pdf
- http://www.kdcnet.ac.jp/hepatology/hint/s/s1-2.htm
- 関係ないか
[★]
- 英
- population relative risk, PRR
[★]
- 英
- risk、hazard、danger、jeopardy、hazardous、dangerous、risky、unsafe、hazardously
- 関
- ハザード、有害、危ない、害、リスク、相対危険度、危険性
[★]
- 英
- relative
- 関
- 関する、関連、関連性、親戚、親類、相対性、相対的、類縁体
[★]
- 英
- degree
- 関
- 温度