- 英
- attributable risk AR
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- Arkansas
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/13 17:23:49」(JST)
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寄与危険度(きよきけんど)とは疫学における指標の1つであり、「寄与リスク(絶対リスク増加)」とも呼ばれ、暴露群と非暴露群における疾病の頻度の差。暴露群の発生率から非暴露群の発生率を引いたものが寄与危険度となり、暴露効果の強さを示すことが出来る。
疾病と暴露の比較
|
疾病あり |
疾病なし |
計 |
暴露あり |
A |
B |
A+B |
暴露なし |
C |
D |
C+D |
計 |
A+C |
B+D |
T |
R:寄与危険度
「寄与危険度」が「暴露群における疾病の頻度」に占める割合を「寄与危険割合」と呼ぶ。
「寄与危険度(絶対リスク増加)」は「相対危険度」が1を上回る場合に用いられ、「相対危険度」が1を下回る場合は「絶対リスク減少」が用いられる。
暴露群の発生率ではなく、集団全体の発生率を用いたリスクの差は、「人口寄与危険度」となる。
関連項目
- 相対危険度
- 寄与危険割合
- 人口寄与危険度
- 人口寄与危険割合
- 絶対リスク減少
- オッズ比
参考文献
- 日本疫学会 編集『疫学 基礎から学ぶために』南江堂、1996年、P35-37、ISBN 4-524-21258-2
- 糸川嘉則・斎藤和雄・桜井治彦・廣畑富雄 編集『NEW 衛生公衆衛生学(改訂第3版)』南江堂、1998年、P39-40、ISBN 4-524-21616-2
- 鈴木庄亮・久道茂 編集『シンプル公衆衛生学 2002』南江堂、2002年、P99、ISBN 4-524-23506-X
- 奥田千恵子 著『道具としての統計学(改訂第2版)』金芳堂、2011年、P119、ISBN 978-4-7653-1501-2
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- A Comparative Study With Years of Potential Life Lost and Attributable Risk in Japan and Heilongjiang Province of China
- LI Ying,SATO Yasuto,YAMAGUCHI Naohito,李 頴,佐藤 康仁,山口 直人
- 東京女子医科大学雑誌 78(2/3), 95-102, 2008-03
- … 日本における65歳未満の損失生存可能年数(YPLL)を計算した.続いて,中国における早世を減少させるための主要なリスク因子を明らかにするため,16,953名の健診参加者のコホートデータベースを分析した.人口寄与危険度割合によりリスク減少の効果を推定した.〔結果〕日本と中国の間には,男性では不慮の事故および脳血管疾患,女性では不慮の事故,脳血管疾患および心臓病のYPLLに大きな差が観察された.コホートデータの …
- NAID 120002369012
- 日本と中国黒龍江省における損失生存可能年数と寄与危険度の比較研究
- 李 頴,佐藤 康仁,山口 直人
- 東京女子医科大学雑誌 78(2/3), 95-102, 2008-03
- … 日本における65歳未満の損失生存可能年数(YPLL)を計算した.続いて,中国における早世を減少させるための主要なリスク因子を明らかにするため,16,953名の健診参加者のコホートデータベースを分析した.人口寄与危険度割合によりリスク減少の効果を推定した.〔結果〕日本と中国の間には,男性では不慮の事故および脳血管疾患,女性では不慮の事故,脳血管疾患および心臓病のYPLLに大きな差が観察された.コホートデータの …
- NAID 110007524618
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★リンクテーブル★
[★]
- 石綿を使用していた工場の周辺住民における中皮腫死亡率の調査を行った。
- 死亡率は、全国の一般住民と比較して、半径300m未満の男性居住者で14倍、300m~600mで6倍、600m~900mで2倍であった。
- 正しいのはどれか。2つ選べ。
- a. 石綿曝露に関する症例対照研究である。
- b. 石綿曝露による中皮腫の標準化死亡比が算出できる。
- c. 石綿曝露による中皮腫死亡のオッズ比は7である。
- d. 石綿曝露による中皮腫死亡の寄与危険度は12である。
- e. 石綿曝露と中皮腫死亡率との間には量-反応関係が推察される。
[正答]
※国試ナビ4※ [103E049]←[国試_103]→[103E051]
[★]
- a. 有病率はP/(P+Q)である。
- b. 相対危険度は(R/(R+S))/(P/(P+Q))である。
- c. 寄与危険度は(P/(P+Q))-(R/(R+S))である。
- d. オッズ比はPQ/RSである。
- e. 有意差検定はt検定で行う。
[正答]
※国試ナビ4※ [096G018]←[国試_096]→[096G020]
[★]
- a 結果が出るまでの観察期間が長期にわたる。
- b 症例群と対照群とに無作為に割り付ける。
- c 症例群と対照群との情報を収集する。
- d 交絡因子の影響を受けない。
- e 寄与危険度を計算できる。
[正答]
※国試ナビ4※ [106C011]←[国試_106]→[106C013]
[★]
- a 調査期間が短い。
- b 研究に費用がかからない。
- c 疾患発生の有無を追跡する。
- d 寄与危険度が計算できない。
- e まれな疾患の研究に適する。
[正答]
※国試ナビ4※ [107G005]←[国試_107]→[107G007]
[★]
- a. 人年法を用いる。
- b. 後ろ向き研究である。
- c. 相対危険度を算出できる。
- d. 寄与危険度を算出できる。
- e. コホート集団を設定する。
[正答]
※国試ナビ4※ [100G023]←[国試_100]→[100G025]
[★]
- 英
- cohort study
- 関
- 研究デザイン、コホート内症例対照研究
定義
- 対照集団を要因の有無別に分けて、疾病罹患の傾向を比較する
- ある時点で研究対象を決めて、その人たちを追跡調査するスタイルの研究
種類
- 前向きコホート研究 (Prospective Cohort Study)
- 後ろ向きコホート研究 (Retrospective Cohort Study)
特徴
|
名称
|
患者対照研究
|
コホート研究
|
時間軸
|
後向き研究
|
前向き研究
|
調査の方法
|
既往調査、病歴調査
|
追跡調査
|
対象
|
曝露情報の 信頼性
|
患者の過去の記録やカルテに頼るため 信頼性は低い
|
現時点での曝露状況が判明しているので信頼性は高い
|
対象
|
偏り バイアス
|
抽出の段階で、既に患者、対照群とも に偏りが発生している場合が多い
|
母集団から、要因の有無別に対照群が 抽出されるため、偏りは小さい
|
対象
|
まれな要因
|
評価不能
|
評価可能
|
調査
|
観察期間
|
なし
|
長期
|
調査
|
費用 労力
|
患者と対照のみを観察するので、費用・労力が少ない
|
大きな集団を長期に追跡しなければな らないので、費用・労力が多い
|
疾患
|
対照疾患
|
単一
|
複数
|
疾患
|
診断の正確性
|
正確性が高い
|
正確性が低い →診断基準が必要
|
疾患
|
まれな疾患
|
可能
|
困難
|
解析
|
罹患率
|
計算不可
|
算出可能
|
解析
|
相対危険度
|
近似値の算出
|
算出可能
|
解析
|
寄与危険度
|
計算不可
|
算出可能
|
その他の特徴
- 人口の移動の激しい地域で追跡調査は困難
- 前もって発生頻度を予測して対照群の人口サイズを決定する必要がある
- 診断基準の設定が必要な場合もある →長期の観察では診断方法や疾病概念が変化することがあるため
- 因果関係について、患者対照研究よりも、より多くの情報が得られる
- 患者対照研究に比べ、選択バイアスが生じにくい。
- 患者対照研究に比べ、交絡因子の調整が容易。
参考
- http://phi.med.gunma-u.ac.jp/epidemiology/epi03.html
- http://phi.med.gunma-u.ac.jp/epi-spc/term4.pdf
[★]
- 英
- case-control study
- 同
- ケース・コントロール研究
- 同
- 患者対照研究
- 関
- 症例対照法、アトリビュータブル・リスク、コホート研究、分析疫学、マッチング
特徴
|
名称
|
患者対照研究
|
コホート研究
|
時間軸
|
後向き研究
|
前向き研究
|
調査の方法
|
既往調査、病歴調査
|
追跡調査
|
対象
|
曝露情報の 信頼性
|
患者の過去の記録やカルテに頼るため 信頼性は低い
|
現時点での曝露状況が判明しているので信頼性は高い
|
対象
|
偏り バイアス
|
抽出の段階で、既に患者、対照群とも に偏りが発生している場合が多い
|
母集団から、要因の有無別に対照群が 抽出されるため、偏りは小さい
|
対象
|
まれな要因
|
評価不能
|
評価可能
|
調査
|
観察期間
|
なし
|
長期
|
調査
|
費用 労力
|
患者と対照のみを観察するので、費用・労力が少ない
|
大きな集団を長期に追跡しなければな らないので、費用・労力が多い
|
疾患
|
対照疾患
|
単一
|
複数
|
疾患
|
診断の正確性
|
正確性が高い
|
正確性が低い →診断基準が必要
|
疾患
|
まれな疾患
|
可能
|
困難
|
解析
|
罹患率
|
計算不可
|
算出可能
|
解析
|
相対危険度
|
近似値の算出
|
算出可能
|
解析
|
寄与危険度
|
計算不可
|
算出可能
|
その他の特徴
- 対照群は母集団を代表しているわけではない →対照は必ずしも健常者でなくともよい(同じ病院の他の疾病の患者が選ばれることが多い)
- 交絡因子を考慮した調査対象の選択が必要である.
- 統計学的検定にはカイ二乗検定などが用いられる
参考
- はじめてケースコントロールシート2.5 Beginners’ Training Sheet for Case-control study
- http://spell.umin.jp/BTS_CCS2.5.pdf
[★]
- 英
- number needed to treat, NNT
- 関
- 寄与危険度、絶対危険減少
概念
- 何人治療すると1人イベントを減らせるかという指標
- 絶対危険減少(absolute risk reduction, ARR)の逆数
- 介入の前後である疾患の発生をx%抑える(x%減らせる)ことができたとすれば(100人治療して4人の発症を予防できた)、この逆数(100/x)が治療必要数となる(1人の発症予防のために25人の治療が必要)。
参考
- http://www.nakayamashoten.co.jp/ebm/pdf/key0202.pdf
国試
[★]
[★]
- 英
- population attributable risk percent, PARP
- 同
- 集団寄与割合, population attributable proportion
- 関
- 寄与危険度割合
[★]
- 英
- attributable risk percent, ARP
- 同
- 寄与割合 attributable proportion
[★]
- 英
- risk、hazard、danger、jeopardy、hazardous、dangerous、risky、unsafe、hazardously
- 関
- ハザード、有害、危ない、害、リスク、相対危険度、危険性
[★]
- 英
- contribution、contribute、contributory
- 関
- 寄付、貢献
[★]
- 英
- degree
- 関
- 温度