- 英
 
- prevalence rate, morbidity prevalence rate
 
- 関
 
- 罹患率 incidence rate morbidity rate
 
- SUB.178
 
- 単位人口に対する一時点における疾病異常者の割合  →  静的な数字
 
- 有病率 = 集団のある一時点における疾病を有する者の数[人] / 集団の調査対象全員の数[人]
 
参考
- http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/05syoubyo/index.html
 
- 10月の時点での患者総数を表している。
 
- 厚労省 患者調査  > 平成20年患者調査  > 閲覧  > 年次  > 2008年
 
- http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001060268
 
WordNet
- (epidemiology) the ratio (for a given time period) of the number of occurrences of a disease or event to the number of units at risk in the population
 
- the quality of prevailing generally; being widespread; "he was surprised by the prevalence of optimism about the future"
 
PrepTutorEJDIC
- 広く行きわっていること,普及 / 優勢,支配
 
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/12/21 22:46:09」(JST)
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疫学における有病率(ゆうびょうりつ、Prevalence rate )とは、集団における疾病の静的な割合をあらわす指標の一つである。疫学において有病率は、以下のように算出される。 疫学では過去の経緯から有病割合と表現せずに,有病率(ゆうびょうりつ、Prevalence rate または単にPrevalence )という.尚、発生学では有病割合(ゆうびょうわりあい、Prevalence proportion )、 罹患率(incidence、またはincidence rate)を発生率とよぶ。これらの違いは歴史的な経緯によるものである。
- 有病割合=有病数/疾患の危険性を有する観察母集団の大きさ
 
ここで有病数は、ある指定された時点における所与の人口集団内で特定の疾病や健康状態を有するものの数。母集団の大きさは、その時点でその疾病や健康状態を有する可能性を持っている暴露人口である。英語で同じ表記である、有病数(Prevalence)とは異なる概念である。[1]本指標の単位は、無次元である。値は0から1の間の実数であらわされるため、百分率で表されることもある。
目次
- 1 背景
 
- 2 特徴
 
- 3 疫学における有病率
 
- 4 参考文献
 
- 5 関連項目
 
 
背景
疫学では、生物集団における疾病の流行状態を扱う。集団としての性質を量的に表現するため、率や割合、比といった概念が数学より導入され、基本的資料として頻繁に利用されるようになった。
特徴
- 個人が健康であるか疾病であるかには、明確な境界があるわけではない。集団における疾病の頻度を表現するための指標は、比較のための資料という意味合いが強い。
 
- 有病割合を利用した研究に断面研究がある。
 
- 比較可能性を確保する場合、年齢構成などを考慮し、基準有病割合との比を利用する。
 
- 疾病の頻度を動的にあらわす発生率(速度)とは異なり、静的(無次元)な頻度をあらわしている。
 
- 極めて希な疾病の頻度を表現する場合は、発生数、有病数が利用される。
 
- 定義によれば、疾病の重症度の分布については表現されていない。
 
- 地域ごとの疾病割合を確認し比較あるいは疾病地図を作成することで、疾病の地理的傾向を把握することができる。
 
- 有病数という変数は、罹患の有無の集積である。このことから、さまざまな集団における有病割合の分布は、有病割合の高い場合は正規分布に、有病割合の低い場合はポアソン分布に近似される。
 
- 統計学の応用により、母集団の一部について調べるだけで、全体の有病割合を推測できることが知られている。これは多くの疫学調査の物質的時間的な資源の節約に応用されている。
 
疫学における有病率
過去の経緯から 疫学においては,有病割合と呼ばず有病率(Prevalence rateまたは紛れの無い場合は単にPrevalence.これはPrevalenceが有病数と訳される場合もあるからである)と呼ばれる. これは以下で定義される.
a:ある一時点における疾患を有する人の数
b: 観測する対象のリスクを抱える母集団の大きさ
但し,リスクを抱える母集団を正確に把握することが困難なために調査地区の全人口がその近似値として用いられる.
n: 一般的な行政統計では,1000人(n=3)当たり または 10万人(n=5)当たりの有病率で表現する ために一定の定数をかける.
| 有病率上昇要因 | 
有病率低下要因 | 
- 罹患期間が長い
 
- 治癒率,致死率が低い
 
- 患者の(他地域からの)流入
 
- 新規患者の増加
 
- 健常者の流出
 
- 診断機会の増加 報告の増加
 
 
 | 
- 罹患期間が短い
 
- 治癒率,致死率が高い
 
- 患者の(他地域からの)流出
 
- 新規患者の減少
 
- 健常者の流入
 
- 診断機会の減少(限定) 
 
-  医療体制の不備
 
 
 | 
粗罹患率と年齢調整罹患率
年齢ともに罹患率が大きく異なる疾病に関しては,年齢構成が大きく異なる2つの集団 の罹患率を単純に比較することは好ましいとは言えない. 具体例としては,がんなどである.このような場合,前述定義の罹患率(以後 粗罹患率) では,高齢者が多い集団は高齢者が少ない集団よりがんの粗罹患率が高くなる。 そのため,仮に2つの集団の粗罹患率に差があっても,その差が真の罹患率の差なのか, 単に年齢構成の違いによる差なのかの区別がつかない. そこで年齢化級別に罹患率を計算し,基準となる集団の年齢構成(基準人口 国内では通例 昭和60年(1985年)モデル人口 )に合わせて各年齢階級別の重みづけ和で計算するのが, 年齢調整罹患率( Age-adjusted Incidence Rate)である.
- 年齢階級粗年齢階級別の罹患率
 
経年変化とともに構成年齢階層が変化する場合, 罹患率の経年変化等を見る時は,年齢調整罹患率でみる必要があることある.具体的な計算方法は年齢調整死亡率を参照されたい.
参考文献
- ^ 疫学辞典 第三版、財団法人日本公衆衛生協会
 
関連項目
 
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Japanese Journal
- 急増するドライアイ (AYUMI 現代社会と眼 : 視覚情報社会,超高齢社会の与える眼への影響)
 
- COPDの疫学 (特集 COPDの診断と最新の治療)
 
- 診療に役立つ炎症性腸疾患の疫学知識 (特集 炎症性腸疾患診療の最前線)
 
- 疫学 (特集 喘息とCOPDのオーバーラップ症候群(ACOS)をめぐって)
 
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★リンクテーブル★
  [★]
- 人口20万人の都市。現在、1,000人の住民がある疾患に罹患している。この都市では、この疾患に毎年50人の住民が新たに罹患し、20人の患者が死亡している。また、この疾患は治癒しない。衛生当局が現時点におけるこの疾患の有病率を計算した。根拠となる計算式はどれか。
 
- a. 50÷200,000
 
- b.  1,000÷200,000
 
- c. (50-20)÷200,000
 
- d. (1,000+50)÷200,000
 
- e. (1,000+50-20)÷200,000
 
[正答]
※国試ナビ4※ [101H003]←[国試_101]→[101H005]
  [★]
 
- a. 有病率はP/(P+Q)である。
 
- b. 相対危険度は(R/(R+S))/(P/(P+Q))である。
 
- c. 寄与危険度は(P/(P+Q))-(R/(R+S))である。
 
- d. オッズ比はPQ/RSである。
 
- e. 有意差検定はt検定で行う。
 
[正答]
※国試ナビ4※ [096G018]←[国試_096]→[096G020]
  [★]
- a. 出生率は通常人口10万対で示す。
 
- b. 乳児死亡とは生後4週未満の死亡である。
 
- c. 有病率の計算には年間の新規患者数が必要である。
 
- d. 標準化死亡比は年齢別死亡数が不明の場合に用いられる。
 
- e. 我が国の年齢調整死亡率には昭和35年のモデル人口を用いる。
 
[正答]
※国試ナビ4※ [098G014]←[国試_098]→[098G016]
  [★]
- a 収縮期高血圧症が多い。
 
- b 起立性低血圧の合併が少ない。
 
- c 高用量の降圧剤で治療を開始する。
 
- d 若年者より降圧目標とする血圧値が低い。
 
- e 有病率の男女差が若年と比較して大きい。
 
[正答]
※国試ナビ4※ [110D009]←[国試_110]→[110D011]
  [★]
- a. モノアミンが関与している。
 
- b. 大脳に炎症性変化が存在する。
 
- c. 陰性症状に対する薬物効果は高い。
 
- d. 発症初期の積極的な治療的介入が重要である。
 
- e. 有病率は人口10万当たり約10である。
 
[正答]
※国試ナビ4※ [102A004]←[国試_102]→[102A006]
  [★]
[正答]
※国試ナビ4※ [113F006]←[国試_113]→[113F008]
  [★]
|  
 | 
定義
 | 
特徴
 | 
式
 | 
| 罹患率
 | 
incidence rate
 | 
単位人口(暴露人口、危険人口)に対する一定期間内に新たに疾病異常者となった者の割合
 | 
動的
 | 
一定の観察期間内に新規発生した患者数 [人] / 危険暴露人口一人一人の観察期間の総和 [人年]
 | 
| 有病率
 | 
prevalence rate
 | 
単位人口に対する一時点における疾病異常者の割合
 | 
静的
 | 
集団のある一時点における疾病を有する者の数[人] / 集団の調査対象全員の数[人]
 | 
| 死亡率
 | 
mortality rate
 | 
単位人口に対する一定期間内における死亡数の割合
 | 
 
 | 
集団のある一定期間内における死亡者数[人] / 集団の調査対象全員の数[人]
 | 
| 致命率
 | 
case fatality rate
 | 
一定期間内において、対象とする疾患にかかった者がその疾患で死亡する者の割合
 | 
急性疾患の重篤度を表す。
 | 
死亡率 / 罹患率
 | 
| 生存率
 | 
survival rate
 | 
対象とする疾患に罹患しているのものが、一定期間中に死亡から免れる確率
 | 
慢性疾患の予後判定に用いられる。
 | 
(1-死亡率)の積和
 | 
  [★]
- 英
 
- specificity
 
- 関
 
- 感度、有病率(検査前確率)、陽性適中度 陽性予測値 positive predictive value、陰性適中度 陰性予測値 negative predictive value、感度と特異度
 
- 無病者における検査結果が陰性である確率(流れが分かる実践検査マニュアル上巻 p.35)
 
|  
 | 
疾患あり
 | 
疾患なし
 | 
| 検査陽性
 | 
a 真陽性
 | 
b 偽陽性
 | 
| 検査陰性
 | 
c 偽陰性
 | 
d 真偽性
 | 
Sp= d / ( b + d )
感度と特異度
- 公衆衛生学的な視点から有用
 
- 検査をすることによって集団の中からできるだけ疾病のある人を発見したい。
 
  [★]
- 英
 
- sensitivity
 
- 同
 
- 敏感度
 
- 関
 
- 特異度、有病率(検査前確率)、検査後確率、陽性適中度 陽性的中率 positive predictive value、陰性適中度 陰性的中率 negative predictive value、感度と特異度、陽性尤度比
 
- 有病者における検査結果が陽性である確率(流れが分かる実践検査マニュアル上巻 p.35)
 
|  
 | 
疾患あり
 | 
疾患なし
 | 
| 検査陽性
 | 
a 真陽性
 | 
b 偽陽性
 | 
| 検査陰性
 | 
c 偽陰性
 | 
d 真偽性
 | 
Sn= a / ( a + c )
  [★]
- 英
 
- incidence rate, morbidity rate
 
- 同
 
- 発病率、疾病率、罹病率
 
- 関
 
- 有病率 prevalence ← 区別する!
 
- 罹患期間
 
- SUB.178
 
- 単位人口(暴露人口、危険人口)に対する一定期間内に新たに疾病異常者となった者の割合  →  動的な数字
 
- 罹病率= 一定の観察期間内に新規発生した患者数 [人] / 危険暴露人口一人一人の観察期間の総和 [人年]
 
疾患と死亡に関わる疫学指標
国試
  [★]
- 英
 
- age composition
 
  [★]
- 英
 
- seroprevalence
 
- 関
 
- 血清疫学的研究
 
  [★]
- 英
 
- point prevalence rate
 
- 関
 
- 有病率
 
  [★]
- 英
 
- rate
 
- 関
 
- 比
 
- 集団における現象発生の頻度を表す指標。全体に対する部分の割合を示す。
 
- 値は0~1