- 英
- growth hormone-secreting pituitary adenoma
- 関
- 成長ホルモン分泌腺腫
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 先端巨大症(成長ホルモン産生下垂体腺腫) (新版 処方計画法) -- (内分泌・代謝疾患)
- 成長ホルモン産生下垂体腺腫患者での既治療群と初回治療群にみる合併症罹患状況
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- 機能性腺腫には、主なものに成長ホルモン産生腫瘍、副腎皮質刺激ホルモン産生腫瘍、プロラクチン産生腫瘍の3つがあります。 成長ホルモン産生下垂体腺腫 下垂体腺腫から成長ホルモンが血中に過剰に分泌されると、成人では顎や ...
- 成長ホルモンの過剰分泌により、身体の変化・代謝異常が見られる病気です。適切な治療が施されなければ、重度の ... 「下垂体腺腫そのものによる症状」と「成長ホルモンが過剰のためにおこる症状」があります。 → 下垂体腺腫 ...
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- 英
- somatotroph adenoma
- 関
- 成長ホルモン産生下垂体腺腫
[★]
- 関
- somatotroph adenoma
[★]
- 英
- pituitary adenoma
- 関
- 脳腫瘍、下垂体腫瘍、下垂体前葉ホルモン、下垂体
概念
- 脳下垂体前葉(の内分泌腺細胞)を発生母地とする良性腫瘍。
分類
-
- 成長ホルモン産生腺腫 GH産生腺腫
- プロラクチン産生腺腫 PRL産生腺腫
- 副腎皮質刺激ホルモン産生腺腫 ACTH産生腺腫
- 甲状腺刺激ホルモン産生腺腫 TSH産生腺腫
- ゴナドトロピン産生腺腫
- 混合腺腫
- 非機能性腺腫
放射線診断学的分類
- 鞍内型(enclosed type):手術による治療率が高い、とかなんとか?
- 浸潤型
大きさによる分類
- マクロアデノーマ macroadenoma:10mm以上
- 微小腺腫 マイクロアデノーマ microadenoma:10mm以下
疫学
- 原発性脳腫瘍の16%(IMD.1040)。(頭蓋内腫瘍の約10%。全脳腫瘍の約17%(2000年統計)。)
- 成人の下垂体の5-20%に腺腫が存在するらしい(IMD.1040)。
- 好発年齢:成人(30-50歳)。小児はまれ。
症状
- 下垂体の上に視交叉があるため、下垂体が広がるとトルコ鞍の骨を薄くし風船のように膨らむので視交叉を圧迫するので、視力低下が進行し両耳側半盲などになる。
- 腫瘍組織による下垂体前葉機能低下
- 腫瘍組織より分泌されるホルモンによる機能障害
下垂体腺腫 鞍上部腫瘍の圧迫による内分泌障害
- 生殖・成長に関わるホルモンは真っ先に切られる。
- TSHは代謝のアクセル。代謝をゆるめてみる?
- ACTHはストレス耐性、異化・同化に関わるから重要。
- PRL・・・授乳は生命維持と必要ない・・・けど、下垂体前葉の内分泌細胞数として2番目に多いからと理解?
病理
- 組織学的に一様な腺腫細胞が、血管に富んだ結合組織の隔壁によって分画。(IMD)
検査
画像検査 IMD.1041,YN J-198
- トルコ鞍の拡大(ballooning)。前後13mm、深さ17mm以上
- トルコ鞍底の二重輪郭(double floor)。
- 血管造影:前大脳動脈水平部(A1)および前交通動脈の挙上。
- 頭部CT:トルコ鞍から鞍上槽部へ進展する
- 単純:等吸収~高吸収。微小腺腫は低吸収
- 造影:ほぼ均一に増強
- MRI:腫瘍と周囲組織との関係が明瞭。術前検査として有効。矢状断と前頭断で微小腺腫の診断を行う
- T1強調像:低信号
- T2強調像:高信号
- 造影:ほぼ均一に増強
内分泌検査
ホルモン名称
|
腫瘍
|
頻度 (IMD.1040)
|
頻度 (RNT. 64)
|
症候
|
検査(IMD.1041より引用)
|
成長ホルモン
|
成長ホルモン産生腺腫
|
20%.
|
20%.
|
頭痛、視野欠損、手足の成長、顔貌粗造、手根管症候群、いびきおよび閉塞性睡眠時無呼吸、下顎成長および下顎前突症、骨関節炎および関節痛、過剰発汗、醜形恐怖
|
・安静空腹時のGHが10ng/ml以上と持続的に高値。 ・75gOGTTによっても5ng/ml以下にならない。 ・TRHおよびLH-RH負荷に反応してGH増大。 ・L-ドパまたはブロモクリプチンに対する増加反応がない。(正常:DRアゴニスト→GH↑) ・ソマトメジンC(IGF-I)高値。
|
プロラクチン
|
プロラクチン産生腺腫
|
32%.
|
30%.
|
頭痛、視野欠損、希発月経または無月経、妊孕性の低下、性欲喪失、勃起不全、エストロゲンで初回刺激を受けた(estrogen-primed)女性乳房における乳汁漏出
|
・抗精神病薬、乳房刺激などの原因を除外しても血清PRL濃度が100ng/ml以上。 ・インスリン負荷(IRI)(0.1U/kg)による低血糖刺激(正常:低血糖→TRH↑→PRL↑)、TRH負荷(500μg)(正常:TRH↑→PRL↑)、クロルプロマジン負荷(25mg)(正常:D2R↓→PRL↑)による反応減少。
|
副腎皮質刺激ホルモン
|
ACTH産生腺腫
|
3%.
|
5%.
|
頭痛、視野欠損、近位筋障害、求心性の脂肪分布、神経精神医学的症状、線条、易傷性、皮膚の菲薄化、多毛、骨減少
|
・血中コルチゾールが高値、かつ日内変動なし。 ・尿中17-ヒドロキシコルチコステロイド(17-OHCS)、尿中17-ケトステロイド(17-KS)、尿中コルチゾールが高値。 ・CRH試験(CRH100μg静注) ・健常者:血中ACTHは30分後に、血中コルチゾールは60分後に、それぞれ前値の約2倍に上昇。 ・Cushing病:過剰反応 ・副腎腫瘍・異所性ACTH産生腫瘍によるCushing症候群:無反応
|
甲状腺刺激ホルモン
|
|
|
|
動悸、振戦、体重減少、不眠、過剰な排便(hyperdefecation)、発汗
|
*freeT3、freeT4上昇。 *TSHが、(1)上昇、(2)T3で抑制されない、(3)TRH負荷で無反応。
|
卵胞刺激ホルモン
|
ゴナドトロピン産生腺腫
|
10%.
|
|
|
|
黄体形成ホルモン
|
|
|
|
|
非機能性腺腫
|
18%.
|
40%.
|
頭痛、視野欠損、下垂体不全、などmassの圧排による続発性性腺機能低下症。まれに、卵巣過剰刺激、精巣増大、またはテストステロン値の上昇、
|
|
診断
- トルコ鞍を中心とした脳内局所圧迫症状 + 下垂体ホルモンの過剰・欠乏症状 + 画像所見(CT、MRI)
合併症
- 下垂体卒中:発生頻度は7-9%。血管に富んでいるため腫瘍内出血や梗塞が起こりやすく、急激かつ高度に生じた場合に致命的となる。病理的には出血性壊死による下垂体腫瘍の突然の腫大がみられ、鞍隔膜の破裂をきたすとくも膜下出血となる。脳動脈瘤の合併率は高いらしい。髄膜刺激症状+血性髄液がみられ、クモ膜下出血と誤診されることがある。(IMD.1040)
治療
治療法別
薬物療法
- ブロモクリプチン:ドパミンD2受容体作動薬
- 麦角アルカロイド系:ドパミンD2受容体作動薬
- PRL分泌、GH分泌に対する生理的抑制因子。血漿PRL値、GH値の低下、腫瘍縮小の効果がある。
- ブロモクリプチンで効果不十分な例、外科手術困難例に用いる。
- 50%で腺腫の縮小がみられる。
外科的治療
腫瘍別
プロラクチン産生下垂体腫瘍(2)
- ドパミンアゴニスト(カベルゴリン(麦角由来)・ブロモクリプチン)で腫瘍の縮小・症状の寛解を狙う。手術は一般に、ドパミンアゴニストに耐えられない患者、治療中に下垂体卒中を被る患者、またはマクロプロラクチノーマが医学療法に反応しない患者にのみ行われる。最終的に放射線療法を必要とする。
- ほとんどの微小腺腫と大腺腫はドパミンアゴニストに反応。
- カベルゴリンは、ブロモクリプチン副作用が少なく、ブロモクリプチンに抵抗性の患者また不耐性の患者に有用。
- 妊孕性の回復を目標とする場合、妊娠中の安全性を考慮しブロモクリプチンが第一選択となる。
- 薬物療法に対して微小腺腫では大きさに変化はほとんど認められないが、大腺腫では縮小が期待できる。
参考
- 1. 日本脳神経外科学会 脳神経外科疾患情報ページ
- http://square.umin.ac.jp/neuroinf/medical/205.html
- 2. がん情報サイト|PDQR日本語版(医療専門家向け)下垂体腫瘍の治療(PDQR)
- http://cancerinfo.tri-kobe.org/pdq/summary/japanese-s.jsp?Pdq_ID=CDR0000062915
- 3. プロラクチン(PRL)分泌過剰症の診断と治療の手引き(平成22年度改訂)
- http://square.umin.ac.jp/kasuitai/doctor/guidance/prolactin_surplus.pdf
名称
|
構造
|
分泌細胞
|
下垂体前葉細胞 全細胞に対する 産生細胞の割合
|
染色性
|
腫瘍
|
頻度 (IMD.1040)
|
頻度 (RNT. 64)
|
症候
|
成長ホルモン
|
GH
|
ペプチド
|
somatotroph
|
40-50%
|
好酸性
|
|
成長ホルモン産生腺腫
|
成長ホルモン分泌細胞腺腫
|
20%.
|
20%.
|
頭痛、視野欠損、手足の成長、顔貌粗造、手根管症候群、いびきおよび閉塞性睡眠時無呼吸、下顎成長および下顎前突症、骨関節炎および関節痛、過剰発汗、醜形恐怖
|
プロラクチン
|
PRL
|
mammotroph
|
10-25%
|
好酸性
|
|
プロラクチン産生腺腫
|
プロラクチノーマ
|
32%.
|
30%.
|
頭痛、視野欠損、希発月経または無月経、妊孕性の低下、性欲喪失、勃起不全、エストロゲンで初回刺激を受けた(estrogen-primed)女性乳房における乳汁漏出
|
副腎皮質刺激ホルモン
|
ACTH
|
corticotroph
|
0.1
|
好塩基性
|
嫌色素性
|
ACTH産生腺腫
|
コルチコトロフ腺腫
|
3%.
|
5%.
|
頭痛、視野欠損、近位筋障害、求心性の脂肪分布、神経精神医学的症状、線条、易傷性、皮膚の菲薄化、多毛、骨減少
|
甲状腺刺激ホルモン
|
TSH
|
糖タンパク
|
thyrotroph
|
0.05
|
好塩基性
|
|
|
甲状腺刺激ホルモン分泌細胞腺腫
|
|
|
動悸、振戦、体重減少、不眠、過剰な排便(hyperdefecation)、発汗
|
卵胞刺激ホルモン
|
FSH
|
gonadotroph
|
10-15%
|
好塩基性
|
|
ゴナドトロピン産生腺腫
|
|
10%.
|
|
|
黄体形成ホルモン
|
LH
|
好塩基性
|
|
|
|
|
|
非機能性腺腫
|
非機能性腺腫
|
18%.
|
40%.
|
頭痛、視野欠損、下垂体不全、などmassの圧排による続発性性腺機能低下症。まれに、卵巣過剰刺激、精巣増大、またはテストステロン値の上昇、
|
[★]
- 英
- hormone
古典的な定義
- 特定の内分泌腺から分泌され、血行によって運ばれ、遠隔部の特定の標的器官に作用して特異的効果を現す物質(PT.403)
例外
- 消化管ホルモン (PT.403)
- 視床下部ホルモン (PT.403)
- 甲状腺濾胞ホルモン?
- カルシトニン?
ホルモンの一覧表
[★]
- 英
- growth hormone (Z), GH
- 同?
- ソマトトロピン somatotropin、ソマトトロピックホルモン somatotropic hormone STH
- 関
- 成長ホルモン
- 関
- ホルモン、下垂体成長ホルモン、組換え型成長ホルモン
基準値
- 血清:M:0.4±0.1 ng/ml, F:3.2±0.4 ng/ml → 性差(エストロゲンが分泌促進作用を持つため?生物学的意義は?)
分類
性状
産生組織
標的組織
作用
- SP.883
-
- 成長を促進:各組織における細胞分裂による増殖(細胞分裂、DNA,RNA,蛋白合成)と細胞の分化
-
- GH存在下でアミノ酸が組織に取り込まれ蛋白合成のために用いられる。内臓臓器、骨格筋、皮膚、および結合組織などほとんど全ての組織がGHに反応して肥大。
- (抗インスリン作用->血糖上昇)筋肉、脂肪へのグルコース取り込みを減少させ、肝臓からのグルコース放出を増加させる。膵臓に作用しインスリン分泌を促進する。 ← GHは何がしたいの?
- (中性脂肪分解作用->血中遊離脂肪酸増加)中性脂肪を分解し、末梢血でFFAを増加させ、グルコースの代わりにエネルギー源として利用される。(おそらくFFA増加により)ケトン体が増加する。
- (骨形成に向かう反応。リン酸濃度上昇、カルシウム濃度上昇)近位尿細管でのリン酸の再吸収促進、腸からのカルシウム促進。Na,K,Cl濃度増加、細胞外液増加
分泌の調整
分子機構
臨床関連
- 成長の遅れ:成長ホルモン分泌が低下している場合、3歳頃から身長の伸びが遅れる。
国試
[★]
- 英
- growth、outgrowth、grow、outgrow、development
- 関
- 発育、伸長、増殖、伸びる、発達、生育
- 二次性徴
|
身長(cm)
|
体重(kg)
|
頭囲(cm)
|
胸囲(cm)
|
生下時
|
50
|
|
3
|
(x2)
|
33
|
32
|
3ヶ月
|
60
|
|
6
|
|
|
|
6ヶ月
|
70
|
|
8
|
|
|
|
1歳
|
75
|
(x1.5)
|
9
|
(x3)
|
45
|
45
|
2歳
|
|
|
|
(x4)
|
|
|
3歳
|
94
|
|
14
|
|
49
|
50
|
4歳
|
|
(x2)
|
|
(x5)
|
|
|
5歳
|
|
|
|
(x6)
|
|
|
ホルモン
検査値
- 1歳でIgMは成人と同程度
- MAGE → IgM, IgA, IgG, IgEの順に成人値と同じレベルとなる。
[★]
- 英
- pituitary gland (Z), hypophysis (Z)
- ラ
- glandula pituitaria
- 同
- 脳下垂体
- 図譜では矢状断のものしか載っていないが、前頭断で見ると意外に横に長い、みたい。
発生学(L.413)
- 胎生第4週に下垂体前葉と下垂体後葉が接する。Rathke嚢の細胞は、活発に分裂して前葉を形成し、内腔は殆ど閉鎖する。成人ではコロイドを満たした小嚢胞として前葉と後葉の間に認められる。
画像
- MRI T1:(高信号)下垂体後葉 > 下垂体前葉 ← 脂肪濃度を反映しているのですかね?軸索が多いでしょ?