- 英
- bile duct (Z), biliary tract
- 同
- 胆汁路
- 関
- 肝内胆管、肝外胆管
胆管径
- 腹部超音波テキスト 第1版 p.169
- 胆摘後では肝外胆管が10mm以上になりうる
- 加齢によって太くなる
- 胆嚢炎:8.7±1.7
- 胆石:11±3.3
- 胆嚢切除後:9.5±2.6
- 膵炎:9.8±2.2
- 膵癌:14.0±2.8
- リンパ腫:9.5±2.6
- 十二指腸疾患(十二指腸炎、十二指腸潰瘍、十二指腸瘢痕):8.4±1.0
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/02/12 23:40:07」(JST)
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胆管周辺の模式図
en:Liver:肝臓、RHD(Right hepatic duct): 右肝管、LHD(Left hepatic duct):左肝管、CHD(en:Common hepatic duct):総肝管、en:Cystic duct:胆嚢管、en:Common bile duct:総胆管、en:Gall Bladder:胆嚢、en:Sphincter of Oddi:オッディ括約筋、en:Ampulla of Vater:ファーター膨大部、en:Pancreatic duct:膵管、en:Pancreas:膵臓、en:Duodenum:十二指腸
胆管(たんかん、英: Bile duct)は、肝臓から十二指腸まで胆汁を運ぶ管腔構造物の総称である。
解説
胆汁は肝細胞で生成される消化液で、脂肪の消化吸収を助ける役割を持つ。正常の肝細胞は索状に配列しており、隣接する肝細胞間には細い管腔様構造が存在する。これを毛細胆管といい、肝細胞で生成された胆汁が分泌される。
毛細胆管はHering管を経て小葉間胆管に流入する。小葉間胆管は合流を繰り返して次第に太くなり、最終的には2本の肝管(左肝管、右肝管)となって肝臓の外へ出る。2本の肝管は肝門部で合流して総肝管となり下行する。胆嚢管(胆嚢へつながる管)が合流する部(三管合流部)より先は総胆管となり、十二指腸壁を貫いて十二指腸乳頭部に開口する。
肝臓内の胆管は細かく枝分かれして樹状のネットワークを形成している。その経路は次のとおり: 毛細胆管 → Hering管 → 小葉間胆管 → 区域胆管枝 → 左肝管・右肝管 →(肝臓外へ)→ 総肝管 →(胆嚢管が合流)→ 総胆管 → 乳頭部胆管 →(主膵管が合流)→ 共通管 → (十二指腸へ開口)
総胆管
総胆管の上半分肝臓につながっており、下半分は膵臓につながっており、その先は小腸へとつづく。総胆管は、ファーター膨大部と呼ばれる十二指腸の部分に開口している。
病理学
癌、胆石、あるいは胆管損傷などの原因によって胆管が閉塞すると胆汁を十二指腸へ排出できなくなり、胆汁中のビリルビンが血液に取り込まれ蓄積する。この状態を黄疸と呼ぶ。
血中のビリルビンによって皮膚や目が黄色くなり、また組織にビリルビンが沈着することにより激しい痒みを引き起こす。ある種の黄疸では尿の色が濃くなって便が灰白色になるが、これはビリルビンが腸に排泄されずに腎臓で濾過されて尿中へ排泄されるためである。
黄疸を生じる主な疾患は、膵癌(膵臓に生じた癌が総胆管に浸潤して閉塞する)、胆管癌、胆石症(胆石が胆管を閉塞する)、胆道損傷(胆嚢摘出の手術時に胆管を損傷することがある)などである。
|
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- ICG肝予備力検査法としてのICG Rmaxの意義
- 櫛部 朗,山本 哲,大西俊郎,葛西眞一,水戸迪郎
- 薬理と治療 10(Suppl.1), 27-32, 27-32
- … 雑誌掲載版一般肝機能検査の他にICG Rmax,ヘパプラスチンテスト,50 g糖負荷試験及びグルカゴン負荷試験をすべて施行し得た各種肝疾患,胆管癌,ミリッチ症候群17例(手術例14例,非手術例3例)を対象とした.ICG Rmaxをみると死亡例は1.0以下の例,特に0.6以下に集中しており,水本分類とも高い相関を示したが他の検査法では予後と検査値との間にばらつきがみられ,ICG Rmaxほど予後との相関はみられなかった …
- NAID 80001169192
- 矢川 陽介
- 東京女子医科大学雑誌 80(8), 247-247, 2011-08-25
- 第41回消化器病センター例会 平成22年1月16日(土) 東京女子医科大学弥生記念講堂
- NAID 120003519073
- 3.胆道閉鎖症における,手術日齢と肝門部索状物内微小胆管の長期予後への影響(セッション6.「長期予後(bile lakeを含む)」,第37回日本胆道閉鎖症研究会)
- 福澤 宏明,漆原 直人,福本 弘二,杉山 彰英,長江 秀樹,光永 眞貴,渡辺 健太郎,三宅 啓,長谷川 史郎
- 日本小児外科学会雑誌 47(5), 875, 2011-08-20
- NAID 110008711800
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- 胆管癌(たんかんがん、英: Cholangiocarcinoma)は、胆管に発生する 悪性腫瘍で ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 20歳の男性。上腹部痛があり、近医での超音波検査で胆道系の異常を指摘されて来院した。腹部身体所見で腫瘤を触知しない。ERCPと腹部造影CTとを以下に示す。
- 認められる所見はどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095D027]←[国試_095]→[095D029]
[★]
- 20歳の男性。上腹部痛があり、近医での腹部超音波検査で異常を指摘され来院した。腹部に腫瘤を触知しない。ERCP写真と腹部造影CTとを以下に示す。
- みられるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G028]←[国試_101]→[101G030]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [109E012]←[国試_109]→[109E014]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [096G038]←[国試_096]→[096G040]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099D108]←[国試_099]→[099D110]
[★]
- 英
- tumor marker
- 同
- 生物学的腫瘍マーカー biological tumor marker、癌マーカー cancer marker、悪性腫瘍特異物質 tumor-specific antigen
肺癌の腫瘍マーカー
|
陽性率(疾患があるときに陽性となる確率, 感度)
|
|
肺癌
|
|
|
|
|
備考
|
扁平上皮癌
|
腺癌
|
小細胞癌
|
その他の疾患
|
|
CYFRA21-1
|
57.5%*
|
70-80%/73.1%*
|
30-40%
|
30-40%
|
良性疾患:10-15%
|
|
SCC
|
|
○
|
|
|
子宮頸癌、食道癌、皮膚癌
|
|
CEA
|
40-50%
|
|
50-60%
|
|
|
|
SLX
|
70%*
|
|
0.4
|
|
肝硬変
|
|
NSE
|
10-30%
|
|
|
70-90%
|
|
|
proGRP
|
|
|
|
70-90%/65.1%*
|
|
NSEより上昇率が高く、特異性に優れる
|
KL-6
|
|
○
|
|
|
肺腺癌、膵癌、乳癌で40-50%。間質性肺炎の補助診断
|
|
|
|
|
|
|
|
|
無印:標準呼吸器病学 第1版 p.327。* 臨床検査学第32版 p.634
|
臨床応用されている腫瘍マーカー (LAB.630)
肝癌関連 AFP, AFP-L3%, PIVKA-II
膵癌ならびにその他の消化器癌 CEA, CA19-9, Dupan-2, CA50, Span-1
肺癌 CEA, sialyl Lex-i (SLX), SCC, SYFRA21-1, NSE, ProGRP
婦人科悪性腫痩
子宮癌:SCC, CA125
卵巣癌:CA125, AFP, CEA, CA19-9, GAT
乳癌 :CA15-3, BCA225, CEA, NCC-ST-439
尿器科悪性腫壕
前立腺痛:PSA(γ-Sm), PAP
膀胱癌 :BTA, NMP22
神経内分泌腫療 NSE
広範な腫瘍に反応するマーカー
TPA, BFP, IAP
消化管悪性腫瘍マーカー
- CEA:胎児癌性蛋白。陽性率:(50-70%)大腸癌、胆道癌、膵癌。(40-60%)肺癌。(30-40%)胃癌。良性疾患でも上昇する(胆嚢炎、胆管炎、膵炎)。
- DU-PAN-2:2→3シアリルLec抗原を認識する抗体。陽性率:(70-80%)膵癌、(60-70%)胆道癌。Lea-b-の個体でも陽性になる。良性疾患でも上昇する(慢性肝炎、肝硬変、胆道炎症を伴う胆石症)。
- CA19-9:Leaの基本骨格にシアル酸が結合したもの。陽性率:(80-90%)膵癌。(70-80%)胆道癌。良性疾患でも上昇する((10-40%)閉塞性黄疸、慢性肝炎、肝硬変)。日本人の約7-10%に存在するフコース転移酵素が欠如したLea-b-の個体ではCA19-9は産生されない。
- SLX:Lexの基本骨格にシアル酸が結合したもの。陽性率:(高い)肺癌、卵巣癌。(50-60%)胆道癌、膵癌。
主な腫瘍マーカー CBT QB vol2 p.297
組織型別に有用な腫瘍マーカー(NEWエッセンシャル産科学・婦人科学 第3版 p.236)
上皮性腫瘍
漿液性腺癌: CA125 *1
粘液性腺癌: CA19-9 *2, CA72-4, CEA
胚細胞腫瘍
卵黄嚢腫瘍: AFP *3
絨毛癌: hCG
未分化胚細胞腫: LDH *4
悪性転化を伴う成熟嚢胞性奇形腫(扁平上皮癌) : SCC
性索間質性腫瘍(ホルモン)
顆粒膜細胞腫,莢膜細胞腫:工ストロゲン
Sertoli-間質性腫瘍, Leydig細胞腫(門細胞腫) :テストステロン
*1 上皮性腫瘍中で最も有用.類内膜腺癌,明細胞腺癌でも陽性を示す.子宮内膜症,炎症,妊娠初期も軽度-中等度上昇
*2 成熟嚢胞性奇形腫で陽性を示すことがある
*3 胎芽性癌,混合性腔細胞腫療でも陽性を示す
*4 非特異的
- also see →「生殖系チュートリアル症例2_プレゼン.ppt」
産婦人科において重要視される腫瘍マーカー
-
-
-
-
- 子宮頚部扁平上皮癌から精製された蛋白質
- 早期癌でも比較的高い陽性率を示し、経過観察にも有用である。
- 一般に扁平上皮の存在する部位に広範な重症疾患存在すれば血中のSCCは上昇しうる
- 皮膚表面、唾液中に大量に存在し、採血時に複数回穿刺する事などによるコンタミネーションの可能性があります。
腫瘍マーカー 臓器別
- OLM.372改変
(略)
[★]
- 英
- biliary tract cancer, biliary cancer, carcinoma of the biliary tract
- 関
- 胆道、胆管
[show details]
定義
- 本来、胆道は肝細胞から十二指腸に至るまで胆汁の全排泄経路であるが、胆道癌は胆道に発生する癌を示しているのではない。
- (胆道癌取扱い規約)「胆道=肝外胆道系のみ」と定義。肝外胆管癌=胆道癌。肝内胆管癌≠胆管癌
- (原発性肝癌取扱い規約(1997))肝内胆管癌が取り扱われている
分類
- 胆管癌:肝門部胆管癌、上部胆管癌、中部胆管癌、下部胆管癌。この区分の3つ以上の領域を癌が占める時 → 広範囲胆管癌
- 胆嚢癌:胆嚢・胆嚢管に原発する癌
- 乳頭部癌(十二指腸乳頭部癌):オッディ括約筋に囲まれた乳頭部に原発する癌 ← 胆道癌に含まないことが多い
疫学
- 肝門部~上部胆管癌が胆道癌の50%を占め、次いで下部胆管癌が多い。
- 胆管癌:50歳以上の男性に多い(IMD)。先天性総胆管嚢腫・潰瘍性大腸炎と合併することがある。
- 胆嚢癌:60歳以上の女性に多い(M:F=1:2)(IMD)。胆石との共存していることが多い。
リスクファクター
部位別
- 胆管癌:胆管拡張型の膵・胆管合流異常、原発性硬化性胆管炎(PSC)
-
- 無症候性胆石症に対する胆嚢摘出術は必要か? → 無症候性胆石症に対して胆嚢摘出術を勧める根拠は不十分である。(推奨度C2)
- 胆嚢癌:膵・胆管合流異常のうち、とくに胆管拡張をともなわない膵・胆管合流異常
-
- 本邦における膵・胆管合流異常を対象とした全国集計の検討3)(レベルIV)では胆管拡張をともなう群における胆道癌の発生頻度は10.6%,胆管拡張をともなわない群では37.9%であった。胆道癌のうち胆嚢癌の割合は,胆管拡張をともなう群では64.9%,胆管拡張をともなわない群では93.2%であった。膵・胆管合流異常の胆嚢において粘膜過形成,K-ras遺伝子変異,p53蛋白過剰発現が高頻度に認められる。
- 2. 胆嚢結石症・胆嚢壁の石灰化・陶器様胆嚢と胆嚢癌との因果関係は証明されてない。
-
- 胆嚢ポリープが10mm以上で、かつ増大傾向を認める場合、または大きさにかかわらず広基性病変では胆嚢癌の頻度が高い。
-
膵・胆管合流異常
- 胆管拡張型 :胆道癌10 %合併(このうち 胆嚢癌64.9%、胆管癌33.6%)
- 胆管非拡張型:胆道癌37.9%合併(このうち 胆嚢癌93.2%
- 膵・胆管合流異常における予防的治療は必要か?(ガイドライン)
- 胆管拡張型では胆管癌の合併頻度が高く、予防的な胆嚢摘出と肝外胆管切除の有用性が期待できる可能性がある。(推奨度C1) (ガイドライン)
- 胆管非拡張型は胆嚢癌のリスクファクターであり、予防的胆嚢摘出術が推奨される。(推奨度B)(ガイドライン)
症状
胆嚢癌
- 胆石による症状(疝痛)に似ており、悪性疾患を疑う特異所見に乏しい。浸潤、転移巣による症状が初発症状となりうる。
- 胆石を合併していることがあり、胆石による症状の精査で見いだされることもある。
胆管癌
乳頭部癌
起きうる症状(ガイドラインより)
胆嚢癌
|
胆管癌
|
乳頭部癌
|
右上腹部痛
|
79~89%
|
黄疸
|
初発症状の90%以上
|
(変動する)黄疸
|
多い
|
悪心嘔吐
|
52~53%
|
掻痒感
|
半数以上
|
発熱
|
多い(44~56%)
|
体重減少
|
|
上腹部痛(軽度)
|
半数以上
|
腹痛
|
多い(35~45)
|
黄疸
|
体重減少
|
半数以上
|
全身倦怠感
|
|
食思不振
|
[黄疸-の症例に対して]
|
|
体重減少
|
腹部膨満感
|
腹痛
|
44%
|
食思不振
|
掻痒感
|
発熱
|
17%
|
背部痛
|
黒色便
|
食思不振
|
11%
|
|
無症状
|
32~38%
|
全身倦怠感
|
11%
|
|
無症状
|
27%
|
検査
治療
予後
- → 胆嚢癌は症状に乏しく、発見時には進行癌となっている。
- → 胆道系は粘膜筋板を欠く、壁が薄い、リンパ管や血管に富む、周囲の臓器(肝臓、十二指腸、)・血管(肝動脈、門脈)に近接 → 早期の浸潤、転移
資料
ガイドライン
- 胆道癌診療ガイドライン作成出版委員会/編(07年)/ガイドライン
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0058/1/0058_G0000159_GL.html
[★]
- 英
- bile
- 関
- 肝臓、胆嚢、胆管
- 0.5-1.0 L/day, pH 8.0-8.6
- 消化酵素を含まないアルカリ性の分泌液である
分泌部位
部位 胆汁 割合
肝細胞 毛細管胆汁 2/3
胆細管 胆細管胆汁 1/3
分泌経路
- 肝臓胆汁が総肝管を経由して胆嚢にいたり、ここで濃縮を受けて胆嚢胆汁となる。
機能
- 胆汁酸により、直径1μm以下の脂肪滴が形成され、表面積拡大によりリパーゼと反応しやすくなる。
- ミセルの直径5nm。胆汁酸は両親媒性であり親水基と疎水基を持つ。
- 親水性: OH基,ペプチド結合,カルポキシル基
- 疎水性: 上記部分以外
- 胆汁に含まれる胆汁酸とリン脂質により、モノグリセリド・脂肪酸とミセルを形成することができる。
- 3. コレステロールとビリルビンの排出
- 4. 胃酸の中和
組成
1. 胆汁酸
- see HBC.236
1次胆汁:コレステロールより合成
コール酸
キノデオキシコール酸
2次胆汁:1次胆汁の腸内細菌による代謝(7位の部位のOH基が除去される)
デオキシコール酸
リトコール酸
3次胆汁:肝臓から分泌される状態(可溶性)
タウロコール酸(タウリンと抱合)
グリココール酸(グリシンと抱合)
2. 胆汁色素
ビリルビン:Hbの代謝産物
間接型(不溶性)
↓←グルクロン酸抱合
直接型(水溶性)(抱合型ビリルビン)
↓
ウロビリノーゲン(腸管)
↓
ステルコピリン(腸管)
↓
排泄
3. 脂質
リン脂質(主にレシチン)
不溶性であるが胆汁酸存在下でミセル形成(可溶性)
コレステロール
不溶性であるが胆汁酸存在下でミセル形成(可溶性)
4.電解質成分
陽イオン:Na+(主)、その他K+,Ca2+
陰イオン:Cl-,HCO3-(アルカリ性)
胆汁の分泌と排出
1. 毛細管胆汁
1-1. 胆汁酸依存性胆汁
胆汁酸と水分の分泌:胆汁酸の腸肝循環に依存。
腸肝循環:肝臓から分泌された胆汁が小腸で吸収され、門脈を経て肝臓に戻り、再び排泄されること。
タウロコール酸・グルココール酸
陰イオンに解離しやすく吸収されやすい。
リトコール酸
非解離型なので糞便中に排泄される。
分泌された胆汁酸の95%は腸肝循環により再利用される。
1-2. 胆汁酸非依存性胆汁
胆汁酸以外の分泌:Na+,K+,Ca2+,Cl-,HCO3-,ビリルビン(有機陰イオン)
等張性 :Na+,Cl-,HCO3-は血漿濃度に類似
2. 胆細管胆汁
2-1. Na+,HCO3-(高濃度),水の分泌---セクレチンによる
2-2. Na+,Cl-の吸収
3. 胆汁の濃縮(胆嚢)
電解質吸収(Na+,Cl-の能動的吸収)とそれに伴う水の吸収→5-50倍に濃縮
4. 胆汁排出
食後30分で胆嚢収縮開始。液性の調節機構による排出が主である。
4-1. 液性
十二指腸内食物→CCK分泌→オッディ括約筋弛緩・胆嚢収縮
十二指腸内食物→セクレチン分泌→CCKの作用に拮抗
胃内食物→ガストリン分泌→胆嚢収縮
4-2. 神経性
迷走神経性反射→オッディ括約筋弛緩,胆嚢収縮(関与の程度不明)
臨床関連
- 胆道系に形成された結石。半数以上は無症状SilentStoneである
- 食後3時間程度で痛痛発作、黄痘などを呈する事がある。
- コレステロール系結石(全体の70%):コレステロールの過飽和による。
- ビリルビン系結石(全体の30%):黒色石+ビリルビンCa石
- その他:炭酸カルシウム石など
-
- 1. ビリルビンの生成過多
- 2. 肝細胞によるビリルビンの取り込み減少
- 3. グルクロン抱合障害
- 4. 胆汁へのビリルビン分泌障害
- 5. 胆管閉塞
[★]
- 英
- parasympathetic nervous system (KL)
- ラ
- pars parasympathica
- 関
- 自律神経系、交感神経系。副交感神経
- 脳幹:CN III, CN VII, CN IX, CN X
- S2-S4
[★]
- 英
- bile duct
- 関
- 胆管系
胆道の正常計測値
- 腹部超音波テキスト p.88
- 胆嚢径 :長径8cmx短径4cm以下
- 胆嚢壁圧:3mm以下
- 総胆管径: 8mm以下 9mm以上 10mm以上
- 総肝管径: 6mm以下 7mm以上 8mm以上
- 肝管径(右・左):4mm以下
- 肝内胆管径: 1mm以下
[★]
- 英
- sclerosing cholangitis
- 関
- 原発性硬化性胆管炎、胆管炎
参考
- http://dspace.lib.kanazawa-u.ac.jp/dspace/bitstream/2297/24735/1/ME-PR-NAKANUMA-Y-658.pdf
[★]
- 英
- left intrahepatic choledochojejunostomy?
- 関
- 肝内胆管空腸吻合術 intrahepatic choledochojejunostomy?
[★]
- 英
- acute obstructive cholangitis AOC
- 関
- 急性閉塞性化膿性胆管炎
[★]
- 英
- bile duct stricture
- 関
- 胆管狭窄
[★]
- 英
- duct、tube、canal、pipe
- ラ
- ductus、vas、meatus
- 関
- 水路、チューブ、導管、道管、卵管、道