- 英
- sympathetic nervous system (KL), SNS
- ラ
- pars sympathica
- 関
- 自律神経系、副交感神経系
- 図:KL.33, N.160
- 交感神経系のニューロンはT1からL3の側角に存在。
走行
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/20 15:59:26」(JST)
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交感神経系(こうかんしんけいけい、英: Sympathetic nervous system, SNS)は、自律神経系の一つ。「闘争と逃走の神経(英語ではFight and Flight)」などとも呼ばれるように、激しい活動を行っている時に活性化する。「交換神経」は誤字。
目次
- 1 概要
- 2 機構
- 3 臓器に対する効果
- 4 関連
概要
末梢の交感神経線維は胸髄・腰髄の側角細胞に始まる。ここから出た神経線維は交感神経幹神経節(椎傍神経節)またはさらに末梢の椎前神経節(腹腔神経節・上腸間膜神経節など)に至り、ここで次のニューロンに交代して末梢の効果器に分布している。このように交感神経は2つの神経線維の連絡から成り立っており、神経節までの線維を節前線維といい、交代した神経節から先の線維を節後線維という。なお、1つの節前線維に複数の節後線維が接続していることも多い。
胸髄上部から出た交感神経線維は上に向かい頚部交感神経節(上・中・下頚神経節)でニューロンをかえ、頭頚部や上肢、心臓、肺などに分布する。一方で、胸髄中・下部の線維は大内臓神経、小内臓神経などとして、交感神経幹を通過し、腹部の腹腔神経節などでニューロンをかえて腹部の臓器に分布する。また、腰髄上部からの交感神経線維は腰内臓神経を伝って下腸間膜神経節に入りニューロンをかえ、腹部から骨盤部の臓器に分布している。
交感神経には内臓に分布する線維のほかに皮膚の末梢血管や立毛筋に分布するものもあるが、これらは交感神経幹神経節でニューロンを交代する。
機構
- アドレナリン、ノルアドレナリン
- α受容体(α1、α2)、β受容体(β1、β2、β3)
- 心臓
- β1受容体
- 洞房結節→心拍数↑
- 心房→収縮、伝導速度↑
- 房室結節→自動能、伝導速度↑
- ヒス束・プルキンエ線維→自動能、伝導速度↑
- 心室→収縮、伝導速度↑
- 細動脈
- 肺
- 腎臓
- 脂肪細胞
臓器に対する効果
- 眼(T1~T2)
- 唾液腺(T1~T2)→粘液性の液を分泌
- 心臓(T1~T5)→血圧↑、心拍数↑(但しノルアドレナリン外部投与では血管収縮による圧受容反射で↓)、心収縮力↑、房室結節伝導時間延長短縮、電気的興奮性↑
- 血管(いくつかの外分泌腺の血管、いくつかの外性器の血管)→収縮
- 冠状動脈→拡張
- 気道・肺(T2~T7)
- 肝臓(T5~T10)→グリコーゲン分解
- 脾臓(T5~T12)→血管収縮(α受容体)、血管弛緩(β受容体)
- 胃腸管(T6~L1)
- 胃→平滑筋弛緩、括約筋収縮、胃活動↑、胃蠕動運動↓、胃液分泌↓
- 腸管→平滑筋弛緩、括約筋収縮
- 副腎髄質(T10~L2)→カテコールアミン分泌
- 腎臓(T11~L1)→レニン分泌
- 膀胱(T12~L4)→膀胱三角収縮、括約筋収縮、排尿筋弛緩
- 膵臓(T6~T10)→膵液分泌↓、インスリン分泌↓
- 腸
- 小腸→運動↓、平滑筋弛緩、括約筋収縮、腸液分泌↓
- 直腸(T11~L4)→平滑筋弛緩、括約筋収縮
- 胆嚢・胆管→弛緩
- 生殖器(T10~L4)→射精
- 皮膚
- 骨格筋動脈→収縮
- 血管(骨格筋内)→拡張(循環アドレナリンの作用)
- 一部の血管→収縮
関連
- 神経
- 自律神経系
- 副交感神経
- 多汗症
- 胸腔鏡下胸部交感神経遮断術(ETS)
神経系 |
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- 1. 褐色細胞腫の臨床症状および診断 clinical presentation and diagnosis of pheochromocytoma
- 2. 昇圧剤および強心剤の使用 use of vasopressors and inotropes
- 3. 副交感神経系機能の評価 evaluation of parasympathetic nervous system function
- 4. 心拍変動の評価 evaluation of heart rate variability
- 5. 心不全の病態生理:神経体液性の適応 pathophysiology of heart failure neurohumoral adaptations
Japanese Journal
- 初心者・心理職のための臨床の知 ここがポイント! : 病態編(第3回)胸痛について
- 入浴を契機に著明な血圧上昇を伴う雷鳴頭痛を繰り返したreversible cerebral vasoconstriction syndromeの1症例
- 秋山 英之,齋藤 実
- 脳卒中 37(1), 31-35, 2015
- … 以降は雷鳴頭痛や血圧上昇発作を来すことはなく,退院後も再発を認めなかった.入院13 日目の頭部MRI ではPRES によると考えられた異常所見は消失していたが,頭蓋内動脈の狭窄所見は残存しており,カルシウム拮抗薬の経口投与を3 カ月間継続した.RCVS の発生機序には未だ不明な部分が多いが,当症例では入浴を契機とした全身的な交感神経系の異常興奮が頭痛および血圧上昇の原因となった可能性が考えられた. …
- NAID 130004873637
- 戸苅 彰史,近藤 久貴,平居 貴生 [他],兒玉 大介,新井 通次,後藤 滋巳
- 日本薬理学雑誌 145(3), 140-145, 2015
- … 骨芽細胞および破骨細胞にアドレナリン受容体(AR)の発現が見出されて以来,骨代謝における交感神経系の生理的役割についての研究が著しく進展した.これら細胞へのARシグナルが神経由来であることも示されている.交感神経の骨代謝に及ぼす影響として,β2-ARによる骨吸収の促進および骨形成の抑制による骨量低下が認められている.一方,α1-ARによる骨形成の促進も見出されており,その促進機構を明らかに …
- NAID 130004827729
- 千野根 勝行
- 川崎医療福祉学会誌 = Kawasaki medical welfare journal 24(2), 173-179, 2015
- … 値と心拍変動の相関も認められなかった.ローレンツプロット法では,副交感神経の指標とされるlog(L × T)が有意に増加した.性差は認められなかった.以上のことから,用手的呼吸介助手技の実施は,副交感神経を高め,交感神経系の有意な亢進をもたらすものではない手技と考えられた.また,ローレンツプロット法は,心拍パワースペクトル分析や唾液アミラーゼ活性値よりも感度が高い可能性が示唆された. …
- NAID 120005623854
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- 栄養・生化学辞典 - 交感神経系の用語解説 - 交感神経のシステム.自律神経系の構成要素で,副交感神経系と拮抗して心臓血管,消化器官,腹部内臓などの諸臓器の機能を調節している.
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★リンクテーブル★
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- 英
- automatic nerve system, autonomic nervous system, ANS
- 同
- 植物神経系 vegetative nervous system、不随意神経系 involuntary nervous system
- 副交感神経系
- 頭部副交感神経
- 動眼神経
- 顔面神経
- 舌咽神経
- 迷走神経
- 仙髄部副交感神経
- 内臓求心性線維
- ref(autonomic_nerve_note.png,自律神経系)
[★]
- 英
- parasympathetic nervous system (KL)
- ラ
- pars parasympathica
- 関
- 自律神経系、交感神経系。副交感神経
- 脳幹:CN III, CN VII, CN IX, CN X
- S2-S4
[★]
- 英
- sacral parasympathetic system, sacral portion of parasympathetic nervous system
[★]
- 英
- cerebral parasympathetic system
[★]
- 英
- nerve
- ラ
- nervus
- 関
- ニューロン
解剖で分類
- 中枢神経 central nervous systen CNS
- 末梢神経 peripheral nervous system PNS
情報で分類
- 感覚神経 sensory nerve = 求心性線維 afferent nerve
- 運動神経 motor nerve = 遠心性線維 efferent nerve
機能で分類
- 体性神経 somatic nervous system SNS
- 自律神経 autonomic nervous system ANS
[★]
- 関
- 一連、菌株、緊張、系統、系列、シリーズ、歪み、連続、システム、体系、体制、方式、筋挫傷
[★]
- 英
- sympathetic nerve (B), sympathetic nervous system
- ラ
- pars sympathica
- 関
- 自律神経、交感神経系、交感神経節前線維、交感神経節後線維
[★]
- 英
- nervous system
構造的分類
機能的分類
[★]
- 英
- sympathetic
- 関
- 交感神経性