- 英
- airway management
- 関
- 気管内チューブ
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/03/19 12:18:28」(JST)
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気道確保(きどうかくほ、英: Airway management)は、呼吸に必要な酸素の通り道である気道の物理的な閉塞を予防、解除することにより窒息を予防し呼吸管理を行うための処置である。心肺蘇生においては、まず第一に行われる処置。
意識レベルの低下した人では筋肉が弛緩し、舌根が後方(背側)に落ち込むために上気道を閉塞する。これを「舌根沈下」と呼ぶ。また、意識が正常であっても声帯の固定、気管内の腫瘍による閉塞、気管周囲の腫脹による圧迫あるいは気管支喘息などさまざまな要因で気道が閉塞してしまうことに対し、呼吸のための換気路を確保する要することがある。
原因の如何に関わらず気道閉塞は一刻も早く取り除かなければならない。
方法
一般に以下の方法がある。
- 頭部後屈(Head tilt/Chin lift)
- 「頭部後屈」とは次の「下顎挙上法」と合わせて、「頭部後屈顎先挙上法」とも言われる。後頭部を後屈させ、外傷等で頚椎損傷が疑われる際には行われない。
- 下顎を持ち上げることで、舌も前方に移動するため舌根沈下による気道閉塞を解除できるもので、最も基本的な気道確保法である。またこのとき体位を側臥位(回復体位)とすると吐物を口腔内からスムーズに排除し誤嚥を予防できるうえ重力による舌根沈下を防ぐことができる。
- エアウェイ(Oropharyngeal airway:OPA/Nasopharyngeal airway:NPA)
- 経口エアウェイはフックのような形をしたプラスチック製の器具で口腔内に挿入し舌根を持ち上げる。
- 経鼻エアウェイは細長いラッパの形をしたシリコン製の器具で鼻孔より挿入し、舌根を持ち上げる。
- ラリンジアルマスク(Laryngeal mask airway:LMA)
- 先端を喉頭蓋に吸着し気道確保する方法。食道からの逆流誤嚥をある程度防止することが出来る。
- 食道内に挿入し、食道内と咽頭の2ヶ所でバルーンを拡張することで食道を閉塞し気道を確保する手段。
- 気管内チューブと呼ばれるプラスチック製のチューブを気管に挿入し直接気管内へ換気路を確保。
- 頚部を切開し直接気管に孔を開け交通できるようにする方法。人体を傷つけることになってしまうが閉塞部が声門より口側にある場合、気管内挿管が困難な場合、長期にわたり人工呼吸を必要とする場合に有効である。
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Japanese Journal
- 救急看護基礎力UP講座(新連載・第1回)気道確保・心肺蘇生
- 高度肥満患者に対し側臥位で全身麻酔を導入しラリンジアルマスクで気道確保した1症例
Related Links
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- 次の文を読み、61~63の問いに答えよ。
- 20歳の男性。目が開きにくいことを主訴に来院した。
- 現病歴:山菜採りに行き、右前腕を虫に刺され痛みを感じたが、そのままにして昼食をとった。食後、約30分してから両眼瞼が開きにくくなり、息苦しさを自覚するようになったため、友人に連れられて来院した。
- 既往歴:5歳で気管支喘息。
- 生活歴:山菜採りが趣味で、虫に刺されることが多い。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:意識レベルはJCSII-10。体温37.5℃。脈拍100/分、整。血圧80/50mmHg。呼吸数20/分。SpO2 85%(room air)。呼びかけると息苦しさを訴えせき込む。心音に異常を認めない。頸部と胸部とにwheezesを聴取する。頸静脈の怒張を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。体幹に膨疹を多数認める。顔面の写真(別冊No.9)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [107E060]←[国試_107]→[107E062]
[★]
- 次の文を読み、39、40の問いに答えよ。
- 27歳の男性。救急車で搬送された。
- 現病歴 : バイクで走行中転倒し、左側の胸部と腹部とを強打した。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 身長170cm、体重64kg。体温37.4℃。呼吸数54/分。脈拍108/分、整。血圧124/70mmHg。意識は清明。触診で左胸壁に提言惑がある。左前腕に土砂の混入した挫創を認める。ズボンを切ると左大腿中央に擦過傷と軽度の皮下出血とを認める。
- 検査所見 : 尿所見:赤色調、潜血強陽性。血液所見:赤血球378万、Hb 12.8g/dl、Ht37%、白血球12,600、血小板28万。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air)PO2 60Torr、PCO2 42Torr。胸部エックス線写真で左第10肋骨骨折、左気胸および左肺の虚脱を認める。また、左大腿部エックス線単純写真で左大腿骨骨折を認める。
[正答]
※国試ナビ4※ [095F039]←[国試_095]→[095F041]
[★]
- 次の文を読み、45、46の問いに答えよ。
- 47歳の女性。乳房の腫瘤に気付いたので来院した。
- 現病歴 : 昨日、入浴後に右乳房に腫瘤を触知した。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 意識は清明。身長155cm、体重53kg。体温36.7℃。脈拍72/分、整。血圧120/70mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頚部に血管雑音はない。心雑音はない。右乳房上外側に辺縁が不整な2cm大の腫瘤を触知する。乳癌の可能性を示唆したところ、顔面蒼白になり意識消失し、崩れ落ちるように前に倒れた。呼びかけに反応しない。
- a. 人を呼ぶ。
- b. 担架を探しに行く。
- c. 静脈路を確保する。
- d. 人工呼吸を開始する。
- e. 心臓マッサージを開始する。
[正答]
※国試ナビ4※ [098F044]←[国試_098]→[098F046]
[★]
- 次の文を読み、33、34の問いに答えよ。
- 26歳の1回経妊、未産婦。今朝、多量の性器出血と下腹部痛とが突然出現したため来院した。
- 現病歴 : 2か月前に経ロ避妊薬の服用を中止し、消退出血があった。その後、持続する性器出血があったが、自然に消失した。
- 現症 : 意識は清明。身長156cm、体重50㎏。体温36.5℃。臥位で、脈拍68/分、整。血圧104/76mmHg。腹部はほぼ平坦であるが、下腹部に圧痛を認める。双合診で子宮の大きさは鷲卵大、軟。両側付属器に異常を認めない。膣鏡診で外子宮ロから多量の出血を認める。
- 検査所見 : 血液所見:赤血球380万、Hb11.2g/dl、Ht35%、白血球6,300、血小板19万。
[正答]
※国試ナビ4※ [097F033]←[国試_097]→[097F035]
[★]
- 救急隊から患者受入要請があった。傷病者は30歳の男性。マンホールに入って作業を開始し、数分してから意識を失って倒れた。同僚が命綱を引っ張って救助したが意識はない。救急隊の接触時、意識レベルはJCSⅢ-300。体温36.0 ℃。脈拍 80/分、整。血圧 120/80mmHg。呼吸数8/分。SpO2 100%(リザーバー付マスク 10L/分酸素投与下)。けいれんや不随意運動はないという。作業現場は乾燥しており着衣に液体や固体による汚染はない。倒れた原因を現場で調査中である。
- 患者の病院到着時にまず行うべきなのはどれか。
- a 原因が判明するまで患者を救急車内で待機させる。
- b シャワーで全身を洗って除染する。
- c 酸素を止め動脈血ガス分析を行う。
- d 頭部CTを行う。
- e 気道確保を行う。
[正答]
※国試ナビ4※ [110D032]←[国試_110]→[110D034]
[★]
- 次の文を読み、41、42の問いに答えよ。
- 65歳の男性。吐血のため救急車で来院した。
- 現病歴 : 2日前から風邪気味で感冒薬を服用していた。今朝、突然嘔気があり洗面器一杯の新鮮血液を吐血した。
- 既往歴 : 25年前に胃切除術の際に輸血を受けた。数年前から肝硬変を指摘されていた。
- 現症 : 身長165cm、体重61kg。体温36.6℃。脈拍120/分、微弱、整。血圧72/40mmHg。皮膚は蒼白で頚部にクモ状血管腫がみられる。眼瞼結膜に著明な貧血を認め、眼球結膜に黄疸を認める。胸部所見では心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は軽度膨隆し、肝・脾は触知しない。
[正答]
※国試ナビ4※ [096F040]←[国試_096]→[096F042]
[★]
- 50歳の女性。前頸部痛を主訴に来院した。30分前に映画館で座っていたところ、後ろの座席にいた客が転倒した際に突然後頭部を強く押され、前の座席の背もたれの角に前頸部を強打した。痛みがとれないため、独歩で受診した。意識は清明。体温 36.5℃。脈拍 96/分、整。血圧 140/80mmHg。呼吸数 20/分。強打した部位の疼痛、皮下の血腫および腫脹を認める。診察中に唾液が口から漏れ、発声音域が次第に低下している。
- まず行うべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110I056]←[国試_110]→[110I058]
[★]
- 38歳の男性。3日前から発熱と咽頭痛とを自覚していた。夕刻から嚥下痛が増悪し、摂食困難となり、呼吸困難も出現したため、救急車で来院した。体温39.1℃。脈拍100/分、整。血圧154/92mmHg。胸腹部に異常を認めないが、喘鳴があり起坐呼吸の状態である。頚部に腫瘤は触知しない。喉頭ファイバースコープ写真を以下に示す。この患者への最も適切な対応はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [096F023]←[国試_096]→[096F025]
[★]
- 52歳の男性。咽頭痛と呼吸困難を主訴に深夜の救急外来を受診した。4時間前から強い嚥下痛のため食事が摂れなくなった。2時間前から呼吸困難を自覚するようになった。体温 38.5℃。脈拍 96/分、整。血圧 150/90mmHg。呼吸数 30/分。SpO2 92%(room air)。喉頭内視鏡像(別冊No. 15)を別に示す。
- まず行うのはどれか。
- a 気道確保
- b 経鼻胃管挿入
- c 自宅安静の指示
- d 消炎鎮痛薬の投与
- e 内視鏡下切開排膿
[正答]
※国試ナビ4※ [113D040]←[国試_113]→[113D042]
[★]
- 4歳の男児。全身けいれんが持続するため救急車で搬入された。昨日から39℃以上の発熱があったという。食事と水分の摂取はやや低下しているが嘔吐や下痢はなく、排尿はあったという。今朝、全身けいれんが始まり約20分間持続しているため母親が救急車を要請した。来院時もけいれんが持続している。
- まず行うべき処置として適切でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110H025]←[国試_110]→[110H027]
[★]
- 43歳の男性。2日前からの嚥下痛と呼吸困難とを主訴に来院した。含み声だが嗄声は認めない。胸部聴診で肺音は正常だが、喘鳴を認める。糖尿病に対し経口血糖降下薬を内服している。体温38.5℃。喉頭内視鏡像(別冊No.12)を別に示す。
- まず行うべき対応はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107I049]←[国試_107]→[107I051]
[★]
- 38歳の男性。強い呼吸困難のため救急車で搬入された。同僚によると朝から喉が痛いため、ヨード剤でうがいをし、市販のトローチをなめたところ、15分経過したころから次第に呼吸が苦しくなってきたという。来院時、呼びかけに応答はなく、頚動脈の拍動をわずかに触知する。顔面にはチアノーゼが著明である。
- まず行う処置はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099C024]←[国試_099]→[099C026]
[★]
- 24歳の男性。2日前から急激に増強する嚥下痛と開口障害とを主訴に来院した。1週前から咽頭痛を自覚していた。体温38.4℃。白血球12,800。CRP 5.7mg/dl。咽頭所見と頸部造影CTとを以下に示す。
- 直ちに行うのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [103A046]←[国試_103]→[103A048]
[★]
- 70歳の女性。風呂場で倒れているのを発見された。来院時は呼びかけに対し開眼したが自分の名前は言えなかった。疼痛刺激に対して、右上下肢を動かさない。呼吸数12/分。吸気後に前胸部が陥凹し、いびき様の声が聞こえる。脈拍80/分、整。血圧230/120mmHg。来院後さらに意識が低下している。
- 直ちに行うべき処置はどれか
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
- 26歳の男性。スキーで転倒し、診療所に搬送された。意識は清明で会話は可能である。強い頚部痛と両上肢のしびれ感とを訴え、軽度の四肢運動麻痺を認める。まず行うべき処置はどれか。
- a. 頚部冷却
- b. 気道確保
- c. 鎮痛薬投与
- d. 頭部安静固定
- e. 頚椎徒手整復
[正答]
※国試ナビ4※ [096I044]←[国試_096]→[096I046]
[★]
- 路上で倒れている心肺機能停止成人患者において、蘇生率を向上させるために「一次救命処置」より「119番通報」を優先する理由はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098E028]←[国試_098]→[098E030]
[★]
- 18歳の男子。交通事故で頭部外傷を受けて救急搬送された。意識レベルの低下と呼吸不整とを認める。最初に行うべき救急処置はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095F023]←[国試_095]→[095F025]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [096E031]←[国試_096]→[096E033]
[★]
- 英
- cerebral hemorrhage
- 関
- 脳内出血
概念
- 頭蓋内の出血は総称して一般的に脳出血または脳溢血と呼ばれる。脳出血は脳内への出血と脳周囲への出血に分類される。医学的には狭義での脳内出血のみを指すことが多い。
疫学
部位別頻度
- 被殻出血:40%、視床出血:30%、大脳皮質下出血:10%、小脳出血:10%、橋出血:10%
リスクファクター
- IMD.1027
分類
部位による
YN.J-87 SQ.518
|
被殻出血
|
視床出血
|
橋出血
|
小脳出血
|
皮質下出血
|
割合(%)
|
40
|
30
|
10
|
10
|
10
|
意識障害
|
{+}
|
{+}
|
{++}
|
{±}
|
|
嘔吐
|
{+}
|
{+}
|
{++}
|
{+++}
|
|
頭痛
|
{±}
|
{±}
|
{-}
|
{+++}
|
|
運動障害
|
対側
|
対側
|
四肢麻痺
|
運動失調
|
|
感覚障害
|
対{+}
|
対{++}
|
{±}
|
{-}
|
|
共同偏視
|
病側
|
内下方
|
正中
|
健側
|
|
瞳孔
|
{±}
|
縮瞳
|
縮瞳
|
{±}
|
|
瞳孔反射
|
○
|
時に×
|
○
|
○
|
|
外科的治療
|
血腫除去術
|
×
|
×
|
血腫除去術
|
血腫除去術
|
症候
- 前駆症状無く、日中の活動時や食事中に突然発症する。
- 頭痛や嘔吐を伴い、半数の症例では意識障害を伴う。
- 脳局所症状は数分から数時間のうちに完成する。
検査
- T1:
- T2:
- 拡散強調画像:(出血直後は多分低信号で、血腫を作れば明らかな)高信号
治療
脳出血に共通
参考
- http://www.jsts.gr.jp/jss08.html
国試
[★]
- 英
- putaminal hemorrhage
- 同
- 被殻血腫 putaminal hematoma、外側型脳内血腫 lateral type of intracerebral hematoma
- 関
- 被殻、高血圧性脳出血、脳出血
概念
- 大脳深部のレンズ核線条体動脈外側枝で起こる脳出血
- 脳出血のうちもっとも頻度が高い(被殻出血40%>視床出血30%>橋出血10%>小脳出血10% (YN.J-87))
症候
- 血腫、脳浮腫による頭蓋内圧亢進? → 意識障害、頭痛
- 血腫 → 内包、皮質を圧迫・障害。脳室穿破
- 内包障害:片麻痺 ← 最初は痙性のこともあるが、内包後脚が破壊されると弛緩性になる
- 皮質障害:
治療
脳出血に共通
- 内科的治療:(急性期)気道確保(意識障害→舌根沈下??)・酸素投与(脳浮腫対策)、降圧薬、グリセロール(脳浮腫対策)
- 外科的治療:血腫除去が適応
被殻出血の治療
- 長径3cm以内では保存的治療
- 長径3cm以上で、脳室内出血がないか軽度な場合に血腫除去を行う。
参考
- http://www.jsts.gr.jp/jss08.html
国試
[★]
- 英
- basic life support BLS
- 関
- ALS
手順
- 2-1. あれば経過観察
- 2-2. 呼吸がないが、脈拍はあるか?
- 2-2-1. あれば人工呼吸
- 2-2-2. なければ3. CPR
- 3. 呼吸がなければ、心肺蘇生(胸骨圧迫+人工呼吸)を行う ・・・ 1人の場合は胸骨圧迫:人工呼吸=30:2 2人の場合は胸骨圧迫:人工呼吸=15:2
乳児の脈触知について
- 頚部の皮下組織が厚く、頚が短いことから総頚動脈を触知しづらい。このため、上腕動脈で脈を触知するようにする。
[★]
- 英
- intratracheal intubation
- 関
- 気管切開術、気道確保
[★]
- 英
- airway
- 関
- 気道確保、用手人工呼吸法
[★]
- 英
- respiratory tract, airway
- 関
[★]
- 英
- reserve
- 関
- 準備、蓄え、貯蔵、貯蔵型、保留、予備、予約、余裕量