- 55歳の男性。歩道を歩行中に突然右上下肢に脱力が生じ、思うように言葉がしゃべれなくなったため、救急車で搬送された。10年前から会社の健診で高血圧症、高脂血症および心房細動を指摘されていたが、特に薬物治療を受けていなかった。来院時の意識はJCSでII-10。身長160cm、体重76kg。体温36.8℃、呼吸数18/分。脈拍96/分不整。血圧180/100mmHg。皮膚色は正常。貧血と黄疸とはない。胸部でラ音を聴取しない。腹部は平坦で、肝・肺を触知しない。下肢に浮腫を認めない。右片麻痺と失語とを認める。頭部単純CTで左被殻部に径2cmの高吸収域を認めたため、緊急入院した。血液所見:赤血球460万、Hb120g/dl、白血球6,200、血小板23万。血清生化学所見:総蛋白6.5g/dl、アルブミン4.4g/dl、尿素窒素18mg/dl、クレアチニン0.9mg/dl、総コレステロール290mg/dl、トリグリセライド180mg/dl、AST26単位、ALT20単位、Na139mEq/l、K4.1mEq/l。入院から3日間、絶食と安静とを保ち経過を観察した。意識は清明になった。右片麻痺と失語症との程度は入院時に比べて変化していない。第2,3病日の血圧は130~140/80~90mmHgで推移している。この時点での治療として最も適切なのはどれか。
[正答]
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★リンクテーブル★
[★]
- 9歳の女児。右上下肢の脱力発作を主訴に来院した。半年前から2週に一度はどの頻度で、フルートの練習中に右上下肢の脱力をきたし、それが30分ほどで軽快していた。生来健康であった。意識は清明。身長133cm、体重30kg。体温36.4℃。血圧120/74mmHg。皮膚色は正常。貧血と黄疸とはない。胸部でラ音を聴取しない。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。神経系の診察で明らかな異常を認めない。頭部MRIで異常を認めたので入院の上、脳血管造影を施行した。頭部単純MRIのT2強調像と左内頸動脈造影側面写真とを以下に示す。考えられるのはどれか。
[正答]
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[★]
- 50歳の女性。6か月前からの顔面紅潮、発汗および不眠を主訴に来院した。閉経49歳。血圧128/62mmHg。全身の身体所見と内診所見とに明らかな異常はなく、子宮頸部と内膜細胞診とにも異常を認めない。血中ホルモン値:LH32.0mIU/ml(基準 卵胞期1.8~7.6)、FSH 65.0mIU/ml(基準 卵胞期5.2~14.4)、プロラクチン4.0ng/ml(基準15以下)、エストラジオール10pg/ml以下(基準 卵胞期11~230)。治療として適切なのはどれか。
[正答]
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[★]
- 英
- putaminal hemorrhage
- 同
- 被殻血腫 putaminal hematoma、外側型脳内血腫 lateral type of intracerebral hematoma
- 関
- 被殻、高血圧性脳出血、脳出血
概念
- 大脳深部のレンズ核線条体動脈外側枝で起こる脳出血
- 脳出血のうちもっとも頻度が高い(被殻出血40%>視床出血30%>橋出血10%>小脳出血10% (YN.J-87))
症候
- 血腫、脳浮腫による頭蓋内圧亢進? → 意識障害、頭痛
- 血腫 → 内包、皮質を圧迫・障害。脳室穿破
- 内包障害:片麻痺 ← 最初は痙性のこともあるが、内包後脚が破壊されると弛緩性になる
- 皮質障害:
治療
脳出血に共通
- 内科的治療:(急性期)気道確保(意識障害→舌根沈下??)・酸素投与(脳浮腫対策)、降圧薬、グリセロール(脳浮腫対策)
- 外科的治療:血腫除去が適応
被殻出血の治療
- 長径3cm以内では保存的治療
- 長径3cm以上で、脳室内出血がないか軽度な場合に血腫除去を行う。
参考
- http://www.jsts.gr.jp/jss08.html
国試