- 英
- hemispatial neglect
- 同
- 半側空間失認 hemispatial agnosia
- 関
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- 一側大脳半球の障害により、病巣と反対側の視空間を無視すること。(BET.261)
- 右頭頂葉(劣位半球)(左の半側空間無視を来す)、特に右頭頂葉・側頭葉・後頭葉の接合部が重要視されていたが、何処でも起こりうる。(BET.261 SCN.121t)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/05/17 22:18:47」(JST)
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半側空間無視(はんそくくうかんむし、英:Hemispatial neglect, Unilateral spatial neglect)とは、大脳半球が障害されて半側からのあらゆる刺激(視覚、聴覚、触覚等)を認識できなくなる症候のことである。失認の一種。
目次
- 1 原因
- 2 症状
- 3 検査
- 4 治療
- 5 日本語のオープンアクセス文献
- 6 外部リンク
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原因 [編集]
大脳半球の障害によって、障害された大脳半球の対側からの刺激が認識できなくなってしまうことが原因である。右半球障害による左側半側空間無視が一般的である。左半球障害による右側半側空間無視も存在するが、左半球障害が起こると通常失語症が前面に出てくる。左眼が失明している場合も多いが、見えていることもあり、半盲とは別の病気と捉えられる。網膜に投射された情報は、視索を通り、視床の外側膝状体でニューロンを代え、ブロードマンの分類による17野に投射される。その後頭頂葉で情報として、処理される。右半球が処理するのは、両眼の左側の視野なので、そこが破壊されると見えていても情報として認識されないため、表現できないのである。半側空間無視の患者に見た物の絵を描いてもらうと、左側の欠けた絵となる。
症状 [編集]
半側空間無視で重要なのは、患者自身は半側を無視しているということに気付かないということである。そのため、食事の際に半側の料理にまったく手をつけていないにもかかわらず、本人は全部食べたと自覚していることも多い。また、たとえ自覚しうる側のものであっても、それを注視するとやはりそこでも半側空間無視が起こる。たとえば、左側空間無視であれば、患者から見て左側の料理には手をつけず、右側にある料理も右半分しか手が付けられないといった具合である。これはたまねぎ現象とも呼ばれる。
検査 [編集]
- 線分抹消検査
- 紙に書いた線分を1つ1つ消していく検査。
- 線分二等分検査
- 紙に書いた線分の中央に丸を付けていく検査。
上記のいずれの検査でも障害側にはまったく手が付けられない。
障害側が完全に欠落した絵を描く。
治療 [編集]
脳機能を完全に修復することはまだ不可能である以上、半側空間無視を治療することもできない。そのため、患者自身に自覚させることが非常に重要となる。また、周囲の人間が患者に接するときも、障害されていない側から話しかけるといった配慮が必要となる。
日本語のオープンアクセス文献 [編集]
- 前田真治「半側空間無視」 高次脳機能研究, 28, pp.214-223 (2008), doi:10.2496/hbfr.28.214
- 杉本諭 「半側無視の評価」理学療法科学 Vol.12, No.3 (1997) pp.155-161NAID 10026625819, doi:10.1589/rika.12.155
- 前島伸一郎「半側無視の下位分類」 高次脳機能研究, Vol. 26 (2006) , No. 3 pp.235-244, NAID 10018360227
外部リンク [編集]
- (百科事典)「Hemineglect」 - スカラーペディアにある「半側空間無視」についての項目。(英語)
Japanese Journal
- P-30 半側空間無視患者に対するipadを利用した評価、即時効果の症例報告(ポスター発表,第21回日本保健科学学会学術集会)
- 松田 雅弘,新田 收,小山 貴之,久保田 直行,勝又 泰貴,泉 良太,網本 和
- 日本保健科学学会誌 14(Suppl), 36, 2011-09-30
- NAID 110008749931
- 山下 純宏
- 脳神経外科ジャーナル = Japanese journal of neurosurgery 20(4), 275-277, 2011-04-20
- NAID 10029447321
Related Links
- 半側空間無視. 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』. 移動: 案内, 検索. 半側空間無視(はんそくくうかんむし、Hemispatial neglect)とは、大脳半球が障害され て半側からのあらゆる刺激(視覚、聴覚、触覚等)を認識できなくなる症候のことである。
- 半側空間無視とは、脳の損傷の反対側に提示された刺激に反応したり、注意を向けたり するのに失敗することで、その失敗が感覚障害や運動障害の中でとても目を引く症状 です。通常の感覚で言うと、わざと気付かないようにしているとしか思えないほどに、その ...
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★リンクテーブル★
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[正答]
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- 英
- putaminal hemorrhage
- 同
- 被殻血腫 putaminal hematoma、外側型脳内血腫 lateral type of intracerebral hematoma
- 関
- 被殻、高血圧性脳出血、脳出血
概念
- 大脳深部のレンズ核線条体動脈外側枝で起こる脳出血
- 脳出血のうちもっとも頻度が高い(被殻出血40%>視床出血30%>橋出血10%>小脳出血10% (YN.J-87))
症候
- 血腫、脳浮腫による頭蓋内圧亢進? → 意識障害、頭痛
- 血腫 → 内包、皮質を圧迫・障害。脳室穿破
- 内包障害:片麻痺 ← 最初は痙性のこともあるが、内包後脚が破壊されると弛緩性になる
- 皮質障害:
治療
脳出血に共通
- 内科的治療:(急性期)気道確保(意識障害→舌根沈下??)・酸素投与(脳浮腫対策)、降圧薬、グリセロール(脳浮腫対策)
- 外科的治療:血腫除去が適応
被殻出血の治療
- 長径3cm以内では保存的治療
- 長径3cm以上で、脳室内出血がないか軽度な場合に血腫除去を行う。
参考
- http://www.jsts.gr.jp/jss08.html
国試
[★]
- 英
- minor hemisphere
- 関
- 優位半球
臨床関連
[★]
- 英
- sensory abnormality、perceptual disorder
- 関
- 感覚障害、半側空間無視、空間無視
[★]
- 関
- hemisensory neglect、hemispatial neglect、半側空間無視
[★]
- 英
- neglect、ignorance、neglect、ignore、disregard
- 関
- 無知
[★]
- 英
- sensory neglect
- 関
- 知覚障害、半側空間無視、空間失認
[★]
- 英
- space
- 関
- 腔、スペース、余地、宇宙