アシクロビル
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
アシクリル点滴静注用250mg
組成
- アシクリル点滴静注用250mgは、1バイアル中にアシクロビル250mg、添加物としてpH調整剤を含有する。
禁忌
- 本剤の成分あるいはバラシクロビル塩酸塩に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
- 単純ヘルペスウイルス及び水痘・帯状疱疹ウイルスに起因する下記感染症
免疫機能の低下した患者(悪性腫瘍・自己免疫疾患など)に発症した単純疱疹・水痘・帯状疱疹
脳炎・髄膜炎
新生児単純ヘルペスウイルス感染症
単純ヘルペスウイルス及び水痘・帯状疱疹ウイルスに起因する下記感染症:
- 免疫機能の低下した患者(悪性腫瘍・自己免疫疾患など)に発症した単純疱疹・水痘・帯状疱疹
- 脳炎・髄膜炎
[成人]
- 通常、成人にはアシクロビルとして1回体重1kg当たり5mgを1日3回、8時間毎に1時間以上かけて、7日間点滴静注する。
なお、脳炎・髄膜炎においては、必要に応じて投与期間の延長もしくは増量ができる。ただし、上限は1回体重1kg当たり10mgまでとする。
[小児]
- 通常、小児にはアシクロビルとして1回体重1kg当たり5mgを1日3回、8時間毎に1時間以上かけて、7日間点滴静注する。
なお、必要に応じて増量できるが、上限は1回体重1kg当たり20mgまでとする。
さらに、脳炎・髄膜炎においては、投与期間の延長もできる。
新生児単純ヘルペスウイルス感染症:
- 通常、新生児にはアシクロビルとして1回体重1kg当たり10mgを1日3回、8時間毎に1時間以上かけて、10日間点滴静注する。
なお、必要に応じて投与期間の延長もしくは増量ができる。ただし、上限は1回体重1kg当たり20mgまでとする。
- 〈注射液の調製法〉
1バイアル(アシクロビル250mgを含有)を日局注射用水又は日局生理食塩液10mLに溶解し、投与量に相当する量を1バイアル当たり100mL以上の補液で希釈する(用時調製)。
- 腎障害のある患者又は腎機能の低下している患者、高齢者では、精神神経系の副作用があらわれやすいので、投与間隔を延長するか又は減量するなど注意すること。なお、本剤の投与間隔及び減量の標準的な目安は下表のとおりである(参考)注)(「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「高齢者への投与」及び「過量投与」の項参照)。
クレアチニン・クリアランス(mL/min/1.73m2):>50
- 標準1回投与量に対応する百分率(%):100
投与間隔(時間):8
クレアチニン・クリアランス(mL/min/1.73m2):25〜50
- 標準1回投与量に対応する百分率(%):100
投与間隔(時間):12
クレアチニン・クリアランス(mL/min/1.73m2):10〜25
- 標準1回投与量に対応する百分率(%):100
投与間隔(時間):24
クレアチニン・クリアランス(mL/min/1.73m2):0〜10
- 標準1回投与量に対応する百分率(%):50
投与間隔(時間):24
慎重投与
- 腎障害のある患者[〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉及び「重要な基本的注意」の項参照]
- 肝障害のある患者[肝障害が増悪するおそれがある。]
- 高齢者[〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉、「重要な基本的注意」及び「高齢者への投与」の項参照]
重大な副作用
- 次のような症状がまれにあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- アナフィラキシーショック、アナフィラキシー様症状(呼吸困難、血管浮腫等)(頻度不明)
- 汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少、播種性血管内凝固症候群(DIC)、血小板減少性紫斑病(頻度不明)
- 急性腎不全(頻度不明)
- 精神神経症状:意識障害(昏睡)、せん妄、妄想、幻覚、錯乱、痙攣、てんかん発作、麻痺、脳症等(頻度不明)
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
- 呼吸抑制、無呼吸(頻度不明)
- 間質性肺炎(頻度不明)
- 肝炎、肝機能障害、黄疸(頻度不明)
- 急性膵炎(頻度不明)
薬効薬理
- アシクロビルはヘルペス群ウイルス感染細胞内に取り込まれると、ウイルス由来のチミジンキナーゼによりリン酸化され、アシクロビル一リン酸となり、さらに宿主細胞の酵素によりアシクロビル三リン酸となる。アシクロビル三リン酸はウイルスDNAにウイルスDNAポリメラーゼの基質であるdGTPと競合して取り込まれ、ウイルスDNA合成を阻害する。また、アシクロビルは正常細胞由来のチミジンキナーゼではほとんど一リン酸化されず、活性化されないため、細胞毒性は低い。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- 2-Amino-9-[(2-hydroxyethoxy)methyl]-1,9-dihydro-6H-purin-6-one
分子式
分子量
性 状
- 白色〜微黄白色の結晶性の粉末である。水に溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。0.1mol/L塩酸試液又は希水酸化ナトリウム試液に溶ける。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- acyclovir, ACV
- 同
- アシクログアノシン acycloguanosine
- 商
- アイラックス、アクチオス、アクチダス、アシクリル、アシクロビン、アシビル、アシロミン、アストリック、エアーナース、グロスパール、クロベート、ゾビクロビル、ゾビラックス、ナタジール、ビクロックス、ビゾクロス、ビルヘキサル、ビルレクス、ファルラックス、ベルクスロン
- 関
- 抗ウイルス薬、ウイルス
- グアノシンの誘導体で、糖の2'と3'を欠き、非環状となっている。
作用機序
- アシクロビルはHSVやVZVがコードするチミジンキナーゼによりアシクロビル一リン酸となる。次に宿主由来のチミジンキナーゼによりアシクロビル二リン酸、アシクロビル三リン酸となる。ウイルスDNAポリメラーゼによりアシクロビル三リン酸が取り込まれると、3'-OHを欠くためにDNA合成反応が停止する。これによりウイルスの増殖を抑制する。
- 宿主細胞のチミジンキナーゼはACVを一リン酸化できないので、非感染細胞ではDNA合成阻害は起こらない。
適応
- 単純ヘルペスウイルス感染症
- 水痘・帯状疱疹ウイルス感染症
- 予防のためには投与は適応外である。
- サイトメガロウイルスには無効である
注意
副作用