グルコン酸カルシウム
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Japanese Journal
- 蝮咬症に対するセファランチン,カルチコールの併用療法の効果について
Related Links
- カルチコール注射液8.5%10mL,グルコン酸カルシウム水和物注射液.
- カルチコール注射液8.5%5mL. カルチコール注射液8.5%10mL. CALCICOL. グルコン 酸カルシウム注射液. 販売名. カルチコール注射液8.5%. 5mL. 有効成分. 1アンプル 5mL中グル. コン酸カルシウム水和物. 425mg. カルチコール注射液8.5%. 10mL ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
カルチコール末
組成
カルチコール末
禁忌
- 高カルシウム血症の患者
- 腎結石のある患者[腎結石を助長するおそれがある。]
- 重篤な腎不全のある患者[組織への石灰沈着を助長するおそれがある。]
- エストラムスチンリン酸エステルナトリウム水和物を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
効能または効果
低カルシウム血症に起因する下記症候の改善
小児脂肪便におけるカルシウム補給
- グルコン酸カルシウム水和物として,通常成人1日1〜5gを3回に分割経口投与する。
なお,年齢,症状により適宜増減する。
慎重投与
- 活性型ビタミンD製剤を服用している患者[高カルシウム血症があらわれやすい。]
- 強心配糖体の投与を受けている患者[強心配糖体の作用を増強するおそれがある。]
- 高カルシウム血症があらわれやすい病態の患者
重大な副作用
高カルシウム血症,結石症(頻度不明)
- カルシウム剤の長期投与により,高カルシウム血症及び結石症があらわれることがあるので,異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。
薬効薬理
抗テタニー作用,低カルシウム血症改善作用4)
- 甲状腺・副甲状腺摘除術と低カルシウム食により作製した低カルシウム血症性テタニー惹起イヌにグルコン酸カルシウム20mg/kgを静注したところ,15分後にはテタニーけいれんは消失した。また,血漿カルシウムは有意に増加した。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- グルコン酸カルシウム水和物(Calcium Gluconate Hydrate)
化学名
- Monocalcium di-D-gluconate monohydrate
分子式
分子量
性状
- 白色の結晶性の粉末又は粒である。
水にやや溶けやすく,エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- hypocalcemia
- 同
- 低Ca血症
- 関
- カルシウム
病態生理
- 低カルシウム血症 → 2価陽イオンによる膜安定効果が消失(遮蔽効果↓、結合効果↓) → 細胞膜の脱分極傾向 (SP.99)
病因
- 原発性副甲状腺機能低下症(PTHの分泌低下)DiGeorge症候群、自己免疫性
- 副甲状腺ホルモン受容体異常
- 高リン血症
- ビタミンDの欠乏:腎不全→活性型にする酵素は腎臓にあるので活性化されない。
新生児
- QB.O-84
心電図パーフェクトマニュアル.221
症候
急性症状
- 参考1
神経・筋の易刺激性(テタニー)
- 感覚異常(口・四肢)、筋痙攣、手・足の攣縮(carpopedal spasm)、トルソー徴候(手の症状)、クヴォステク徴候(顔面神経の)、てんかん発作、喉頭痙攣、気管支痙攣
- 心臓:QT延長、低血圧、心不全、不整脈 ← 心収縮力低下
慢性症状
- 参考1
- 異所性石灰化(大脳基底核) ← P優位なCa・P積の上昇
- 嚢下白内障(subcapsular cataract)
- 歯牙異常
- 皮膚乾燥
テタニー
- 参考1
- 低カルシウム血症により末梢神経・筋肉の易刺激性亢進。EMG上、1つの刺激で高頻度の放電が見られる。テタニーはイオン化Ca 4.3mg/dL、カルシウム7.0-7.5 mg/dL未満で起こるのが一般的。テタニーは慢性腎不全(低カルシウム血症+代謝性アシドーシス)では稀
- 最初は口の周りあるいは末梢の錯感覚(paresthesia)ではじまる。ぎこちなさとこわばり、筋痛、および筋攣縮・筋痙攣を呈する。呼吸筋と舌の攣縮はチアノーゼを起こしうる。自律神経の症状は発汗、期間攣縮、胆道疝痛 biliary colicを含む。 ← オッディ括約筋が収縮して腹痛を生じるらしい(080A040)
検査
- Chvostek徴候;耳介の前方、顎関節の上の部分をハンマーで軽くたたくと顔面筋と眼輪筋の痙攣が起こる。
- Trousseau徴候;上肢の血圧計マンシェットを巻き、収縮期と拡張期の中間血圧で1~2分圧迫すると上肢の筋の攣縮により、手首と親指が屈曲し他の手指は伸展して手掌が凹む。
心電図
- QTの延長はSTの延長による。T波の幅は変えないので、心房全体の再分極相の不均一化は起こりにくい。だからQT延長で多形性心室頻拍が起こることは少ないらしい(心電図の読み方 p.221-223)。
- STの延長 = 2相(プラトー相) 絶対不応期と考えられる。
- T波 = 3相 受攻期 相対不応期にあたる。ここが延長しなければ不整脈のリスクは高くないということか・・・ほんと?
治療
腎臓内科レジデントマニュアル p.47
- 食事あるいはサプリメントでのカルシウム経口摂取 1日1000mg以上
- 無症候性で中等度(補正Ca濃度<8mg/dL)の場合
-
- →尿Ca/Cre比が0.3g/gCreを越えないように注意する
- 1. カルチコール 10-20mlを5分程度以上掛けて静注する
- 2. カルチコール 2-4ml/hrでCVからDIV
- 1. or 2.に加え)炭酸カルシウム9-12g/日、ビタミンD(アルファカルシドール 3μg/日)を開始して徐々にカルチコールを減少させる。また低マグネシウム血症があれば硫酸マグネシウムIV
参考
- 1. [charged]Clinical manifestations of hypocalcemia - uptodate [1]
[★]
- 英
- calcium preparation
- 同
- カルシウム薬
- 関
- カルシウム、骨粗鬆症
商品
- 血清カルシウム
- 尿中カルシウム/尿クレアチニン比(0.3-0.4以上が高カルシウム血症の目安になる)
代表的なカルシウム製剤
[★]
- 商
- アミグランド、アミノトリパ1号、アミノフリード、カルチコール、カロナリーL、グルアセト35、セルニルトン、ツインパル、ツインラインNF配合、ツインライン配合、トリパレン1号、ハイカリック、ハイカリックNC-L、ハイカリックRF、パレセーフ、ピーエヌツイン-1号、フィジオ140、フィジオ35、フルカリック1号、ミキシッドL、ユニカリックL
[★]
- 英
- calcium gluconate
- ラ
- calcii gluconas
- 商
- カルチコール
- 関
- 高カリウム血症
適応
- カルシウム補給
- 高カリウム血症(静脈注射)(高カリウム血症が重篤な場合な場合(7mEq/Lよりも高値)、心電図上の変化が大きい場合(P波の消失、QRS間隔の延長)(ICU.537))
作用機序
- カルシウムはカリウムの細胞膜への作用を直接的に拮抗する(ICU.537)
[★]
- 英
- coinjection、co-injection、coinfusion、coinject、coinfuse
- 関
- 同時注入