カルバマゼピン
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カルバマゼピン
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臨床データ |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
|
薬物動態的データ |
半減期 |
5-26時間 |
識別 |
ATCコード |
N03AF01 |
KEGG |
D00252 |
化学的データ |
化学式 |
C15H12N2O |
カルバマゼピン (carbamazepine) は、てんかんの発作や向精神薬として使われる薬の一種である。略称はCBZ。ノバルティスからテグレトール®の商品名で発売されている。ジェネリックはカルバマゼピン「アメル」®(共和薬品工業)、レキシン®(藤永製薬・第一三共)である。
脳神経・末梢神経細胞のNaチャネルを遮断する。一般的に膜活動電位の立ち上がりが阻害されるため、神経細胞の複雑部分発作に効果があるとされており、たとえばてんかんの側頭葉部分発作特効薬として用いられている。 長らく三叉神経痛の薬としても使用されてきたが、最近では気分障害のひとつである双極性障害の薬としても用いられるようになった。またアルツハイマー病などの認知症の周辺症状(BPSD)、なかでも抗精神病薬に反応しない精神病症状や焦燥性興奮に有効である報告がされている[1]。
カルバマゼピンに即効性はなく、効き始めるまでに1週間~数週間かかる。定期的に血中濃度を測り治療有効域と中毒域を見極め維持量を決める。投与初期は元々低いクリアランスと、代謝酵素の自己誘導(auto-induction)が十分に発現していないため血中濃度が著しく高値を示すことがあるが、投与3~4週間以降は投与量に比例した濃度になる。よって投与初期は血中濃度を確認しつつ漸増する必要がある。カルバマゼピンは過量投薬のリスクが高く、治療薬物モニタリングが必要である[2]。
定常状態になれば半減期は比較的長い。至適血中濃度は一般的には4~12μg/mLだが、9μg以上は中毒症状が出やすくなる為注意が必要である[3]。
アメリカでは2009年4月23日以降、認可されたすべての抗てんかん薬に自殺企図や自殺念慮を高めるとの警告表示が追加された[4]。
目次
- 1 歴史
- 2 効用
- 3 副作用
- 4 脚注
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
歴史
カルバマゼピンは、1957年にSchindler、Blattnerらによって合成された。その後1963年にスイス、イギリスにおいて抗てんかん薬として発売され、1962年には三叉神経痛の発作抑制効果も発表され[5]、国内では1966年以来、てんかん治療薬、三叉神経痛治療薬として広く使用されている。さらにてんかんに伴う興奮症状の改善をもたらすことが知られるようになり、1970年代に柴田、竹崎・花岡[6][7]によって抗躁作用が報告され、その後躁病・躁うつ病の躁状態に対する治療効果が確認され、1990年に同効能が追加承認された。
効用
- 日本では健康保険の適応ではないもの
- 帯状疱疹後遺症や線維筋痛症、むずむず脚症候群、糖尿病性ニューロパチーによる神経痛
その他、神経因性疼痛、片頭痛、帯状疱疹後神経痛、有痛性糖尿病性神経障害、精神運動発作、てんかん性格、統合失調症の興奮状態など[8]。
副作用
よくある副作用としては、眠気、運動失調、倦怠感や脱力感、瞬間的な複視(かすみ目)、めまいや立ちくらみ、頭痛・頭重、食欲低下や吐き気・胃痛などの消化器症状などがある。大抵の副作用は投与2~3週間で消えるとされる[9]。
2008年、アメリカ食品医薬品局(FDA)は、199の二重盲検試験を分析し、データに用いられた24週間では、抗てんかん薬服用時の自殺年慮や自殺企図が2倍―てんかん用途では3.5倍、精神科では1.5倍―に高まることを警告した(それ以上の期間は単に未調査)[10]。日本でも、自殺企図の既往や自殺念慮を有する場合に注意書きがある[11]。
その他服用するにあたって、稀ではあるが注意しなければならない副作用がいくつかある。
- 発疹
- 比較的多く出やすく放置すると重症化する場合がある、発疹が出た場合は即座に服薬を中止すべきである。まれにスティーブンス・ジョンソン症候群になる。
- 感音難聴、音程の変化など。
- 認知障害
- 気分変調
- ジスキネジアなどの運動失調
- SLE様症状
- 肝機能障害
- 急性腎不全・心不全
- 肺障害(間質性肺炎など)
- 血液障害
- 血栓症・塞栓症
- アナフィラキシー・ショック
- 胃腸障害
- 水分貯留
- 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群 (SIADH)
- 無菌性髄膜炎
- 悪性症候群
- 再生不良性貧血などの貧血症状 …など
抗真菌薬のボリコナゾール(ブイフェンド)や肺高血圧症治療薬のタダラフィル(アドシルカ)、グレープフルーツなどとカルバマゼピンを同時に摂取すると、カルバマゼピンの血中濃度が上がり、副作用が強くなるので注意すること。
脚注
- ^ 樋口輝彦、小山司『臨床精神薬理ハンドブック 第2版』〈医学書院〉2009年
- ^ 日本臨床薬理学会 『臨床薬理学』 医学書院、2011年、第3版、78頁。ISBN 978-4260012324。
- ^ 伊賀立二、乾 賢一 『薬剤師・薬学生のための実践TDMマニュアル』〈じほう〉2004年
- ^ “Postmarket Drug Safety Information for Patients and Providers > Suicidal Behavior and Ideation and Antiepileptic Drugs”. U.S. Food and Drug Administration (FDA) (2009年5月5日). 2013年1月15日閲覧。
- ^ Blom, S.:Lancet 1(7234), 839, 1962
- ^ 柴原 尭ほか:新薬と臨牀 19(4), 509, 1970
- ^ 竹崎治彦ほか:精神医学 13(2), 173, 1971
- ^ 大阪大学大学院医学系研究科 緩和医療学
- ^ Carbamazepine & Manic Depression: A Guide Lithium Information Center University of Wisconsin Board of Regents of the University of Wisconsin System. Revised Feb.1990
- ^ “Postmarket Drug Safety Information for Patients and Providers > Information for Healthcare Professionals: Suicidal Behavior and Ideation and Antiepileptic Drugs”. U.S. Food and Drug Administration (FDA) (2008年1月31日). 2013年1月15日閲覧。
- ^ テグレトール錠100mg/テグレトール錠200mg/テグレトール細粒50%添付文書情報(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)
関連項目
- 精神医学
- てんかん
- 双極性障害
- 躁病
- 三叉神経痛
- グレープフルーツジュース
外部リンク
- ノバルティスファーマ株式会社 テグレトール錠 インタビューフォーム
気分安定薬 |
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- 抗けいれん剤誘発性高度徐脈と心不全に,"五苓散"が著効した認知症87歳の一症例
- 46 テグレトール^Rと麻黄による多形紅斑型薬疹(薬物アレルギー・薬剤性障害2,一般演題,第21回日本アレルギー学会春季臨床大会)
- 柳原 茂人,曽和 順子,小林 裕美,大霜 智子,梅香路 綾乃,廣保 翔,金山 美恵,石井 正光
- アレルギー 58(3・4), 400, 2009-04-30
- NAID 110007455371
Related Links
- テグレトールとは?カルバマゼピンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。 すべての副作用を掲載しているわけではありません。
- ノバルティス ファーマ株式会社のテグレトール錠100mg(中枢神経用薬)、一般名カルバマゼピン(Carbamazepine) の効果と副作用、写真、保管方法等を掲載。 ... 以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
テグレトール錠100mg
組成
成分・含量
添加物
- ヒドロキシプロピルセルロース、トウモロコシデンプン、セルロース、ステアリン酸マグネシウム
禁忌
- 本剤の成分又は三環系抗うつ剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 重篤な血液障害のある患者〔副作用として血液障害が報告されており、血液の異常を更に悪化させるおそれがある。〕
- 第II度以上の房室ブロック、高度の徐脈(50拍/分未満)のある患者〔刺激伝導を抑制し、更に高度の房室ブロックを起こすことがある。〕
- **ボリコナゾール、タダラフィル(アドシルカ)を投与中の患者〔これらの薬剤の血中濃度が減少するおそれがある。〕(「相互作用」の項参照)
- ポルフィリン症の患者〔ポルフィリン合成が増加し、症状が悪化するおそれがある。〕
効能または効果
- 精神運動発作、てんかん性格及びてんかんに伴う精神障害、てんかんの痙攣発作:強直間代発作(全般痙攣発作、大発作)
- 躁病、躁うつ病の躁状態、統合失調症の興奮状態
- 三叉神経痛
- 精神運動発作、てんかん性格及びてんかんに伴う精神障害、てんかんの痙攣発作:強直間代発作(全般痙攣発作、大発作)の場合
カルバマゼピンとして通常、成人には最初1日量200〜400mgを1〜2回に分割経口投与し、至適効果が得られるまで(通常1日600mg)徐々に増量する。症状により1日1,200mgまで増量することができる。小児に対しては、年齢、症状に応じて、通常1日100〜600mgを分割経口投与する。
- 躁病、躁うつ病の躁状態、統合失調症の興奮状態の場合
カルバマゼピンとして通常、成人には最初1日量200〜400mgを1〜2回に分割経口投与し、至適効果が得られるまで(通常1日600mg)徐々に増量する。症状により1日1,200mgまで増量することができる。
- 三叉神経痛の場合
カルバマゼピンとして通常、成人には最初1日量200〜400mgからはじめ、通常1日600mgまでを分割経口投与するが、症状により1日800mgまで増量することができる。
小児に対しては、年齢、症状に応じて適宜減量する。
慎重投与
- 心不全、心筋梗塞等の心疾患又は第I度の房室ブロックのある患者〔刺激伝導を抑制し心機能を悪化させることがある。〕
- 排尿困難又は眼圧亢進等のある患者〔抗コリン作用を有するため症状を悪化させることがある。〕
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 肝障害、腎障害のある患者〔このような患者では代謝・排泄機能が低下しているため、血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること。〕
- 薬物過敏症の患者
- 甲状腺機能低下症の患者〔甲状腺ホルモン濃度を低下させるとの報告がある。〕
重大な副作用
再生不良性貧血、汎血球減少、白血球減少、無顆粒球症、貧血、溶血性貧血、赤芽球癆、血小板減少
(頻度不明)
- 重篤な血液障害があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
**中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)
(頻度不明)
- 重篤な皮膚症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、眼充血、顔面の腫脹、口唇・口腔粘膜や陰部のびらん、皮膚や粘膜の水疱、紅斑、咽頭痛、そう痒、全身けん怠感等の異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
また、これらの症状のほとんどは本剤の投与開始から3ヵ月以内に発症することから、特に投与初期には観察を十分に行うこと。
SLE様症状
(頻度不明)
- SLE様症状(蝶形紅斑等の皮膚症状、発熱、関節痛、白血球減少、血小板減少、抗核抗体陽性等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
過敏症症候群
(頻度不明)
- 初期症状として発熱、発疹がみられ、更にリンパ節腫脹、関節痛、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現、肝脾腫、肝機能障害等の臓器障害を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。また、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルス再活性化を伴うことが多い。このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸
(頻度不明)
- 胆汁うっ滞性、肝細胞性、混合型、又は肉芽腫性の肝機能障害、黄疸があらわれ、劇症肝炎等に至ることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎不全(間質性腎炎等)
(頻度不明)
- 重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査を実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
PIE症候群、間質性肺炎
(頻度不明)
- 発熱、咳嗽、呼吸困難、喀痰、好酸球増多、肺野の浸潤影を伴うPIE症候群、間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血栓塞栓症
(頻度不明)
- 肺塞栓症、深部静脈血栓症、血栓性静脈炎等の血栓塞栓症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
アナフィラキシー反応
(頻度不明)
- 蕁麻疹、血管浮腫、循環不全、低血圧、呼吸困難等を伴うアナフィラキシー反応があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
うっ血性心不全、房室ブロック、洞機能不全、徐脈
(頻度不明)
- うっ血性心不全、房室ブロック、洞機能不全、徐脈があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
(頻度不明)
- 低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
無菌性髄膜炎
(頻度不明)
- 項部硬直、発熱、頭痛、悪心・嘔吐あるいは意識混濁等を伴う無菌性髄膜炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
悪性症候群
(頻度不明)
- 本剤の投与により発熱、意識障害、無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等があらわれることがある。このような場合には、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理と共に適切な処置を行うこと。本剤の急な中止により発現することもあるので、本剤の急な投与中止は行わないこと。また、悪性症候群は抗精神病薬との併用時に発現しやすいので特に注意すること。なお、本症発症時には白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下をみることがある。
薬効薬理
抗痙攣作用15)
- カルバマゼピンはラットの電気ショック痙攣に対しフェノバルビタールとほとんど同等の抑制作用を示し、ストリキニーネ痙攣に対しては、ストリキニーネ2.5mg/kg腹腔内注射マウスに対し十分な痙攣抑制作用を示さないが、カルバマゼピン100mg/kg(経口)レベルでは、ジフェニルヒダントインやメフェネシンと比較して明らかに痙攣の発現を遷延させる。
ペンテトラゾール痙攣(マウス)、ピクロトキシン痙攣(マウス)に対してはそれ程強い防御作用を示さない。
キンドリングに対する作用16)
- ネコの扁桃核刺激によるキンドリングの形成をカルバマゼピン及びフェノバルビタールは抑制し、てんかん原性獲得に対する予防効果を示すが、フェニトインは抑制しない。その際、フェノバルビタールは後発射の発展よりも臨床症状の発展を抑制するのに対し、カルバマゼピンでは後発射の発展と二次てんかん原性獲得を抑制する作用が認められている。
一方、完成されたキンドリング痙攣に対してはカルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトインのいずれもが中毒量以下の血清レベルで抑制作用(抗痙攣効果)を示す。
大脳の後発射及び誘発反応に対する作用17,18)
- ネコの運動領皮質、レンズ核及び視床腹外側核の後発射はカルバマゼピンによりほとんど抑制されないか、軽度短時間抑制されるにすぎない。なお扁桃核及び海馬の後発射はかなり抑制されており、カルバマゼピンが新皮質系よりも大脳辺縁系に対しある程度選択的に作用することが示されている。
抗興奮作用
- 行動薬理学的には、マウスを用いた試験において、闘争行動抑制作用15,19)、常同行動抑制作用20)、麻酔増強作用15)がみられ、カルバマゼピンは鎮静、静穏作用を有することが認められている。
電気生理学的には、ウサギを用いた試験において、嗅球から大脳辺縁系に至る情動経路(嗅球−扁桃核、嗅球−海馬)の誘発電位の抑制がみられている。21)
三叉神経の誘発電位に対する作用22)
- ネコを用いた実験で、カルバマゼピン10mg/kg(腹腔内)投与で顔面の皮膚の電気刺激による三叉神経の延髄レベル及び視床中心内側核で記録した誘発電位の抑制が認められている。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- 5H-Dibenz[b,f]azepine-5-carboxamide
分子式
分子量
性状
- 白色〜微黄白色の粉末で、においはなく、味は初めないが、後にわずかに苦い。クロロホルムに溶けやすく、エタノール(95)又はアセトンにやや溶けにくく、水又はジエチルエーテルに極めて溶けにくい。
融点
分配係数
- 57.9(1-オクタノール/pH7.4リン酸塩緩衝液)
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- postherpetic neuralgia PHN
- 同
- ヘルペス後神経痛
- 関
- 帯状疱疹, 水痘、神経因性疼痛
概念
- 帯状疱疹後、3ヶ月以上立っても神経痛が残るも。帯状疱疹において、高齢者、感覚異常が強く出た例、皮膚症状が重篤であった例で特に本症が出現しやすい。
症状
- 参考1
- 帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛は日常生活に支障を来すほど重篤である:睡眠障害、食欲低下、性欲低下。
- 胸髄(T4-T6)、頚髄、三叉神経の支配域に好発。
- 痛みは典型的には鋭い指すような痛みであり、焼けるような痛みと形容される。
- 90%以上の患者でアロディニアが出現する。
治療
- 抗うつ薬
- 抗痙攣薬
- 抗てんかん薬:ガバペンチン、テグレトール
- オピオイド
- カプサイシン
- 局所リドカイン
- くも膜下腔糖質コルチコイド
- NMDA受容体拮抗薬
- 冷凍療法(cryotherapy)
- 外科手術
参考
- 1. [charged] Postherpetic neuralgia - uptodate [1]
[★]
- 英
- antiepileptic drug
- 関
- 抗てんかん薬
商品
[★]
- 英
- carbamazepine, CBZ
- 商
- Epitol, テグレトール Tegretol、レキシン、テレスミン、Epitol
- 関
- 抗痙攣薬、抗てんかん薬、抗躁薬
特徴
構造
作用機序
- フェニトインに似る
- Naチャネルをブロックする (SPC.187)
薬理作用
- 鎮静作用、抗コリン作用、骨格筋弛緩作用、抗不整脈作用、抗利尿作用
適応
[★]
テグレトール、carbamazepine