- 英
- atypical endometrial hyperplasia
- 関
- 子宮内膜増殖症、異型子宮内膜増殖症
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 子宮鏡にて治療, 管理した子宮内膜異型増殖症合併不妊の一例
- 大田 昌治,梅澤 聡,小林 弥生子,田村 和也,山崎 龍王,小林 織恵,重田 優子,神部 友香理,塚本 可奈子,岩崎 真一,野木 才美
- 日本受精着床学会雑誌 27(1), 272-277, 2010-03-20
- NAID 10027211793
- P3-189 子宮内膜異型増殖症および子宮体癌患者に対する黄体ホルモン放出子宮内器具による子宮温存療法に関する検討(Group122 子宮体部悪性腫瘍10,一般演題,第62回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 田畑 務,塩崎 隆也,長尾 賢治,近藤 英司,谷田 耕治,奥川 利治,佐川 典正
- 日本産科婦人科學會雜誌 62(2), 687, 2010-02-01
- NAID 110007686449
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- 1)単純性子宮内膜増殖症 2)混合性子宮内膜増殖症 3)異型子宮内膜増殖症 このうち 、1)と2)はエストロゲンに依存するものであり、ホルモン治療により治癒できるものと言 われていますが、ごく軽症のものでは自然経過を見ているうちに消滅してしまうものも ...
- 子宮内膜増殖症のなかで細胞異型(核異型)を伴うものは異型を伴わないものに比べ. て癌へ進行する可能性が高いため,組織学的に ... は,異型を伴わない増殖症で1〜3 %,単純型子宮内膜異型増殖症で8%,複雑型子宮内. 膜異型増殖症で29%である1) 。
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★リンクテーブル★
[★]
- 34歳の2回経産婦。不正出血を訴えて来院した。分娩2か月後から月経は回復していたが、5か月目から少量の不正出血を認めた。内診では子宮は正常よりやや大きく、付属器に異常はなかった。経膣超音波検査で子宮体部に子宮筋腫様の腫瘤がみられ、子宮体部細胞診では異常細胞を認めた。ヒステロスコピィ下の組織生検を行い、そのH-E染色標本を以下に示す。尿中hCGは120IU/l、血清hCG-βは5ng/mlであった。本人および家族と相談の結果、単純子宮全摘術を行った。摘出子宮標本の写真を以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [097D040]←[国試_097]→[097D042]
[★]
- 英
- uterine corpus cancer, carcinoma of uterine corpus, cancer of the uterine body
- ラ
- carcinoma corporis uteri
- 同
- 子宮内膜癌 endometrial carcinoma endometrial cancer
- 関
- 子宮、腫瘍、産婦人科学、子宮内膜増殖症(前癌病変)
定義
疫学
- 発生頻度は欧米に多く、日本では少ない(女性人口10万当たり4)→高齢化、生活習慣との関連
- 発症年齢は50歳代が最も多く、閉経後が7割を占める。40歳以下の婦人は5%程度。
- 妊娠中および分娩後5年以内に体癌が発見されることはほとんどない。
- 日本では近年増加傾向。子宮癌全体の30%を占める(みえる9.150)
リスクファクター
- プロゲステロンに拮抗されずに、エストロゲンに長期暴露されることによる
- 典型像:60歳くらいの太った未産の女性
- 未婚、不妊、閉経後、高い初婚・初妊年齢、少ない妊娠・出産回数、卵胞ホルモン服用歴、肥満
- 卵巣機能異常(無排卵周期症、PCOSなどの既往) → 正常量のエストロゲンが存在するものの、これに拮抗するプロゲステロンが欠乏する
- 出典不明
症状
- ほとんどの場合に症状がある。
- 9割で不正性器出血がみられる。そのほか過多月経、異常帯下、下腹部痛など。
子宮体癌の組織的分類
- ()内の頻度はG9M.155
-
G9M.155
- 類内膜癌(80-90%) → 類内膜腺癌(60-70%)、扁平上皮への分化を伴う類内膜腺癌(20-30%)
- 細胞異型が強い場合にはGradeを上げる。
- Grade1(高分化型)充実増殖の占める割合が腺癌成分の5%以下。プロゲステロン受容体陽性率高。予後良好
- Grade2(中分化型)充実増殖の占める割合が腺癌成分の6-50%。プロゲステロン受容体陽性率中。予後中等度
- Grade3(低分化型)充実増殖の占める割合が腺癌成分の50%超。プロゲステロン受容体陽性率低。予後不良
発生機序による分類
- type I:エストロゲン依存性。発症は遺伝子変異とエストロゲンの長期持続刺激による子宮内膜細胞の異常増殖
- type II:エストロゲン非依存性。子宮内膜異型増殖症を介さないで癌化する
検査
超音波エコー(経膣超音波)
腫瘍マーカー
MRI
- T2画像が有用。
- junctional zoneの菲薄化・欠損
- 子宮内膜>腫瘍>筋層>junctional zone
診断
- 子宮腔内の吸引あるいは擦過細胞診による検出率:90%以上
- 子宮頚・腟部からの細胞採取による検出率:50%以下
手術進行期分類 (日産婦 1995,FIGO1998)
- 原則として手術進行期分類を用い、手術を行っていない例では臨床進行期分類を用いる
体 → 頚 → 骨盤内 → 骨盤外
- 0期: 子宮内膜異型増殖症
- I期: 子宮体部に限局
- Ia期: 子宮内膜に限局
- Ib期: 浸潤が子宮筋層1/2以内
- Ic期: 浸潤が子宮筋層1/2を越える
- II期: 子宮頸部に及ぶ
- IIa期: 頸管腺のみ
- IIb期: 頸部間質浸潤
- III期: 子宮外に広がるが小骨盤腔を越えない、または所属リンパ節転移
- IIIa期: 漿膜浸潤、付属器浸潤、腹膜細胞診陽性
- IIIb期: 膣転移
- IIIc期: 所属リンパ節転移(骨盤リンパ節、傍大動脈リンパ節)
- IV期: 小骨盤腔を越える、または明らかな膀胱または腸粘膜を侵す
- IVa期: 膀胱、腸粘膜へ浸潤
- IVb期: 遠隔転移(腹腔内リンパ節、鼠径リンパ節転移を含む)
転移
症状
治療
- 手術療法、放射線療法、薬物療法(抗ガン剤、ホルモン療法)
- 治療法の基本は手術療法(単純子宮全摘術、準広汎子宮全摘術、広汎子宮全摘術)。
- 補助的に摘出術を追加することがある:両側付属器切除術、リンパ節郭清、部分大網切除術
- 薬物療法・放射線療法:手術不能例、再発例、術後の補助療法
薬物療法
抗悪性腫瘍薬
- シスプラチン、アドリアマイシン、タキサン系の多剤併用療法
化学療法のレジメン
- 参考:http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/nmk/cr/report/200702/502818.htm
ガイドライン的には「アンスラサイクリン系とプラチナ製剤を含む薬剤の選択が薦められている(グレードB)。タキサン系製剤も併用さているが、その十分な根拠は得られていない(グレードC)。(子宮体癌の治療ガイドライン2006年)
一般的な抗腫瘍薬による副作用
ホルモン療法
- ホルモン療法単体:挙児希望のGrade1のIa期:高用量MPA
- 術後補助療法:再発リスクの低い場合、高用量黄体ホルモン療法は非推奨(グレードD)(参考2)
手術療法
-
- MRIや肉眼で明らかな頸部間質浸潤が認められるとき。
- 骨盤リンパ節郭清:基本的に施行。省略するのは、類内膜癌Grade1で、画像診断で病変が子宮内膜に限局すると推定される場合のみ。
- 傍大動脈リンパ節郭清
- 鼠径リンパ節郭清
傍大動脈リンパ節郭清術と部分大網切除術の適応
- 転移リスクが高いため
- 1. 骨盤リンパ節転移例
- 2. 付属器転移例
- 3. 筋層浸潤が1/2を超す例
- 4. 予後不良例(組織型が類内膜癌Grade3、漿液性腺癌、明細胞腺癌、癌肉腫など)。太字の物は特に大網転移率が高い。
放射線療法
- 子宮頚癌(扁平上皮癌)より放射線は有効ではない。 → 放射線療法は腺癌に奏効しづらい!!!
子宮温存を希望する若年性子宮体癌
- 根治治療ではなく、いずれは子宮全摘が必要。
- 再発例では子宮全摘
適応
治療
予後
予後規定因子
- 筋層浸潤の深さ、頚部浸潤、子宮外進展、リンパ節転移、病理組織型、組織学的分化度、血管・リンパ管侵襲
5年生存率
臨床進行期
|
5年生存率(%)
|
出典不明(相対)
|
NGY.229
|
I
|
86
|
79
|
II
|
68
|
66.8
|
III
|
42
|
37.5
|
IV
|
16
|
8.5
|
国試
症例
- 55歳の女性。不正性器出血を主訴に来院した。未経妊、閉経51歳。不妊治療をした経験がある。子宮は鶏卵大で卵巣は両側とも触知しない。経膣超音波で子宮内膜の肥厚が見られる。
子宮体癌治療ガイドライン(2006年)
- 1)進行期決定のために手術術式の選択が必要である。
- 2)子宮体癌は放射線感受性が低く、抗ガン剤の標準治療の確立が遅れている。
- このことから子宮体癌では手術療法が第一選択。高齢や内科的合併症などの理由で、放射線療法が選択される場合もある。
参考
- http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/2006/10/post_d2b6.html
- 2. 子宮体がん治療ガイドライン2009年版:(金原出版)
- http://www.jsgo.gr.jp/guideline/taigan.html
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0050/1/0050_G0000135_GL.html
[★]
- 英
- simple total hysterectomy
- 同
- 単純子宮全摘除術、単純子宮全摘出術
[show details]
適応
術式
[★]
子宮内膜異型増殖症、異型子宮内膜増殖症
- 関
- endometrial hyperplasia
[★]
- 英
- atypical endometrial hyperplasia
- 関
- 子宮内膜異型増殖症
[★]
- 同
- atypical endometrial hyperplasia, simple, AEH-S
- simple atypical hyperplasia, SAH
- 関
- 子宮内膜増殖症, endometrial hyperplasia
[★]
- 英
- uterus (Z), womb, metra
- 関
- 内性器
発生学的由来
解剖
支持構造
組織
子宮
子宮の大きさ
- 鶏卵大。(非妊娠時)逆位の前後にやや扁平な西洋梨状で長さ約7cm、幅約4cm、厚さ約2.5cm、重さ30~40g。
妊娠と子宮の大きさ、子宮底の高さ、恥骨結合上縁から子宮底までの長さ
妊娠月数
|
子宮の大きさ
|
子宮底の高さ
|
恥骨結合上縁から子宮底までの長さ
|
第1月末
|
鶏卵大
|
|
|
|
第2月末
|
鵞卵大
|
|
|
|
第3月末
|
手拳大
|
|
|
|
第4月末
|
小児頭大
|
恥骨結合上2-3横指
|
12cm
|
(妊娠月数x3)
|
第5月末
|
成人頭大
|
恥骨結合と臍との中央
|
15cm
|
第6月末
|
|
臍高
|
21cm
|
(妊娠月数x3+3)
|
第7月末
|
|
臍上2-3横指
|
24cm
|
第8月末
|
|
剣状突起と臍との中央
|
27cm
|
第9月末
|
|
剣状突起下2-3横指
|
30cm
|
第10月末
|
|
剣状突起と臍との中央
|
33cm
|
|
産褥0日分娩直後
|
|
臍下3横指
|
11cm
|
|
産褥0日12時間後
|
|
臍高(右に傾く)
|
15cm
|
|
産褥1-2日
|
|
臍下1-2横指
|
12cm
|
|
産褥3日
|
|
臍下3横指
|
10cm
|
|
産褥5日
|
|
臍高と恥骨結合上縁との中間
|
9cm
|
|
産褥7日(産褥1週)
|
手拳大
|
恥骨結合上縁
|
|
|
産褥10日
|
|
腹壁から触れない
|
|
|
(産褥6週)
|
鶏卵大
|
|
|
|
臨床関連
-
[★]
- 英
- endometrium (Z,HIS)
- ラ
- tunica mucosa uteri
- 同
- 子宮粘膜
- 関
- 子宮、子宮内膜肥厚
- 子宮の内面を覆う粘膜の別名。厚さや性状は月経周期の時期により大差がある。
- 子宮腺を有する
組織
- 単層円柱上皮
- 上皮は無線毛分泌細胞と線毛細胞からなる
- 上皮が粘膜固有層に落ち込み単一管状腺の形態を取る子宮腺を形成
- 機能層:月経が起こるとはげ落ちる。ラセン動脈を有する
厚さ
- 閉経後の患者において内膜細胞診を行うcut-off値は4-6mm。これ以下であれば、子宮内膜癌は除外診断できる。肥厚が認められた場合、子宮内膜癌、子宮内膜増殖症、子宮内膜ポリープ、粘膜下筋腫を鑑別する(エコーでは区別しづらい)。ただし、辺縁が明瞭な結節があれば、子宮内膜ポリープ、粘膜下筋腫が疑われる。subendometrial haloの中断があれば、子宮内膜癌の筋膜浸潤が示唆される。(SRA.573)
超音波エコー所見
- QB.Q-15 SRA.573 G9M.17(写真)
- 増殖期:早期では薄く高輝度。中期では中央に線状エコーを伴う低輝度「木の葉状」、後期では厚さを増し7-14mmとなる。排卵が近くなると壁側が幾分高輝度。筋層よりも低輝度である。排卵直前には厚さは10mm程度となる。
- 排卵 :内腔エコー消失
- 分泌期:(子宮内膜の輪郭は楕円形となり、)子宮内膜全体が均一な高輝度
MRI所見
- 水と同じようなかんじ。みずみずしい?
臨床関連
[★]
- 英
- intima, intimal (adj.), inner membrane, internal tunic
- ラ
- tunica intima (Z)
- 関
- 中膜、血管
組織
病理
血管の損傷
粥状硬化症
- 内皮下結合組織に粥腫ができる。
- necroticcenterはfibrous capにかこまれる
- fibrous cap
- 平滑筋、マクロファージ、泡沫細胞、リンパ球、コラーゲン、エラスチン、プロテオグリカン、血管新生
- necrotic center
- 壊死組織、コレステロールの血漿、泡沫細胞、カルシウム
梗塞
[★]
- 英
- atypism、atypical、variant、off-type、meta
- 関
- オフ型、異なる、非定型、非定型性、非定型的、変異、変異株、変異体、変種、メタ、変異形、バリアント、アティピア atypia、異型性
[★]
- 英
- sis, pathy