HMG-CoA還元酵素阻害薬
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この項目では、コレステロール低下薬について説明しています。アミノ酸については「スタチン (アミノ酸)」をご覧ください。 |
遠藤らによって最初に発見されたメバスタチンの構造式
スタチン (Statin)、またはHMG-CoA還元酵素阻害薬は、HMG-CoA還元酵素の働きを阻害することによって、血液中のコレステロール値を低下させる薬物の総称である。
1973年に日本の遠藤章らによって最初のスタチンであるメバスタチンが発見されて以来、様々な種類のスタチンが開発され、高コレステロール血症の治療薬として世界各国で使用されている。近年の大規模臨床試験により、スタチンは高脂血症患者での心筋梗塞や脳血管障害の発症リスクを低下させる効果があることが明らかにされている。
目次
- 1 歴史
- 2 作用機序
- 3 副作用
- 4 適応症
- 5 一覧
- 6 出典・脚注
- 7 関連項目
歴史
発見
1971年、三共(現:第一三共)の発酵研究所に所属(当時)していた遠藤章のグループは、HMG-CoA還元酵素を阻害する物質の研究を開始した。HMG-CoA還元酵素はメバロン酸の合成に必要な酵素であり、メバロン酸は菌類の細胞膜・細胞骨格構成成分の重要な素材であることから、自己防衛手段としてこの酵素を阻害する物質を持つ微生物が存在するのではないかと彼らは考えたのである[1]。1973年、6,000種に及ぶ微生物を検索した結果、遠藤らはアオカビの一種 (Penicillium citrinum) から最初のHMG-CoA還元酵素阻害薬であるメバスタチンを発見した[2]。彼らはメバスタチンの構造やHMG-CoA還元酵素を阻害するメカニズムについて解析すると共に、実際に血中のコレステロール値を低下させることができるかどうか、動物実験による検討を行った。ラット・マウスなど齧歯類では再現性のあるデータを得られなかったものの、ニワトリやイヌ、そしてより人間に近いサルでは血中コレステロール値は20-50%程度低下し、メバスタチンの効果を実証することに成功した[3][4]。
製品化
ロバスタチンは世界で初めて製品化されたスタチンである
ヒトの脂質異常症患者や健康なボランティアを対象にした小規模試験においてもメバスタチンの有効性が示され、1979年に日本国内での臨床試験が開始された。しかし、長期高濃度投与実験を行っていたイヌで副作用が発生したことを受け、臨床試験は1年余りで中止となった[1]。一方、メバスタチンの効果に関心を寄せていたアメリカの大手製薬企業・メルク(MSD)社は、遠藤からサンプルやデータの提供を受けながら独自に研究開発を進めた結果、コウジカビの一種 (Aspergillus terreus) から新たなスタチンであるロバスタチンを分離することに成功した[1]。その後の臨床試験で、ロバスタチンは安全性が比較的高く、メバスタチンと同程度のコレステロール低下作用を持つことが示された[5]。1987年、アメリカ食品医薬品局(FDA)から医薬品としての認可を受け、ロバスタチンは製品化された最初のスタチンとなった[6]。
高コレステロール血症は(心血管障害・脳血管障害を導く)動脈硬化症の主要なリスク要因の一つと考えられている[7]。スタチンの発見は、高コレステロール血症と関連疾患の予防、および基礎研究に多大な進歩をもたらした。遠藤と共同研究を行い、コレステロールの代謝・作用機序を解明したアメリカのマイケル・ブラウンとジョーゼフ・ゴールドスタインの2名に、1985年度のノーベル生理学・医学賞が贈られている。遠藤もまた「スタチンの発見と開発」における一連の業績により、2006年の日本国際賞、さらに2008年には「アメリカのノーベル医学生理学賞」とも言われるラスカー賞(臨床医学研究部門)を受賞した[8]。日本では、東海大学内科助教授(当時)中谷矩章、京都大学老年科教授(当時)北徹、金沢大学内科助教授(当時)馬渕宏らにより、1989年にプラバスタチン(商品名メバロチン)が製品化された。
後発品
ロスバスタチンの基本特許満了伴い、国内では2011年11月に後発品が発売されたが、先発企業が有する結晶形の特許回避が困難であり、大型製品であるにも関わらず、わずか5社(うち2社は同一のもの)のみであった。
作用機序
コレステロール生合成の流れ(英語版)。スタチンは律速段階である上流のHMG-CoA還元酵素を阻害する。
体内に吸収されたスタチンは、主に肝臓に分布する。スタチンはメバロン酸経路の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素の働きを阻害することで、肝臓でのコレステロール生合成を低下させる。その結果、コレステロール恒常性維持のため肝臓でのLDL受容体発現が上昇し、血液から肝臓へのLDLコレステロールの取り込みが促進される[9]。LDLは一般に「悪玉コレステロール」と呼ばれ、血管壁にアテロームを形成して動脈硬化症の原因となる。コレステロール生合成の抑制が持続することにより、血液中へのVLDL(主にコレステロールとトリグリセリドからなるリポ蛋白)分泌も低下するため、血漿トリグリセリド値も低下する。
副作用
スタチンの投与によってみられる副作用には、腹痛・発疹・倦怠感などのほかに、重篤なものとして横紋筋融解症・末梢神経障害・ミオパシー・肝機能障害・血小板減少などがある。このうち横紋筋融解症は急激な腎障害を伴うことがあるため、投与時にはクレアチンキナーゼやミオグロビンなど筋原酵素の動態に注意を払う必要がある。
高用量のスタチンを処方した場合、急性腎障害による入院率が上昇するとの報告がある[10]。
相互作用
脂質降下薬の一種であるフィブラート系薬剤とスタチンを併用すると、横紋筋融解症の発生リスクが高まることが知られており、これら2剤の併用は原則禁忌とされている。2001年にはセリバスタチンとゲムフィブロジル製剤を併用した症例で高頻度に横紋筋融解症が発生することが報告され、セリバスタチン製剤の自主回収が行われた[11]。
適応症
一覧
「脂質降下薬#高LDL-C血症」も参照
メバスタチン(製品化されず)の発見以降、8種類のスタチンが日本および海外の製薬会社から医薬品として販売されている。
スタチン |
主な商品名 |
製薬会社 |
備考 |
ロスバスタチン(Rosuvastatin) |
クレストール |
塩野義製薬/アストラゼネカ |
- |
ピタバスタチン(Pitavastatin) |
リバロ |
興和創薬 |
- |
アトルバスタチン(Atorvastatin) |
リピトール(Lipitor) |
ファイザー/アステラス製薬 |
- |
セリバスタチン(Cerivastatin) |
バイコール(Baycol)/セルタ |
バイエル/武田薬品工業 |
副作用のため2001年以降各国で回収対象 |
フルバスタチン(Fluvastatin) |
ローコール |
ノバルティスファーマ/田辺三菱製薬 |
- |
シンバスタチン(Simvastatin) |
リポバス(Zocor) |
メルク(MSD)/万有製薬(現:MSD) |
- |
プラバスタチン(Pravastatin) |
メバロチン(Pravachol) |
第一三共/ブリストル・マイヤーズ スクイブ |
製品化は1989年、後発医薬品あり |
ロバスタチン(Lovastatin) |
メバコール |
メルク(MSD) |
初めて製品化されたスタチン(1987年) |
メバスタチン(Mevastatin) |
(未製品化) |
- |
最初に発見されたスタチン(1973年) |
出典・脚注
- ^ a b c Endo A (1992). "The discovery and development of HMG-CoA reductase inhibitors" (PDF). J Lipid Res 33 (11): 1569–1582. PMID 1464741.
- ^ Endo A, Kuroda M, Tsujita Y (1976). "ML-236A, ML-236B, and ML-236C, new inhibitors of cholesterogenesis produced by Penicillium citrinum". J Antibiot 29 (12): 1346–1348. PMID 1010803.
- ^ Tsujita Y, Kuroda M, Tanzawa K, Kitano N, Endo A (1979). "Hypolipidemic effects in dogs of ML-236B, a competitive inhibitor of 3-hydroxy-3-methylglutaryl coenzyme A reductase". Atherosclerosis 32 (3): 307–313. PMID 223590.
- ^ Kuroda M, Tsujita Y, Tanzawa K, Endo A (1979). "Hypolipidemic effects in monkeys of ML-236B, a competitive inhibitor of 3-hydroxy-3-methylglutaryl coenzyme A reductase". Lipids 14 (6): 585–589. PMID 110993.
- ^ The Lovastatin Study Group II (1986). "Therapeutic response to lovastatin (mevinolin) in nonfamilial hypercholesterolemia. A multicenter study". JAMA 256 (20): 2829–2834. PMID 3534333.
- ^ Grundy SM (1988). "HMG-CoA reductase inhibitors for treatment of hypercholesterolemia". NEJM 319 (1): 24–33. PMID 3288867.
- ^ Christians U, Jacobsen W, Floren LC (1998). "Metabolism and drug interactions of 3-hydroxy-3-methylglutaryl coenzyme A reductase inhibitors in transplant patients: are the statins mechanistically similar?". Pharmacol Ther 80 (1): 1–34. PMID 9804052.
- ^ 2006年(第22回)日本国際賞受賞者「治療技術の開発と展開」分野 - 財団法人国際科学技術財団
- ^ Ma PT, Gil G, Südhof TC, Bilheimer DW, Goldstein JL, Brown MS (1986). "Mevinolin, an inhibitor of cholesterol synthesis, induces mRNA for low density lipoprotein receptor in livers of hamsters and rabbits". Proc Natl Acad Sci USA 83 (21): 8370–8374. PMID 3464957.
- ^ 大西淳子「強力なスタチン療法は急性腎障害による入院リスク上昇に関与」、『日経メディカル オンライン』2013年4月8日、2013年4月10日閲覧。
- ^ Furberg CD, Pitt B (2001). "Withdrawal of cerivastatin from the world market". Curr Control Trials Cardiovasc Med 2 (5): 205–207. PMID 11806796.
関連項目
以下の遺伝子、タンパク質、代謝はそれぞれの記事をリンクされている [§ 1]
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- ^ この双方向伝達経路地図はWikiPathwaysで編集できる: “Statin_Pathway_WP430”. 2014年5月7日閲覧。
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薬理学:医薬品の分類 |
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消化器/代謝(A) |
- 胃酸中和剤
- 制吐薬
- 瀉下薬
- 止瀉薬/止痢薬
- 抗肥満薬
- 血糖降下薬
- ビタミン
- ミネラル
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血液、血液生成器官(B) |
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循環器系(C) |
- 心臓療法/狭心症治療薬
- 高血圧治療薬
- 利尿薬
- 血管拡張薬
- 交感神経β受容体遮断薬
- カルシウム拮抗剤
- レニン-アンジオテンシン系
- ACE阻害薬
- アンジオテンシンII受容体拮抗薬
- レニン阻害薬
- 脂質降下薬
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皮膚(D) |
- 皮膚軟化剤
- 瘢痕形成剤
- 鎮痒薬
- 乾癬治療薬
- 他の皮膚薬
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泌尿生殖器系(G) |
- ホルモン避妊薬
- 排卵誘発治療
- SERM
- 性ホルモン
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内分泌器(H) |
- 視床下部脳下垂体ホルモン
- 副腎皮質ホルモン
- 性ホルモン
- 甲状腺ホルモン/抗甲状腺薬
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感染(J、P、QI) |
- 抗菌薬
- 抗真菌薬
- 抗ウイルス薬
- 抗寄生虫薬
- 外部寄生虫駆除剤
- 静注用免疫グロブリン
- ワクチン
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悪性腫瘍(L01-L02) |
- 抗がん剤
- 代謝拮抗薬
- 抗腫瘍性アルキル化薬
- 紡錘体毒
- 抗悪性腫瘍薬
- トポイソメラーゼ阻害薬
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免疫系(L03-L04) |
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筋肉、骨、関節(M) |
- アナボリックステロイド
- 抗炎症薬
- 抗リウマチ
- 副腎皮質ホルモン
- 筋弛緩剤
- ビスホスホネート
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脳、神経(N) |
- 鎮痛剤
- 麻酔剤
- 食欲低下薬
- ADHD治療
- 中毒医学
- 抗てんかん薬
- アルツハイマー治療
- 抗うつ薬
- 片頭痛治療
- 抗パーキンソン病薬
- 抗精神病薬
- 抗不安薬
- 抑制剤
- エンタクトゲン
- エンセオジェン
- 陶酔薬
- 幻覚剤
- 催眠薬/鎮静薬
- 気分安定薬
- 神経保護
- スマートドラッグ
- 神経毒
- 食欲促進
- セレニック
- 精神刺激薬
- 覚醒促進物質
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呼吸器(R) |
- 鬱血除去薬
- 気管支拡張薬
- 鎮咳去痰薬
- 抗ヒスタミン薬
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感覚器(S) |
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その他ATC(V) |
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 胆石症の手術入院を契機として診断されたインスリノーマの1例
- 高橋 憲史,大矢 敏裕,松本 広志,多胡 賢一,清水 尚,沼賀 有紀,家里 裕,横森 忠紘,竹吉 泉
- The Kitakanto medical journal 61(1), 63-68, 2011-02-01
- … 病理組織診断はislet cell tumor(typical case), ホルモン産生はインスリン(+), グルカゴン(一), ソマトスタチン(+/一)であった. …
- NAID 120002789399
- 日本発臨床研究の紹介と反省点を語る Introduction and summary of results: The ESTABLISH study: demonstration of the beneficial effect on atherosclerotic lesions by serial volumetric intravascular ultrasound analysis during half a year after coronary event ([日本内科学会]専門医部会)
Related Links
- スタチン (Statin)、またはHMG-CoA還元酵素阻害薬は、HMG-CoA還元酵素の働きを 阻害することによって、血液中のコレステロール値を低下させる薬物の総称である。 1973年に日本の遠藤章らによって最初のスタチンであるメバスタチンが発見されて以来 、 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
- 持続性ソマトスタチンアナログマイクロスフェア型徐放性製剤
販売名
サンドスタチンLAR筋注用10mg
組成
- 本剤は専用分散液にて用時懸濁して用いる注射剤であり、それぞれ下記の成分・分量を含有する。
成分・含量注1)
- 1バイアル中、オクトレオチド酢酸塩11.2mg(オクトレオチドとして10mg)
添加物注1)
- 乳酸・グリコール酸共重合体(11:9)グルコースエステル 188.8mg
D-マンニトール 41.0mg
- 注1)本剤の実際の充填量は表示量より過量で、表示量を注射するに足りる量である。
禁忌
効能または効果
下記疾患に伴う諸症状の改善
- 消化管ホルモン産生腫瘍(VIP産生腫瘍、カルチノイド症候群の特徴を示すカルチノイド腫瘍、ガストリン産生腫瘍)
- *消化管神経内分泌腫瘍
下記疾患における成長ホルモン、ソマトメジン-C分泌過剰状態及び諸症状の改善
- 先端巨大症・下垂体性巨人症(外科的処置、他剤による治療で効果が不十分な場合又は施行が困難な場合)
*消化管ホルモン産生腫瘍及び先端巨大症・下垂体性巨人症
- オクトレオチド酢酸塩注射液により有効性及び忍容性が確認されている患者に投与すること。
- 現在オクトレオチド酢酸塩注射液が投与されていない患者に本剤を投与する場合には、オクトレオチド酢酸塩注射液を2週間以上投与し、有効性及び忍容性を確認した上で本剤を投与すること。
- 下垂体性巨人症については、脳性巨人症や染色体異常など他の原因による高身長例を鑑別し、下垂体性病変に由来するものであることを十分に確認すること。
消化管ホルモン産生腫瘍
- 通常、成人にはオクトレオチドとして20mgを4週毎に3ヵ月間、殿部筋肉内に注射する。その後は症状により10mg、20mg又は30mgを4週毎に投与する。ただし、初回投与後2週間は薬物濃度が十分な濃度に達しないことから、本剤投与前に投与していた同一用量のオクトレオチド酢酸塩注射液を併用する。
*消化管神経内分泌腫瘍
- 通常、成人にはオクトレオチドとして30mgを4週毎に、殿部筋肉内に注射する。なお、患者の状態により適宜減量すること。
先端巨大症・下垂体性巨人症
- 通常、成人にはオクトレオチドとして20mgを4週毎に3ヵ月間、殿部筋肉内に注射する。その後は病態に応じて10mg、20mg又は30mgを4週毎に投与するが、30mg投与で効果が不十分な場合に限り40mgまで増量できる。
消化管ホルモン産生腫瘍
- 本剤投与中に症状が悪化した場合は、オクトレオチド酢酸塩注射液を併用することが望ましい。
先端巨大症・下垂体性巨人症
- 用量は、成長ホルモン濃度、インスリン様成長因子-I/ソマトメジン-C濃度及び臨床症状により10mg単位で適宜増減できる。
- 40mgの投与にあたっては、20mgずつを異なる2箇所に注射する。
重大な副作用
**アナフィラキシー
(頻度不明)
- オクトレオチド酢酸塩製剤を投与した場合、血圧低下、呼吸困難、気管支痙攣等のアナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、皮疹、そう痒、蕁麻疹、発疹を伴う末梢性の浮腫等があらわれた場合には適切な処置を行うこと。また、その後の投与は行わないこと。
*徐脈
(1.3%)
- オクトレオチド酢酸塩製剤を投与した場合、重篤な徐脈を起こすことがあるので、観察を十分に行い、徐脈が認められた場合には必要に応じて適切な処置を行うこと。また、徐脈が認められた場合、β-遮断剤、カルシウム拮抗剤等の徐脈作用を有する薬剤又は水分や電解質を補正する薬剤を投与している患者では、必要に応じてこれらの用量を調節すること。
薬効薬理
- 本剤はVIP産生腫瘍患者において血中VIP濃度を低下させる。13,14)
- 本剤はカルチノイド症候群の患者において、セロトニンの主要代謝物である5-HIAAの尿中排泄量を低下させる。15)
- 本剤はガストリン産生腫瘍患者において血中ガストリン濃度を低下させる。16)
- 本剤は先端巨大症患者の下垂体腺腫細胞からのGH放出を抑制する(in vivo17)、in vitro18))。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- オクトレオチド酢酸塩(Octreotide Acetate)
化学名
- (−)-D-Phenylalanyl-L-cysteinyl-L-phenylalanyl-D-tryptophyl-L-lysyl-L-threonyl-N-[(1R,2R)-2-hydroxy-1-(hydroxymethyl)propyl]-L-cysteinamide cyclic(2→7)disulfide diacetate
分子式
分子量
性状
- 白色〜微黄白色の粉末で、わずかに酢酸臭がある。水に極めて溶けやすく、メタノール、酢酸(100)、エタノール(95)又は1-ブタノールに溶けやすく、アセトニトリルに極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品の水溶液(1→100)のpHは5.0〜7.0である。吸湿性である。
★リンクテーブル★
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- 次の文を読み、28、29の問いに答えよ。
- 62歳の男性。右下肢の痛みを主訴に来院した。
- 現病歴:半年前から散歩の際に右下肢の疲れやすさを自覚していた。1か月前から15分程度の平地歩行で右下肢の痛みが出現するようになった。しばらく立ち止まっていると痛みが軽快して再び歩くことができた。様子をみていたが同様の症状が続くため受診した。
- 既往歴:45歳から高血圧症、脂質異常症および高尿酸血症。55歳から心房細動。57歳から逆流性食道炎。アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、尿酸排泄促進薬、抗凝固薬およびプロトンポンプ阻害薬を処方されている。
- 生活歴:喫煙は30本/日を42年間。飲酒はビール500mL/日を42年間。営業職で外食が多い。
- 家族歴:父親が82歳で大動脈瘤破裂。母親が84歳で脳梗塞。
- 現症:意識は清明。身長 172cm、体重 82kg。体温 36.2℃。脈拍 92/分、整。血圧は右上腕で142/92mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認めない。両頸部および両鎖骨上部に血管雑音を聴取しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸雑音を聴取する。腹部大動脈の拍動を触知しない。両鼠径部に血管雑音を聴取しない。四肢末梢に皮膚潰瘍を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ケトン体(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 537万、Hb 17.4g/dL、Ht 54%、白血球 6,300、血小板 22万、PT-INR 2.1(基準 0.9~1.1)。血液生化学所見:総蛋白 7.4g/dL、アルブミン 3.8g/dL、総ビリルビン 1.0mg/dL、直接ビリルビン 0.3mg/dL、AST 26U/L、ALT 18U/L、LD 182U/L(基準 176~353)、ALP 320U/L(基準 115~359)、γ-GTP 142U/L(基準8~50)、CK 120U/L(基準30~140)、尿素窒素 22mg/dL、クレアチニン 1.2mg/dL、尿酸 7.2mg/dL、血糖 108mg/dL、総コレステロール 278mg/dL、トリグリセリド 356mg/dL、HDLコレステロール 48mg/dL、Na 140mEq/L、K 3.9mEq/L、Cl 98mEq/L。
- 抗血小板作用を有する血管拡張薬を追加する場合、服用中の薬剤で副作用が出現する可能性が高まるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111F028]←[国試_111]→[111F030]
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- 次の文を読み、63~65の問いに答えよ。
- 84歳の女性。失神と眼前暗黒感とを主訴に来院した。
- 現病歴:1週間前から時々気が遠くなるようなふらつきを自覚していたが、本日、朝食前に突然眼前暗黒感を自覚し意識が消失した。意識はすぐに回復したが、心配になり長女に付き添われて救急外来を受診した。
- 既往歴:60歳ごろから高血圧症と脂質異常症。75歳ごろから骨粗鬆症と逆流性食道炎。80歳ごろから心不全と心房細動で内服治療中。アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、ビスホスホネート製剤、プロトンポンプ阻害薬およびジゴキシンを処方されている。
- 生活歴:ADLは自立している。長女夫婦と3人暮らし。喫煙歴と飲酒歴はない。
- 家族歴:父親が心筋梗塞で死亡。母親が胃癌で死亡。
- 現症:意識は清明。身長 150cm、体重 42kg。体温 35.8℃。脈拍 36/分、不整。血圧 152/70mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 96%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心尖部を最強点とするⅡ/Ⅵの汎収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。神経学的所見に異常を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白(±)、糖(-)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 352万、Hb 11.8g/dL、Ht 36%、白血球 5,800、血小板 16万。血液生化学所見:総蛋白 6.8g/dL、アルブミン 3.9g/dL、AST 28U/L、ALT 32U/L、ALP 164U/L(基準 115~359)、CK 45U/L(基準 30~140)、尿素窒素 24mg/dL、クレアチニン 1.4mg/dL、血糖 110mg/dL、HbA1c 5.7%(基準 4.6~6.2)、Na 133mEq/L、K 3.6mEq/L、Cl 97mEq/L。CRP 0.3mg/dL。
- 中止すべき薬剤はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111G063]←[国試_111]→[111G065]
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- 52歳の男性。歩行時の胸痛を主訴に来院した。
- 現病歴:1週間前から階段を昇ったときに前胸部痛を感じていた。前胸部痛は下顎にも放散し、安静にすると1分程度で消失していた。4日前から平地歩行でも胸痛が出現。今朝からは安静時にも2~3分続く症状が出現するようになったため、家族に付き添われて来院した。
- 既往歴:3年前から高血圧症で、カルシウム拮抗薬とアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬を内服中。生活歴:喫煙は15本/日を30年間。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父親が脂質異常症。現症:身長 168cm、体重 88kg。脈拍 72/分、整。血圧 136/78mmHg。呼吸数 28/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・ 脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。
- 検査所見:血液所見:赤血球 450万、Hb 14.5g/dL、Ht 42%、白血球 6,800、血小板 25万。血液生化学所見:総蛋白 7.5g/dL、アルブミン 4.0g/dL、AST 25U/L、ALT 20U/L、尿素窒素 15mg/dL、クレアチニン 1.0mg/dL、総コレステロール 280mg/dL、トリグリセリド 150mg/dL、HDLコレステロール 54mg/dL、CK 128U/L(基準 30~140)、尿酸 6.6mg/dL。心電図で洞調律、心拍数 84/分、整。V1、V2、V3、V4に軽度のST低下を認める。
- 冠動脈造影検査が施行された。冠動脈造影像(別冊No. 9)を別に示す。
- 冠動脈ステント留置術が行われた。これまでの内服に加えて、追加投与が必要な薬剤はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [113C061]←[国試_113]→[113C063]
[★]
- 78歳の女性。皮疹と食欲低下を主訴に来院した。高血圧症、狭心症および脂質異常症で自宅近くの医療機関に通院し、カルシウム拮抗薬、抗血小板薬およびスタチンの処方を受けていた。20日前の定期通院時の血清クレアチニンは0.7mg/dL、eGFR 61mL/分/1.73m2であった。5日前から左背部から側腹部にかけて痛みを伴う皮疹が出現し市販のNSAIDを腹用していたが改善せず、食事も摂れなくなったため受診した。意識は清明。身長 152cm、体重 41kg。体温 37.2℃。脈拍 88/分、整。血圧 142/80mmHg。左背部から側腹部にかけて紅斑と水疱を認め強い疹痛を伴っている。血液所見:赤血球 341万、Hb 11.0g/dL、Ht 33%、白血球 3,700、血小板 17万。血液生化学所見:尿素窒素 23mg/dL、クレアチニン 1.4mg/dL、eGFR 28mL/分/1.73m2、総コレステロール 210mg/dL、Na 143mEq/L、K 4.6mEq/L、Cl 106mEq/L。CRP 0.7mg/dL。帯状疱疹と診断され、強い痛みと食欲不振もあることから入院の上でアシクロビルによる帯状疱疹の治療を行うこととした。
- この患者で減量して投与すべきなのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [114A067]←[国試_114]→[114A069]
[★]
- 83歳の女性。全身の衰弱のため、心配した介護施設の職員に伴われて来院した。2か月前から介助がないと立ち上がれなくなった。1か月前からさらに活気がなくなり、1週間前から食事量も減少してきた。脳梗塞後遺症の左不全片麻痺、高血圧症、脂質異常症、骨粗鬆症および便秘のため、アスピリン、カルシウム拮抗薬、スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、活性型ビタミンD、酸化マグネシウム及びプロトンポンプ阻害薬を内服している。意識レベルはJCSⅠ-2。血圧 126/62mmHg。尿所見:蛋白(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 302万、Hb 9.7g/dL、Ht 30%、白血球 5,700、血小板 14万。血液生化学所見:総蛋白 6.3g/dL、アルブミン 3.3g/dL、AST 11U/L、ALT 16U/L、CK 97U/L(基準 30~140)、尿素窒素 28mg/dL、クレアチニン 2.8mg/dL、LDLコレステロール 120mg/dL、Na 134mEq/L、K 4.5mEq/L、Cl 100mEq/L、Ca 12.5mg/dL、P 3.1mg/dL、Mg 2.5mg/dL(基準 1.8~2.5)。
- この患者の衰弱の原因として最も考えられる薬剤はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111D045]←[国試_111]→[111D047]
[★]
- 65歳の男性。大腸ポリープの治療のため入院した。
- 現病歴:1か月前の大腸内視鏡検査でポリープを指摘され、内視鏡的ポリペクトミーが予定された。
- 既往歴:8年前から副鼻腔炎。5年前から心房細動、高血圧症および脂質異常症。3年前に2型糖尿病と診断され、インスリンを毎食前に自己注射している。
- 生活歴:妻と2人暮らし。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:5歳年上の兄が55歳時に狭心症。
- 現症:身長 173cm、体重 68kg。体温 36.1℃。脈拍 80/分、不整。血圧 140/74mmHg。呼吸数 14/分。眼瞼結膜に貧血を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
- 内視鏡的ポリペクトミーに際し、特に気を付けるべき内服薬はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113F067]←[国試_113]→[113F069]
[★]
- 67歳の男性。労作時胸痛の再発を主訴に来院した。10年前に胃潰瘍の既往がある。4か月前に狭心症、高血圧、高尿酸血症および高脂血症と診断され、経皮的冠動脈ステント留置術を受けた。その後は胸痛が消失し体調が良かったため、自己判断で1週前から処方薬の内服を中断していた。意識は清明。身長168cm、体重68kg、脈拍72/分、整。血圧132/78mmHg。心尖部でIV音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。下肢に浮腫を認めない。
- 以前服薬していた薬剤の中で、中断が労作時胸痛の再発に最も影響したのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104I045]←[国試_104]→[104I047]
[★]
- 68歳の女性。左下腿の腫脹を主訴に来院した。3日前に転倒し左下腿を打撲した。徐々に腫脹が強くなり、心配になって受診した。脂質異常症、高血圧症、糖尿病および心房細動で内服治療中である。現在服用中の薬剤は、スタチン、カルシウム拮抗薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、ビグアナイド薬およびワルファリンである。左下腿後面の写真(別冊No. 4)を別に示す。
- この病変に関係しているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112C026]←[国試_112]→[112C028]
[★]
- 英
- HMG-CoA reductase inhibitor
- 同
- ヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害薬 hydroxymethylglutaryl-CoA reductase inhibitor。スタチン statin
- 関
- 高脂血症治療薬、高脂血症、コレステロールの生合成。HMG-CoA還元酵素 HMG-CoA reductase
特徴
- アトルバスタチンの場合
- 血清TC低下率30%
- 血清LDL-C低下率41%
- 血清TG低下作用
- TG250-350mg/dl 380
- TG350-450mg/dl 470
- プラバスタチンは水溶性。(⇔脂溶性だとどこでも入っていく→全身性に作用する)
- プラバスタチンの輸送担体は肝臓にしかない→臓器選択性↑→安全性↑
- CYP3A4との相互作用がない
種類
CYP 代謝による 分類
|
薬物
|
商品名
|
性質1)
|
CYP代謝 2)
|
代謝物の活性 3)
|
排泄形態 3)
|
bioavailability (%) 3)
|
尿中排泄 (%) 2)
|
半減期 (hr) 2)
|
定性
|
定量(LogP)
|
非代謝型
|
プラバスタチン
|
メバロチン
|
水溶性
|
-0.47
|
ほとんどなし
|
ー
|
未変化体
|
18
|
20
|
1ー2
|
ロスバスタチン
|
クレストール
|
水溶性
|
|
ー 5)
|
未変化体 5)
|
29
|
10 5)
|
15~19 5)
|
ピタバスタチン
|
リバロ
|
脂溶性
|
1.49
|
ー
|
未変化体
|
60
|
<2
|
11
|
代謝型
|
フルバスタチン
|
ローコール
|
脂溶性
|
1.73
|
CYP2C9
|
なし
|
代謝物
|
10-35
|
<6
|
1.2
|
シンバスタチン
|
リポバス
|
脂溶性
|
4.4
|
CYP3A4
|
あり
|
代謝物
|
<5
|
13
|
1ー2
|
アトルバスタチン
|
リピトール
|
脂溶性
|
1.53
|
CYP3A4
|
あり
|
(データ無し)
|
12
|
2
|
14
|
1)Prog Med, 18:957-962,1998. 2)Heart, 85:259-264,2001. 3)PHarmacol Ther, 80:1-34 改変 4)興和(株)社内資料 5)添付文書
|
作用機序
- HMG-CoA reductaseはHMG-CoAからmevalonate産生を触媒
副作用
- 原因:メバロン酸合成↓→CoQ↓→ミトコンドリア機能異常。Cl-の細胞膜透過性の変化
- 薬物相互作用によりCYP3A4の働きが阻害されると、横紋筋融解症の引き金となりうる
- 脂溶性HMG-CoA還元酵素阻害薬は重篤な肝障害を起こす
- This was suggested by a study showing greater increases in post-marathon CK levels in individuals receiving statins; older runners receiving statins exhibited more susceptibility to CK elevations than younger runners. These elevations in CK were, however, mild and subclinical, which suggests that trained individuals need not discontinue statin therapy prior to a race.(uptodate)
- 軽度であれば(マラソンの)習熟者はレース前にスタチンを中止をする必要がないことを示唆する。
禁忌
[★]
- 英
- lipid-lowering drug, lipid-lowering agent
- 関
- 脂質異常症
|
Cho
|
TG
|
LDL-C↓
|
HDL-C↑
|
TG↓
|
副作用
|
HMG-CoA還元酵素阻害薬
|
Choの合成阻害 →LDL受容体増加
|
|
○
|
○
|
|
発疹、胃不快感、肝障害、 筋肉痛、筋脱力、横紋筋融解症
|
フィブラート系薬物
|
|
VLDL産生抑制 →VLDL,IDL異化促進
|
○
|
○
|
○
|
単独で、横紋筋融解症 腹痛、下痢、嘔吐などの腹部症状、肝障害
|
ニコチン酸系薬
|
VLDL分泌抑制
|
○
|
○
|
○
|
皮膚、特に顔面および上半身の紅潮、掻痒感 肝障害、胃腸障害、耐糖能の悪化、尿酸値上昇
|
陰イオン交換樹脂系薬物
|
胆汁酸再吸収抑制
|
|
○
|
|
|
腹部膨満感、便秘、肝障害
|
ビフェニル化合物
|
Choの胆汁排泄促進
|
|
○
|
|
|
肝障害、胃腸障害、耐糖能の悪化、尿酸値上昇発疹 まれにQT延長にともなう不整脈
|
EPA製剤
|
|
VLDL産生抑制 →VLDL異化促進
|
|
|
○
|
胃部不快感、腹痛、下痢などの腹部症状 肝障害、出血傾向
|
分類
|
脂質代謝への影響
|
副作用
|
LDL-C
|
TG
|
HDL-C
|
スタチン
|
↓↓↓
|
↓
|
↑
|
横紋筋融解症、筋肉痛や脱力感などミオパチー様症状、肝障害、認知機能障害、空腹時血糖値およびHbA1c値の上昇、間質性肺炎など
|
陰イオン交換樹脂
|
↓↓
|
↑
|
↑
|
消化器症状、脂溶性ビタミンの吸収障害。ジギタリス、ワルファリンとの併用ではそれら薬剤の薬効が減弱しうる。
|
小腸コレステロールトランスポーター阻害薬
|
↓↓
|
↓
|
↑
|
消化器症状、肝障害、CK上昇
|
フィブラート
|
↓
|
↓↓↓
|
↑↑
|
横紋筋融解症、肝障害など
|
ニコチン酸誘導体
|
↓
|
↓↓
|
↑
|
顔面潮紅や頭痛など(日本人では多いといわれている。少量から開始して漸増したり、アスピリンを併用することで副作用は回避可能なことがある)
|
プロブコール
|
↓
|
ー
|
↓↓
|
可逆性のQT延長や消化器症状など
|
多価不飽和脂肪酸
|
ー
|
↓
|
ー
|
消化器症状、出血傾向や発疹など
|
↓↓↓:≦-25% ↓↓:-25%< ≦-20% ↓:-20%< ≦-10% ー:-10%< ≦10% ↑:10%< ≦20% ↑↑:20%< ≦30%
|
[★]
- 英
- hypertriglyceridemia
- 関
- 高トリグリセリド血症、高トリグリセライド血症。脂質異常症
[show details]
重症度
- 正常 :150mg/dl以下
- 境界型 :150-199mg/dl
- 高値 :200-499mg/dl
- 非常に高値:500mg/dl
原因
臨床的意義
- 500md/dl以下の場合は非薬物療法(食事療法、接酒、減量、有酸素運動)
- 500mg/dl以上の場合、フィブラート系薬剤の治療適応
- 1000mg/dlを超えると膵炎のリスクがある。
治療薬
[★]
- 英
- pitavastatin
- 化
- ピタバスタチンカルシウム pitavastatin calcium
- 商
- リバロ
- 関
- スタチン
[★]
- 英
- oryzacystatin
- 関
- シスタチン