ウィルソン病
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Japanese Journal
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[★]
- 英
- cirrhosis of liver (M), liver cirrhosis LC, cirrhosis
- 関
- 肝臓
定義
(アトラス肝臓病 金原出版 谷川久一、阿部弘彦 昭和62年1月30日 p.57)
- 1. 肝細胞死が原因で、びまん性の結合組織増生が肝臓全域に見られる
- 2. 肝実質の結節性再生と小葉構造の改築が認められるもの
概念
- 肝硬変はびまん性に線維化した肝病変の終末像であり、慢性肝炎とともにもっともしばしばみられる肝の病態である。臨床的には様々な程度の肝細胞機能不全状態と門脈圧亢進症による症状がみられる慢性疾患である。
疫学
- 人口10万人あたりの死亡率12.5人
- 45-59歳の男性では死亡順位第4位
- 西日本に多い
病因
病理
- 炎症による細胞の破壊と再生を繰り返す結果、再生した肝細胞と新たに形成された線維性の隔壁を有する結節が形成され(再生結節)、肝硬変となる。(BPT.647)
- ウイルス性肝炎の慢性化による肝硬変では、3mm以上の結節がみられる(macronodular cirrhosis)。
- アルコール性肝炎の慢性化による肝硬変では、平均3mmの結節がみられる(micronodular cirrhosis)。
病態生理
- 肝機能低下により(1)エストロゲンの肝臓における異化が低下、(2)アルブミン合成能が低下、(3)門脈圧亢進が起こる。(1)によるエストロゲンなどの血管拡張因子により血管が拡張し循環血漿量が減少する。(2)による膠質浸透圧の低下はサードスペースへの体液移動を引き起こしさらに循環血漿量を低下させる。これには(3)も相加的に作用すると思われる。循環血漿量の低下はRAA系の亢進をきたし、アルドステロンによるNa、水の貯留引き起こす。
- 非代償性肝硬変では、肝網内系(クッパー細胞など)の機能低下、白血球減少による易感染性を呈する。
症状
合併症
- 参考2
身体所見
[show details]
- 腹部:脾腫 ← 門脈圧と脾腫の程度は相関しない (QB.B-315)
検査
血算
-
- 血小板減少が門脈圧亢進の最初の徴候(HIM.1978)
- 白血球減少 ← 門脈圧亢進によるうっ血性の脾腫に伴う脾機能亢進。 骨髄での産生低下も原因らしい(出典不明)
血液生化学
-
- 総ビリルビン T-Bil:上昇
- アンモニア NH3:上昇
- Fischer比:低下
- 線維化マーカー (ヒアルロン酸、IV型コラ-ゲン):上昇
- 膠質反応(TTT,ZTT):上昇
- γグロブリン:上昇 ← 門脈血に含まれる細菌の抗原が肝臓をシャントしてリンパ組織に到達するためとされている(uptodate)
-
-
- 糖の処理障害により食後高血糖を来しやすく、糖尿病を発症しやすい。
- 低ナトリウム血症、血漿浸透圧低下 ← 血液中の水が間質に移動する結果、電解質も共に移動する。血液中には水が過剰となり、低ナトリウム血症、血症浸透圧低下となる。volume depletionに対してADHが主に作用するからか、あるいはH2Oが移動しやすいからなのかは不明。
免疫血清検査
- 多クローン性γグロブリン血症
- IgG:増加する傾向あり。 ← 門脈血が肝臓を通過せずにリンパ組織に流れ込む結果。著しく高値であったら自己免疫性肝炎。(参考1)
- IgM:高値であったら90-95%はPBCである。(参考1)
- 壊死、炎症が持続的に起きているから上がると解釈することもできる、みたい。
画像
- (US,CT, MRI,Angio,肝シンチ、上部消化管内視鏡)
腹腔鏡、肝生検
- 分枝鎖アミノ酸(branched chain amino acids, BCAA)と芳香族アミノ酸(aromatic amino acids; AAA)の分子比(モル比)
-
- 肝臓、末梢(筋肉など)でよく代謝される
- ほぼ肝臓で代謝される
診断
治療
- IMD 参考2 YN.B-47
- 治療のゴールは、(1)肝疾患の進展を遅らせたり治癒させること、(2)他の原因による肝臓障害を予防すること、(3)合併症の予防、(4)肝移植の時期を決定することである。
- 方針:原疾患の治療を行い、肝硬変の進展を抑えるように食事、生活療法を行う、非代償期には合併症の治療を行う。
- (1)肝疾患の進展を遅らせたり治癒させる:原疾患の治療を行う(自己免疫性肝炎であればステロイドや免疫抑制薬、アルコール性肝障害であれば禁酒、ウイルス性肝炎であれば病原体に応じた治療)。
- (2)他の原因による肝臓障害を予防する:肝臓に障害を与えないようにする(アルコール摂取、アセトアミノフェンの過剰服用)。予防接種を受ける(肝予備能がほとんど無ければA型肝炎、B型肝炎。肺炎球菌、インフルエンザウイルスに対する予防接種も考慮される。
- (3)合併症の予防:肝細胞癌、静脈瘤出血、特発性細菌性腹膜炎、肝腎症候群、肝性脳症、肝肺症候群
- (4)肝移植の時期を決定:
代償期
- 食後の安静、適切な熱量(25-30kcal/kg/日)で適切な蛋白質(1.2-1.5g/kg)の食事を摂取、ビタミンB、ビタミンK補充
- 肝庇護薬(ウルソデオキシコール酸、グリチルリチンなど)
非代償期
-
- 食塩制限(5-7g以下)。飲水制限(1L/day)(腹水貯留時)
- 蛋白質の補充:分枝鎖アミノ酸の多い食事、分枝鎖アミノ酸製剤の点滴。NH3が上昇するなど肝性脳症の危険があれば低蛋白食とする。
- 膠質浸透圧の維持:アルブミン製剤
- 早朝低血糖に対し、夜食を勧める(肝機能低下により糖新生↓のはず)。(出典不明)
- 利尿薬:抗アルドステロン薬(スピロノラクトン)、トルバプタン、フロセミド、サイアザイド → 後2者はhypokalemiaからmetabolic alkalosisを惹起、アンモニアのNH4+ ⇔ NH3 + H+の平衡を左に移行させてアンモニアの排泄を阻害、高アンモニア血症を増悪しうる(非イオン化状態では尿細管で再吸収されやすいはず)(出典不明)。
- 腹水濃縮再注入法
- 肝内門脈大循環シャント、腹膜静脈短絡術
- 食道静脈瘤の治療:内視鏡的食道静脈瘤硬化術・結紮術、外科的治療
- 肝性脳症の治療:腹水の食事療法に準じるが、NH3再吸収につながる便秘の予防に気をつける。
- 肝移植
予後
- 死因:(1)肝性脳症、(2)静脈瘤破綻、(3)肝癌合併
- (1),(2)の治療が発達したことにより、(3)での死亡が増加している。
参考
- 1. [charged] Diagnostic approach to the patient with cirrhosis - uptodate [1]
- 2. [charged] Overview of the complications, prognosis, and management of cirrhosis - uptodate [2]
国試
[★]
- 英
- tremor
- 関
- 不随意運動
分類
動作状態による分類
- 膝の上に力を抜いて置いた手を観察
- 筋が活動していない状態で出現する振戦。3-6Hz。
- →パーキンソン病
- 上司を前方に伸展させ、手指を開くように命じる。
- 筋がある一定の強さの持続的な活動を行っているときに出現する振戦。4-12Hz
- →本態性振戦、甲状腺機能亢進症、尿毒症、CO2ナルコーシス
- 筋が随意的な活動を行っている状態で出現する振戦
- 小脳の障害
- →小脳障害、ウイルソン病、多発性硬化症
- 運動時に目標に近づくほど増強する振戦として運動時振戦と区別。
- 統一されていないらしい。intention tremor/postural tremor+intention tremor
原因による分類(BET.176)
心雑音
- 英
- thrill
- 心尖は心雑音の原因となる振動が大きくなると生じる(手技見えvol.1 p.92)
- 心尖の触診は聴診の4部位と同じ位置、手掌遠位部でおこなう
振戦が見られる領域 (手技見えvol.1 p.95)
血管雑音
- 英
- thrill
- 同
- 猫喘 purring thrill
[★]
- 英
- Wilson disease (HIM) , Wilson's disease
- 同
- ウイルソン病、(国試)Wilson病、(国試)肝レンズ核変性症 hepatolenticular degeneration、ウェストファル-シュトリュンペル病 Westphal-Struempell disease
- 関
- カイザー・フライシャー角膜輪 Kayser-Fleischer ring, ATP7B、銅
遺伝形式
疫学
- 20歳までに発症。早ければ3歳で発症(HIM.2450)。
病因
- 細胞内銅輸送蛋白の遺伝子異常(ATP-7B)(13q14.3)
病態
- 十二指腸上部で銅の吸収 → 血行性に肝臓に輸送される → 胆汁内への銅への排泄が障害される → 肝細胞内銅沈着 → 肝細胞細胞障害 → 肝硬変
- 肝臓内でアポセルロプラスミンに銅を結合する反応の異常(HIM.2450) & セルロプラスミンの合成低下(出典不明。肝機能低下?) → 血清セルロプラスミン低下 → (正常では血液中に存在する銅の90%がセルロプラスミンに結合しているので)血清銅低下 (HIM.2450)
- 血液中に入った銅はアルブミンと結合して存在 → 結合能弱くfreeの血清銅増加
- → 血行性に各臓器に移行・沈着 → 脳、角膜、腎臓、血球に障害 (IMD)
- → 尿中への銅排泄増加
症候
治療
- 食事療法:銅制限食(貝、甲殻類、レバー、ナッツ類、チョコレート、キノコ類、豆類は銅を多く含むので避ける)
- 薬物療法:銅キレート薬((D-ペニシラミン)の投与。トリエンチン
参考
- http://omim.org/entry/277900
- 2. [charged] Pathogenesis and clinical manifestations of Wilson disease - uptodate [3]
- 3. [charged] Treatment of Wilson disease - uptodate [4]
国試
[★]
- 英
- parkinsonian syndrome
- 同
- Parkinson症候群
- 関
- パーキンソニズム parkinsonism
[show details]
分類
中枢神経変性疾患 - パーキンソンニズムを主徴とする疾患
[★]
サラシミツロウ、硬化脂、酸化亜鉛、豚脂
- 関
- 鎮痛,鎮痒,収歛,消炎剤
[★]
- 英
- disease、sickness
- 関
- 疾病、不調、病害、病気、疾患