- 35歳の男性。吐血を主訴に来院した。昨夜過度の飲酒の後、本日早朝に嘔吐した。その1時間後に再び嘔吐し、吐物に血液が混じっていた。来院時、胸痛はなく、皮下気腫と腹部筋性防御とは認めなかった。食道胃接合部の内視鏡写真を以下に示す。考えられるのはどれか。
[正答]
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★リンクテーブル★
[★]
- 5か月の男児。突然悲鳴をあげるように激しく泣くことを繰り返し、顔面蒼白になったので来院した。3日前から風邪気味であった。本日昼ころから機嫌が悪くなり、嘔吐がみられた。体重7,960g。腹部は軽度膨隆している。右上腹部に小児手拳大の腫瘤を触れ、右下腹部は空虚である。浣腸でイチゴゼリー様血便を認める。注腸造影写真を以下に示す。
- a. やせた児に多い。
- b. 結腸が回腸に嵌入して起こる。
- c. 90%に器質的疾患を伴う。
- d. Ramstedt手術を行う。
- e. 注腸造影は治療手段になる。
[正答]
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[★]
- 38歳の女性。3か月前から続く体動時の動悸と息切れとを訴えて来院した。ときどき腰痛があり、月経過多の傾向がある。眼瞼結膜は蒼白で眼球結膜に黄染を認めない。血液所見:赤血球380万、Hb7.5g/dl、Ht28%、網赤血球15‰、白血球3,500、血小板31万。血清生化学所見:総蛋白7.5g/dl、アルブミン4.2g/dl、Fe8μg/dl基準80~160)、総鉄結合能(TIBC)410μg/dl(基準290~390)、フェリチン3ng/ml(基準20~120)。
- 適切な対応はどれか。
- (1) 婦人科的検索
- (2) 栄養指導
- (3) 鉄剤の投与
- (4) 鎮痛薬の投与
- (5) 赤血球輸血
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
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[★]
- 英
- Mallory-Weiss syndrome
- 同
- Mallory-Weiss症候群。Mallory-Weiss裂傷? Mallory-Weiss tears? Mallory-Weiss lesion Mallory-Weiss laceration
概念
- 定義:「嘔吐などにより腹腔内圧が急激に上昇して噴門部近傍に裂創が発生し、これを出血源として顕出血をきたしたもの」
- 頻回かつ激しいの嘔吐により粘膜裂傷を生じこれにより吐血する病態。
- 胸腔内圧の上昇により食道胃接合部付近に粘膜下層までの裂創を来たす。裂創は噴門部小弯部に好発する。
- 典型的には激しい嘔吐を繰り返し、2回目以降の嘔吐で多量の新鮮血を認めることが多い。
- 嘔吐を繰り返すどんな病態もMallory-Weiss症候群の引き金となり得る。
頻度
- 30-50歳代の男性に多く、全消化管出血例の約3-15%を占める。
原因
- 嘔吐(アルコール多飲、妊娠悪阻、乗り物酔い、脳腫瘍、髄膜炎、内視鏡検査時の嘔吐反射誘発)
- 咳嗽、くしゃみ、排便、分娩後 → 腹腔内圧および胃食道内圧の上昇
症状
Mallory-Weiss症候群自体で胸痛や腹痛を伴うことは少ない。
検査
- 上部消化管内視鏡:食道から胃噴門部小弯にかけて縦走する裂創を認める(主に接合部直下の胃側に生じるが、時に接合部をまたいで食道に及ぶことがある)。小弯に次いで後壁に多い。裂創は1-2 条が多く、深さは粘膜に限局することが多い。
- 胸部レントゲン:縦隔に気腫がないことを確認
- 胸部レントゲン:縦隔に気腫がないことを確認
分類
- I群:胃限局型 → 最も多い
- II群:食道、胃併存型
- III群:食道限局型
診断
鑑別診断
- IMD.843
治療
- 保存的治療でほとんどが自然止血され、再出血することはあまりない。
- 絶食、点滴、安静、輸血、止血剤投与
- 止血困難であれば、クリッピング術を施行する。
臨床経過
国試
参考
- http://vitaminex.exblog.jp/9065112