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- acute alcohol intoxication
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- acute alcoholism
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アルコール中毒 |
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
F10.0, T51 |
ICD-9 |
305.0, 980 |
MedlinePlus |
002644 |
MeSH |
D000435 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
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急性アルコール中毒(きゅうせいアルコールちゅうどく、Acute Alcohol intoxication)は、短時間に多量のアルコール(エタノール)を摂取することによって生じる中毒である。急性アルコール中毒の症状は血液中のアルコール濃度に比例する。
目次
- 1 概要
- 2 予防法
- 3 治療法
- 4 その他
- 5 関連項目
概要
アルコールは脳を麻痺させる性質を持っている。アルコールを摂取すると麻痺は大脳辺縁部から呼吸や心臓の働きを制御する脳幹部にまで進み、最終的には生命維持にかかわる脳の中枢部分までもを麻痺させてしまい、呼吸機能や心拍機能を停止させて死に至る。
血中アルコール濃度が0.4%を超えた場合、1~2時間で約半数が死亡する。急性アルコール中毒患者の45%は20代の若者で、2/3が男性、1/3が女性である。
上述のように急性アルコール中毒は、エタノールによる脳の麻痺が原因であり、その症状は摂取したエタノールの量と血中のエタノール濃度に比例する。
一般的に、エタノールの体内での代謝過程で生成されるアセトアルデヒドのフラッシング反応(アセトアルデヒド脱水素酵素による代謝能力の差からくる)の有無を指し「お酒に強い体質」と「お酒に弱い体質」と定義する場合がある。しかし急性アルコール中毒の発生は、この「お酒に強い体質」と「お酒に弱い体質」とは関係がない。あくまでも血中のアルコール濃度、つまり飲んだアルコールの量に比例し、誰でもが陥る急性中毒である。
通常、飲酒すると「ほろ酔い期」「酩酊期」「泥酔期」「昏睡期」という順で、徐々に血中アルコール濃度が上がるので、本人も酔ってきたという自覚がある。また、飲みすぎると足元がふらつく、吐き気がするなどの症状も出るので、自分自身である程度は飲酒量をコントロールできる。しかし、飲酒開始から血中アルコール濃度の上昇までには時間差があるため、短時間で大量の酒を飲むと、酔っているという自覚なしに危険な量のアルコールを摂取してしまうことがある。この場合、「ほろ酔い期」「酩酊期」を飛び越えて一気に「泥酔期」や「昏睡期」に到達してしまう。
飲み始めてから1時間以内に泥酔状態になった場合、および酒量として、1時間に日本酒で1升、ビールで10本、ウイスキーでボトル1本程度飲んだ場合は急性アルコール中毒が疑われる。生命にかかわる危険もあるため、こういった飲み方は強く戒められるべきである。
エタノールの血中濃度と酔いの態様
血中アルコール濃度 |
酩酊度 |
影響 |
0.05% |
微酔期 |
陽気、気分の発揚 |
0.08% |
運動の協調性の低下、反射の遅れ |
0.10% |
酩酊期 |
運動の協調性の明らかな障害(まっすぐに歩けない等) |
0.20% |
泥酔期 |
錯乱、記憶力の低下、重い運動機能障害(立つことができない等) |
0.30% |
昏睡期 |
意識の喪失 |
0.40% |
昏睡、死 |
予防法
- 既述のように飲み始めてから酔いが回るにはある程度の時間がかかるので、飲み始めの30分程度は意識的にゆっくり飲むように心がける。
- 空腹時はアルコールの吸収が早まるので、アルコールの吸収を遅らせる蛋白質や脂肪分を含んだつまみを食べながら飲酒する。
- 一気飲みはせずに、他人にも強要しない。酒の強さには大きな個人差があるので、自分のペースで飲むこと。
適量の判断
- 一般的な日本人のアルコール代謝能力は、男性で6~7cc/h、女性で4~5cc/h程度である。翌朝に酒を残さないためには純粋なエタノール量に換算して男性で45~55cc、女性なら30~40cc程度が限度量となる。男性なら、日本酒で2合、ビールなら2本、ウィスキーのダブルで2杯程度。女性なら、日本酒で1.5合弱、ビールなら1.5本弱、ウィスキーのダブルで1.5杯弱程度。
- アルコールの血中濃度が0.1%程度で収まるように飲めば「ほろ酔い」で楽しく飲酒することが出来る。以下は簡易計算式。
- アルコールの血中濃度(%) = 飲酒量(cc) * アルコール度数(%) / 体重(kg) / 833
治療法
エタノールの急性中毒に解毒薬はない。したがって、対症療法として輸液と利尿とを施してエタノールを体外に排出させる。
応急処置
時間の経過以外、病院内外での効果的な対処法はほとんどないため、頭と体を横にする回復体位をとらせ目を離さず様子をみることが第一である。その際呼吸の確保と体温の維持が留意点である。吐瀉物で窒息する危険があるので“応急処置の目的”で吐かせてはならない。
- つねっても起きず、呼吸に異常(浅く速い呼吸、あまりにもゆっくりした呼吸)がある場合には危険性が高い為即座に救急車を呼ぶこと。もし、心肺機能の停止があるならば心肺蘇生法(人工呼吸、心臓マッサージ)を施すこと。AEDの適用。
- 激しい嘔吐、吐血(鮮血の場合もあるが茶褐色の場合もある)がある場合にも救急車を呼んだ方がよい。
- 酔いつぶれて横になった場合には、寝ているうちに舌がのどに落ち込んだり、嘔吐物がのどに詰まって窒息する危険があるので、回復体位を必ずとらせ胸の動きを注視する。
- 体温が低下しないように毛布を掛けるなど保温に気を配る。
- 飲酒量として1時間ほどで、日本酒で1升、ビールで10本、ウイスキーならボトル1本程度飲んで酔いつぶれた場合には、生命にかかわる危険があるのですぐに救急車を呼ぶべきである。その際意識のしっかりした付添人が1名必要である。
その他
アルコール依存症は、「慢性アルコール中毒」と表現されることもあるが、本疾患とは別の概念である。中長期にわたるアルコールの身体への影響はアルコール飲料の項を参照。 また繁華街における救急要請が頻発しており、消防、病院側の業務を圧迫している。
法律
急性アルコール中毒が発生した状況において、刑事責任を追及される場合がある。例を次に掲げる
日本国の急性アルコール中毒に関連する代表的な刑事罰
刑法
(2010.4.27~)
※抜粋 |
第二百四条(傷害罪)
身体を傷害した者 |
例)傷害の故意で(体調を崩すことが分かっていながら)飲酒を強要し、急性アルコール中毒にさせた場合等
15年以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
第二百五条(傷害致死罪)
身体を傷害し、よって人を死亡させた者 |
例)傷害の故意で(体調を崩すことが分かっていながら)飲酒を強要し、急性アルコール中毒で死亡させた場合等
3年以上の有期懲役 |
第二百六条(現場助勢罪)
前2条(傷害・傷害致死)犯罪が行われるに当たり、現場において勢いを助けた者(自ら人を傷害しなくても) |
例)飲酒の強要を勢い付けて飲酒させ、急性アルコール中毒にさせた場合等
1年以下の懲役又は10万円以下の罰金か科料(1000円以上10000円未満) |
第二百九条(過失傷害罪)
過失により人を傷害した者
2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。 |
例)傷害の故意がなく(体調を崩すことを認識せずに)飲酒を強要し、急性アルコール中毒にさせた場合等
30万円以下の罰金又は科料 |
第二百十八条(保護責任者遺棄罪)
老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったとき |
例)泥酔者を放置した場合等
3ヶ月から5年の懲役 |
第二百十九条(遺棄等致死傷)
前2条(保護責任者遺棄等ほか)の罪を犯し、よって人を死傷させた者 |
例)泥酔者を放置して死亡させた場合等
保護責任者遺棄等の罪と傷害の罪と比較して、重い刑を以って臨む。
従って、3ヶ月から15年の懲役。 |
他にも飲酒に関する法令についてはアルコール飲料の項を参照。
関連項目
- アルコール飲料
- アルコール依存症
- アルコールハラスメント
- 二日酔い
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 急性のアルコール障害--酩酊〜離脱症状の管理 (特集 飲酒が関連する疾患に内科医はどう対応するか)
- 実例捜査セミナー 飲酒強要により被害者を急性アルコール中毒に陥らせて死亡させた事案につき傷害致死罪で公判請求し,有罪判決を得た事案
Related Links
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- 急性アルコール中毒を引き起こすイッキ飲みの実態や危険性、要因についてご説明します。 ... 急性アルコール中毒で病院に運ばれる人は非常に多く、東京都内だけでも年間1万1千人以上の人が救急車で運ばれています。
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★リンクテーブル★
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- 30歳の男性。腹痛と下痢とを主訴に来院した。トレッキング旅行の途中で、自炊していたという。3日前に砂利道で転倒し、左母指と左示指とに挫創を生じた。昨日の夕食は、食事直前に開けた缶詰の牛肉、自分で採取した山菜の炒め物、自分で釣った川魚の塩焼き、自分で作ったおにぎり及び日本酒1合だったという。夕食の直後には異常はなかったが、約時間後に急激に腹痛と下痢とを発症した。発症後、約3時間経過して症状は徐々に改善しつつあるという。アレルギー歴はない。意識は清明。体温37.0℃。脈拍72/分、整。血圧116/76mmHg。呼吸数14/分。臍周囲に圧痛を認める。腸雑音は亢進している。腹膜刺激症状を認めない。
- 診断として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107A033]←[国試_107]→[107A035]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105E008]←[国試_105]→[105E010]
[★]
[★]
- 英
- hypophosphatemia、hypophosphataemia
- 同
- (国試)低リン血症、低P血症
- 関
- リン。低リン血症性。低リン血症性。hypophosphatemic、hypophosphataemic
[show details]
概念
原因
uptodate
- 改変
生体内での再分布
腸管からの吸収低下
- 摂取量低下
- リン酸の吸収を阻害する薬剤の摂取(制酸剤(アルミニウム制酸剤)、リン酸結合物質(炭酸カルシウム)、ナイアシンなど)
- 嘔吐
- 脂肪便、下痢
- 吸収不良症候群
- ビタミンD欠乏、ビタミンD抵抗性
尿からの排泄増加
腎代替療法による除去
臨床関連
- リンは骨や歯を形成するのに不可欠な物質であり、血清リン酸の低下が持続すると骨石灰化障害を来す
参考
- Hypophosphatemia - Sandeep Sharma; Muhammad F. Hashmi; Danny Castro.
- https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK493172/
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急性アルコール中毒
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- 英
- alcohol
- 関
- エタノール
アルコールによる酩酊の分類
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- 0.5 mg/ml 以上で酒気帯び → 道路交通法(0.5 mg/ml以上で運転能力の低下、1.5 mg/ml以下では著しい低下。1.5-2.0 mg/mlがもっとも危険。これ以上では運転できない)
- 血中アルコール濃度と酩酊の状態
- 0.0-0.5 mg/ml::殆ど無症状か、わずかな熱覚、味覚や嗅覚の低下
- 0.5-1.0 mg/ml:弱度酩酊:顔面紅潮、抑制からの解放、陽気、多幸感、不安や緊張の緩和、反応時間の延長など
- 1.0-1.5 mg/ml:軽度酩酊:多弁、大胆、感覚の軽度麻痺、気分爽快、多弁など
- 1.5-2.5 mg/ml:中程度酩酊:眠気に襲われる、言語不明瞭、平衡感覚が鈍麻し、千鳥足になる、理解・判断力鈍麻など
- 2.5-3.5 mg/ml:強度酩酊:歩行困難、顔面蒼白、悪心、嘔吐、感覚麻痺、精神運動性興奮、言語不明瞭、諸反射の消失など
- 3.5-4.5 mg/ml:重度酩酊、泥酔:意識消失、筋力消失、呼吸困難、体温低下、昏睡状態
- 4.5- mg/ml:呼吸麻痺、心機能不全などで死亡する。
アルコールの慢性症状
- アルコール中毒の患者において、脳神経でchromatosisが見られるが、ニューロンの脱落は末期まで見られない。小脳では虫部のニューロンが優先的に脱落する。大脳辺縁系の乳頭体に強い病変が見られる → ウェルニッケ・コルサコフ症候群と関連
- 振戦譫妄
- アルコール幻覚症
- コルサコフ症候群
- アルコール痴呆
- アルコールてんかん
アルコールによる非精神症状
アルコールによる疾患
- 身体疾患:アルコール性肝疾患(脂肪肝)、膵炎(急性膵炎、慢性膵炎)、大腿骨頭壊死症、末梢神経障害
- 精神疾患:急性アルコール中毒、慢性アルコール中毒、アルコール依存症、アルコール精神病
- (国試)100B077、095B075
アルコールの摂取と疾患
- ホジキンリンパ腫:掻痒症を呈する患者もいるが、そのばあい飲酒をすると当該部位に痛みが出現する(APT.83)
- 急性膵炎:増悪
アルコールの胎児への影響
- SUB.260
アルコールの摂取量
- 21世紀における国民健康づくり運動の目標値では節度ある適度な飲酒とは1日平均純アルコールで20g程度としている。 → ビール(5%) 400ml、日本酒(15%) 133.3ml
- 脳卒中治療ガイドライン2009ではクモ膜下出血の発症予防には過度の飲酒(1週間に150g以上)を避けることが推奨されている。
アルコールの単位
- アルコール摂取量の基準とされるお酒の1単位とは、純アルコールに換算して20g。
[★]
- 英
- poisoning, intoxication
- 関
中毒の早期発見のための検査
- SUB.403
重金属
有機溶剤
中毒一覧
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- 英
- alcoholism、alcohol abuse、alcohol intoxication、alcohol addiction、alcoholic intoxication、alcohol poisoning
- 関
- アルコール依存症、アルコール症、酩酊、アルコール嗜癖、アルコール依存、アルコール乱用
[★]
- 英
- toxin、poison、poison
- 関
- 毒素、毒物、毒を入れる、トキシン
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- 英
- acute
- 関
- 急性的、鋭い、鋭形、急性型