- 英
- oncogenic osteomalacia, tumor-induced osteomalacia TIO
- 関
- 骨軟化症
- 低リン血症性腫瘍性骨軟化症、腫瘍性骨軟化症(TIO)は極端な低リン血症、腎からのリン排泄亢進を来し、筋脱力、骨痛、および骨軟化症を来す疾患である。血清カルシウムとPTHは正常であり、1,25(OH)2Dは低値を示す。腫瘍性骨軟化症は四肢や頭部の良性間葉系腫瘍(血管外皮腫、線維腫、もしくは巨細胞腫)により引きおこされる。肉腫や、前立腺癌ないし肺癌患者でも報告がある。腫瘍の切除により改善するので、液性因子の関与があることが明らかななっている。リン利尿を引きおこす物質、phosphatoninは尿細管でのリン酸の再吸収を妨げ、腎臓での25(OH)Dを1,25(OH)2Dへの変換を妨げる因子である。phosphatoninはFGF23であることが同定された。FGF23は腫瘍性骨軟化症で、全員ではないが上昇している。治療は可能であれば腫瘍切除、リン酸とビタミンDの補充である。腫瘍がサブタイプ2ソマトスタチン受容体を発現している患者ではオクトレオチドがリン排泄を減少させることができるかもしれない。(1)
参考
- 1. Harrison's Principles of Internal Medicine, 17th Edition (Harrison's Principles of Internal Medicine (Single Vol. 1)) Anthony S. Fauci
p.621
国試
UpToDate Contents
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- 1. 遺伝性低リン血症性くる病と腫瘍誘発性骨軟化症hereditary hypophosphatemic rickets and tumor induced osteomalacia [show details]
…calcitriol and may represent a mild proximal tubular defect . Tumor-induced osteomalacia (TIO), also known as oncogenic osteomalacia, is a rare acquired paraneoplastic syndrome in which the biochemical …
- 2. 低リン酸血症:評価と治療hypophosphatemia evaluation and treatment [show details]
…isolated impairment in proximal phosphate transport (as seen in hypophosphatemic rickets or tumor-induced osteomalacia) or as a generalized defect in proximal function (called the Fanconi syndrome) . The Fanconi …
- 3. 骨軟化症の臨床症状、診断、および治療clinical manifestations diagnosis and treatment of osteomalacia [show details]
…Heavy metals in the urine may be increased if they are the cause of the Fanconi syndrome. Tumor-induced osteomalacia and hereditary hypophosphatemic rickets are associated with elevations in serum FGF23 levels …
- 4. 骨軟化症の疫学および病因epidemiology and etiology of osteomalacia [show details]
…X-linked hypophosphatemic rickets, autosomal dominant hypophosphatemic rickets) or with tumor-induced osteomalacia, an acquired paraneoplastic syndrome of renal phosphate wasting. Drug-induced Fanconi syndrome …
- 5. 低リン酸血症:原因hypophosphatemia causes of hypophosphatemia [show details]
…syndromes in humans. A similar syndrome occurs as an acquired disorder in patients with tumor-induced osteomalacia. These patients usually have tumors of mesenchymal origin, often a sclerosing type of hemangiopericytoma…
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- 腫瘍性骨軟化症(TIO)は、腫瘍原性骨軟化症としても知られる、まれな腫瘍随伴性障害で、腫瘍組織から分泌される線維芽細胞増殖因子23(FGF23)が原因で発症すると考えられている。 FGF23はリン排泄とビタミンD合成に役割を担うため、TIOでは、リンの腎尿細管再吸収の低下、低リン血症、活性型ビタミンD濃度の低下などの特徴が認められる。 慢性低リン血症は、最終的に骨軟化症(不十分な骨石灰化)につながる。 通常、TIOの診断は、骨の痛み、脆弱性骨折および筋力低下に伴って、慢性的な血清リン濃度の低下が見られる場合に疑われる。 腫瘍は非常に小型であることが多く、体内のどこにでも存在し得るため、原因となる腫瘍を発見することは非常に困難である。
- 骨軟化症とは? 骨や軟骨の石灰化障害により、類骨(石灰化していない骨器質)が増加する病気で、骨成長後の成人に発症するものを「骨軟化症」といいます。 これに対して、骨成長前の小児に発症するものを「くる病」といいます。 骨軟化症は、骨基質の石灰化障害により骨石灰化度の低下をきたす全身性の代謝性骨疾患で、骨強度の低下により骨折や疼痛の原因となります。 骨軟化症の病因は? 骨軟化症の病因は、低リン血症、ビタミンD代謝物作用障害、石灰化を障害する薬剤性(アルミニウム、エチドロネート等)など多岐に渡ります。 慢性の低リン血症の病因は、ビタミンD代謝物作用障害、腎尿細管異常、線維芽細胞増殖因子23(fibroblast growth factor 23:FGF23)作用過剰、およびリン欠乏に大別されます。
- 腫瘍性骨軟化症(TIO)は、原因となる腫瘍を取り除けば症状が改善する病気です。 しかし、医師の間でも認識率が低い病気であることから、診断がつくまでに時間がかかってしまうことがあります。 無治療のまま症状が進行して偽骨折や 骨折 を繰り返し、骨の変形などが生じると、これは腫瘍の摘出などによりFGF23の値を低下させても改善せず治療が困難です。 その場合痛み止めの内服や関節置換(人工関節に置き換える手術)などの整形外科手術により対処しますが、早期に発見されれば、そのような治療困難な病態を予防することが出来ます。 診断はついても腫瘍が見つからない例 足などの骨に痛みを感じるようになってから数年で症状が進行し、寝たきりの状態になってしまうということがあります。
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- 54歳の女性。持続する腰痛、胸郭変形および諸検査の異常のため来院した。2年前から腰痛があり、自宅近くの整形外科医院で非ステロイド性抗炎症薬を処方されていたが痛みは持続し、半年前から胸郭が変形し身長が12cm低くなった。最近、腰痛が増悪し、歯の痛みや全身のしびれ感も出現したために、血液検査とエックス線撮影が施行されたところ、骨折線を伴う著明な骨変形を含む多数の異常を指摘され紹介されて受診した。身長 138cm、体重 40kg。体温 36.5℃。脈拍 84/分、整。血圧 150/96mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内は湿潤しており、う歯を多数認める。表在リンパ節に腫大を認めない。胸郭は変形と陥凹が著明である。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。脳神経に異常を認めない。上肢の筋力は正常だが、体幹と下肢の筋力は痛みのために低下している。腱反射は下肢で減弱している。血液所見:赤血球 412万、Hb 13.5g/dL、白血球 5,800、血小板 22万。血液生化学所見:総蛋白 7.4g/dL、アルブミン 4.5g/dL、総ビリルビン 0.7mg/dL、AST 21U/L、ALT 15U/L、ALP 1,725U/L(基準 115~359)、γ-GTP 10U/L(基準 8~50)、尿素窒素 14mg/dL、クレアチニン 0.6mg/dL、Na 144mEq/L、K 4.7mEq/L、Cl 109mEq/L、Ca 8.7mg/dL、P 0.9mg/dL。CRP 0.1mg/dL。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112A017]←[国試_112]→[112A019]
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- 英
- hypophosphatemia、hypophosphataemia
- 同
- (国試)低リン血症、低P血症
- 関
- リン。低リン血症性。低リン血症性。hypophosphatemic、hypophosphataemic
[show details]
概念
原因
uptodate
- 改変
生体内での再分布
腸管からの吸収低下
- 摂取量低下
- リン酸の吸収を阻害する薬剤の摂取(制酸剤(アルミニウム制酸剤)、リン酸結合物質(炭酸カルシウム)、ナイアシンなど)
- 嘔吐
- 脂肪便、下痢
- 吸収不良症候群
- ビタミンD欠乏、ビタミンD抵抗性
尿からの排泄増加
腎代替療法による除去
臨床関連
- リンは骨や歯を形成するのに不可欠な物質であり、血清リン酸の低下が持続すると骨石灰化障害を来す
参考
- Hypophosphatemia - Sandeep Sharma; Muhammad F. Hashmi; Danny Castro.
- https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK493172/
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腫瘍性骨軟化症 tumor-induced osteomalacia
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- 英
- tumor
- 同
- 新生物 neoplasm new growth NG
- 関
分類(EPT.65)
悪性度
細胞と間質の割合
発生学的由来
組織学的分類
上皮性腫瘍
良性腫瘍
悪性腫瘍
非上皮性腫瘍
良性腫瘍
悪性腫瘍
-
臓器別分類
外陰部(女性)
子宮
卵巣
- 表層上皮性・間質性腫瘍 Surface epithelial-stromal tumors
- 性索間質性腫瘍 Sex cord/stromal tumors
- 胚細胞腫瘍 Germ cell tumors
腫瘍と関連する疾患 first aid step1 2006 p.294
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- 英
- osteomalacia
- 関
- (小児のでは)くる病、骨粗鬆症
- 骨基質へのカルシウム沈着が障害され、類骨が多く生じる病態。
- 原因:ビタミンDの作用低下、リンの欠乏。 ← 甲状腺機能低下症のように低カルシウム血症、高リン血症では本症が生じるのではなく、異所性石灰化がみられるらしい
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- 英
- sis, pathy
[★]
- 英
- neoplastic
- 関
- 新生物