- 56歳の女性。 2年前から再生不良性貧血で治療中である。本日、赤血球輸血を行ったところ、輸血開始から約15分後に、全身の搔痒感と呼吸困難とを訴えた。これまでにも輸血を受けているが、同様の症状は経験していない。脈拍116/分、整。血圧72/50mmHg。呼吸数24/分。 SpO2 90%(room air)。全身の皮膚は発赤し、膨疹が広がっている。両側の胸部にwheezesを聴取する。直ちに輸血を中止した。
- 次に行うべき対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106E052]←[国試_106]→[106E054]
★リンクテーブル★
[★]
- 75歳の男性。右下肢の浮腫とそれに伴う歩行困難とを主訴に来院した。健康診断は5年以上受けていなかった。意識は清明。身長165cm、体重56kg。体温36.1℃。脈拍64/分、整。血圧124/66mmHg。呼吸数16/分。頸静脈の怒張を認めない。右下肢全体に圧痕性浮腫を認める。足背動脈の拍動は両側で触知する。右殿部に手拳大で弾性硬の無痛性腫瘤を認める。血液生化学所見:総蛋白6.5 g/dL、アルブミン2.9g/dL。骨盤部単純CTで、右殿部から骨盤腔内に連続する巨大な腫瘤を認める。
- この患者の病態で正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106E051]←[国試_106]→[106E053]
[★]
- 78歳の女性。自宅内の段差につまずいて転倒し、歩行不能となったため搬入された。全身状態は良好である。精査の結果、右大腿骨頚部骨折(内側骨折)と診断され、 2日後に人工骨頭置換術を予定した。
- 手術までの対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106E053]←[国試_106]→[106E055]
[★]
[★]
- 英
- blood transfusion
- ラ
- metachysis
- 関
- WCG disease transmission in, 863-871
- also see. ICU.183 出血と循環血液量減少
輸血用血液製剤
- 赤血球製剤:2-6℃ :採血後21日間
- 血漿製剤 :-20℃以下 :採血後1年間
- 血小板製剤:20-24℃。振盪:採血後4日間
- 全血製剤 :2-6℃ :採血後21日間
副作用
一般的な副作用
- 1. 溶血性 :(急性)ABO型不適合輸血(血管内溶血)。(遅発性)Rh型不適合輸血(血管外溶血)
- 2. 非溶血性:(急性)発熱、蕁麻疹、アナフィラキシーショック。(遅発性)輸血関連急性肺障害 TRALI
- 3. 感染性:細菌、ウイルス(B型肝炎、C型肝炎、HIV、HTLV-1, CMV)
その他の副作用
- 高カリウム血症(血球の溶血)、代謝性アシドーシス(輸血製剤中では嫌気性代謝によりpHが低下しているため?)、代謝性アルカローシス(1-3日後にクエン酸が体内で代謝されて重炭酸イオンを生じるため)、肺うっ血(容量負荷)、低カルシウム血症(凝固薬として添加されているクエン酸によりカルシウムイオンがキレートされるため)、出血傾向(保存血中の血小板は減少してるため)
赤血球濃厚液
- 1.ショック、アナフィラキシー(様)反応(0.1%未満)
- 2.感染症(0.1%未満)
- B型、C型等の肝炎ウイルス13)、HIV-114)、HIV-215)に感染し、発症することがある (「重要な基本的注意」の項参照)。感染が認められた、あるいは症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
また、HTLV-116)、CMV17)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)18)、ヒトパルボウイルスB1919)、マラリア原虫20)、E型肝炎ウイルス(HEV)21)等に感染することがあり、その他血液を介するウイルス、細菌、原虫等に感染する危険性も否定できない。観察を十分に行い、感染が確認された場合には適切な処置を行うこと。
- 3.呼吸障害・輸血関連急性肺障害 (TRALI: transfusion related acute lung injury)22)(0.1%未満)
- 輸血中あるいは輸血後に喘鳴、低酸素血症、チアノーゼ、肺水腫、輸血関連急性肺障害 (TRALI: transfusion related acute lung injury) 等を生じることがある。特にTRALIは輸血中あるいは輸血終了後6時間以内に、急激な肺水腫、低酸素血症、頻脈、低血圧、チアノーゼ、呼吸困難を伴う呼吸障害で、時に死亡に至ることがある。これらの症状があらわれた場合には直ちに輸血を中止し、酸素投与、呼吸管理等の適切な処置を行うこと。
- 4.輸血後紫斑病 (PTP: post transfusion purpura)23)(0.1%未満)
- 輸血後約1週間経過して、急激な血小板減少、粘膜出血、血尿等があらわれることがあるので、患者の経過観察を行い、これらの症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
- 心不全、心筋障害、心房細動・心室細動等の重篤な心機能障害や不整脈があらわれることがあるので、患者の状態を十分観察し、異常が認められた場合には輸血を中止するなど、適切な処置を行うこと。
- 急性腎不全等の重篤な腎機能障害があらわれることがあるので、患者の状態を十分観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
副作用に対する対処
アナフィラキシーショック
- 参考4
- 通常輸血後10分以内に血圧低下や呼吸困難などが認められるなどアナフィラキシーショックが疑われた場合、直ちに輸血を中止し、アドレナリンを筋注する。
参考
- http://www.jrc.or.jp/vcms_lf/iyakuhin_seihin_tenpu_ir-ftrc090805.htm
- http://www.dokkyomed.ac.jp/dep-k/cli-lab/shiba/MANUAL-1/bloodManual2.pdf
- http://www.yuketsu.gr.jp/qa/main.html
- 4. 血液・呼吸器内科のお役立ち情報:アレルギー/アナフィラキシー:輸血の副作用とその対策(4)
- http://www.3nai.jp/weblog/entry/51024.html
国試