- 英
- etretinate
- 商
- チガソン Tegison
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/01/10 11:25:17」(JST)
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エトレチナート
|
IUPAC命名法による物質名 |
ethyl 9-(4-methoxy-2,3,6-trimethyl-phenyl)- 3,7-dimethyl-nona- 2,4,6,8-tetraenoate |
臨床データ |
AHFS/Drugs.com |
Micromedex Detailed Consumer Information |
MedlinePlus |
a601010 |
法的規制 |
?
|
投与方法 |
Oral |
薬物動態的データ |
半減期 |
120 days |
識別 |
CAS番号 |
54350-48-0 |
ATCコード |
D05BB01 |
PubChem |
CID 5282375 |
DrugBank |
APRD00966 |
ChemSpider |
4445538 |
UNII |
65M2UDR9AG |
KEGG |
D00316 |
ChEBI |
CHEBI:4913 |
ChEMBL |
CHEMBL464 |
化学的データ |
化学式 |
C23H30O3 |
分子量 |
354.483 g/mol |
SMILES
- O=C(OCC)\C=C(\C=C\C=C(\C=C\c1c(cc(OC)c(c1C)C)C)C)C
|
InChI
-
InChI=1S/C23H30O3/c1-8-26-23(24)14-17(3)11-9-10-16(2)12-13-21-18(4)15-22(25-7)20(6)19(21)5/h9-15H,8H2,1-7H3/b11-9+,13-12+,16-10+,17-14+
Key:HQMNCQVAMBCHCO-DJRRULDNSA-N
|
エトレチナート(英語: Etretinate)とは、ビタミンA誘導体であり乾癬や毛孔性苔癬に有効とされる薬である。エフ・ホフマン・ラ・ロシュで開発され、FDAで1986年に承認された。
欧米ではテジソン(Tegison)の名で発売されていたが、催奇性という強い副作用のために1996年にカナダ、1998年にアメリカ合衆国で使用禁止となっている。日本では中外製薬からチガソン(Tigason)の名で発売されており[1]、先進国では唯一発売が続けられている。
日本国内でも2例の先天異常症例が報告されており、製造元である中外製薬が定期的に注意喚起を行っている[2]。
服用時の注意点
ビタミンAの薬との併用は不可[1]。ビタミンAの過剰摂取となり肝機能などに悪影響を与える危険性がある。 長期の服用の場合定期的に肝機能と中性脂肪の検査を行う必要がある。
日本では、レチノイド(ビタミンA)の脂溶性が強く、体内に長期間蓄積されることから、服用中はもちろん、服用後の妊娠につながる性行為(女性は最低2年間・男性は最低6ヶ月間の避妊が必要)と、男女とも最低2年間は献血をしてはならない事となっている[1][2]。処方に当たっては皮膚科医師からの説明の上、同意書を交わす[1][2]。閉経前の女性に対しては、妊娠検査を行い、妊娠していないことを確認される事もある。そして薬剤師の問診・確認を済ませて初めて処方されることとなっている。
副作用
めったに発生することはないが以下の症状が出た場合医療機関に受診を薦める。
- 高熱、ひどい発疹・発赤、唇や口内の爛れ、のどの痛み、水ぶくれ、皮がむける、強い痛み、目の充血(これらの症状は重い皮膚症状である)
- だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色(これらの症状は重い肝臓の重い症状である)
脚注
- ^ a b c d 中外製薬 (2009年6月). “チガソン”. 日本医薬情報センター. 2014年9月22日閲覧。
- ^ a b c 中外製薬 (2014年2月). “角化症治療剤チガソン®適正使用のお願い ― 催奇形性について ―”. 医薬品医療機器総合機構. 2014年9月22日閲覧。
|
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Japanese Journal
- 治療に苦慮した毛孔性紅色粃糠疹の1例 (特集 角化症・炎症性角化症)
- 痛くないいぼ治療 (治療にてこずる皮膚疾患) -- (足底疣贅)
Related Links
- チガソンとは?エトレチナートの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる( おくすり110番:薬事典版)
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
チガソンカプセル10
組成
成分(1カプセル中) 有効成分・含有量
成分(1カプセル中) 添加物
- 内容物:結晶セルロース、トコフェロール、ゼラチン、デキストリン
カプセル:ゼラチン、 酸化チタン、三二酸化鉄、ラウリル硫酸ナトリウム
効能または効果
- 乾癬群(尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、関節症性乾癬)、
魚鱗癬群(尋常性魚鱗癬、水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症、非水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症)、
掌蹠角化症、ダリエー病、掌蹠膿疱症、毛孔性紅色粃糠疹及び紅斑性角化症、
口腔白板症、口腔乳頭腫及び口腔扁平苔癬
- 通常成人は寛解導入量エトレチナートとして1日40?50mgを2?3回に分けて2?4週間経口投与する。1日最高用量は75mgまでとする。その後、症状に応じて寛解維持量エトレチナートとして1日10?30mgを1?3回に分けて経口投与する。
幼・小児では寛解導入量エトレチナートとして1日体重1kgあたり1.0mgを1?3回に分けて2?4週間経口投与する。その後、症状に応じて寛解維持量エトレチナートとして1日体重1kgあたり0.6?0.8mgを1?3回に分けて経口投与する。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 25歳以下の患者、特に幼児、小児(「小児等への投与」の項参照)
- 低出生体重児、新生児、乳児(「小児等への投与」の項参照)
- 糖尿病患者、肥満者、アルコール中毒症患者、脂質代謝異常患者など高中性脂肪血症の素因がある患者[脂質代謝異常が起こるおそれがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
- 中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、多形紅斑、血管炎があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 本剤は皮膚角化異常症及び口腔粘膜の過角化病変に対し、対症療法として奏効する。その詳細な作用機序は明らかではないが、落屑(角層細胞の接着力の低下)とともに正常な上皮の再形成(増殖及び分化)に関与するものと考えられる。7)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- Ethyl(2E,4E,6E,8E)-9-(4-methoxy-2,3,6-trimethylphenyl)-3,7-dimethyl-2,4,6,8-nonatetraenoate
分子式
分子量
性状
- 黄色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。酢酸エチル、1,4-ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルムに溶けやすく、アセトン又はジエチルエーテルにやや溶けやすく、ヘキサンにやや溶けにくく、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。本品は光によって変化する。
融点
★リンクテーブル★
[★]
- 66歳の女性。右下腿の紅斑を主訴に来院した。2年前に右下腿伸側に小紅斑が出現した。次第に拡大して現在のような病変を形成した。ときに軽い痒みがある。皮膚病変の写真とその生検H-E染色標本とを以下に示す。
- 治療法として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G008]←[国試_101]→[101G010]
[★]
- 英
- psoriasis
- 関
- 角化症
概念
- 慢性再発性難治性の炎症性角化症
- 代表的炎症性疾患のひとつで原因は不明:遺伝因子+環境因子(生活習慣、気候、薬物) → HLA-B27と関連していることからautoimmune diseaseとも考えられている。
- 青年から中年に好発。厚い銀白色の麟屑を伴った紅斑・丘疹が出没、表皮の炎症と表皮細胞のターンオーバーの亢進を認める。
乾癬の階層
-
-
-
病型
- 背部に散在する軽度の麟屑を伴う紅斑、丘疹 Gibertばら色粃糠疹との区別が重要
- 先行感染(溶連菌)や慢性経過の乾癬が存在していることが多い。
- 広範囲の皮膚の潮紅 紅潮皮膚の上に環状に配列する無菌性膿疱
- 通常尋常性乾癬を伴う 長期間のコントロールが必要
- 難病指定
-
- 手指の関節の著名な変形
- 尋常性乾癬を伴うことがある
病因
- 誘発因子、悪化因子(外傷、感染症、日光、薬剤、低Ca血症、肥満、妊娠、アルコール摂取、ストレス)
遺伝的背景
- 両親が乾癬:50%、片親:16.4%、家族歴:4倍
- HLA-Cw6と相関
- HLA-A1, HLA-B13, HLA-BW16, HLA-B17, HLA-B37, HLA-CW6, HLA-DR7も関連
- HLA-B27
疫学
- 初発年齢:20歳前後に大きなピーク。60歳代に小さなピーク。
- 白人1-2%(5%に達する国もある), 日本人0.1% ←人種者あり
病変形成&病理
- keratinocyteとlymphocyteの相互作用
- 乾癬患者と正常者の角化細胞を比べると、乾癬患者の方がT細胞の増殖への影響が大きい
- 乾癬患者のT細胞は正常者の表皮に乾癬を生じさせた
- 表皮細胞の遊走能などをTNF-α、IL-8などによって促進
- 炎症部位に好中球や樹上細胞などを呼び寄せるようなケモカインが出される
- 血管増殖因子を出す
- transglutaminaseが感染患者では表皮全てで発現?
-
- 表皮細胞がケモカインを放出→樹状細胞がT細胞を刺激(IL-12/IL-23で抑制される)→T細胞がケラチノサイトの増殖させる。
病理組織像
-
- keratinocyteの最終分化に関与
- ケラチン16は炎症がひどいときに発現する
症状
- 角化性丘疹が癒合した大小さまざまな紅色の局面を特徴とし、表面には典型的な鱗屑が付着
診断
検査
- 蝋片現象陽性:皮疹の爪を爪などでこすった際に白色鱗屑が見られる
- Auspitz現象陽性:鱗屑を剥がすと点状出血を認める(顆粒層減少と毛細血管拡張による)
- Kobner現象陽性:しヒンのない部位に外傷などの刺激が加わるとそこに乾癬の皮疹ができる。
治療
- 完全に治癒することはなく慢性に経過し、悪化・軽快の反復。日常生活に支障がなくなる程度まで直す。
軽症
-
- 効果が不十分な場合はステロイド外用も考慮
- ただし、very strong以上のステロイドを漫然と投与することは避けるべき
- 少量のステロイドとビタミンD3の併用療法がトレンドらしい?
- ビタミンD3による高カルシウム血症に注意
- 紫外線照射、ビタミンA酸誘導体内服、免疫抑制薬内服
中等症
- 紫外線治療(PUVA、narrow band UVB)
- 作用メカニズム;表皮角化細胞の増殖抑制、免疫抑制作用
- 副作用;火傷、発癌作用(ほかの免疫抑制剤との併用禁忌)、色素沈着(UVAの場合、まだら模様になりうる→narrow band UVBなら防ぐことができる)
- PUVA:オキソラレン+UVA。
- narrow band UVB:311nm。発癌↓
重症
-
- 作用メカニズム:T cellの活性化抑制
- 副作用:腎機能障害(血清クレアチニンが30%以上上昇した場合、投与量を少なくするか、投与を中止することが必要)。紫外線療法との併用は禁忌(発癌リスク↑)
- 作用メカニズム:分化誘導作用
- 副作用;催奇形性(女性2年、男性6ヶ月の避妊が必要)、骨形成阻害(小児への長期投与は慎重に)、肝機能障害、高脂血症。(高頻度)口唇炎、手指の落屑。
- 副作用が強いので最後の手段として使用する。
- 作用メカニズム:表皮角化細胞の増殖抑制
- 副作用:肝機能障害
日常生活治療、指導、補助
- 痒みに対する処置~抗ヒスタミン剤、入浴、食べ物(刺激の強い食べ物)
- 肥満、糖尿病、高脂血症の予防
- アルコールの抑制、肝機能障害
- スキンケア
参考
- 1. [charged] Epidemiology, pathophysiology, clinical manifestations, and diagnosis of psoriasis - uptodate [1]
- 2.
- http://sweetmemory.sakura.ne.jp/kansen/kansen03_1.html
USMLE
- Q book p.289 9
- A 30-year-old woman has chronic, silver-white, scaly patches with an erythematous border on the skin of her knees and elbows.
[★]
- 英
- pregnancy, gravidity, gestation
- 関
- 妊娠週数、妊娠期間、(妊娠週数・妊娠月数の推定)子宮#子宮の大きさ、trimester。妊婦
- 妊娠x週
- x weeks of gestation
妊娠期間 (L.107)
- 最終月経の開始から280日(40週)
- 受精後266日(38週)
妊娠に伴う自覚、検査所見
- QB必修
- 尿検査による妊娠反応陽性:4週
- つわり症状 :6週
- 胎動の自覚 :18-20週
検査
超音波検査
- QB必修
- 妊娠4週:胎囊
- 妊娠5週:胎児
- 妊娠6週:胎児心拍
- 妊娠10-12週:ドップラーによる胎児心拍
尿妊娠反応
妊娠による変化
- G10M.38 NGY.293-303
- 循環血液量増加 → 血漿量の増加が血球成分の増加より著しい → 血液希釈(赤血球数↓、Hb↓、Ht↓)
- 白血球増加(5000~12000 /ul)。多核白血球優位に増加。
- 凝固能:凝固系亢進、線溶系抑制
- 血液凝固因子:第XI因子、第XIII因子を除き、血液凝固因子の濃度が上昇
- 胃:緊張度と運動性低下。食道括約筋圧低下、妊娠子宮による胃の変異により胃食道逆流が生じやすい(→麻酔管理では妊婦はfull stomach扱い)。
- 胸郭弛緩、横隔膜挙上、気道拡張(プロゲステロンによる気管平滑筋弛緩)
- →[一回換気量]増加、[予備呼気量]減少、[残気量]減少 → 残気量が減少し、一回換気量が増加 → 分時換気量増加
-
- 食後血糖は上昇。空腹時血糖は低下する。また、食後に高インスリン血症が持続する。 (NGY.293)
- FSH, LH:非妊娠時の基礎値
- hCG:10週前後にピークとなり以降、減少。
- PRL:妊娠末期に向かって増加
妊娠によるエネルギー付加量
- NGY.324
- 日本人成人女子の生活活動強度別の栄養所要量(kcal/day)
- 妊婦 +350
- G10M.72
- 妊娠初期:50kcal
- 妊娠中期:250kcal
- 妊娠末期:500kcal
- 授乳中:450kcal
妊娠と服用薬
- 妊娠と薬情報センター - 独立行政法人 国立成育医療研究センター
- http://www.ncchd.go.jp/kusuri/index.html
服用薬の影響
- 4週から7週末までは器官形成期であり、催奇形性が確認されているものはワルファリン(鼻奇形、骨形成不全)、メトトレキセート(種々の奇形)、抗てんかん薬(種々の奇形)がある。(参考1)
臨床関連
届出
参考
- http://www.jsog.or.jp/activity/pdf/FUJ-FULL.pdf
[★]
- 英
- etretinate
- 関
- エトレチナート