- prosthetic
- 英
- prosthetic valve PV, artificial valve
- 同
- 人工心臓弁 prosthetic cardiac valve
機械弁と生体弁の比較
|
機械弁
|
生体弁
|
種類
|
二様弁
|
1. 異種生体弁(ブタ大動脈弁、牛心膜弁) 2. 同種生体弁(大動脈弁置換術のみ) →ヒト大動脈弁、自己肺動脈弁
|
利点
|
耐久性(10年以上)
|
・抗血栓療法が不要 ・自然な弁機能
|
欠点
|
血栓予防のために 生涯ワーファリンの服用が必要
|
10年以下(再手術を要する)
|
適応
|
普通は機械弁を使用
|
1. 出産希望 2. 出血性疾患がある症例 3. 小児(自己肺動脈弁)
|
人工弁と生体弁まとめ
- 人工弁(機械弁)は10年以上もつ耐久性があるというメリットがあるが、一方で弁に血栓が形成されないよう生涯にわたって抗血栓薬を服用する必要がある。生体弁は異種生体弁(ブタ大動脈弁、ウシ心膜弁)と同種生体弁(ヒト大動脈弁、自己肺動脈弁)があるが、いずれも抗血栓薬の服用が不要であるというメリットがあり、これは出産を希望している女性、小児、出血性疾患がある症例においては良い適応となる。一方で、耐久性に問題があり、10年を超えると弁機能不全となり交換を要するというデメリットがある。
WordNet
- relating to or serving as a prosthesis
- of or relating to prosthetics
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/09 12:55:01」(JST)
[Wiki ja表示]
人工心臓弁 (じんこうしんぞうべん、英: Artificial heart valve)または人工弁 とは、心臓弁膜症患者の心臓に移植される医療機器である [1][2]。
心臓弁は心臓の一つの心腔[注釈 1]から他の心腔へ一方向に血液を流し逆流を防ぐことにより、心臓の生理学的機能に重要な役割を果たしている。人工弁はこの心臓弁の持つ機能を代替するものである。
目次
- 1 種類
- 2 機械弁
- 3 生体弁
- 4 脚注
- 5 参考文献
- 6 関連項目
種類
人工弁置換術に臨床的に使用される人工弁は、耐久性の優れた人工材料を用いた機械弁、化学的に処理された生体材料を用いた生体弁、および死体から大動脈弁、肺動脈弁を採取し凍結保存されたホモグラフトが挙げられる。また、人工弁の持つ種々の問題点を克服するために生体適合性を持った人工弁の開発が行われており、ティッシュエンジニアリングの技術を用いた組織工学弁として、一部の国では臨床応用に入っている。[3]
- 機械弁
- 開胸移植
- ボール弁、ディスク弁
- 傾斜型ディスク弁(一葉弁)
- 傾斜型ディスク弁(二葉弁)
- 経皮的移植(Percutaneous aortic valve replacement)
- 生体弁
- ホモグラフト
- 組織工学弁
機械弁
人工材料を用いた機械弁は、人工心肺を使用した開心術が始まった1952年から使用され[4]、当初はボール弁が使用された。1967年に一葉の傾斜型ディスク弁が登場し、さらに材質に炭素樹脂(パイロライティックカーボン(英語版))が使われるようになり耐久性と抗血栓性が著しく向上した。1977年には二葉の傾斜型ディスク弁が登場し、弁を通過する血流の中心流が得られ、挿入しやすいことから広く用いられ、2010年代現在においても主流として使用されている[5]。
生体弁
生体弁は移植に適するように化学的な処理を施された、ブタに代表される動物の心臓弁である。1968年にブタ大動脈弁が開発され、1971年より商業ベースでの生産が始まった[5]。ブタの心臓は最もヒトの心臓に似ており、解剖学的な適性がある。もう一つの生体弁は弁状に整形した生体組織を金属の枠に縫い付けたものである。この生体組織には典型的にはウシ、またはウマの心膜が用いられる。心膜は非常に強度が高いため、心臓弁の用途に適している。
機械弁と比較した生体弁の最大の利点は、長期にわたってワーファリン (血液の抗凝固剤) を服用する必要が無いことである。その他心房細動や高血圧、心機能低下などがなければ術後の内服薬も少なく、通院も年1~2回程度で済み、術後のQOLは非常に良好である。一方耐久性の点では機械弁に劣り、若年者に埋め込んだ場合は長年の間には再手術が必要となる[5]。
脚注
注釈
- ^ 心腔(しんくう,英: Heart chamber)とは、心臓を構成する区画(心房や心室)を表す解剖学用語である。
出典
- ^ Bertazzo, Sergio; Gentleman, Eileen; Cloyd, Kristy L.; Chester, Adrian H.; Yacoub, Magdi H.; Stevens, Molly M. (2013). "Nano-analytical electron microscopy reveals fundamental insights into human cardiovascular tissue calcification". Nature Materials 12 (6): 576–83. doi:10.1038/nmat3627. PMID 23603848.
- ^ Miller, Jordan D. (2013). "Cardiovascular calcification: Orbicular origins". Nature Materials 12 (6): 476–8. doi:10.1038/nmat3663. PMID 23695741.
- ^ 弁膜症外科の要点と盲点.pp95-96.
- ^ Hufnagel CA, Conrad PW. A new approach to aortic valve replacement. Ann Surg. May 1968; 167(5): 791–795.
- ^ a b c 心臓血管外科テキスト,pp280-283
参考文献
- 高本眞一・四津良平. 『弁膜症外科の要点と盲点』. 文光堂. ISBN 978-4-8306-2320-2
- 龍野勝彦 他. 『心臓血管外科テキスト』. 中外医学社.ISBN 978-4-498-03910-0
関連項目
|
この項目は、医学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:医学/Portal:医学と医療)。 |
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 心臓弁膜症手術の進歩と最新カテーテル治療 (特集 心臓弁膜症 : 初期診断・治療・管理のすべて)
- 僧帽弁形成術直後に溶血性貧血を認め再形成術を施行した1症例
- 症例 生体弁による大動脈弁兼僧帽弁置換術後6年でパンヌス形成をきたした1例
- 中村 真,村岡 新,相澤 啓 [他]
- 胸部外科 = The Japanese journal of thoracic surgery 68(7), 528-531, 2015-07
- NAID 40020521903
- 症例 弁構造が原因となった大動脈弁位機械弁開閉不全の1例
- 盛島 裕次,新垣 勝也
- 胸部外科 = The Japanese journal of thoracic surgery 68(6), 453-455, 2015-06
- NAID 40020491032
Related Links
- 2011年2月14日 人工弁の手術について分かりやすく解説した「人工弁置換術」を掲載しました。
- 生体弁について 始めに記したとおり、人工弁で生体弁と言えば異種生体弁のことなので「異種」は今後省略します。生体弁にはステント付きとステントレスがあります。 (ステント付き):ステントというのは弁の支柱のような ...
- もくじ 弁膜症とは? 弁膜症の原因は? 弁膜症の治療は? 2種類の人工弁 生体弁と機械弁-そのメリット、デメリット どちらを選ぶ? 生体弁か、機械弁か 弁膜症とは? 弁膜症といえば、心臓の病気だとご存じの方は多いと思います。
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 38歳の女性。労作時息切れを主訴に来院した。幼少時に先天性僧帽弁狭窄症と診断され、経過観察されていた。1年前から買い物で長時間歩くと息切れを自覚していた。最近は家事でも息切れを生じるようになってきた。今回、精査の結果で人工弁置換術を施行する予定となった。
- 人工弁の種類(生体弁または機械弁)の選択において考慮すべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109G056]←[国試_109]→[109G058]
[★]
[★]
- 英
- caged ball valve
- 関
- 人工弁
[★]
- 英
- prosthetic valve surgery
- 関
- 弁置換術、人工弁置換術
[★]
- 英
- composite graft
- 同
- 人工弁付き人工血管
[★]
- 英
- prosthetic valve endocarditis
[★]
- 英
- prosthetic valve replacement
[★]
- 英
- artificial
- 関
- 人為的、人工的