- 英
- promyelocyte, promyeloblast
- 関
- 血球。好中球
- 骨髄の中に存在する
- 顆粒球系未熟細胞の中で最も大きく、径は12~20/15-25μmと大型で細胞質は広くなる(骨髄芽球より核細胞質比が低下)。
- 細胞質は好塩基性に青染するが、骨髄球の時期に近づくと淡橙色が混在してくる。
- 細胞質にはびまん性に紫赤色の粗大なアズール顆粒(一次顆粒)が増加するが、好中性顆粒(二次顆粒)は形成されない(骨髄球では好中性顆粒が産生される)。
- ミエロペルオキシダーゼ活性は分泌小器官(粗面小胞体、ゴルジ装置)と一次顆粒で強陽性を示す。
- 核は骨髄芽球と同様であるが、円形・類円形をなし、細胞質の片側に偏在して位置する傾向がみられ、かつ核小体が残存する(骨髄芽球では核小体が消失)。
臨床関連
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/02/22 04:57:36」(JST)
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前骨髄球(ぜんこつずいきゅう、英: promyelocyte)とは、造血の過程でみられる細胞のひとつ。造血幹細胞が好中球などの顆粒球へと分化・成熟する過程において、骨髄芽球と骨髄球の間の段階である。健常時には骨髄中にのみ存在するが、白血病や悪性腫瘍の骨転移などによって類似した形態の細胞が末梢血中で観察されることもある。
目次
- 1 顆粒球の成熟
- 2 形態
- 3 脚注
- 4 参考文献
- 5 関連項目
顆粒球の成熟
詳細は「造血」を参照
造血幹細胞とその細胞系統
図 では骨髄芽球から好酸球、好塩基球に至るまでの過程が省略されているが、これら系も好中球と相同する骨髄芽球、前骨髄球、骨髄球、後骨髄球、桿状核球、 分葉核球という一連の過程を経るとされる。ただし前骨髄球の段階では、3種の系それぞれに特異的な染色性の発現がまだ十分でないため、形態学的にこれらを 鑑別するのは容易ではない。
骨髄中の造血幹細胞から分化し始めた幼若な血液細胞は、盛んに分裂して数を増やしながら少しずつ分化を進めていく。顆粒球のうち大きな割合を占める好中球を例にとると、造血幹細胞から始まり、骨髄系幹細胞(骨髄系前駆細胞)、顆粒球・単級系前駆細胞を経て、骨髄芽球、前骨髄球、骨髄球、後骨髄球と順次変化していき、最終的に末梢血でみられるような桿状核球ないし分葉核球といった、いわゆる好中球に成熟する[1]。一連の成熟過程は連続的なものであり、前骨髄球の場合、早期のものは骨髄芽球と、後期のものは骨髄球と中間的な形態を示すものが観察されることもある。
好酸球や好塩基球の場合も同様であり、骨髄芽球、前骨髄球、骨髄球、後骨髄球といった好中球と相同する成熟過程が観察され、必要に応じてこれら用語に「好酸性」「好塩基性」が冠されることもある。このことにより顆粒球は、以上のような共通の成熟過程をもって一元的に説明することが可能である。なお、造血幹細胞がどの顆粒球に分化するかは、前駆細胞の段階で既に決定しているということが知られている。
形態
骨髄の顕微鏡写真。アルコール固定後ギムザ染色。左上に分葉核球が2つ、左下に桿状核球が2つ、中央の大きな細胞が前骨髄球、前骨髄球の周りの4つが骨髄球および後骨髄球である。
直径は15-25μmであり白血球系の分化の過程の中でもっとも大きい細胞である。核は骨髄芽球ほどではないが大きく丸く、クロマチン構造はわずかに凝縮を始め、骨髄芽球よりは粗剛になるが後の分化段階の細胞と比べれば繊細である。1-2個の核小体を含み、細胞分裂能を有し、30時間程度の細胞周期で2回ほどの細胞分裂を行う。細胞質はやや好塩基性で大きく目立つアズール顆粒を豊富に含む[2][3][4]。
なお、前骨髄球は、好中球系、好酸球系、および好塩基球系の3種が存在する。しかし実際は、それぞれの系に特異的な染色性の発現がまだ十分ではないため、これらを形態学的に鑑別するのは容易ではない。最近では、免疫マーカーなどの手法を用いて鑑別がなされることもある。
より成熟が進むと、核が凝縮し、細胞自体も縮小して骨髄球となる[3]。骨髄球では、アズール顆粒が減少するかわりに二次顆粒が増加するため、3種の系それぞれの染色性の差異が明らかになってくる。
脚注
- ^ 『三輪血液病学 第3版』p299
- ^ 『三輪血液病学 第3版』p299-300
- ^ a b 『三輪血液病学 第3版』p263
- ^ 朝倉『内科学』p1588
参考文献
- 浅野 茂隆、内山 卓、池田 康夫 監修、『三輪血液病学 第3版』文光堂、2006
- 杉本恒明、矢崎義雄 総編集『内科学』第9版、朝倉書店、2007
関連項目
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- 急性骨髄性白血病・急性前骨髄球性白血病の治療 (特集 造血器疾患 : 最新の冶療戦略(骨髄系疾患))
- 急性前骨髄球性白血病 (特集 成人白血病に対する治療 : 治癒を目指して) -- (急性白血病に対する薬物治療の実際)
- 亜砒酸療法を受けた再発急性前骨髄球性白血病患者の体験と同病者から受けたサポート
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★リンクテーブル★
[★]
- 43歳の男性。健診で白血球増多を指摘され来院した。自覚症状は特にない。体温 36.5℃。脈拍 84/分、整。血圧 136/76mmHg。表在リンパ節を触知しない。左肋骨弓下に脾を3cm触知する。血液所見:赤血球 430万、Hb 12.8g/dL、Ht 42%、白血球 35,000(骨髄芽球 2%、前骨髄球 2%、骨髄球 5%、後骨髄球 7%、桿状核好中球 4%、分葉核好中球 60%、好酸球 8%、好塩基球 7%、リンパ球 5%)、血小板 35万。血清ビタミンB12 8,600pg/mL(基準 250~950)。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No. 18A)、骨髄細胞染色体分析(別冊No. 18B)及び末梢血好中球bcr/abl遺伝子のFISH解析(別冊No. 18C)を別に示す。
- 治療薬はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113D047]←[国試_113]→[113D049]
[★]
- 英
- hemocyte, blood corpuscle, hematocyte
- ラ
- hemocytus
- 同
- 血液細胞 blood cell
- 関
- 血液
血球の割合
|
個数(/ul)
|
|
個数(/ul)
|
個数(%)
|
赤血球
|
男:500万 女:450万
|
|
5000000
|
95.1
|
白血球
|
5000-10000
|
|
7500
|
0.1
|
血小板
|
15万-35万
|
|
250000
|
4.8
|
寿命
- 赤血球:120日
- 好中球:6-8時間
- 血小板:10日
- 形質細胞:1-3日
- メモリー細胞:数年
血球の特徴
|
|
赤血球
|
単球
|
好酸球
|
好中球
|
好塩基球
|
リンパ球
|
大きさ
|
7~8μm
|
12~20μm
|
10~15μm
|
10~13μm
|
9~12μm
|
7~15μm
|
赤血球と比べた大きさ
|
------
|
かなり大きい
|
2倍以上
|
約2倍
|
2倍弱
|
小リンパ球は同じ程度
|
細胞質
|
|
アズール顆粒。 広く不規則な突起
|
橙赤色の粗大円形顆粒
|
暗紫色に染まる微細な顆粒 アズール顆粒
|
赤紫色の大小不同の顆粒
|
狭く淡い青色
|
核
|
|
くびれ有り
|
2葉、眼鏡型
|
桿状好中球 分葉好中球
|
格の上にも顆粒あり
|
球形
|
[★]
- 英
- acute myeloid leukemia AML, acute myelogenous leukemia, acute myelocytic leukemia
- 同
- 急性骨髄芽球性白血病 acute myeloblastic leukemia
- 関
- 骨髄性白血病、白血病、急性白血病。急性非リンパ性白血病、急性非リンパ球性白血病
[show details]
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- see 白血病まとめ.xls
概念
- 骨髄で分化に異常をきたした白血球系の腫瘍性増殖により、末梢血に幼弱な細胞(未分化な細胞)が出現する病態である。このため、末梢血で幼弱な白血球と成熟した白血球のみしか観察されない(白血球裂孔)。骨髄では病的な白血球の増加により赤血球系、巨核球系の血球の増殖が抑制される。このような急性白血病の病態の中で、MPO染色において(leukemic blastの)3%以上が陽性の場合に急性骨髄性白血病と呼ばれる。
FAB分類
治療
- M3とそれ以外で異なる。
M3以外
化学療法
- 多剤併用化学療法による白血病細胞の完全な消失を目指す。寛解導入療法、地固め療法、維持療法/維持強化療法の段階に分けて治療を勧める。
造血幹細胞移植療法
対症療法
- 輸血(赤血球、血小板)、G-CSF、利尿薬、アロプリノール、ヘパリン、アンチトロンビン
M3
参考
- http://www.sysmex-tmc.co.jp/cd/rinsyou/demo/VI/HTML/6_2130.HTM
- http://ganjoho.jp/public/cancer/data/AML.html
[★]
- 英
- neutrophil (Z),neutrophile ,neutrophils
- 関
- 血液、血球、白血球
特徴
- マクロファージより貪食能が高い
- 非特異的感染防御に関与
- 寿命:1週間。(他の資料:1週間以内。血中で6-7時間,活性化時1-2日。)
- 好中球比率(対白血球):50-60%。文献によっては50-70%
- ケモカインによって走化能を示し、異物を貪食する
- 貪食→食胞形成→proteolysis (lysosome: 約30種類)
分化・成熟
骨髄芽球:顆粒なし
↓
前骨髄球:アズール顆粒出現
↓
骨髄球:好中球に特異な顆粒(ALP、リゾチーム)が出現
↓
後骨髄球:核が分葉。細胞分裂(-)
↓
桿状核球:末梢血中に現れる� ↓
↓
分葉核球:成熟細胞
顆粒
成長とリンパ球・好中球数
- PED.703
- リンパ球数は生後1ヶ月以降に増加して6ヶ月~1年でピークとなり、以降減少して成人と同程度となる。
- これに対して好中球は生下時にピークとなり、以降減少して成人と同程度となる。
- 生後一ヶ月までは好中球優位であり、1ヶ月~2-6歳まではリンパ球優位となり、以降好中球優位となる。
臨床関連
- 末梢血好中球数1500/μl以下 、特に500/μl以下 (定義:[1])
- 末梢血好中球数7500/μ以上
- 慢性肉芽腫症:NADPH酸化酵素の異常による好中球の活性酸素産生障害をきたす疾患。常染色体劣性遺伝。
- チェディアック・東症候群:細胞内輸送蛋白(CHS1)の調節の異常により巨大顆粒の形成、殺菌性蛋白・溶菌性酵素の食胞内放出が障害され、また好中球の遊走能が低下する疾患。常染色体劣性遺伝。
[★]
- 英
- azurophilic granule
- 関
- 顆粒、白血球
概念
- 医学辞書
- アズールによって赤紫色に染色される細胞質内の顆粒で、血液細胞(顆粒球、単球、リンパ球)にみられる。顆粒球において顕著で、前骨髄球段階から出現。
- アズール好性
- アズール→紫褐、紫赤
- リンパ球、単球、前骨髄球、血小板、巨核球
- リンパ球では0.3-0.6μm
顆粒内に含まれる物質
- BPT.39
NADPH + O2 -(NADPH oxidase)→ O2-・ (superoxide)
O2-・ -(spontaneous dismutation)→ H2O2 (gydrogen peroxide)
H2O2 -(myeloperoxidase)→ HOCl・
[★]
- 英
- acute myeloblastic leukemia with maturation, acute myeloblastic leukemia, with granulocytic maturation, (FAB分類)M2
- 関
- 急性骨髄性白血病, acute myeloid leukemia with maturation and with t(8,21)
- アズール顆粒が見られる。
- アウエル小体も見られる。
- 前骨髄球にまで分化したものはアズール顆粒を有しており、そうでない物は骨髄芽球と考えられる。
- 核内には明るく抜けた核小体が1-3,4個みられる。
- M2が分化した物が混在しているのに対して、M3は前骨髄球に分化したものばかり見られるという、M3ではアズール顆粒が著明、M3でアズール小体が複数見られる点で異なる、と思われる。
参考
- 1. 血液検査コーナー Clinical Case Study 04.急性骨髄性白血病 AML:M2/ベックマン・コールター
- http://www.beckmancoulter.co.jp/hematology/clinical_cs/cs04.html
[★]
- 英
- acute promyelocytic leukemia, APL
- 同
- M3。急性前骨髄芽球性白血病?
- 関
- 急性骨髄性白血病 AML、白血病。前骨髄球
概念
- 急性骨髄性白血病の一病型
- 白血病細胞が前骨髄球の段階で成熟停止を起こした型
- FAB分類:M3
- アウエル小体が多く認められる。アウエル小体が集積した細胞(鳥の巣細胞、ファゴット細胞)がみられる。
- 免疫組織化学:MPO陽性(*ミエロペルオキシダーゼ活性はほぼ100%陽性)
- 異型前骨髄球がみられる。
- 染色体異常
- 95%以上の症例:t(15;17)(q22;q21)
- 全症例:PML遺伝子(chr.15)とRAR-α遺伝子(chr.17)の融合遺伝子の存在
M3と他のAMLを区別するポイント
検査
- 急性白血病に特徴的:高尿酸血症、LDH上昇
- 染色体異常:全例にt(15;17)を認め、PML遺伝子とRAR-α遺伝子が誘導したPML-RARA遺伝子を認める。
- [show details]
合併症
- Auer顆粒を豊富に含み、この中にはトロンボプラスチン類似物質を含む。この物質の逸脱により凝固が亢進しDICにつながる
- 線溶亢進型DICを引きおこし、臓器障害より出血症状が前面にてくる。フィブリノゲン減少、Dダイマー・FDP増加が見られる。
治療
国試
[★]
- 英
- leukemic promyeloblast、leukemic promyelocyte
- 関
- 前骨髄球
[show details]
[★]
- 英
- promyelocytic leukemia PML
[★]
- 英
- neutrophilic promyelocyte
[★]
- 英
- bone marrow (Z)
- ラ
- medulla ossium
- 関
- 骨髄組織
分類
性状
細胞成分の過少
造血
加齢変化
- 6歳以後は加齢とともに脂肪化が進み、黄色骨髄が増加
- 長管骨の末端から黄色骨髄に置換されていく。成人では脊椎骨、胸骨、肋骨などで造血が起こる
- 乏血、低酸素状態では黄色骨髄が赤色骨髄に置換され、造血ができるようになる。
[★]
- 英
- myelocyte MC
- 関
- 血球
-myelocyte
[★]
- 英
- bulbus (KH)
- ラ
- bulbus cerebri
- 同
- 延髄