- 英
- benign paroxysmal cephalo-positional dizziness, benign paroxysmal positional vertigo, BPPV
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/06/18 22:16:54」(JST)
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| 良性発作性頭位めまい症 |
| 分類及び外部参照情報 |
| ICD-10 |
H81.1 |
| プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
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良性発作性頭位めまい症(りょうせいほっさせいとういめまいしょう、英:Benign paroxysmal positional vertigo:BPPV)は、耳石の異常により起こると考えられている末梢性めまいである。1921年にRobert Baranyによって報告された。めまい専門外来で診る末梢性めまいの約40%を占めるという報告がある[1]。
目次
- 1 定義(概念)
- 2 分類
- 3 原因
- 4 診断
- 5 治療
- 6 予後
- 7 診療科
- 8 参考文献
- 9 出典
- 10 関連項目
- 11 外部リンク
定義(概念)
特定の頭位を取るか頭位を変換する(頭の向きを変える、寝た状態から起きあがる等)ことで数秒〜十数秒の回転性めまいを生じ、安静によって沈静化する特徴を持つ。再び頭位を変換することで回転性めまいが誘発される。しばしば嘔吐を伴う。蝸牛症状(難聴、耳鳴など)は見られない。
分類
原因
仮説として以下のようなものがある。
- クプラ(cupula)への耳石の付着
- 半規管内での耳石の浮遊
診断
回転性めまいのうち「頭を動かしたときのみ起きる」「じっとしていると30秒以内で止まる」「何度も頭を動かしていると軽くなっていく」等の症状があれば、まずこれを疑う。
- Nylen-Barany試験でめまいが誘発され、持続時間が十数秒以内であるほか、蝸牛症状が存在しないことを確認すれば診断が確定する。
- Dix-HallPike test
- 患側を診断するために行う。患側が判明したら、このままEpley maneuverにうつり、治療する。
- 患者をベッドなどに座らせ、頭を患側として疑われる左右のいずれかに45度回旋させる。
- 患者の頚部の回旋を維持したまま患者を背臥位にして、眼振・めまいが誘発されれば陽性で、下になった側が患側。
- 症状がみられなければ、反対に回旋させて試す。
鑑別すべき疾患としては「メニエール病」、「前庭神経炎」、「脊髄小脳変性症」、「小脳腫瘍」、「小脳障害」などがある。
治療
半規管内の浮遊物を卵形嚢に戻す浮遊耳石置換法(エプリー法(英語版))が有効な治療法である。また、めまいが起こる頭位を取れば改善していくので、安静は避ける。
予後
良い。
診療科
耳鼻咽喉科
参考文献
- 植村研一 『頭痛・めまい・しびれの臨床―病態生理学的アプローチ』 医学書院。ISBN 978-4260117272。2012年2月29日閲覧。
出典
- ^ 二木隆:めまいの診かた・考えかた、医学書院、2011
関連項目
- 三半規管
- めまい
- 回転性めまい
- メニエール病
- 前庭神経炎
- 失調
- 脊髄小脳変性症
- 多発性硬化症
外部リンク
- 日本めまい平衡医学会
- BPPVの治療における耳石置換法の意義
- めまい・ふらつき
- 良性発作性頭位めまい症の治療(Epley法)について
- 良性発作性頭位めまい症関連の論文
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 外リンパ瘻罹患後遅発性に発症した良性発作性頭位眩暈症の一例
- 石井 賢治,飯田 健二,武田 育子,白崎 隆,新川 秀一
- Equilibrium research 66(4), 145-149, 2007-08-01
- A 12-year-old male experienced left-sided hearing impairment, tinnitus, and vertigo after being hit by a volleyball. Pure tone audiometry showed severe, mixed left hearing loss and nystagmus to the ri …
- NAID 10021290318
- 野村 泰之,小川 克彦,増田 毅,平井 良治,松山 一夫,浅川 剛志,野口 雄五,濱田 敬永,鴫原 俊太郎,鴫原 じゅん子,斎藤 雄一郎,池田 稔
- 日大醫學雜誌 66(4), 337-341, 2007-08-01
- NAID 10019856054
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- 良性発作性頭位眩暈症の症状 良性発作性頭位眩暈症は、激しい回転性のめまい発作が突然やってくる疾患です。めまい発作が発症する典型的な例は、次のようなもので、発作は天井が激しくぐるぐる回るようなめまいが起こることです。
- 良性発作性頭位めまい症① - 耳の病気 どんな病気か 頭の位置が変わったときに強いめまいが短期間現れる 良性発作性頭位めまい症は、めまいを起こす病気のなかで最もよく見られます。名前のとおり、命にかかわる病気では ...
- 難聴、めまい、顔面神経疾患へ 【めまい 良性発作性頭位目眩症】 頭を特定の方に動かすと起こるめまい、それもすぐに治まってくる若年性に多いとい うめまいに『良性発作性頭位眩暈症』と言う疾患があります。 原因ははっきり ...
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★リンクテーブル★
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- 42歳の女性。繰り返す回転性めまいを主訴に来院した。昨日の朝、起床時に激しい回転性のめまいを自覚した。じっとしていると数十秒で止まったが、洗濯物を干すときと就寝時に再燃した。発作時に難聴や耳鳴りはなかったという。今朝も起床時に同様のめまいが出現したため来院した。眼振検査で頭位変換眼振を認める。純音聴力検査は正常である。他に神経症状を認めない。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111F020]←[国試_111]→[111F022]
[★]
- 40歳の男性。耳鳴を訴えて来院した。昨日30kgの荷物を持ち上げたところ、右耳でポンという音が聞こえた。以後、右耳鳴、右難聴およぴめまいが出現し、特に右側臥位で強くなるという。左向き水平回旋混合性眼振を認める。オージオグラムを次に示す。診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099G010]←[国試_099]→[099G012]
[★]
- 62歳の女性。めまいを主訴に来院した。今朝、目が覚めて起き上がろうとしたとき、周りがぐるぐる回る激しいめまいと嘔気とを自覚した。めまいは臥位安静によって数十秒で軽快する。頭痛、耳鳴、難聴および四肢の筋力低下を認めない。頭位変換眼振検査で左下懸垂頭位にて時計回り、右側臥位にて反時計回りの減衰する回旋性眼振を認める。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105D022]←[国試_105]→[105D024]
[★]
- 40歳の男性。1年前からのふらつきと歩行時の動揺視とを主訴に来院した。両側耳鳴もある。鼓膜は正常である。温度眼振検査では両側反応の低下を認める。オージオグラムを次に示す。考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100A010]←[国試_100]→[100A012]
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- 65歳の男性。数か月前から暗闇を歩くと体の動揺が激しく、歩行が困難となり来院した。目を閉じても体の動揺が著明であるが、明るい場所を歩く限り問題がない。30年前に肺結核のためにストレプトマイシンの投与を受けたことがあり、それ以降難聴となっている。
- 考えられる疾患はどれか。
※国試ナビ4※ [095D010]←[国試_095]→[095D012]
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- 肢位の写真 (別冊 No. 2)を別に示す。
- 異常所見を見出すためにこの肢位が最も適しているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108H012]←[国試_108]→[108H014]
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- 反復する回転性めまい発作患者の聴力像を以下に示す。
- QB S-76
[正答]
※国試ナビ4※ [097H012]←[国試_097]→[097H014]
[★]
- a 難聴を伴う。
- b 眼振は出現しない。
- c 寝返りで誘発される。
- d 非回転性のめまいである。
- e 一過性の意識消失を伴う。
[正答]
※国試ナビ4※ [105C013]←[国試_105]→[105C015]
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- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097B046]←[国試_097]→[097B048]
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※国試ナビ4※ [107H013]←[国試_107]→[107H015]
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※国試ナビ4※ [100B016]←[国試_100]→[100B018]
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※国試ナビ4※ [099D074]←[国試_099]→[099D076]
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※国試ナビ4※ [096E022]←[国試_096]→[096E024]
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- 関
- Epley maneuver
- 同
- イプリー法、イプリ法、Epley法、エプリ法
- 関
- 良性発作性頭位眩暈症
[show details]
<youtube>http://www.youtube.com/watch?v=ZqokxZRbJfw</youtube>
<youtube>http://www.youtube.com/watch?v=pa6t-Bpg494</youtube>
[★]
良性発作性頭位眩暈症 benign paroxysmal positional vertigo
[★]
良性発作性頭位眩暈症 BPPV
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良性発作性頭位眩暈症
[★]
良性発作性頭位眩暈症
[★]
- 日
- げんうん、めまい
- 英
- vertigo, dizziness
- ラ
- vertigo
- 同
- めまい発作 dizzy spell
- 関
- めまい、耳鳴り
めまいの分類
IMD. 276
- SOD.134
原因部位による分類
めまいをきたしうる疾患
- IMD.277
原因部位と眼振
原因部位の鑑別
- 研修医当直御法度 症例帳 p.22
- IMD.279
|
|
末梢前庭性めまい
|
中枢性めまい
|
| 性状
|
回転性が多い
|
回転性は少ない
|
| 強さ
|
強い
|
軽度
|
| 持続時間
|
数日まで
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数日以上
|
| 眼振の方向
|
一方向性
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注視方向性
|
| 自発眼振の性状
|
水平回旋性が多
|
純回旋性、垂直性
|
| 固視の影響
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抑制される
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抑制されない
|
| 注視眼振の増強する方向
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健側
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患側
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| 蝸牛症状
|
多い
|
稀
|
| 中枢神経症候
|
なし
|
あり
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| 悪心・嘔吐
|
軽度~重度
|
ない or 軽度
|
疫学
- IMD.277
- 1. 末梢前庭性眩暈:4-5割 → 良性発作性頭位眩暈が多い。
- 2. 中枢性眩暈 :3割
眩暈、難聴をきたす疾患
検査
参考
- 1. [charged] Benign paroxysmal positional vertigo - uptodate [1]
[★]
- 英
- positional vertigo
- 関
- 頭位性眩暈、頭位めまい症、頭位性回転性めまい、頭位性めまい
[★]
- 英
- vertigo、vestibulopathy
- 関
- 眩暈、めまい、回転性めまい、めまい症
[★]
- 英
- cephalic presentation of fetus
[★]
- 英
- sis, pathy