- 英
- human growth hormone、hGH
- 商
- Humatrope, Nutropin, Protropin
- 関
- ソマトロピン
WordNet
- trade name of a synthetic human growth hormone given to children deficient in the hormone; use by athletes and weightlifters is banned
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/05/14 12:11:29」(JST)
[Wiki ja表示]
成長ホルモン(英: growth hormone、GH)は脳下垂体前葉のGH分泌細胞から分泌されるホルモンである。ヒト成長ホルモンは特に hGH(英: human GH)と呼ぶ。
目次
- 1 基本的特徴
- 2 生理作用
- 2.1 成長に関する作用
- 2.2 代謝に関する作用
- 3 分泌調節
- 4 関連疾患
- 5 出典・脚注
- 6 関連項目
|
基本的特徴 [編集]
主要な成長ホルモンは191個のアミノ酸からなり、分子量は22kDaである。プロラクチンと遺伝子構成・アミノ酸配列が近く、一つの祖先となる遺伝子が重複し、機能が分化したと考えられている。ヒト成長ホルモン遺伝子は17番染色体に位置する。
標的器官に直接働く場合と間接的に働く場合がある。間接的に働く場合、成長ホルモンが肝臓などにはたらきかけ、IGF-1(インスリン様成長因子-1、別名ソマトメジンC)を分泌させ、それらが標的器官に働きかける。
経口での摂取では効果がなくなってしまうので自己注射法での投与を行うものである[1]。
生理作用 [編集]
成長ホルモンには成長に関する作用と代謝をコントロールする作用がある。
成長に関する作用 [編集]
主にIGF-1を介して起こり、標的器官の細胞分裂を盛んにさせる。
- 骨の伸長 -- 幼児期に骨端の軟骨細胞の分裂・増殖を促し、骨を伸張させる。
- 筋肉の成長 -- 特定のアミノ酸の取り込みを促し、タンパク質合成を促進する。
代謝に関する作用 [編集]
成長ホルモンが直接作用する場合、IGF-1を介す場合の両方がある。
- 代謝促進 -- 炭水化物、タンパク質、脂質の代謝を促進する。
- 血糖値上昇 -- 肝臓でのグリコーゲン分解を促し、また抗インスリン作用(インスリンを抑制し、血糖値を上昇させる)を持つため、血糖値を一定に保つ。
- 恒常性の維持 -- カルシウム濃度などを一定に保ち、体内の恒常性を維持する。
- 体脂肪動員の促進 -- エネルギー不足の状態の時、脂肪組織から遊離脂肪酸の形で放出させる。
分泌調節 [編集]
成長ホルモンはあらゆる因子によって分泌調節を受け、パルス状分泌をする。
視床下部から分泌される成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)の作用を受けてGH産生細胞から分泌される。また視床下部からのソマトスタチンにより分泌が抑制される。
成長ホルモン自身によりネガティブフィードバックで分泌が抑制される。また、IGF-1も下垂体に作用してネガティブフィードバック機構により成長ホルモンの分泌を抑制する。
関連疾患 [編集]
- 分泌不足 -- 成長ホルモンの分泌が小児期に少ないと、成長ホルモン分泌不全性低身長症(以前下垂体性小人症と呼ばれていたが、差別的であるとして使用されなくなった)をおこす。
- 分泌過剰 -- 成長ホルモンの分泌が亢進することにより、骨の成長が完成前であると巨人症をひきおこし、完成後であると末端肥大症をひきおこす。
出典・脚注 [編集]
関連項目 [編集]
内分泌器:ホルモン(ペプチドホルモン、ステロイドホルモン) |
|
視床下部 - 脳下垂体 |
視床下部
|
GnRH - TRH - ドーパミン - CRH - GHRH - ソマトスタチン - ORX - MCH - MRH - MIH
|
|
脳下垂体後葉
|
バソプレッシン - OXT
|
|
脳下垂体中葉
|
インテルメジン
|
|
脳下垂体前葉
|
αサブユニット糖タンパク質ホルモン(FSH - LH - TSH) - GH - PRL - POMC(ACTH - MSH - エンドルフィン - リポトロピン)
|
|
|
副腎 |
副腎髄質
|
副腎髄質ホルモン(アドレナリン - ノルアドレナリン - ドーパミン)
|
|
副腎皮質
|
副腎皮質ホルモン(アルドステロン - コルチゾール - DHEA)
|
|
|
甲状腺 |
甲状腺
|
甲状腺ホルモン(T3 - T4 - カルシトニン)
|
|
副甲状腺
|
PTH
|
|
|
生殖腺 |
精巣
|
テストステロン - AMH - インヒビン
|
|
卵巣
|
エストラジオール - プロゲステロン - インヒビン/アクチビン - リラキシン(妊娠時)
|
|
|
その他の内分泌器 |
膵臓
|
グルカゴン - インスリン - ソマトスタチン
|
|
松果体
|
メラトニン
|
|
|
内分泌器でない器官 |
胎盤:hCG - HPL - エストロゲン - プロゲステロン - 腎臓:レニン - EPO - カルシトリオール - プロスタグランジン - 心臓:ANP - BNP - ET - 胃:ガストリン - グレリン - 十二指腸:CCK - GIP - セクレチン - モチリン - VIP - 回腸:エンテログルカゴン - 脂肪組織:レプチン - アディポネクチン - レジスチン - 胸腺:サイモシン - サイモポイエチン - サイムリン - STF - THF - 肝臓:IGFs(IGF-1 - IGF-2) - 耳下腺:バロチン - 末梢神経系:CGRP - P物質
|
|
誘導タンパク質 |
NGF - BDNF - NT-3
|
|
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- ヒト成長ホルモン製剤専用針なし圧力注射器ツインジェクターEZⅡとペン型注入器BDペンジェクター2・BDペンジェクター3との利便性の比較検討
- ヒト成長ホルモン遺伝子導入ラットで生じる過食に対するニューロペプチドYの関与(生理学)
- 穂積 裕幸,山内 啓太郎,西原 眞杉
- The journal of veterinary medical science 68(9), 959-965, 2006-09-25
- … 我々の研究室で作出されたヒト成長ホルモン(hGH)遺伝子導入ラット(TG)はラットGH及び遺伝子導入したhGH共に低値を示し,さらに過食と肥満を呈する.TGで生じる過食の原因を解明するために,摂食促進作用を有するグレリンの血漿中濃度とグレリンによる調節を受けているニューロペプチドY(NPY)の視床下部内含有量を測定した.血漿中グレリン濃度は暗期開始前に両群とも上昇し,その後WTでは急激に減少したのに対し,TGでは高 …
- NAID 110004809497
- ヒト成長ホルモン遺伝子クラスターのLCRによる発現制御
- 木村 敦,COOKE Nancy E.,LIEBHABER Stephen A.
- 日本比較内分泌学会ニュース = Newsletter of Japan Society for Comparative Endocrinology (122), 23-31, 2006-08-01
- NAID 10017528301
Related Links
- 近年急激に人々の関心が高まり始めた「ヒト成長ホルモン」は、身長を伸ばす働きや アンチエイジング効果など、たくさんの効能を持っています。
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- somatropin
- 商
- グロウジェクト、サイゼン、ジェノトロピン、ノルディトロピン、ヒューマトロープ
- 関
- ヒト成長ホルモン hGH human growth hormone
[★]
ヒト成長ホルモン human growth hormone、somatropin
[★]
ヒト成長ホルモン hGH
[★]
ヒト成長ホルモン
[★]
- 英
- human growth hormone receptor
- 関
- ヒト成長ホルモン
[★]
- 英
- recombinant human growth hormone、rhGH
[★]
- 英
- hormone
古典的な定義
- 特定の内分泌腺から分泌され、血行によって運ばれ、遠隔部の特定の標的器官に作用して特異的効果を現す物質(PT.403)
例外
- 消化管ホルモン (PT.403)
- 視床下部ホルモン (PT.403)
- 甲状腺濾胞ホルモン?
- カルシトニン?
ホルモンの一覧表
[★]
- 英
- growth hormone (Z), GH
- 同?
- ソマトトロピン somatotropin、ソマトトロピックホルモン somatotropic hormone STH
- 関
- 成長ホルモン
- 関
- ホルモン、下垂体成長ホルモン、組換え型成長ホルモン
基準値
- 血清:M:0.4±0.1 ng/ml, F:3.2±0.4 ng/ml → 性差(エストロゲンが分泌促進作用を持つため?生物学的意義は?)
分類
性状
産生組織
標的組織
作用
- SP.883
-
- 成長を促進:各組織における細胞分裂による増殖(細胞分裂、DNA,RNA,蛋白合成)と細胞の分化
-
- GH存在下でアミノ酸が組織に取り込まれ蛋白合成のために用いられる。内臓臓器、骨格筋、皮膚、および結合組織などほとんど全ての組織がGHに反応して肥大。
- (抗インスリン作用->血糖上昇)筋肉、脂肪へのグルコース取り込みを減少させ、肝臓からのグルコース放出を増加させる。膵臓に作用しインスリン分泌を促進する。 ← GHは何がしたいの?
- (中性脂肪分解作用->血中遊離脂肪酸増加)中性脂肪を分解し、末梢血でFFAを増加させ、グルコースの代わりにエネルギー源として利用される。(おそらくFFA増加により)ケトン体が増加する。
- (骨形成に向かう反応。リン酸濃度上昇、カルシウム濃度上昇)近位尿細管でのリン酸の再吸収促進、腸からのカルシウム促進。Na,K,Cl濃度増加、細胞外液増加
分泌の調整
分子機構
臨床関連
- 成長の遅れ:成長ホルモン分泌が低下している場合、3歳頃から身長の伸びが遅れる。
国試
[★]
- 英
- growth、outgrowth、grow、outgrow、development
- 関
- 発育、伸長、増殖、伸びる、発達、生育
- 二次性徴
|
身長(cm)
|
体重(kg)
|
頭囲(cm)
|
胸囲(cm)
|
生下時
|
50
|
|
3
|
(x2)
|
33
|
32
|
3ヶ月
|
60
|
|
6
|
|
|
|
6ヶ月
|
70
|
|
8
|
|
|
|
1歳
|
75
|
(x1.5)
|
9
|
(x3)
|
45
|
45
|
2歳
|
|
|
|
(x4)
|
|
|
3歳
|
94
|
|
14
|
|
49
|
50
|
4歳
|
|
(x2)
|
|
(x5)
|
|
|
5歳
|
|
|
|
(x6)
|
|
|
ホルモン
検査値
- 1歳でIgMは成人と同程度
- MAGE → IgM, IgA, IgG, IgEの順に成人値と同じレベルとなる。
[★]
- 英
- human, Homo sapiens
- 同
- 人