エストラジオール
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「エストラジオール」および「エストロゲン」も参照
安息香酸エストラジオール
|
IUPAC命名法による物質名 |
(17β)-17-hydroxyestra-1,3,5(10)-trien-3-yl benzoate |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
? |
法的規制 |
℞ Prescription only |
投与方法 |
筋肉注射 |
識別 |
CAS登録番号 |
50-50-0 |
ATCコード |
None |
PubChem |
CID 222757 |
ChemSpider |
193412 |
別名 |
17β-Estradiol-3-benzoate |
化学的データ |
化学式 |
C25H28O3 |
分子量 |
376.488 g/mol |
SMILES
- O=C(Oc1cc3c(cc1)[C@H]2CC[C@@]4([C@@H](O)CC[C@H]4[C@@H]2CC3)C)c5ccccc5
|
InChI
-
InChI=1S/C25H28O3/c1-25-14-13-20-19-10-8-18(28-24(27)16-5-3-2-4-6-16)15-17(19)7-9-21(20)22(25)11-12-23(25)26/h2-6,8,10,15,20-23,26H,7,9,11-14H2,1H3/t20-,21-,22+,23+,25+/m1/s1
Key:UYIFTLBWAOGQBI-BZDYCCQFSA-N
|
安息香酸エストラジオール(あんそくこうさんエストラジオール、英: Estradiol benzoate)は、エストラジオールの安息香酸エステルの一種[1][2]。最初に製品化されたエストロゲン製剤であり、1936年にシエーリング・カールバウム(Schering-Kahlbaun)が特許を取得して、Progynon-Bの商品名で注射用油性製剤として販売された[3][4]。現在では薬物動態学の点から、低頻度の投与で済むシピオン酸エストラジオール (estradiol cypionate) や吉草酸エストラジオール (estradiol valerate) も使われている[5]。融点は195℃、ラットへの皮下投与実験での半数致死量(TDL0)は、500μg/kg[6]。
用途
月経障害や更年期障害の改善を目的とした医薬品[7]、および動物用医薬品[8]として、「オバホルモン」の商品名で懸濁注射剤が販売されている。副作用として、発癌のおそれがある[8]。
関連項目
- エストロゲンエステル
- エストラジオール
- エストロゲン
脚注
- ^ A. D. Roberts (1991). Dictionary of Steroids: Chemical Data, Structures, and Bibliographies. CRC Press. p. 414. ISBN 978-0-412-27060-4. http://books.google.com/books?id=qw5X0NK1A90C&pg=PA414 2012年5月20日閲覧。.
- ^ Index Nominum 2000: International Drug Directory. Taylor & Francis US. (2000). p. 406. ISBN 978-3-88763-075-1. http://books.google.com/books?id=5GpcTQD_L2oC&pg=PA406 2012年5月20日閲覧。.
- ^ Enrique Raviña; Hugo Kubinyi (16 May 2011). The Evolution of Drug Discovery: From Traditional Medicines to Modern Drugs. John Wiley & Sons. p. 175. ISBN 978-3-527-32669-3. http://books.google.com/books?id=iDNy0XxGqT8C&pg=PA175 2012年5月20日閲覧。.
- ^ Folley SJ (December 1936). “The effect of oestrogenic hormones on lactation and on the phosphatase of the blood and milk of the lactating cow”. The Biochemical Journal 30 (12): 2262–72. PMC 1263335. PMID 16746289. http://www.biochemj.org/bj/30/2262/bj302262.pdf.
- ^ Oriowo MA, Landgren BM, Stenström B, Diczfalusy E (April 1980). “A comparison of the pharmacokinetic properties of three estradiol esters”. Contraception 21 (4): 415–24. PMID 7389356.
- ^ 製品安全データシート(東京化成工業)
- ^ オバホルモン水懸注1(イーファーマ)
- ^ a b 動物用オバホルモン注添付文書 (PDF) (あすか製薬)
UpToDate Contents
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Japanese Journal
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Related Links
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Japan Pharmaceutical Reference
販売名
オバホルモン水懸注0.2
組成
成分・含量
- 1管1mL中 日局エストラジオール安息香酸エステル 0.2mg(10,000単位)
添加物
- 1管1mL中 アラビアゴム5mg,パラオキシ安息香酸エチル0.5mg,pH調節剤,等張化剤
禁忌
- エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば,乳癌,子宮内膜癌)及びその疑いのある患者
[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある.]
- 未治療の子宮内膜増殖症のある患者
[子宮内膜増殖症は細胞異型を伴う場合があるため.]
- 乳癌の既往歴のある患者
[乳癌が再発するおそれがある.]
- 血栓性静脈炎,肺塞栓症又はその既往歴のある患者
[血液凝固能の亢進により,これらの症状が増悪することがある.]
- 動脈性の血栓塞栓疾患(例えば,冠動脈性心疾患,脳卒中)又はその既往歴のある患者(「その他の注意」の項参照)
- 重篤な肝障害のある患者
[代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため,症状が増悪することがある.]
- 診断の確定していない異常性器出血のある患者
[出血が子宮内膜癌による場合は,癌の悪化あるいは顕性化を促すことがある.]
効能または効果
- 無月経,無排卵周期症,月経周期異常(稀発月経,多発月経),月経量異常(過少月経,過多月経),月経困難症,機能性子宮出血,子宮発育不全症,卵巣欠落症状,更年期障害,乳汁分泌抑制
- エストラジオール安息香酸エステルとして,通常,成人1回0.1〜5mgを隔日又は毎日1回筋肉内又は皮下に注射する.
なお,症状により適宜増減する.
慎重投与
- 乳癌家族素因が強い患者,乳房結節のある患者,乳腺症の患者又は乳房レントゲン像に異常がみられた患者
[症状が増悪するおそれがある.]
- 術前又は長期臥床状態の患者
[血液凝固脳が亢進され,心血管系の副作用の危険性が高くなることがある.]
- 肝障害のある患者(「禁忌」の項参照)
- 子宮筋腫のある患者
[子宮筋腫の発育を促進するおそれがある.]
- 子宮内膜症のある患者
[症状が増悪するおそれがある.]
- 心疾患,腎疾患又はその既往歴のある患者
[ナトリウムや体液の貯留により,これらの症状が増悪するおそれがある.]
- てんかん患者
[体液の貯留により,症状が増悪するおそれがある.]
- 糖尿病患者
[耐糖能が低下することがあるので,十分コントロールを行いながら投与すること.]
- 全身性エリテマトーデスの患者
[症状が増悪するおそれがある.]
- 骨成長が終了していない可能性がある患者,思春期前の患者(「小児等への投与」の項参照)
重大な副作用
血栓症(頻度不明)
- 卵胞ホルモン剤の長期連用により,血栓症が起こることが報告されているので,異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと.
薬効薬理
- 卵胞ホルモンは雌性動物の性器系を発育させるとともに,第二次性徴の発現に関与し20),21),次の作用を示す.
- 去勢又は幼若動物において発情作用を示し,腟粘膜細胞の角化現象を起こさせる21),22).
- 子宮内膜を増殖させ筋層の肥大を促す20),21),23).
- 脳下垂体性ゴナドトロピンの分泌を抑制する24),25).
- 乳管の発育を促進する21),26).
有効成分に関する理化学的知見
分子量
融 点
性 状
- 白色の結晶性の粉末で,においはない.
アセトンにやや溶けにくく,メタノール,エタノール(95)又はジエチルエーテルに溶けにくく,水にほとんど溶けない.
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- estrogen replacement therapy
- 関
- ホルモン補充療法、閉経後ホルモン補充療法、エストロゲン補充、エストロゲン
エストロゲン製剤
禁忌
- プレマリン錠0.625mg
- (次の患者には投与しないこと)
- 1. エストロゲン依存性腫瘍(例えば乳癌、子宮内膜癌)及びその疑いのある患者[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。]
- 2. 乳癌の既往歴のある患者
- 3. 血栓性静脈炎や肺塞栓症のある患者、又はその既往歴のある患者[エストロゲンは凝固因子を増加させ、血栓形成傾向を促進するとの報告がある。]
- 4. 動脈性の血栓塞栓疾患(例えば、冠動脈性心疾患、脳卒中)又はその既往歴のある患者[「使用上の注意 その他の注意」の項参照]
- 5. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 6. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[「使用上の注意 妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
- 7. 重篤な肝障害のある患者[代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある。]
- 8. 診断の確定していない異常性器出血のある患者[出血が子宮内膜癌による場合は、癌の悪化あるいは顕性化を促すことがある。]
参考
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2479004F1033_3_01/2479004F1033_3_01?view=body
- http://www.jsog.or.jp/PDF/56/5607-158.pdf
[★]
[★]
- 英
- estradiol, E2, oestradiol
- 化
- 安息香酸エストラジオール, estradiol benzoate, EB、ジプロピオン酸エストラジオール, estradiol dipropionate、吉草酸エストラジオール estradiol valerate
- 商
- ペラニン、ル・エストロ、プロギノン、フェミエスト、ディビ、ジュリナ、オバホルモン、エストラーナ、エストラダームTTS、エストルモンデポー
- (ヒドロキシプロゲステロン、エストラジオール)E・P・ホルモン
- (レボノルゲストレル、エストラジオール)ウェールナラ
- (テストステロン、エストラジオール)プリモジアン、ダイホルモン、ボセルモン
- (ノルエチステロン、エストラジオール)メノエイドコンビパッチ
- (ヒドロキシプロゲステロン、エストラジオール)ルテス
- 関
- エストロゲン、17 beta-estradiol、estradiol-17beta
[★]
- 英
- hormone
古典的な定義
- 特定の内分泌腺から分泌され、血行によって運ばれ、遠隔部の特定の標的器官に作用して特異的効果を現す物質(PT.403)
例外
- 消化管ホルモン (PT.403)
- 視床下部ホルモン (PT.403)
- 甲状腺濾胞ホルモン?
- カルシトニン?
ホルモンの一覧表