エストラジオール、テストステロン
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ダイホルモン・デポー注
組成
- 本剤は1管(1mL)中に下記成分を含む。(組成の表参照)
禁忌
- アンドロゲン依存性悪性腫瘍(例えば前立腺癌)及びその疑いのある患者[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。]
- エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば乳癌、子宮内膜癌)及びその疑いのある患者[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。]
- 乳癌の既往歴のある患者[乳癌が再発するおそれがある。]
- 血栓性静脈炎、肺塞栓症又はその既往歴のある患者[血栓形成傾向が増強するおそれがある。]
- 動脈性の血栓塞栓疾患(例えば、冠動脈性心疾患、脳卒中)又はその既往歴のある患者(「その他の注意」の項参照)
- 重篤な肝障害のある患者[代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある。]
- 診断の確定していない異常性器出血のある患者[出血が子宮内膜癌による場合は、癌の悪化あるいは顕性化を促すことがある。]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性(「妊婦・産婦・授乳婦等への投与」の項参照)
- 小児等(「小児等への投与」の項参照)
効能または効果
- 更年期障害、卵巣欠落症状、骨粗鬆症
- 通常、2〜4週ごとに1回1mLを筋肉内注射する。なお、症状により適宜増減する。
- 「骨粗鬆症」に本剤を投与する場合、投与後6ヵ月〜1年後に骨密度を測定し、効果が認められない場合には投与を中止し、他の療法を考慮すること。
慎重投与
- 肝障害のある患者[代謝能の低下により、本剤の作用が増強することがある。]
- 前立腺肥大のある患者[前立腺はアンドロゲン依存性であるため、症状が増悪することがある。]
- 子宮筋腫のある患者[子宮筋腫の発育を促進するおそれがある。]
- 子宮内膜症のある患者[症状が増悪するおそれがある。]
- 心疾患・腎疾患又はその既往歴のある患者[ナトリウムや体液の貯留により症状が増悪するおそれがある。]
- 癌の骨転移のある患者[高カルシウム血症があらわれるおそれがある。]
- てんかん患者[体液貯留を起こし、てんかんが増悪するおそれがある。]
- 糖尿病患者[糖尿病が増悪することがあるので、十分管理を行いながら投与すること。]
- 乳癌家族素因が強い患者、乳房結節のある患者、乳腺症の患者又は乳房レントゲン像に異常がみられた患者[症状が増悪するおそれがある。]
- 術前又は長期臥床状態の患者[血液凝固能が亢進され、心血管系の副作用の危険性が高くなることがある。]
- 全身性エリテマトーデスの患者[症状が増悪するおそれがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
血栓症(頻度不明)
- 卵胞ホルモン剤の長期連用により、血栓症が起こることが報告されている1)。
薬効薬理
- アンドロゲンとエストロゲンは下垂体前葉機能の抑制、蛋白同化や代謝機能の促進及び腟粘膜の増殖に対し協調的に作用するが、子宮粘膜に対しては拮抗的に作用する。従って、両者を一定の比率で混合すると下垂体前葉機能抑制作用及び蛋白同化作用は相乗的に増強される一方、アンドロゲンによる男性化作用やエストロゲンによる子宮内膜増殖作用は軽減される20)。
- 更年期障害の治療にエストロゲンを用いることは、主として卵巣機能の低下を補う意味と間脳視床下部に存在する自律神経中枢の作用を抑制することにある20,21)。また、アンドロゲン療法は間脳刺激作用、ゴナドトロピン分泌抑制作用、老年期におけるアンドロゲン優位の内分泌状態に早期に移行する作用、蛋白同化作用、精神発揚作用等によるものと考えられ22)、両者併用により下垂体抑制作用は相乗的に増強され、末梢作用は相殺される22,23)。
- エストロゲンはカルシウム並びにリンの貯留をもたらすが、窒素の貯留はきたさないのに対し、アンドロゲンはカルシウム並びにリンのみならず窒素の貯留も認められる24)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- テストステロンエナント酸エステル(testosterone enanthate)
化学名
- 3-oxoandrost-4-en-17β-yl heptanoate
分子式
分子量
性状
- テストステロンエナント酸エステルは白色〜微黄色の結晶若しくは結晶性の粉末又は微黄褐色の粘稠な液で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがある。本品はエタノール(95)、1,4-ジオキサン又はジエチルエーテルに極めて溶けやすく、水にほとんど溶けない。
融点
一般名
- エストラジオール吉草酸エステル(estradiol valerate)
化学名
- 1,3,5(10)-estratriene-3,17β-diol 17-pentanoate
分子式
分子量
性状
- エストラジオール吉草酸エステルは白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。本品はエタノール(95)、1,4-ジオキサン又はジエチルエーテルに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、ゴマ油にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。
融点
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- testosterone, TS
- 化
- テストステロンエナント酸エステル testosterone enanthate ester
- 商
- エナルモン、エネルファ、ダイホルモン、テスチノン、テストロン、プリモジアン、ボセルモン
- 関
- アンドロゲン、ホルモン
- 男性ホルモン剤
- first aid step1 2006 p.125,249,251,397,401,402,406
分類
性状
- C19ステロイド
産生組織
標的組織
- 精巣、前立腺、精巣上体、精管、精嚢
- 脳、下垂体前葉、汗腺、毛嚢
受容体
作用
- SP.909
- 1. 生殖器・二次性徴に対する作用
- 2. 精子形成促進作用
- 男性二次性徴の発現と維持
- 副生殖器の発育と機能化
- 体毛発生、頭髪生え際の後退、皮脂腺発育、変声、脱毛
- 蛋白同化作用による骨格筋を発育させ、体型や骨格を男性的にする。
- 下垂体からのFSH,LHの分泌を視床下部・下垂体に作用して抑制。
- 胎児精巣から分泌されたアンドロジェンは副生殖器、中枢神経系を男性型に分化させる。
分泌の調整
- +:LH?
- -:テストステロン(視床下部、下垂体に対するネガティブフィードバックにより)
分子機構
臨床関連
-
- I型骨粗鬆症(閉経後骨粗鬆症):破骨細胞の活性の上昇により起こり、主として骨梁骨が侵される。このI型骨粗鬆症は51-75歳の間に女性は男性の6倍多く起こる。男性では、早期に血清テストステロン値が低いと破骨細胞の活性を増し、I型骨粗鬆症を起こすことがある。(参考1)
参考
- http://merckmanual.jp/mmpej/sec04/ch036/ch036a.html
- 2. 腰椎圧迫骨折をきたした低ゴナドトロピン性性腺機能低下症の1例
- 吉永 敦史,林 哲夫,石井 信行,大野 玲奈,寺尾 俊哉,鎌田 成芳,渡邉 徹,山田 拓己
- 泌尿器科紀要 50(12), 877-879, 2004-12
- 57歳男.30歳頃,無精子症を指摘されていた.2000年8月頃腰痛が出現し,近医で第4腰椎圧迫骨折を,また骨密度の低下を指摘された.骨粗鬆症の精査目的で2002年6月当院内科受診となった.血中ホルモン検査の結果,黄体ホルモン・卵胞刺激ホルモン・テストステロンの低下が認められたため,低ゴナドトロピン性性腺機能低下症の精査・加療のため泌尿器科受診となった.エナント酸テストステロン250mgの筋注を4周 …
- NAID 120002141364
[★]
- 英
- estradiol, E2, oestradiol
- 化
- 安息香酸エストラジオール, estradiol benzoate, EB、ジプロピオン酸エストラジオール, estradiol dipropionate、吉草酸エストラジオール estradiol valerate
- 商
- ペラニン、ル・エストロ、プロギノン、フェミエスト、ディビ、ジュリナ、オバホルモン、エストラーナ、エストラダームTTS、エストルモンデポー
- (ヒドロキシプロゲステロン、エストラジオール)E・P・ホルモン
- (レボノルゲストレル、エストラジオール)ウェールナラ
- (テストステロン、エストラジオール)プリモジアン、ダイホルモン、ボセルモン
- (ノルエチステロン、エストラジオール)メノエイドコンビパッチ
- (ヒドロキシプロゲステロン、エストラジオール)ルテス
- 関
- エストロゲン、17 beta-estradiol、estradiol-17beta
[★]
商品
[★]
エストラジオール、テストステロン
[★]
- 英
- hormone
古典的な定義
- 特定の内分泌腺から分泌され、血行によって運ばれ、遠隔部の特定の標的器官に作用して特異的効果を現す物質(PT.403)
例外
- 消化管ホルモン (PT.403)
- 視床下部ホルモン (PT.403)
- 甲状腺濾胞ホルモン?
- カルシトニン?
ホルモンの一覧表