- 英
- autoimmune pancreatitis AIP
- 同
- 膵管狭細型慢性膵炎 chronic pancreatitis showing irregular narrowing of main pancreatic duct
- 関
- 膵炎
疫学
病態
- 参考2
- 膵外分泌障害(約80%)
- 膵内分泌障害(糖尿病)(70%)
症候
合併症
検査
- 参考2 (%)内は頻度
- 膵酵素、肝胆道系酵素(60-82%)、総ビリルビン上昇(39-62%)
- 参考2 (%)内は頻度
- 高γグロブリン血症:≧2 g/dl (43%)
- 高IgG血症:≧1800 mg/dl (62-80%)
- 高IgG4血症:≧135 mg/dl (68-92%) 疾患特異的ではない
- 自己抗体:陽性
- 超音波検査:
- CT:びまん性あるいは限局性の膵腫大。被膜様構造(capsule-like rim)が認められ、この被膜は膵実質相では病変部の膵実質よりも低吸収を示し、ダイナミックCTでは遅延性増強パターンを示す。(参考2)
- [show details]
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診断基準
- 自己免疫性膵炎診断基準(改定案)(厚生労働省難治性膵疾患調査研究班・日本本膵臓学会)
- 高γグロブリン血症(2g/dl以上)、
- 高IgG血症(1800 mg/dl以上)、
- 高IgG4血症(135 mg/dl以上)
- 自己抗体のいずれかを認める
- 膵にリンパ球・形質細胞を主とする著明な細胞浸潤と線維化を認める
- 上記の1を含んで2項目以上満たす症例を自己免疫性膵炎と診断する
- ただし膵癌胆管癌などの悪性疾患を除外することが必要である
診断
鑑別診断
治療
参考
- 1. 自己免疫性膵炎/IgG4関連疾患 信州医誌,58.:3~10,2010
- http://s-igaku.umin.jp/DATA/58_01/58_01_02.pdf
- http://www.jstage.jst.go.jp/browse/suizo/24/Supplement/_contents/-char/ja/
- http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/i-1nai/news/images/0807/yokoyama.pdf
国試
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自己免疫性膵炎(じこめんせきせいすいえん、英: Autoimmune pancreatitis:AIP)とは、発症の要因が自己免疫疾患によるものと考えられている膵炎の一つ。
目次
- 1 概念
- 2 病理
- 3 臨床像
- 4 検査
- 5 診断
- 6 治療
- 7 参考文献
- 8 関連項目
- 9 外部リンク
概念
1961年にフランスのSarles.Hらが、高γグロブリン血症や黄疸を呈し、 飲酒歴がなく、石灰化や嚢胞が存在しない膵の硬化性変化を有する10症例を膵の慢性炎症性硬化症として初めて報告。その後、1978年に大垣市民病院の中野哲らが、シェーグレン症候群に合併しステロイドが著効した膵腫瘤として報告された。1991年には旧東京都立駒込病院の川口研二らによって、病理学的な特徴としてのLPSP像が報告され、1992年に東京女子医科大学八千代医療センターの土岐文武らによって「膵管狭小化慢性膵炎」という概念が報告され、1995年に吉田仁らと共に「自己免疫性膵炎」の提唱がなされてきた。2001年には信州大学医学部の浜野英明らによって血清IgG4高値が多いことが報告され、IgG4関連疾患の一つとして扱われるようになってきた。
本邦では「腫瘤形成性膵炎」とも呼ばれ、膵癌との鑑別が非常に苦慮される疾患である。中高年の男性に多く認められる。 症例としてあげられる点は、尿検査、血液検査で数値の異常が発見されない場合も多く見られる事が挙げられる。 自己免疫性膵炎は食生活に必要な脂分との関係性も考えられるが、 食生活に脂分を取ることはある意味で必要である。 脂分を食生活において摂取する場合は肉類の脂分の成分と魚類の脂分の成分の根本的な違いを把握し認識する必要性が存在する。 比較的魚類の脂分は体調の異常に影響が少ないと考えられているが、全く影響がないわけではない。 また、バターの問題も自己免疫性膵炎には関連性があると言う医師の見解も存在する。 自己免疫性膵炎は一般的には「免疫性膵炎」と呼ばれる事が多い。
病理
日本では、IgG4陽性の形質細胞やリンパ球浸潤像と閉塞性静脈炎像を特徴とするリンパ形質細胞性硬化性膵炎(lymphoplasmacytic sclerosing pancreatitis:LPSP)像がほとんどであるが、欧米では、顆粒球上皮病変(granulocytic epithelial lesion:GEL)を呈する特発性膵管破壊性慢性膵炎(idiopathic ductcentric chronic pancreatitis:IDCP)像が認められることが多い。
2011年に国際コンセンサス診断基準において以下に分類。
- LPSP : type1 AIP
- IDCP : type2 AIP
臨床像
膵病変
膵外病変
- 原発性硬化性胆管炎
- 実際にはシェーグレン症候群では無く、ミクリッツ病が主体であり、SS-A抗体陰性・抗SS-B抗体陰性であることが多い。
検査
検体検査
血液検査では以下を認める。
- γ-グロブリン高値
- IgGまたはIgG4高値
- 抗核抗体やリウマトイド因子陽性
画像検査
腹部超音波検査・CT検査・MRI検査等によって以下の所見が認められる。
- びまん性ないし限局性の膵臓の腫大像(Echo:低Echo像 CT:周囲と同造影像 )
- 主膵管の狭小像・比較的に上流膵管の拡張像は認めないことが多い
また、診断的検査として超音波内視鏡による針生検が行われる。
診断
2002年に日本膵臓学会が世界に先駆けて診断基準を提唱し、その後2006年・2011年に改訂している。欧米では2006年に米国のメイヨー・クリニックが中心となった「AIP診断基準(HISORt criteria)」が発表され、同年韓国からも牙山医療センターより診断基準が発表された。
治療
ステロイド投与によって著効してくる。基本的に膵癌と疑われて鑑別が非常に苦慮する疾患でもあり、診断に難渋することが多い。
参考文献
関連項目
外部リンク
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Japanese Journal
- IgG4測定のピットフォール (IgG4関連疾患)
Related Links
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- 綜 説. 自己免疫性膵炎/IgG4関連疾患. 浜 野 英 明. 信州大学医学部内科学第2講座. Autoimmune Pancreatitis/IgG4-Related Disease. Hideaki HAMANO. Department of Internal Medicine, Gastroenterology, Shinshu University School of Medicine ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 76歳の男性。黄疸を主訴に来院した。 3日前に家族に皮膚の黄染を指摘されていた。 3年前に唾液腺腫瘤を摘出した。飲酒は機会飲酒。意識は清明。身長168cm、体重57kg。体温36.4℃。呼吸数16/分。脈拍72/分、整。血圧126/82mmHg。眼球結膜に黄染を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。肝・脾を触知しない。尿所見:蛋白(-)、糖1+。血液所見:赤血球 465万、Hb 14.1g/dl、Ht 45%、白血球 8,100、血小板 16万。血液生化学所見:血糖 201mg/dL、HbA1c 6.7%(基準4.3-5.8)、総蛋白 9.6g/dl、アルブミン4.6 g/dl、尿素窒素 19mg/dl、クレアチニン 0.5mg/dl、総ビリルビン 6.8mg/dl、AST 86IU/l、ALT78IU/l、LD 540IU/l(基準176-353)、ALP 1,230IU/l(基準115-359)、Na 138mEq/l、K 4.0mEq/l、Cl 102mEq/l。免疫学所見:CRP O.8mg/dl、抗核抗体陽性、IgG 3,890mg/dl(基準739-1,649)、IgA 118mg/dl(基準107-363)、IgM 132mg/dl(基準46-260)、CEA 2.8ng/ml(基準5以下)、CA19-9 26U/ml(基準37以下)。腹部造影CT(別冊No.5A)と内視鏡的逆行性胆管膵管造影写真(ERCP) (別冊No.5B、C)とを別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [105D024]←[国試_105]→[105D026]
[★]
- 38歳の男性。健康診断で検査値の異常を指摘されて来院した。
- 意識は清明。体温36.8℃。脈拍84/分、整。血圧128/76mmHg。呼吸数14/分。眼球結膜に軽度の黄染を認める。右上腹部に鶏卵大の腫瘤を触知する。
- 血液所見:赤血球468万、 Hb13.9g/dl、 Ht42%、白血球7,500、血小板38万。血液生化学所見:血糖98mg/dl、総蛋白7.5g/dl、アルブミン3.9g/dl、尿素窒素12mg/dl、クレアチニン0.6mg/dl、 IgG 1,610mg/dl(基準960-1,960)、総ビリルビン3.4mg/dl、AST 157IU/l、 ALT 158IU/l、 LD 253 IU/l (基準176-353)、 ALP 924IU/l (基準115-359)、 γ-GTP307IU/l(基準8-50)、アミラーゼ32IU/l(基準37-160)。免疫学所見: CRP0.5mg/dl。 HBs抗原・抗体陰性、 HCV抗体陰性。 α-フェトプロテイン(AFP)12ng/ml(基準20以下)、 CEA6.7ng/ml(基準5以下)、 CA19-9 51.3U/ml(基準37以下)。腹部造影CT(別冊No. 12A)と内視鏡的逆行性胆管膵管造影写真(ERCP)(別冊No. 12B)とを別に示す。
- 診断として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106A033]←[国試_106]→[106A035]
[★]
- 58歳の男性。腹部CTで異常を指摘され来院した。 55歳時に自宅近くの医療機関で早期胃癌に対し幽門側胃切除術を受け、その後の定期検査の腹部 CTで異常を指摘され、紹介されて受診した。自覚症状はない。体温 36.2℃。脈拍 88/分、整。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球 415万、 Hb 13.6 g/dl、Ht 42%、白血球 5,800、血小板 22万。血液生化学所見:総ビリルビン 0.8 mg/dl、AST24 IU/l、ALT 32 IU/l、ALP 246 IU/l(基準 115~359)、 γ -GTP 44 IU/l(基準 8~50)、アミラーゼ 155 IU/l(基準 37~160)、 CEA 2.2 ng/ml(基準 5以下 )、 CA19-9 32 U/ml(基準 37以下 )。 CRP 0.1 mg/dl。MRCP(別冊 No. 26)を別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108I064]←[国試_108]→[108I066]
[★]
- 65歳の男性。2か月前からの上腹部不快感を主訴に来院した。血液所見:赤血球510万、白血球6,800。血清生化学所見:AST24IU/l、ALT15IU/l、アミラーゼ175IU/l(基準37~160)。CRP0.4mg/dl。腹部造影CTを以下に示す。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A029]←[国試_101]→[101A031]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104A009]←[国試_104]→[104A011]
[★]
- a 20歳台に好発する。
- b 病変に線維化を認める。
- c 自己免疫性膵炎は本疾患に含まれる。
- d 病変にIgG4陽性細胞の浸潤を認める。
- e 治療は副腎皮質ステロイドが第一選択である。
[正答]
※国試ナビ4※ [111A007]←[国試_111]→[111A009]
[★]
- 英
- primary sclerosing cholangitis, PSC
- 関
- 硬化性胆管炎、胆管炎
概念
- 稀で原因不明の疾患。
- 肝内・肝外胆管に原因不明の線維性狭窄を来し、持続性あるいは再発性(反復性)の閉塞性黄疸を来す疾患。 (YN.B-73)
- 炎症により胆管壁の周囲に結合織が増生・硬化・狭窄し、胆管の狭窄により胆汁うっ滞による症状を呈し、慢性経過で胆管炎による胆汁うっ滞性肝硬変に進展。
病因
疫学
遺伝形式
病理
- 胆管を取り巻く線維化(線維性閉塞性胆管炎)(YN.B-73)
病態
- 胆管壁の全長~一部に線維性の肥厚が生じて内腔が狭窄する。肝外胆管と肝内胆管の比較的太い部位に限局する(⇔原発性胆汁性肝硬変: 肝内胆管の細胆管の障害)
- 進行性であり、胆汁性肝硬変に至り、肝硬変や食道静脈瘤破裂により死亡。
症状
- 本症の7-50%は全く無症状。症状があるものでは、体重減少(35-80%)、黄疸(25-75%)、掻痒感(10-70%)、右季肋部痛・心窩部痛(75%)、全身倦怠感、発熱。(NSU.643)
- 閉塞性黄疸:消長を繰り返す(SSUR.615)
- 胆管炎:胆管の閉塞・狭窄による
検査
- MRCP、ERCP、(PTC: 今ではあんまりやらない?。肝内胆管周囲の線維化のために不成功に終わる事が多い(NSU.643))
- 血液:胆道系酵素
- 血清学的検査:P-ANCA:陽性、AMA:90%以上の症例で陰性
診断
- 閉塞性黄疸の検査所見(胆道系酵素上昇、直接ビリルビン上昇)、胆道造影、血清学的検査(AMA陰性)
鑑別診断
合併症
- YN.B-73
治療
- 副腎皮質ホルモン、免疫抑制薬、(肝庇護)ウルソデオキシコール酸、
- 胆道ドレナージ
- 胆道内瘻化術
- 肝外胆管切除術
- 胆管空腸吻合術
予後
- 肝移植後の5年生存率:85-90%(YN.B-73)
- 経過中に胆管癌(9-15)が発生しうる。(YN.B-73)
参考
- 原発性硬化性胆管炎
- primary sclerosing cholangitis(PSC)
- http://www.nurs.or.jp/~academy/igaku/s5/s555.htm
- http://www.geekymedics.com/body-systems/hepatology/primary-sclerosing-cholangitis/
- http://emedicine.medscape.com/article/365202-imaging
- http://radiographics.rsna.org/content/20/4/959/F4.expansion.html
-primary sclerosing cholangitis
- 同
- PSC
[★]
- 英
- pancreas (Z)
体表解剖
- 左前方からみると、前腋窩線が前縁となり第9-11肋骨に見える (2007年度後期授業プリント)
- 前面より見ると第6-8肋骨に位置するように見える? (M.157 N.278)
発生
- 腹側膵芽:肝芽、胆嚢の近位に連なる。将来の主膵管、膵管胆管合流部、膵頭となる。十二指腸のまわりを背側から回り込んで後方から背側膵芽と融合する
- 背側膵芽:将来の膵体部、膵尾部、副膵管となる。
組織
内分泌
外分泌
- HIS.353
機能
- ランゲルハンス島のα、β、δ細胞からそれぞれ、インスリン、グルカゴン、ソマトスタチンが分泌される。
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
検査
超音波エコー
- 加齢につれて脂肪置換により、高エコーとなる。(SRA.507-509)
- 急性膵炎、腫瘤形成型膵炎では膵臓は肥大し、エコーレベルが低下。(SRA.507-509)
- 膵腫瘍:一般的に低エコー(SRA.507-509)
- 漿液性嚢胞腺腫:多数の小さな嚢胞とその間の間質からなるために、嚢胞性腫瘍でありながら肝臓の血管腫と同様に高エコーを呈する。(SRA.507-509)
臨床関連
[★]
- 英
- pancreatic duct (Z)
- ラ
- ductus pancreaticus
- 関
- 膵臓、副膵管、主膵管
解剖
- SRA.515
- 慢性膵炎:膵石症は慢性膵炎を合併することがあり、主膵管の拡張をきたし、数珠状拡張をきたす。(YN.B)
- 主膵管型の粘液産生腫瘍:拡張が高度 or 壁から内宮に充実性腫瘍が濃染される場合
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
臨床関連
[★]
- 英
- IgG4-related disease, IgG4-RD
- 関
- IgG4 免疫グロブリンG4
参考
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/2314
- http://ja.wikipedia.org/wiki/IgG4%E9%96%A2%E9%80%A3%E7%96%BE%E6%82%A3
- http://www.nanbyo.or.jp/update/bunken/2012/bunken_0010.html
- http://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/file/14901/076_060_065.pdf
[★]
[★]
- 英
- immunity, immune
- 関
- 免疫系
免疫の種類 (PT.246-251)
T細胞の種類
ヘルパーT細胞の種類
[★]
- 関
- 炎光、炎症
[★]
- 英
- pancreatitis
- 関
- 急性膵炎、慢性膵炎
[★]
- 英
- autoimmunity
- 関
- 免疫
[★]
- 英
- self, oneself, ego