- 英
- pancreaticoduodenectomy, pancreatoduodenectomy
- 同
- 膵頭側切除術 cephalic resection of pancreas、膵十二指腸切除術
- 関
- 膵十二指腸切除、膵頭十二指腸切除
[show details]
再建方法
- :空腸盲端 → 下流 →
- チャイルド法 Child法 :膵臓 → 胆管 → 残胃 :大流行
- ホイップル法 Whipple法 :胆管 → 膵臓 → 残胃 :空腸を引っ張ってきただけ
- キャッテル法 Cattel法 :残胃 → 膵臓 → 胆管 :解剖学的に自然っぽい?
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/08/25 15:29:25」(JST)
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膵頭十二指腸切除術(すいとうじゅうにしちょうせつじょじゅつ、英: pancreaticoduodenectomy; PD)とは、膵頭部(膵臓の右側部分)と十二指腸を一括して切除する手術術式である。
胆道再建を伴うため、胆嚢および中下部胆管も同時に切除される。消化器外科学領域では最も侵襲の大きい手術の一つである。
目次
- 1 歴史
- 2 疾患
- 3 術式
- 4 胃温存術
- 5 合併症
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
歴史
1909年にドイツのWalther Kauschが十二指腸乳頭部癌に施行したのが最初と言われている。 日本では1949年に癌研究会附属病院の梶谷鐶が施行し初めて成功している。
疾患
膵頭部領域の膵臓、下部胆管、十二指腸および十二指腸乳頭の悪性腫瘍が適応となる。膵臓に発生する腫瘍は膵癌をはじめとして膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、膵神経内分泌腫瘍など様々な腫瘍が手術対象になる。膵頭部と十二指腸は密に結合しているため、どちらか片方に限局した病変でも膵頭十二指腸切除術が行われる。
- 膵癌(膵頭部癌)
- 胆管癌(中下部胆管癌)
- 十二指腸乳頭部癌
- 膵管内乳頭粘液性腫瘍(分枝型IPMN)
術式
定型的な膵頭十二指腸切除術を以下に記述する。
切除部位
切除臓器は以下の通りで一括切除する。
- 胃の幽門側(出口側)2/3
- 十二指腸・空腸の一部
- 膵頭部
- 胆嚢・中下部胆管
癌の手術では周囲リンパ節を含む脂肪組織および神経叢も一括切除する。切除範囲に胃を含めるのは幽門部周囲のリンパ節を一括切除するためである。
臓器再建
消化管切除後に、食物・胆汁・膵液などの通り道を再びつなぎ合わせる術式を消化管再建と呼ぶ。様々な再建法が考えられているが、代表的なものは以下のものがある。再建の善し悪しは術後合併症に直結するため各施設で様々な工夫が施されており、それぞれ異なった手技が行われている。基本的には空腸(小腸)を引き上げて胃・胆管・膵の断端を吻合する術式である。膵癌取扱い規約ではこの吻合順で分類が行われている。
- I型:胆管、膵、胃の順に吻合。Whipple法など。
- II型:膵、胆管、胃の順に吻合。Child法など。
- III型:a. 胃、膵、胆管の順に吻合。今永法、Cattel法など。
- III型:b. 胃、胆管、膵の順に吻合。
- IV型:その他の吻合。胃膵吻合など。
特に膵の吻合は重篤な合併症(膵液瘻・腹腔内出血)に関係するため最も重要視されており、様々な工夫がなされている。
胃温存術
胃の機能温存目的に以下の改良手術術式がある
- 幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(PPPD:Pylorus-Preserving Pancreaticoduodenectomy )
- 胃幽門輪を残し幽門機能の温存を計る手術。胃内容排出遅延が増加するとの報告もある。
- 亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(SSPPD:Subtotal Stomach-Preserving Pancreaticoduodenectomy)
- 幽門輪を切除とするが胃内容収容の温存を計る術式。
合併症
侵襲が大きい手術であり合併症の発生率も高い。主なものは、術後出血、縫合不全、膵液瘻、胆汁瘻、胆管炎、腹腔内膿瘍、胃内容排出遅延、難治性下痢、耐糖能異常(糖尿病)などである。日本での手術関連死亡率は1%程度と報告されている。
関連項目
外部リンク
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(PPPD)後の残胃の癌発生に関する臨床病理組織学的検討
- 古川 健司,西川 俊郎,桂川 秀雄,山本 雅一
- 東京女子医科大学雑誌 81(1), 13-22, 2011-02-25
- … [目的]:膵頭部領域疾患に対し適応される幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(PPPD)症例では、胆汁を含む十二指腸液胃内逆流(duodenuogastric reflux:DGR)により胃に異時性に癌が発生すると考えられてきた。 …
- NAID 110008426932
- 膵頭十二指腸切除術における周術期感染症と対策 (特集 肝・胆・膵外科における感染症に対する治療戦略)
Related Links
- 2010年3月19日 ... 大津赤十字病院・外科のページです.膵頭十二指腸切除術(PD/PPPD)について解説し ます.
- 膵頭十二指腸切除術(すいとうじゅうにしちょうせつじょじゅつ、英: pancreaticoduodenectomy; PD)とは、膵頭部(膵臓の右側部分)と十二指腸を一括して 切除する手術術式である。 胆道再建を伴うため、胆嚢および中下部胆管も同時に切除 される。 ...
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- 次の文を読み、60~62の問いに答えよ。
- 78歳の男性。胃病変の精査と治療とを希望して来院した。
- 現病歴:2年前から心窩部痛を自覚していた。自宅近くの診療所で上部消化管造影検査を受け、異常を指摘されたため紹介されて受診した。上部消化管内視鏡検査で同様に異常所見を認め、4か所の生検のうち1か所は組織診断分類Group5で、手術適応と考えられた。
- 既往歴:10年前から高血圧症で治療中。
- 生活歴:喫煙は30本/日を58年間。飲酒は日本酒2合/日を58年間。ADLは自立している。
- 家族歴:父親が胃癌。
- 現症:意識は清明。身長 167cm、体重 48kg。体温 36.4℃。脈拍 68/分、整。血圧 130/80mmHg。呼吸数 18/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。表在リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で、心窩部に圧痛を認めるが腫瘤は触知しない。
- 検査所見:血液所見:赤血球 310万、Hb 10.6g/dL、Ht 29%、白血球 8,600、血小板 22万。血液生化学所見:総蛋白 6.8g/dL、アルブミン 3.0g/dL、総ビリルビン 0.9mg/dL、AST 30IU/L、ALT 42IU/L、LD 350IU/L(基準 176~353)、ALP 242IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 83IU/L(基準 8~50)、アミラーゼ 84IU/L(基準 37~160)、CK 130IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 5.0mg/dL、血糖 108mg/dL、HbA1c 5.8%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 57mg/dL、コリンエステラーゼ 300IU/L(基準 400~800)、Na 140mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 100mEq/L。CRP 0.4mg/dL。動脈血ガス分析(room air):pH 7.39、PaCO2 50Torr、PaO2 75Torr、HCO3- 29 mEq/L。呼吸機能検査:%VC 68%、FEV1% 54%。患者が持参した上部消化管造影像(別冊No. 12A)と精査のため行った上部消化管内視鏡像(別冊No. 12B)とを別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [110G061]←[国試_110]→[110G063]
[★]
- 86歳の男性。右上腹部痛を主訴に来院した。数日前から食後の右上腹部痛と背部痛とが出現し、次第に増悪してきたため受診した。
- 意識は清明。体温38.2℃。脈拍104/分、整。血圧108/62mmHg。呼吸数18/分。眼球結膜に黄染を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。心窩部に圧痛を認める。肝・脾を触知しない。
- 血液所見:赤血球458万、 Hb12.9g/dl、 Ht42%、白血球16,100、血小板22万。血液生化学所見:総蛋白7.6g/dl、アルブミン3.9g/dl、尿素窒素12mg/dl、クレアチニン0.6mg/dl、総コレステロール246mg/dl、総ビリルビン8.9mg/dl、直接ビリルビン6.2mg/dl、 AST 761IU/l、 ALT 405IU/l、 LD 177IU/l(基準176-353)、 ALP563IU/l(基準115-359)、 γ-GTP231 IU/l(基準8-50)、アミラーゼ2,436IU/l(基準37-160)、 Na136mEq/l、 K4.5mEq/l、 Cl98mEq/l。免疫学所見: CRP18mg/dl。 CEA3.2ng/ml(基準5以下)。腹部単純CT(別冊No. 18A)と十二指腸乳頭部内視鏡写真(別冊No. 18B)とを別に示す。
- 治療として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106A043]←[国試_106]→[106A045]
[★]
- 68歳の男性。皮膚の黄染と食欲不振を主訴に来院した。精査の結果、閉塞性黄疸を合併する膵頭部癌と診断された。身長 168cm、体重 53kg(3か月間で5kgの体重減少)。体温 36.6℃。脈拍 76/分、整。血圧 110/78mmHg。呼吸数 16/分。血液所見:赤血球 398万、Hb 11.9g/dL、Ht 39%、白血球 7,400、血小板 34万。血液生化学所見:総蛋白 6.0g/dL、アルブミン 3.4g/dL、総ビリルビン 2.7mg/dL、AST 56U/L、ALT 48U/L、γ-GTP 76U/L(基準 8~50)、尿素窒素 13mg/dL、クレアチニン 0.4mg/dL、血糖 84mg/dL、HbA1c 6.0%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 194mg/dL、トリグリセリド 78mg/dL、アミラーゼ 96IU/L(基準 37~160)、CEA 7.5ng/mL(基準 5以下)、CA19-9 107U/mL(基準 37以下)。内視鏡的に閉塞部胆管にステントを留置し、黄疸の軽減を待って膵頭十二指腸切除術を施行することとなった。
- この患者の周術期について正しいのはどれか。
- a 術前のサルコペニアは術後の経過に影響しない。
- b 術前1週間の絶飲食が必要である。
- c 術後早期は高血糖を呈しやすい。
- d 術後早期の疼痛緩和は回復を遅延する。
- e 術後1週間以内の経腸栄養は禁忌である。
[正答]
※国試ナビ4※ [113C044]←[国試_113]→[113C046]
[★]
- 69歳の男性。膵腫瘤の増大を指摘されて来院した。4年前の人間ドックで初めて径15mmの膵腫瘤を指摘され、経過観察とされていたが、その後医療機関を受診していなかった。今回、人間ドックで腫瘤の増大を指摘され紹介されて受診した。体温 36.2℃。脈拍 72/分、整。血圧 132/80mmHg。呼吸数 12/分。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知せず、圧痛を認めない。血液所見:赤血球 402万、Hb14.0g/dL、Ht 43%、白血球 6,800、血小板 19万。血液生化学所見:総蛋白 7.0g/dL、アルブミン 4.0g/dL、総ビリルビン 0.8mg/dL、AST 23U/L、ALT 22U/L、ALP 213U/L(基準 115~359)、γ-GTP 17U/L(基準8~50)、アミラーゼ 42U/L(基準 37~160)、血糖 98mg/dL。CRP 0.2mg/dL。腹部造影CT(別冊No. 17A)とMRCP(別冊No. 17B)とを別に示す。腹部造影CTで腫瘤の最大径は35mmである。
- 適切な手術はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111A042]←[国試_111]→[111A044]
[★]
- 52歳の男性。右季肋部痛を主訴に来院した。昨夜、夕食後に右季肋部痛が出現し今朝まで持続している。体温 36.5℃。脈拍 84/分、整。血圧 124/68 mmHg。眼球結膜に黄染を認めない。腹部は平坦で右季肋部に圧痛を認める。反跳痛を認めない。肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球 456万、 Hb 14.5 g/dl、Ht 44%、白血球11,000(桿状核好中球 8%、分葉核好中球 60%、好酸球 2%、リンパ球 30% )、血小板 21万。血液生化学所見:総ビリルビン 2.0 mg/dl、AST 158 IU/l、ALT 145 IU/l、 ALP 580 IU/l(基準 115~359)、 γ-GTP 182 IU/l(基準 8~50)、アミラーゼ 125 IU/l(基準 37~160)。 CRP 3.4 mg/dl。腹部超音波検査で異常を認めたため行った ERCP(別冊No. 9)を別に示す。
- 治療として最も適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108D025]←[国試_108]→[108D027]
[★]
- 67歳の男性。2か月前から持続する心窩部痛と背部痛を主訴に来院した。3か月間で体重が10kg減少している。意識は清明。腹部は平坦で、心窩部に径5cmの固い腫瘤を触知する。血液所見:赤血球 395万、Hb 12.9g/dL、Ht 38%、白血球 8,100。血液生化学所見:総蛋白 6.7g/dL、総ビリルビン 0.7mg/dL、AST 44U/L、ALT 41U/L、ALP 522U/L(基準 115~359)、γ-GTP 164U/L(基準 8~50)、アミラーゼ 51U/L(基準 37~160)、尿素窒素 13mg/dL、クレアチニン 0.8mg/dL。CEA 758ng/mL(基準 5以下)、CA19-9 950U/mL(基準 37以下)。腹部造影CT(別冊No. 32)を別に示す。
- 治療として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [113A071]←[国試_113]→[113A073]
[★]
- 71歳の女性。高血圧症の通院加療中に血液生化学所見の異常を指摘され来院した。腹痛はない。血液所見:赤血球 407万、Hb 13.0gM、Ht 39%、白血球 7,800、血小板 26万。血液生化学所見:アルブミン 3.8g/dl、総ビリルビン 2.2mg/dl、AST 160IU/l、ALT 186IU/l、ALP 1,652IU/l(基準115-359)、アミラーゼ 62IU/l(基準37-160)。免疫学所見: CEA 2.9ng/m/(基準5以下).CA19-9 82U/m/(基準37以下)。上部消化管内視鏡写真(別冊No.4A)と磁気共鳴胆管膵管像(MRCP)(別冊No.4B)とを別に示す。
- この患者で誤っているのはどれか。
- a 動揺性の黄疸を呈する。
- b 膵・胆管合流異常を伴う。
- c 肝内胆管の拡張がみられる。
- d 膵頭十二指腸切除術を行う。
- e 膵体部癌よりも予後は良好である。
[正答]
※国試ナビ4※ [104D021]←[国試_104]→[104D023]
[★]
- 76歳の男性。発熱と右季肋部痛とを主訴に来院した。昨日から右季肋部痛が出現し、今朝まで持続している。体温 38.1℃。血圧 124/86mmHg。眼球結膜に黄染を認める。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。右季肋部に圧痛を認める。血液所見:白血球 17,600。血液生化学所見:総ビリルビン 6.9mg/dL、直接ビリルビン 4.2mg/dL、AST 371U/L、ALT 297U/L、ALP 531U/L(基準 115~359)、γ-GTP 237U/L(基準 8~50)、アミラーゼ 52U/L(基準 37~160)。CRP 16mg/dL。腹部超音波検査で胆嚢壁に異常を認めない。腹部CT(別冊No. 27)を別に示す。
- 適切な対応はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [111D056]←[国試_111]→[111D058]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107I058]←[国試_107]→[107I060]
[★]
- 英
- pancreatic cancer (M), carcinoma of pancreas
- 同
- 膵臓癌
- 関
- 膵腫瘍
[show details]
膵癌 : 約 313,000 件
膵臓癌 : 約 494,000 件
疫学
危険因子
ガイドラインより
- 1. 家族歴 :膵癌,遺伝性膵癌症候群 :13倍
- 2. 合併疾患:糖尿病,慢性膵炎,遺伝性膵炎 :DMでは2.1倍
- 3. 嗜好 :喫煙 :喫煙では2倍
HIM.587
- 喫煙、肥満、非遺伝性の慢性膵炎
- (はっきりしない)環境因子:食事、コーヒー、アルコール飲酒、胃部分切除の既往、胆嚢摘出術、ヘリコバクターピロリ
- 糖尿病との関連が示されたが、原因か結果かは明らかでない。
QB.B-336
生存率
- 死亡数と罹患数はほぼ同数であり、予後が不良である。
- 部位別がんの5年生存率は膵癌が最も低く、7.7%であった(国立がん研究センターがん対策情報センター)
- 生存期間中央値は14.7カ月、切除例で21.0カ月、非切除例では8.2カ月。5年生存率は全症例、切除例がそれぞれ13.0%と18.8%、非切除例の3年生存率は3.1%(2001~2007年の膵癌全症例)。
- 腫瘍径10 mm以下では5年生存率が80.4%、10~20 mmで50.0%、20mmを超えると20%以下となる。
主要な組織型
- 外分泌腫瘍のなかの浸潤性膵管癌が80%以上を占める。
- 多い組織型は以下の通り:
- 腺房細胞
- (腺癌)腺房細胞癌
- 膵管上皮細胞
- (腺癌)膵管内腫瘍・・・膵管癌
- 管状腺癌 → 最も多い
- 乳頭腺癌
- 腺扁平上皮癌
- 粘液癌
- 膵管上皮細胞由来
- (嚢胞腺癌)漿液性嚢胞腺癌
- (嚢胞腺癌)粘液性嚢胞腺癌
- 粘液産生膵癌
発生部位
症状
- 膵癌診断時には無症状のことが多い。
- 腹痛(40%)、黄疸(15%)、食欲不振、腰背痛、全身倦怠感、体重減少
- 腹痛は膵体尾部癌で多い (QB.B-342 SSUR.633) → 黄疸を示さず、切除不能の進行癌となってから上腹部痛や背部痛を訴えるからであろう
- 膵頭部:胆管並びに膵胆管膨大部閉塞→胆汁色素うっ滞、胆嚢拡大、黄疸
- 膵頚、膵体:門脈、下大静脈の閉塞 (N.295)
検査
- 血液検査:腫瘍マーカー:CEA、CA19-9、SLX、DUPAN-2、SPan-1、CA-50。経過観察に用いる。早期発見には役立たない。
- 超音波検査:不均一な低エコー。主膵管拡張、胆管拡張。
- CT:膵管の狭窄、尾部膵管の拡張。単純で不正な低吸収像、造影で造影効果のない腫瘤影。近接臓器、リンパ節、血管への浸潤が分かる。
[show details]
- 膵体部癌
- 十二指腸から離れており、膵頭部癌とは言い難い。
- 超音波内視鏡:
- ERCP
- 動脈造影:腫瘍濃染はみられない。診断、手術適応の決定に用いられる。動脈・静脈に浸潤していれば手術適応はなくなる ← 造影CTで代用できるから今はやられないのでは?
治療
- 治療のmodality:手術療法、化学療法、放射線療法
- 治療法の選択:切除可能例では手術療法、手術不能例で遠隔転移が無い場合は化学療法±放射線療法、遠隔転移がある場合には化学療法を行う。
- 膵頭部癌で黄疸症状のある場合にはPTCDで減黄したのちに手術(QB.B-345)
-
- 膵体尾部癌の根治術では脾合併膵体尾部切除術が行われる(QB.B-345)、らしいが。
- 膵尾部切除術
- 膵全摘術:悪性膵管内乳頭粘液性腫瘍、多発膵島細胞腫瘍などで生存期間の延長が見込める場合。(SSUR.637)
病期分類
- http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~pancreas/pancreas_rule.html
- http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~pathology/templates/pancreas1.html
- http://ncc.ctr-info.com/?action=common_download_main&upload_id=481
- http://www.nsknet.or.jp/~nagasato/pcstage.html
参考
- 1. 日本癌治療学会 - がん診療ガイドライン - 膵癌
- http://www.jsco-cpg.jp/item/11/
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0037/1/0037_G0000244_GL.html
国試
[★]
- 英
- Whipple's operation, Whipple method
- 同
- ホウィップル法、ホウィップル手術 Whipple procedure
- 関
- 膵頭十二指腸切除術
[show details]
膵頭十二指腸切除術の再建法
- SSUR.637
[★]
- 関
- 膵頭十二指腸切除術
[show details]
膵頭十二指腸切除術の再建法
- SSUR.637
[★]
[★]
[★]
- 英
- pylorus preserving pancreatoduodenectomy, pylorus-preserving pancreatoduodenectomy, PpPD, PPPD
- 関
- 膵頭十二指腸切除術、胃排出遅延
- 術後合併症として胃内容物排泄遅延があると言われている。
[★]
- 英
- duodenum (Z)
- 関
- 消化器系、小腸
解剖
first portion
|
上部、球部
|
second portion
|
下行部
|
third portion
|
水平部
|
fourth portion
|
上行部
|
上部
-superior part
KA. 291,311,312
KH. 170
- 5cm, 5cm (KL.350)
- 最初の2cmは可動性があり、十二指腸球部と呼ばれる
血管
下行部 descending part
KA. 297
horizontal part
KA. 297
KH. 170
- 6-8cm, 8cm (KL.351)
- 輪状ヒダがある
ascending part
KH. 170
- 5cm, 5cm (KL.352)
- 輪状ヒダがある
組織
[★]
- 英
-
- 関
- 横切、横切開、横断、横断面、消失、切除術、切除法、切断、摘出、摘出術、摘除、摘除術、離断、アブレーション、切り取る、焼灼、焼灼術
[★]
- 英
- excision, resection
- 同
- 捻除術 exeresis
- 関
- 切除、切除法、摘出、摘出術、摘除、摘除術
[★]
- 英
- surgery
- 関
- 外科、外科学、手術、外科術、外科手術
[★]
- 英
- intestinal resection、enterectomy
- 関
- 腸管切除、腸切除術